2018年07月30日

2018 7月第5週海外GⅠ レース回顧

 今週も海外では色々と注目度の高いレースがありましたのでサラッと振り返っておきましょう。


★キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスS https://www.youtube.com/watch?v=LTmyfqy8EX0

 結局堅い馬場を嫌ってクラックスマンが取り消し、7頭立てとかなり寂しいメンバー構成になったこの一戦は、しかし直線でクリスタルオーシャンとポエッツワード、僚馬での素晴らしい叩き合いとなり、最後の最後にポエッツワードが頭だけ差し切ってGⅠ連勝を決めました。

 レースは3歳馬のロストロポーヴィチが逃げてサルーエンが番手、そのすぐ後ろにクリスタルオーシャンがいて、ポエッツワードは後ろから2頭目でじっくり、という道中でした。
 馬場が良かった部分もあるのでしょうがおそらくペースも決して緩くはなく、実際に勝ち時計の2,25,84はこのレース史上2位の素晴らしいもので、それだけタフな2400mでの持久力勝負で上位2頭が強かった証左でもあるのかな、と思います。
 ちなみに歴代1位がノヴェリストが圧勝で叩き出した2,24,60、これまでの2位がハービンジャーの2,26,78で、奇しくもこの二頭は日本で種牡馬になっているわけですが、まあアスコットの2400mで好時計を出せたからとスピード色が強いわけではない、というのはなんとなく符合するところでしょうか。

 クリスタルオーシャンは今年に入っての競馬が正にステイヤーの本領、という感じではあり、シーザスターズの仔の割には重厚で、このレースでも先頭に立つのが速過ぎるくらい速かったのにそこから相当に粘り込んでいて、レースそのものとしては後ろからマークしつつ脚を残せたポエッツワードの方に噛み合った面は強いとは感じています。
 とはいえポエッツワード自身2400m(正確には2390mになったんでしたっけ、紛らわしいですが)では、ドバイも案外でしたしここまでのハイパフォーマンスを出してくるとは、と驚きで、こういう消耗戦向きの馬なんだな、というのは改めて感じられたところです。
 この2頭は凱旋門賞を狙ってくるかもですが、タイプ的には先行して長く脚を使えるクリスタルオーシャンの方が向いているでしょうね。ポエッツワードしどうしても序盤ポジションを取れないタイプなので、多頭数の競馬にならなかったのもここは風が向いたと言えなくはなさそうです。

 コロネットは9馬身つけられてしまいましたし、上位2頭がこの条件で強かったとはいえ、古馬になって本格化と言ってもまだ一線級ではちょっと足りませんでしたかね。
 そしてロストロポーヴィチも厳しい流れを先導したとはいえ、サルーエンと互角程度ですと、やはりこの世代の2400m路線は微妙かな、と思わせる内容でした。



 かつては稀代の名牝ゴルディゴヴァが4連覇を達成した古馬混合の牝馬限定マイルGⅠ、今年は人気に推されたウィズユーが好位から鋭く抜け出して圧勝しました。

 馬場は稍重発表で、実際画像を見ていても踏みしめたところから土の塊がボコボコ飛んでいてパワーを要しそうな雰囲気でしたし、その中で1,36,52という時計はまずまず優秀なのではないでしょうか。
 ラップも最初の3Fが38,11(12,70)とかなりスローに入ってから、23,24(11,62)-11,58-11,65-11,94=1,36,52と、仕掛けの早いスローロンスパの形で長く11秒半ばの脚を連続して求められており、その流れにしっかり乗っていきつつもラストまで11秒台ギリギリでまとめてきているのはかなりの持続性能だったなと思います。

 ウィズユー自身は超スローのサンタラリ賞でローレンスのハナ差2着、その後ややハイペースのフランスオークスで僅差の5着と、長めの距離で活躍してきたので、ここでマイルがどうかという所でしたが、むしろ追走に余裕がある分だけ後半の破壊力を増してきて、しっかり後続を突き離していますしこれは楽しみなパフォーマンスでした。
 流石にインパクトとしてアルファセントーリのレースぶりには及びませんが、どこかでこの2頭の対決は見てみたいなと思わせる内容でしたね。



 アメリカ三歳路線はこのあたりから、三冠レースに間に合わなかった遅れてきた大器が良く出てくるイメージですが、今年の当レースは目だった新星はおらず、既存勢力の元々のパワーバランスがそのまま出た結果となり、まあポストジャスティファイのレースとしてもそこまで迫力はなかったかな、というイメージではあります。

 外目の枠からスッと2番手につけたグッドマジックが、3~4コーナー中間で早くも先頭に立って推し切った強い内容で、それはやはり、プリークネスSで結果的に4着まで落ちたものの、一番ジャスティファイを苦しめたレースをしてみせた馬だな、というところではあります。
 2着がそのプリークネスSで漁夫の利差し2着のブラヴァゾ、3着もプリークネスS5着の馬ですから、まともならこの辺りには負けないという所を見せたのですが、ただ徒刑面ではやや微妙です。

 ラップが23,15-23,68-24,40-25,73-13,05=1,50,01ですからかなり強烈な前傾戦ではあり、上がり3Fで38,8も要していますから、これを差せない後続が弱い、とは考えられます。
 また当レースの縦の比較で見ましても、流石に馬場状態の差までは把握し切れませんが、純粋に時計的にこの勝ちタイムは21世紀以降でワースト2位ですから、どうしても純粋に3歳世代が強くはないんじゃないか?という風評を否定出来る材料にはならないなぁと思います。

 近年でここを勝って、その後ブリーダーズカップクラシックを3歳で制したバイエルンとアメリカンファラオは、ともに1分47秒台後半で子のレースを完勝してきていますし、そのあたりを踏まえても同世代相手までならともかく、混合戦になってどこまでやれるかはこのレースからですとあまり期待値を高くは持てないのかもしれませんね。


posted by clover at 19:40| Comment(0) | レース回顧・海外競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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