2018年06月14日

2018 6月第2週新馬戦 レース回顧

 クラシックまでゆったりしたローテーションで結果を出している馬が増えてきた中で、この夏前の中央開催新馬は素質馬がぞろぞろと出てくるので見ていてワクワクしますし、先週も中々に面白いレースが多かったのでしっかり振り返っておきましょう。


★6/9(土) 東京5R 芝1400m戦

 ここは先週の新馬戦の中で唯一の波乱決着となり、10番人気のスクリーンヒーロー産駒・レノーアが直線外から鋭く脚を伸ばして差し切り勝ちを収めました。

 土曜の馬場は当然かなり軽く超に近い高速状態でした。
 その中で好スタートを決めたのはレノーアとグラナタスでしたが、外から来る馬に譲っている内に徐々にポジションが悪くなり、また序盤超スローの流れの中でフェルシュテルケンあたりが出負けを取り戻すべく早捲りを仕掛けたりと、新馬にしては出入りの激しいレースになりましたね。
 ラップが37,9(12,63)-11,9-33,9(11,30)=1,23,7(11,96)という推移で、とにかくテンの3Fが新馬にしても破格に遅く、ただフェルシュテルケンが動いたことで中盤からはそこそこ流れて4F戦気味、二段階加速からの持続力特化戦というイメージでいいと思います。
 後半が11,9-11,2-11,1-11,6なので、加速性能そのものは極端には問われていませんし、ある程度の瞬発力の質と持続力を併せ持った馬が上位に台頭したと言えるでしょう。

 勝ったレノーアはスタートは一番いいくらいでしたが、スローの流れの中で外からどんどん前に出られて最終的には4列目くらいまで下げる窮屈な競馬を強いられ、そこからしっかり直線外に出して届かせたのですから中々強い競馬ではあったと思います。
 ラップ的にもラスト1Fで2馬身半は確実に詰めてきていますので、推移としては11,1-11,0-11,1くらい、スパっと切れたわけではないですが、この超後傾バランスの中で高い持続力を見せてきており、スクリーンヒーロー産駒の強いタイプに良く見られる傾向を保持しているのかな、と感じさせましたね。
 少なくともコーナーで外目に持ち出すロスはあったはずですし、総合的に見て人気はともかく、この相手の中での後半勝負では一番強かったのは間違いなく、全体時計は地味ですがこれは面白い馬だと思います。

 スタートは上手だったのでもう少し流れてもポジショニング面で不安は少なく、折り合いもちゃんとついていたので距離延長にも適応できそうで、持続力がしっかりあるので新潟2歳Sなんかはかなり合いそうですね。とりあえず牝馬戦線で、先々週のグランアレグリアほどのインパクトはないにしても、そこそこ活躍できる手応えを感じさせる立派な走りでした。

 2着のエフティイーリスもやや要所の反応が鈍い感じでしたが、追えば追うだけきちんと伸びるところはいかにもルーラーシップの仔で、こちらはより距離延長で良さが出そうな感触はあります。
 この日はスローペースにも助けられてポジションはそこそこ取れましたが、この距離で流れてしまうと忙しいはずなので、次はマイルから1800mで見たいですかね。関東馬なので新潟マイルか1800m、或いは中京1600mでもいいかもしれません。こちらも勝ち馬には見劣るものの、ラストの持続力は中々のものがありますので、順当に勝ち上がっていけるレベルの素材だと思います。

 3着フェルシュテルケンは出遅れが痛かったですし、遅い地点で外から捲っていく判断は悪くなかったですが、流石に他の馬より長く脚を使っている分ラストは息切れしてしまいましたね。
 スタートが改善すれば当然もっとやれそうですし、道中の操縦性などはかなりいいものがありそうで、要所の反応の鋭さも含めて素質は感じるレースぶりでした。

 4着グラナタスも悪くないですが、人気の割にインパクトはなかったというか、一番スムーズな競馬が出来たイメージながらイマイチだったかな、とは感じます。
 こちらは少し要所の反応でもたもたしていた感じもありますし、ペースバランスが噛み合わなかったイメージはありますね。ロードカナロア産駒なので後傾バランスが悪いことはないのでしょうが、極端に特化的になるよりはもう少しバランスの取れたレースで良さが出るタイプかもしれません。
 距離延長もそんなに不安はないですが、勝ち切れるかは相手と伸びしろ次第かな、と思います。


★6/9(土) 阪神5R 芝1200m

 ここは期待の新種牡馬、ジャスタウェイ産駒のアウィルアウェイが大きな出遅れもなんのその、馬群の大外から豪快に突き抜けて素質の違いを誇示しました。

 馬場は高速馬場で、ラップが35,8-34,3=1,10,1はかなり平凡、レース的にも前に行った馬がそのまま残る形ではありましたので、一際勝ち馬のレベルの違いが鮮明になったレースではあったと言えます。
 後半は11,4-11,3-11,8ですので一応コーナーで外を回す不利も少しはあったでしょうが、それ以上にスローの流れだったので、後半スムーズに走れた馬が力を発揮した感もありますかね。

 ともあれここはアウィルアウェイが強かったの一言に尽きますね。
 スタートで3馬身は出負け、そこからの二の足も鈍く、ミルコJが新馬なのに珍しく数発で鞭を奮って促すくらいで、このあたりはいかにも背腰に緩さが付き纏うハーツクライからの血統的イメージを感じさせます。
 ただある程度勢いがついてからの持続性能もやはりその血統の為せる業か、残り600mまでに中団外に取りつくと、そこからもほぼ馬なりでスーッと大外を進出、4頭分くらいのロスがありつつその脚色は断然で、残り200mで前を飲み込むと最後は流す余裕を見せての完勝でした。

 この馬は11,1-11,1-11,8くらいの上がりのはずで、そこまでのリカバーでも脚を使っていたことを思えばかなり高い持続力を見せていると思いますし、ただ明らかに1200mは短いですね。翌日の1600mにいかなかったのはミルコJの手綱が空いていなかったから、なんて話もあったように、本質的にはマイル以上で良さが出るタイプに思えます。
 この馬だけ別次元の競馬をしているとはいえ、レースレベルが低かったのは間違いないので、次にどこに出てくるか、距離延長させてくるのは間違いないと思いますが、スタートセンス含めて色々改善が見られれば高いレベルでもやれる素質はある馬かな、と感じました。

 2着以下は流石にあまり評価は出来ませんが、強いて言えば2着馬はポケットから中々追い出すスペースがなく、ラスト1Fだけの競馬で食い込んでいますので、1200m向きのレースセンスと言い反応の良さと言い、スムーズなら1200mの未勝利では勝ってくるのではないかと感じましたね。


★6/10(日) 東京5R 芝1800m

 こちらは人気のブラックタイド産駒・アガラスが、好位追走からノーステッキで楽々抜け出し完勝しました。
 日曜は午後から本格的に雨でしたが、この時点ではほぼ影響はなく良馬場で、新馬らしい38,0-38,9-34,3=1,51,2という超スローから好位を上手く立ち回った馬が上位に来ています。
 後半13,0-11,6-11,4-11,3と尻上がりの加速ラップで、特にコーナー出口での加速度が高いので、結果的にイン差しが台頭する結果になったのもここの立ち回りの差はあったのかな、というイメージですし、瞬発力の質という意味ではもう一段欲しいところでしたが、それでも勝ち馬がラスト1F最速に持ち込んでいるのは見どころがある競馬でした。

 アガラスはスタートも良くしっかり好位のインで折り合えて、直線逃げたダノンシティが外を回してくれた分スペース確保も簡単にその内を選択、直線序盤で軽く促すだけでスッと反応して鋭く伸び、雄大なフットワークで直線最後までラップを落とさずに突き抜けたのは中々に大物感はある走りでしたね。
 勿論ペースや加速地点での立ち回りで恵まれたところは多いですが、レースセンスはかなりいいですし距離が伸びてもやれそうで楽しみです。

 2着以降はインを通した馬が多いので、次にすぐ直結するスケール感を感じさせる走りではなかったですかね。


★6/10(日) 阪神5R 芝1600m

 ここはロードカナロア産駒の評判馬、エピファネイアやリオンディーズの半弟となるサートゥルナーリアが登場に、噂に違わぬセンスの良さと脚力を見せて楽勝しました。

 阪神はあまり雨の影響を受けなかったので、前日ほどではないけれどまだまだ高速馬場で、その中でサートゥルナーリアは一番いいスタートからフラットに進めて、道中外の馬に前を譲って好位のインからの競馬になります。
 ラップが36,9-25,8-34,3=1,37,2と新馬らしいスローな序盤に強烈な中緩み、後半12,8-12,0-11,1-11,4とかなり高い加速度を求められるレースになっています。全体時計も上がり時計自体も微妙ではありますが、それは下り坂地点で全然ラップが上がっていない事も関係しているでしょう。

 ともあれそういうレースの中で、サートゥルナーリアはハナに立つ勢いでスタートを決めつつ、きちんと外の馬に釣られずに下げられる操縦性の良さを見せましたし、それで折り合いを欠くこともなく、このあたりは血統イメージからは意外で、流石にロードカナロア産駒というところでしょうか。
 ただそうこうしている内に他の馬に包まれ気味になり、直線少し進路取りに苦慮するところもあったのですが、しかし前が空いたらスパッと抜けてきた一瞬の反応はいかにもこの血統らしい鋭さで、最後は完全に抑えてのゴールと、全く底を見せずに楽々勝ち切りました。
 多分ラップ的には11,9-10,8-11,4くらいのラストで、下り坂の勢いを上手く利用できなかった中でも直線10秒台まで楽に引き上げてくる加速性能と切れ味の質の良さは流石の一言ですね。

 無論素材的により底力が求められる中でどうか、血統的に距離がどこまで持つのかなど未知の部分は大きいですが、馬格もあり間違いなく当たりのシーザリオ産駒だとは思うので、次は札幌2歳S目標のようですが本当に楽しみですね。


posted by clover at 18:02| Comment(2) | レース回顧・中央競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
やはりデムルメに良い馬は回っていますねぇ。

日曜の2頭は、タイムは平凡でもどちらも全く底が見えていませんから、今後が楽しみです。

でも、一番強かったのはアウィルアウェイですかね~。終始大外回して最後かなり長く
流して、上がり5F56.5切っているのではないかというのはかなりのインパクトでしたね。
距離延びて良いのは間違いないし、どれだけパフォーマンス上げてくるかな?という
期待感が高いですねぇ
Posted by I.C.スタッド at 2018年06月16日 23:24
>I.C.スタッド様

 いつもコメントありがとうございますー。

 相手関係がどうだったかは今後の注目として、着差はともかくイメージとしてフジキセキの新馬戦を思い出した位なので、破格の走りだったのは間違いないんですよね。
 ただあのスタートの悪さというか腰の甘さは、如何にもハーツ血統らしい奥手感満載ですし、それこそ3歳の内はジャスタウェイみたいな、追い込むも勝ち切れない、タイプの馬になる可能性も高そうですよね。
Posted by clover at 2018年06月17日 16:15
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