2018年05月31日

2018 5月第4週海外GⅠ レース回顧

 欧州に北米もクラシックシーズン酣で、また古馬の大レースも沢山組まれるようになってきましたので、観戦がとても楽しみな季節です。
 今週末のエプソム2400m戦ふたつは今から本当に楽しみですし、来週は三冠の掛かるベルモントSもありますし、こちらの大レースは今週で一旦打ち止めにもなるので、夏の間はしっかり海外ウォッチャーレベルをあげていきたいところです。


★ゴールドカップアットサンタアニタS https://www.youtube.com/watch?v=CifMJXStVkw

 アメリカ古馬の中距離路線の大レースのひとつであるゴールドカップは、アクセラレートがポケットから楽に前を捕まえて差し切り、2000mでは改めての強さを見せつけましたね。
 このレースでは外の馬が速くポケットからの競馬でしたが、スムーズに流れに乗って追走、4コーナーで外に出す時にやや膨らみすぎたものの、それも勢いがある証左であっという間に抜き去る強さを見せました。
 ペース的にもアメリカらしい淀みのないハイペースで、時計もまずまず優秀ですから、さしあたってBCクラシックに向けての2000m路線の中では、ウェストコーストやコレクテッドと並んで古馬の三指には入ってくる存在だなと感じさせましたね。

 人気は1400m路線で台頭してきた3着のシティーオブライトの方があったようですが、4角馬なりで並びかけつつ逃げ馬も捕まえられなかった内容からしても、やはりマイルくらいまでがベターな印象は強いですね。


★愛2000ギニー https://www.youtube.com/watch?v=Vhqg2bqk5vs

 例年アイルランドの世代戦は、イギリスのそれ以上にクールモアの牙城が高いのですが、今年は両ギニー共にクールモア陣営が取りこぼす意外な結果になり、どちらも伏兵の勝利となって中々面白かったですね。

 このレースでは、去年のデューハーストSの勝ち馬であるユーエスネイビーフラッグがじわっとハナを切り、道中は馬場のいい外目を通しつつ終始セーフティリードを保っている感じでしたが、残り200mで馬群から鋭く抜け出したローマナイズドが一頭別格の脚で差し切ってみせました。
 ユーエスネイビーフラッグのレースは大抵そこそこのペースで逃げて後続の脚を削ぐイメージではあり、正確なラップはわからないのでなんともですが、実際にこの馬についていった馬は伸び悩むところを、一頭だけ自分のリズムで競馬をしたら追走面などで噛み合った、というイメージがするレースでしたし、フォーリーJは最近短期免許で来られるだけの成績を残していないようではありますが、しっかり存在感を見せてきましたね。

 オブライエン勢は2~4着と流石の占有率でしたが、今年の3歳勢は今のところサクソンウォリアー以外では突出した馬がいないイメージですねぇ。


★愛1000ギニー https://www.youtube.com/watch?v=DM__hgOSyz4

 こちらは英1000ギニー3着、2歳時は牡馬混合のマイルGⅠを制しているハッピリーが圧倒的人気でしたが、勝ったのは伏兵のアルファケンタウリで、ハッピリーは同厩舎で仏1000ギニーでは逃げて8着、ここではペースメーカーだったはずのクドイットビーラヴすら捕まえ切れずの3着に留まりました。
 馬場状態がどうかは2000ギニーの一日後なのでなんともですが、時計はこちらの方が優秀ですし、少なくとも逃げた馬のペースはハロン棒通過から見ると平均くらいは出ている筈ですので、素直にこの馬場とペースでの力が測られた印象はあります。

 アルファケンタウリはモイグレアスタッドSではハッピリーに完敗でしたが、一冬超えての成長力と距離延長がプラスに出た感は大きいですね。
 最後追い出してから外に外に寄れる癖は気になりますが、能力的には中々のものがあったかなと思いますし、一瞬の反応の良さが武器になりそうです。

 クドイットビーラヴにしても、前走はややコーナーで緩め過ぎて切れ負けした感があったのを、ペースメーカーという気楽な立場で淡々と平均で刻んだことで持ち味を伸ばしてきたかな、というイメージですね。
 ハッピリーは英1000ギニーの負け方もそうですが、要所での反応の鈍さが2歳時に比べて顕著に目立っていますし、巨利を伸ばした方が良さそうな気はしています。


★タタソールズゴールドカップ https://www.youtube.com/watch?v=nWl2uWpF2g8

 こちらはロッキンジS3着からの連闘、はじめて2000m以上の距離に使ってきたランカスターボンバーが、かなり速めのペースを淡々と刻んで、勝負所で迫ってくる人気のデフォーとクリフスモアオハーを競り落として逃げ切り勝ちを収めました。

 見た目にもかなり縦長になっていて、ハロン棒通過の目測でもそこそこペースは速そうでしたが、ラストは12-12-13くらいのラップで消耗しつつ、後ろの馬に脚を使わせた格好かな、と思います。
 連闘でこれだけのパフォーマンスを出してくるのがいかにも欧州、オブライエン厩舎の馬という感じですし、マイペースで先手を取りやすい2000m路線の方が今は適性があるのかもしれませんね。マイルですとややスピード負けする印象でしたし、このあたりの切り替えの速さは流石だと思います。

 クリフスは相変わらず英ダービーからGⅠでは勝ち切れない競馬が続きますし、デフォーも連勝の勢いはあれど2400m路線の方がいいのかな、という感じで、アスコット開催の2400mのGⅡを使ってキングジョージ路線がベスト、というイメージですね。



 仏オークスの前哨戦にもなるサンタラリ賞は、英1000ギニー2着のローレンスが好位からしぶとく粘り込んで勝ち切りました。
 馬場はほぼ良馬場発表ですが、流石にこの時期の牝馬の長い距離と言う事で超スローペース、ハーフで68,6-59,8くらいのバランスですし、仕掛けも遅くてラストが12,0-11,0-11,7くらい、ロンシャンのオープンストレッチが出来てからこの2F切れ味勝負の度合いは強くなっている感はあるのですが、それでも結構ラストは落としているのでレベル的には?でしょうか。

 ただローレンス自身は本当に堅実な馬で、2歳時のフィリーズマイルでもセプテンバーに競り勝ち、前走もマークする相手を間違えた感のある2着でしたから、距離延長でも順当に結果を出してきたのは評価していいと思います。このまま仏オークスを目指すのでしょうかね?



 去年まではシャンティイの1800mで開催されていましたが、やはりこのロンシャンでの1850mという微妙な距離が、エルコンドルパサー時代よりの海外ウオッチャーとしてはしっくりくるのがなんともですね(笑)。

 レースは最後方を進んだレコレトスが、コーナーワークとオープンストレッチを最大限に生かしたスムーズな競馬で突き抜け初のGⅠ制覇となりました。
 ペース的には最初の850mが53,53で、そこからの2Fが23,4とかなり速く、ラストは12,4-11,5-12,0くらいで、12,4地点では逃げ馬が失速してきていますので、大枠で見れば残り5Fからのスローロンスパでいいでしょう。
 レコレトスはここまで仏ダービー3着、英チャンピオンS4着と大レースでは勝ち切れない馬でしたが、ここは相手も骨っぽいのが去年のムーランドロンシャン賞2着のターレーフ位しかいませんでしたし、相手や展開、絶妙の騎乗にも恵まれての勝利ではあったかなと思います。
 レースレベル自体もそこまでではないと思うので、2000m路線で強い相手と戦ったらまだ善戦マンの域を出ないかな、とは思いますが、この堅実さは武器になるかなとは感じます。


posted by clover at 19:57| Comment(4) | レース回顧・海外競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント

毎度!
個人的に敬愛して止まない(過去のドラック前科があっても)
フランキーと、
クラックスマンによるエプソム競馬場コロネーションC。

動画で眺めたんですが、厳しいレースでしたね。
ちょっと出負けから、
ずっと道中が反応イマイチ感なのは?
距離なんですかね?
クラックスマンは?10ハロンの方が良いのか?
しかし、
直線入り口から、
後方ポジションでは届かずか?と思っていたら、
内の進路を大外に変え出して逃げのサルーエンを捕まえる差しにはナイスファイトとなって見応えありました。

最終の直線勝負は新潟千直レース宜しくな、
外ラチ勝負だったのでボスである各厩舎の師による指示が各々のジョッキーへとガッツリだったんですかね。
終い直線は外ラチ勝負や!と。

それと、
30m登って40m下って再び10m登ってのエプソム競馬場。
坂路がノーザンファーム天栄の坂路調教か?オイ!とツッコミを入れたくなるコース形態なので。
少数頭レースでスロー展開でもキツい上に、
切れ脚勝負とかアカンやろ!とw

もし今後も?日本の競走馬を世界へ挑戦との目標を継続ならば?

府中も仁川も淀も改装工事して、
欧州対応コース形態で若駒クラシック開催するが最善と思って仕方ありません。

兎にも角にも、
秋の凱旋門賞が今から楽しみですね。



Posted by ギャロップ at 2018年06月02日 15:48
>ギャロップ様

 いつもコメントありがとうございますー。

 来週回顧記事出すつもりですが、クラックスマン強かったですね。
 個人的には馬場の影響の方が大きいかな、と思わせる行きっぷりの悪さでしたし、距離も2400mがベストではないのは確かですが、それでも一度届かない、と思わせてからの底力の発揮は流石の欧州馬らしい脚力ですね。

 この日はオークスもみんな外ラチに出していますから、内の馬場は余程走りにくかったのでしょう。
 ただ明日は仮柵が取られて馬場も乾いてきますから、また違った様相になりそうですね。

 結局先天的な才能以上に、後天的なトレーニングで身につく資質はあると思うんですよねぇ。
 それを明日のサクソンウォリアーが証明できるか、という話にはなりますけれど、欧州仕様にするとしてももはや競馬場だけでなく、育成面からそうしないと、って事にはなりますし、どうしたって現実的ではないでしょう。
 やはり本気で勝ちに行くならエルコンドルパサー以来の長期滞在を視野に入れないといけないんでしょうね。
Posted by clover at 2018年06月02日 17:55
毎度!
コロネーションCをはじめとした英国ダービー含めた、
回想録楽しみにしています。

やはり、
エルコンドルパサーみたいに長期滞在でのアジャストが最善ですか!

そして、
BSのNHKにて放送されていた不定期番組であった。
世界の競馬は復帰してほしいところです。
あれを観るとカルチャーショックの大海原に誘われて世界は凄いと、
いつかは日本競走馬による栄冠をとの思いが溢れるばかりです。

ただ、
米国ダート馬はアカンですわ異次元過ぎますわw

Posted by ギャロップ at 2018年06月03日 09:34
>ギャロップ様

 確かに世界の競馬はいい番組でしたけど、今は世界中の情報がリアルタイムで手に出来て、あまつさえ映像すら普通に見られる時代ではありますからね。
 ああいう番組を作るなら色々特殊な掘り下げも必要になってくると思いますし、合田さんという元テレビ屋さんあっての番組、という側面も強かったですから、中々難しいとは感じます。

 仰る通り、日本ばかりがガラパゴスと言われますけど、ぶっちゃけ余程アメリカの方が、ですよね。。。
 むしろそのアメリカで三冠皆勤して、尻上がりに結果を残したラニの特異性ですよ。
 とはいえ競馬は競馬、あちらも来週は三冠の掛かったベルモントSですし非常に楽しみです。サクソンウォリアーは残念でしたが…………。
Posted by clover at 2018年06月03日 16:04
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