2018年05月28日

2018 目黒記念 レース回顧

 一日遅れになってしまって申し訳なかったですが、前走の脅威的な時計での逃げ切りから一転、インで我慢して最後に鋭く伸び、父親のカンパニーを彷彿とさせる晩成の血を爆発させてウインテンダネスが勝ち切った目黒記念の回顧を進めていきましょう。


 馬場は説明不要の超高速状態のままで、乾いていた分内は砂煙が上がる状況でしたけれど、それでも他のレースを見ていても不思議なくらいインしか伸びない馬場でしたね。特に直線よりも、3~4コーナーで外を回した影響が大きかったように感じますし、このレースもそういうバイアスを顕著に反映した結果にはなっていると思います。

 レース展開はまずヴォージュが積極的に出していってハナ、それをパフォーマプロミスとソールインパクトが外から追いかけていきますが、もっと外のリッジマンが強気に出していって番手まで進出します。
 内からはノーブルマーズが積極的にポケットへ、ウインテンダネスは前走があるので内田Jとしてもあわよくば逃げたい、とは思っていたでしょうが、やはりこの相手ですと出足で見劣って3列目のインで折り合いをつける形、セーヴィントも出足はあまり良くなくその後ろ、中団のインになりました。
 外からはコーナーでペースが落ちたところでポポカテペトルがスーッと上げていって先頭列、やや立ち遅れたハッピーモーメントも挽回していって、サウンズオブアースにチェスナットコートは中団やや後ろ、フェイムゲームは後方3番手、ホウオウドリームは最内ながらこの馬の競馬に徹する形でインベタポツン、離れた最後方でレースを進めていきました。

 ラップは42,9(12,26)-36,4(12,13)-35,9(11,97)-34,5(11,50)=2,29,7(11,98)という推移になりました。
 ブロック別で見ても徐々にペースが上がっていくステイヤー的な競馬で、前半900mが55,3、残りの1600mが1,34,4という推移ですので、序盤だけゆったり入って向こう正面手前からほぼペースが落ちないロンスパ戦、けれどより後半4Fでペースが上がり、直線で二段階目の加速も問われる高速馬場らしい結果だったと思います。
 ポポカテペトルが押し上げていったスタートして1000m前後の地点からは一番遅いラップで12,1ですので、一度確定してしまったポジションを道中で覆すのは至難、という流れですし、息が入らない淡々としたペースである分だけ、外を回すロスは細かにでもレース全体で蓄積されていったのかな、と感じます。
 馬場の影響もあったとはいえ本当に外差し勢がなにもなく、後半要素としては瞬発力よりも持久力寄りの馬が来ている感じですので、血統などから来るスタミナ面と、そして序盤のポジショニングの比重がかなり高いレースではあったと考えます。

 勝ったウインテンダネスは、出し切れた時のマックスの能力はここでも足りると思っていたのですが、流石に前走は逃げの形が嵌り過ぎて、ここはまずハナは切れないと思っていましたし、馬群に包まれる形で同じようなパフォーマンスを発揮できるかは信じられませんでした。
 ですが結果的にはこの馬は、ポジションよりあくまでも流れ一つなんだな、という感じで、騎手コメントにもあったようにかなり折り合いには苦慮したようですが、それでも前走と似通った、大きく見れば8Fロンスパに近い流れの中で最後までしぶとく脚を維持してきたあたり、完全にこの距離とステイヤー型の競馬で素質が開花した、と考えていいのでしょう。

 逃げられないにしてももう一列前には入りたかったでしょうが、ノーブルマーズがかなり出足良くポケットを取られてしまったので3列目、というのは、よこのポジショニングとしてはともかく縦ではやや苦しいか、とも思ったのですが、直線でも進路確保に手間取りつつ、ラスト1Fで馬群をこじ開けるように伸びてくる余力があったわけで、この持久力の性能はちょっと底知れないですね。
 この馬の面白いところは、過去に瞬発力・持続力特化戦でもそれなりの結果が出せている所で、勿論齢を重ねて持久力寄りにシフトしてきた感はあるのかもですが、それでも長距離路線でならポジションもまずまず取れる、そこからどんな流れになっても一定対応出来るという意味で、今後注目の一頭になると思います。

 他のレースからしても瞬時の加速だけは苦手っぽいので、出来ればそれをフォローできる外枠向きとは思いますが、今日みたいに長く脚を使うパターンならその弱点は糊塗出来るわけで、府中2500mの舞台はベストに近そうです。
 阪神大賞典なんかもかなり強そうですし、逆に2400mですと高いレベルでは前半要素が足りないと思うので、ステイヤー的な競馬を磨きつつ、有馬記念辺りで向こう正面で自分から動いていくような逃げが打てればかなりやれるんじゃないか、と感じますね。

 2着のノーブルマーズも、地道に力をつけてきている印象ですね。
 この並びですんなり2列目ポケットが取れるとは思っておらず、多分そこにセーヴィントかウインテンダネスが入ってきてその後ろ、という想定でしたので、そうなると後半決め手がないこの馬で圏内までは苦しいかな?と甘く見てしまいましたが、馬場を踏まえての積極策に、直線でも狭い所を割ってくる根性を見せて、これはいい競馬だったと素直に思います。
 無論ポジションて恵まれましたし、この馬もこういう持久力戦で良さが出るタイプなので、その意味でも一列後ろに押し込めたウインテンダネスに完敗、という時点で底は見せてしまっていますかね。ただ今後も安定した先行力で、この路線では息長く活躍してくれるイメージは持てますし、高倉Jと地味目コンビですが頑張って欲しいです。

 3着パフォーマプロミスに関しては、うーん最近のミルコJはイマイチだなぁ、と、ダービーのキタノコマンドールでも思いましたけどここもちょっと甘いですよね。
 ぶっちゃけあれだけいいスタート決めたなら、リッジマンの押し上げを許さずこの馬が番手で支配するべきだったと思いますし、後半要素としてもスパッと切れる脚はない以上前につけておくに越したことはないはずなんですよねぇ。ましてこの馬場ですし。
 けど結局そこで引いて壁を作る形になり、すると更に外からポポカテペトルとハッピーモーメントが押し上げてきて包まれる形になってしまって、一応直線でスムーズに進路確保は出来ていたものの、そのラインを取り切るまでに少し前に出し抜かれた面もあって、最後足りなかったのもそこがポイントなんだろうとは思います。

 少なくともリッジマンの位置に入っていれば勝ち負け出来ていたはずで、その意味で勿体無い競馬でしたが、まあ休み明けでこれだけ走れた事は今後に向けてはプラスなのは確かですね。
 この馬も古式ゆかしいステイヤータイプではあると思いますし、この流れが向いたのは間違いないので、今後はもう少し前半を問われても戦えるようなら上のクラスでも、と思うのですけどね。

 4着ポポカテペトルは、色んな意味で川田Jの意地は感じた騎乗でしたかね。
 リッジマンが前に行ってくれたことで導線が出来たのはあったでしょうが、しっかりコーナーで前が緩めたところでフラットに押し上げていけたのは見事な判断だったと思いますし、馬の特性を理解した上での絶妙なタイミングでもあったと思います。ダービーでは動くに動けないポジションにおいやられてしまった鬱憤を晴らすような立ち回りでした。
 ただ結局それでもずっと2頭分外を回す事になっているのは確かですし、直線でもそれこそダービーのコズミックフォースやワグネリアン並みに強気に仕掛けて惰性で粘らせよう、という意図は感じたのですが、ここでは内のリッジマンが早々に甘くなったことで好位グループの進路確保がダービーに比べれば容易かったですし、結果的に早仕掛けとロスの分だけ最後甘くなってしまったのかなと感じます。

 まあ厩舎と馬主的に見れば、ここまで勝ってしまってはやり過ぎ、という感もあったわけですし、現状正攻法で捻じ伏せられるだけの力はまだなかった、というイメージでいいですかね。
 この馬の場合はもう少し瞬発力勝負にシフトしてもやれる算段は付いていますし、今後2400m前後の重賞戦線では目が離せない一頭になってくると思います。

 5着ソールインパクトにしても、やっぱり理想的にはもっと前に入るべき、リッジマンに対して抵抗すべきだったとは思いますね。まあ福永Jとしては今日の胆力はダービーで使い切りました、ってところだったのかもしれませんが。。。
 勿論福永Jらしくスタートはきっちり決めて、好位を取る意識はあったのですが、それは常識的な範囲で、遮二無二ここまでの位置を取る!という程ではなかったのは確かですね。
 馬のタイプ的にももうちょっと内枠が良かったですし、けれど極端な外ではない、という中での立ち回りの難しさを、ダービーとセットで見た時に感じさせる内容で、この馬としてはスローロンスパは悪くはないにしても、あの位置から差し切れる決め手があるならこんな善戦マンの成績表になってないわけですし。

 6着ゼーヴィントは、まあ厩舎作戦力のない戸崎Jだからねぇ…………と言ってしまうと身も蓋もないですが、相変わらずインからは捌けないなぁと。
 ただ馬自身にも誤算はありまして、もう少し出足でいいポジションが取れると思っていたのですが、予想外に後ろからになってしまいました。
 この感じですと坂スタートが苦手なタイプなのかな?とも思いましたし、日経賞と比較しても全然行き脚が違うので、最後届かなかったのはそのポジション差の分とは言えます。
 無論直線の捌きも下手でしたけどね。インを突こうとして諦め、外に出そうとして出し切れず、最後は間を割ろうとしてもウインに先に入られて手綱を絞りですから、スムーズなら圏内はあってもと言えましたし、このペースで脚を残せた以上素材としてもステイヤー型の競馬でも対応出来る感じで、この馬は見た目以上に強いとは思っています。

 チェスナットコートやフェイムゲームは、本来ラスト1Fで高い持続力を見せて食い込んでくるタイプなのに、そういう面が全く見せられなかった、という意味でダービー外差し勢と一緒であり、ここはやはり馬場に起因するところが大きいのかなぁと感じます。
 特にチェスナットコートはまだ若い馬で、天皇賞の反動もあったかもですし絶対に走ってくる馬だとは思うので、この負け方はあまり気にし過ぎないようにはしようと思っています。ただ秋はオーストラリア遠征するらしいので、楽しみである反面成長が阻害されなければいいな、とも思いますが。



posted by clover at 18:29| Comment(0) | レース回顧・中央競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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