2018年05月14日

2018 オークス プレビュー

★はじめに

 驚愕の桜花賞からはや一月半、今年も三歳牝馬二冠目のオークスの週がやってまいりました。
 今年は例年以上に阪神JF組の牙城が高いか、と思われていた中でのアーモンドアイの登場で、益々高いレベルとなった感のある牝馬戦線、ここも正直個人的には春のGⅠで一番荒れる不安が少ないのではないか、とは思っていますが、その中でも面白い馬がいないか、しっかり探っていきたいと思います。


★レース傾向分析

 例によって去年の記事は引き合いに出しておきます。


 これに加えて、去年は高速馬場の割にテンの入りが遅く、馬群が凝縮する形からの後半のロンスパ勝負と、ややレース傾向からすると例外的な推移になりました。
 ただ基本飛ばしていく馬がいて、後続はそれを追いかけずじっくりと、というのが定番ですので、去年の場合そういうテレビ馬(もはや死語ですかねぇ。。。)がいなかっただけとも考えられます。
 府中の形態的にも、初距離同士の牝馬戦という視座でも、基本的に向こう正面から動いてという競馬はしにくいですし、概ねは3F勝負、坂地点最速になりやすいわけで、実際のところイメージ以上に総合力がある馬が有利な舞台です。桜花賞の方が問答無用で素材の違いで勝ち切れる舞台、という区別はつけておくべきだろうと思います。

 あとまた今週末は雨予報も出ていますし、そのあたりも踏まえると精神面での強さもかなり問われそうですね。


★有力馬所感

・アーモンドアイ

 前走の勝ち方はまさしく素材の違いそのもの、ではありました。
 ラップ的に見ても自身59,9-33,2というバランスで、前半1000mをハロン12、後半600mがハロン11に程近い数字で走破していて、明確に後半型ですし、こういうタイプは距離が伸びてピタッと止まるのはまず考えにくいです。
 またその33,2の内容も、レースの最速地点である11,3の400-200m地点で、群を抜く切れ味を披露しており、間違いなく10秒台後半、下手すると半ばくらいの切れ味は発揮していて、質的な面でも申し分ありません。

 ロードカナロアの初年度産駒ではあり、父のイメージからどうしても距離で削がれないか、とは思われがちでしょうが、少なくとも個体的に見て2400mがベスト、とまでは言わずとも、確実にこなせる範囲にはあると踏んでいます。
 府中も未勝利で強い勝ち方が出来ていますしコース適性の不安もなく、強いて言えばこれまでよりレース間隔が詰まる中で状態面やメンタル面で不備が出ないかくらいですが、調整過程を見る限りは杞憂に終わりそうです。

 唯一の不安としては脚質で、どうしてもスタートはもっさり出るので、この距離でも後方からの競馬にはなってしまうでしょう。
 上で触れた通り向こう正面から動いていくのは中々勇気がいる条件ですし、ルメールJは切れ味に絶対の自信を持っていそうですから、おそらく直線までは悠然と後方で構えるだろうと踏んでいます。
 ただこのレースはほぼ確実に直線半ばで最速ラップを踏むレースですし、差し馬が足を意外と出し切りにくいところはあるので、変に内枠に入り、進路取りにスムーズさを欠いた時に差し損ねる可能性はそこそこあるかな、と見ています。
 とはいえ生半可な馬では太刀打ちできないでしょうし、基本的には一騎打ち、と考えます。


・ラッキーライラック

 そしてアーモンドアイを負かせるとしたら、やはりこの馬しかいないと考えます。今のところは腹を括っての本命候補筆頭です。
 マイルでの一連のレースを俯瞰すると、やはり平均で流れたアルテミスSと桜花賞が一番パフォーマンスとしては微妙で、チューリップ賞の強さからしてもこちらも後傾型、距離が伸びてより隙がなくなるだろうと思っています。

 またチューリップ賞では、スローで入る事で最速地点で10,5に近い切れ味を繰り出せており、しっかり脚が溜まれば瞬発力の質の上限もかなり高いのは見て取れます。
 故に、ある程度内目の枠から5~6番手につけて、淡々とした流れから直線に向けて加速度が高いラップになり、かつ最速地点が400-200mになってそこでスパッと切れ味を発揮出来るようなら、アーモンドアイに対してアドバンテージを持つことは可能だと思います。
 流石に外枠で末脚の絶対量勝負になると分が悪いとは思いますが、立ち回りの上手さでは確実にこちらの方が上ですし、距離延長でパフォーマンスを上げる可能性の方が高いと見ているので純粋に凄く楽しみですね。


・リリーノーブル

 桜花賞ではラッキーライラックに肉薄するも3着と、この世代の善戦馬となってしまっているリリーノーブルは、距離延長でどうなるでしょうか?

 個人的には、この馬自身の相対的な視座で距離延長がマイナスとは思いませんが、それ以上にラッキーやアーモンドアイの伸びしろが大きいと見ています。
 前走にしてもここペースが上がって、その流れにもろについていかざるを得なかったラッキーライラックに対してやっと半馬身ですし、チューリップ賞で瞬発力の質・持続力面で圧倒されている以上、ここでの逆転を期待するには余程の展開の綾がないと、とは思います。

 ただ血統的にも2400mはこなせるでしょうし、ある程度ポジションは取れる馬ですから、内目の枠で好位で我慢、加速性能を生かす展開でならワンチャンス、二強の牙城を崩す可能性はあるかもしれません。
 その他の馬に対しては依然それなりにアドバンテージはあるとは思いますし、未対戦組との力関係もありますが最低でも連下は回すでしょう。


・サトノワルキューレ

 フローラSは一頭だけ次元の違う競馬で勝ち切り、2400mに照準を定めた異端のローテで挑むこの馬はどうでしょうか?

 こちらに関しては、見た目のインパクトと鞍上で人気する割りに、狙う材料は乏しいとは思っています。
 まず前走にしても、スローロンスパの形で5F勝負、その中で勢いをつけていく段階はスムーズでしたが、それでも最速地点では目立たずラストの食い込みが顕著でした。
 あの感じからしても瞬間最大の脚は確実にラッキーやアーモンドアイに見劣ると思いますし、持続力性能は中々ですが、それでもこちらもまず後からの競馬になる以上、まとめて交わせるほどの破壊力ではない、と見ています。

 後はやっぱり消耗度の高そうな長距離ローテで、デビューから馬体が減り続けているのも気掛かりですし、また今回も輸送なのでそのあたりはマイナス要因でしょう。
 後ろからヨーイドンでアーモンドアイに勝てるビジョンはあまりないですし、それでも圏内くらいはあるかもしれませんが、人気との期待値で考えた時に出来れば消してしまいたい一頭ではありますね。


・カンタービレ

 こちらはミルコJが選ばなかった方なので人気は落ちそうですが、素材や適性そのものはこっちの方が上じゃないかとは思います。
 少なくとも前走は桜花賞4着のトーセンブレスを退けて、ノームコアとは決定的な差をつけていますし、スタートセンスが良くて前々からの競馬が出来、スローバランスからしっかり高い後半要素を引き出せるのも魅力です。

 ただこちらもフラワーC以来というローテは不安ですし、その割に馬体が戻ってない、なんて話も聞こえてきますので、調教や中間馬体重なども注視しつつ、力を発揮出来そうなられなりの評価をしたいですね。
 多分今回単穴は打たないと思うのですが、もしも打つとしたらこの馬くらいかな、とは考えています。


・トーセンブレス

 この世代の物差し馬的な立ち位置になっているトーセンブレスも、距離延長を味方に今度こそ圏内突入を狙います。

 タイプ的には当然距離延長がマイナスではないはずで、ただしこの馬も明確な持続力型で、切れ味の質で勝負するタイプではないので、スムーズにン路確保できたとしてアーモンドアイに太刀打ちできるビジョンはまず見えてきません。
 最近は少しポジショニング面も改善してきているので、ここで思い切って中団のインくらいが取れれば面白いかもですが、そこまで噛み合わせるのも中々難しいでしょう。

 あと地味にアルテミスSでの坂でのもたつきも気になっていて、減速地点で坂なら惰性で乗り切れるけど、地力で坂加速を問われると微妙なタイプかも、という観点はあるので、上手く嵌っても圏内まで、多分印は回さないんじゃないかなと考えています。


・マウレア

 こちらも後半勝負ではラッキーに完敗ですし、持続力面がやや甘いので最低でも内枠から好位は必要でしょう。
 こちらは距離延長が絶対にプラスとまでは言い難いですし、純粋にリリーノーブル相手でも前走は完敗、後半勝負でもやっとこ互角、という立ち位置ですから、そのあたり以上の評価は中々しづらいものがあると思います。


・オールフォーラヴ

 未知の魅力、という意味ではこの馬も面白いです。
 ただここまでの戦績が意外とハイペースやタフな馬場ばかりで、純粋な上がり勝負でどのくらい切れるのか、というのがわかりにくいのと、前走がかなり厳しい競馬だったのでその反動がないかは気掛かりです。

 タイプ的にポジションが取れて要所でしっかり脚を使えるのはカンタービレっぽく、戦ってきた相手関係からしても3番手グループとそん色はないと見ていいですが、はじめての輸送、坂での切れ負けの可能性はそれなり以上に高いので判断に迷うところですね。
 内枠なら拾うかもですが、まだ勝ち負けまでは厳しいか、と思います。


・ゴージャスランチ

 出走出来れば、の条件付きですが、大穴候補としてはこの馬が一番面白いかなと見ています。
 マイルでも先行できるスピードがありつつも、後半型のタフな競馬でも走れていてスポットは広く、ただ極限的な切れはないので前走のように前が支配するレースだと脆さも出てしまいます。
 ただある程度長く脚を問われた時には面白いですし、仮にサトノワルキューレあたりが向こう正面から動いていくのを、内々で我慢しつつついていく形で良さが出そうなので、抽選の結果と枠の並び次第では印を回しても、と考えている一頭です。


posted by clover at 20:35| Comment(2) | 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは★ オークスの一騎討ち今から楽しみですねえ。

桜花賞のアーモンドアイは驚きの切れ味でしたが、府中2400の舞台ではラッキーライラックの逆転は充分あり得ると私も思ってます。 出来れば内目の枠が欲しいですねえ。

アーモンドアイは乗り方次第ですが昨年のアドミラブルのように1番強いけど...で終わる可能性も大いにありますよね。

ヴィクトリアに続いて良いレースになることを期待しています。

話し変わりますが、今週は平安Sも登録メンバー凄まじくて今からワクワクしてます。

出るべき馬が前頭出揃えれば、こっちの方が面白いかもと思ってしまいます(笑)

cloverさんの前日予想、今から楽しみでしょうがない私は病気ですね(笑)
Posted by J.N at 2018年05月15日 19:48
>J,N様

 いつもコメントありがとうございますー。

 そうなんですよね、向こうも本当によくここまで揃ったな、ってくらい面白いんですよねえ。
 基本的にはグレイトパールとテイエムジンソクの激突が主軸になりつつ、未知の魅力があるハイランドピークや、この前同じ舞台で強い勝ち方をしたジュンヴァルカンもいて(2頭とも出てこられるのか微妙なラインっぽいですけれど)、更にクイーンマンボやプリンシアコメータまでここに矛先を向けてきましたものね。
 ミツバあたりも本来なら主役級なのに、印象的には他の馬に持ってかれてしまっている感があり、どうあれ面白いレースになりそうです。

 まあ期待してもらって申し訳ないですが、多分平安Sの本命は面白味なくグレイトパールでしょうけどね。。。
 阪神1800mを休み明けでこなせた以上、京都の1900mならそれこそ二走ボケ以外で負ける道理がない、くらいには思っていますので。
Posted by clover at 2018年05月15日 21:02
コメントを書く
コチラをクリックしてください