2018年05月13日

2018 ヴィクトリアマイル レース回顧

 思った以上に早い雨脚に見舞われ、雨中での決戦となった今年のヴィクトリアマイルは、中団追走からしぶとく抜け出したジュールポレールが、最後リスグラシューの猛追を凌ぎ切り、去年3着の雪辱を果たす見事な戴冠となりました。レースを振り返りましょう。


 とりあえず今日の場合は馬場読みが非常に難しかったですね。
 一応昨日の時点で散水はありましたが、今日の雨予報を留意したのか、少なくとも午前中のレースを見た限りは昨日同様の高速馬場だったように思います。
 未勝利2000m戦で勝ち馬の上がりが32,7とかえげつない数字だったり、3歳500万の1400m戦もラスト200m最速で1,20,6だったりと、全体時計だけでは測れない部分でそこかしこに高速の片鱗は見えていて、それが午後からの雨でどのくらい影響があったのか?となります。

 ただし本格的に降り始めたのが9Rの前くらいからで、このレースは超スローからの上がり3F勝負でしたがまだ切れる脚は使える印象で、そこから芝のレースは使われずに本番となっています。
 なので実質的には、雨の影響を受けた馬場ではじめてのレースだった、と見做しても良さそうですし、水分含有量では稍重だけれども、実態としてはほとんど良と変わらず、特に芝の綺麗な外は走りやすいコンディションを保っていたと考えられるでしょう。

 それでも乗り役の意識としては難しくなる中でのレース展開は、まず予想通りにカワキタエンカがスッと二の足を効かせてハナを取り切りますが、その番手に外から完璧なスタートを決めたリエノテソーロが上がってきたのはちょっと驚きでした。
 アエロリットもそこまで悪いスタートではなかったですが、少し重心が後ろに残る感じで最初の2~3歩でもたついている内にスッとリエノテソーロに前に入られ、外に切り替えつつ先団に入っていく形、そして内からはレーヌミノルとレッドアヴァンセが積極的なポジショニングになりました。

 その後ろにジュールポレール、内からレッツゴードンキにラビットランも早めの競馬、ミスパンテールはやや出負けからリカバーして中団、ソウルスターリングも丁度中団の外目のいいポジションにつけました。
 アドマイヤリードがいつの間にかインに潜って中団の後ろ、リスグラシューがその外辺りでしたが終始デンコウアンジュに蓋をされる形、ワントゥワンやデアレガーロあたりは後方からの競馬になりましたね。

 ラップは35,2(11,73)-23,1(11,65)-34,0(11,33)=1,32,3(11,54)という推移でした。
 結局ある程度渋った事で、先行馬の意識がやや控えめになった事と、番手を取ったのがリエノテソーロだったことで、特に2F目のペースがこのクラスとしては落ち着き、その分だけ全体のバランスとしてはややスローに振れたイメージでいいと思います。
 ハーフで見ても46,8-45,5なので1,3秒の後傾バランス、ただ馬場イメージからすると前の馬にこれ以上飛ばせ、というのも中々難しかったのかな、とは感じますし、ただその分結果的に後続はより後傾型の競馬になって、最低限の追走力に、持続力と切れ味を兼ね備えた馬がしっかり台頭してきた、というイメージです。

 後半のラップ推移としては11,5-11,1-11,2-11,7なので、一見持続力面が強く問われているように見えますが、先頭列でこの時計で、差し込んできた馬はほぼほぼ400-200mの坂地点で鋭く差を詰めてきていますので、実質的にはこの坂地点最速で切れ味の質と持続力が等分に問われた、位に見ておきたいです。
 あと内目を通した馬の伸びが微妙だったので、ひょっとすると雨の影響でより外差しが効く条件に変貌していたかもしれませんが、その辺はもう芝のレースがない以上なんとも言えませんね。

 勝ったジュールポレールは、思ったよりも後ろの位置取りになったなぁと感じましたが、結果的にインが渋い馬場だったこともあり、無理せずに馬のリズムで進めてしっかり後傾型の競馬で持ち味を万全に引き出せたのかな、と思います。
 やはり枠が良かった分、序盤無理をせずともそれなりのポジションは取れましたし、そこから早めに外に出していくのも去年同様綺麗な馬場を求めてで、去年みたいに渇きかけですと巧拙が出やすい、けれど逆に渋り立てだからその挙動がプラスに転じたところはあるように感じました。

 この馬の上がりからの推定バランスは47,5-44,8くらいなのでかなりの後傾にはなりますし、追走面での不安を無視できる範囲で追走しつつ、後半の良さ、特に要所での切れ味とそこそこの持続力をしっかり出せていて、この馬の場合はラップ通りに持続力寄りになりきるとより最後が甘かったとは思うだけに、11,1-10,8-11,4くらいのバランスで脚を使えたこと、そこも綺麗に噛み合ったと思います。
 畢竟抜け出すタイミングが完璧に近かったですし、あれより早くても遅くても差されていたように思うので、この馬が繰り出せる脚をしっかり把握していた主戦である幸Jの好騎乗だったと言えるでしょう。

 素材的にはやはりこれくらいやれて良い馬でしたが、雨の影響もあって色々恵まれたとは思うので、良馬場で同じメンバーとやって常に勝ち切れるとは言えないでしょうね。
 それでも賞金順で滑り込み、着差も瀬戸際ながらしっかり勝ち切った事にこの馬の天運の強さを感じますし、マイル路線なら牡馬相手でもそこそこ楽しめると思います。エリ女は去年を見る限りはっきり長そうですし、スローバランスになりやすい香港マイルあたりまで視野に入れてもいいですね。

 そして2着のリスグラシュー、この馬にはつ天運が恵まれるのか、と言いたくなるほどに勝ち切れませんね。
 ただ競馬としては悪くはなく、外の偶数枠からこの馬なりに五分に出て、馬群の中でしっかり我慢させつつ最低限前の流れにはついていけていました。
 誤算としては思ったより流れなかった事と、外からびっしりデンコウアンジュのマークを受けて、4コーナーでも馬群の中から捌く形になり、最高のタイミングからは一呼吸、ベストの進路を確保するのが遅れたかな、というくらいでしょうか。

 ただやっぱり府中ですと要所の反応の良さが段違いではあり、進路確保した残り400mからの実質最速地点で前のジュールポレールにほとんど置かれずに鋭く詰めてきましたし、ラスト1Fはしっかり高い持続力を見せて2馬身くらいの差を詰めてきました。
 この馬は大体11,1-10,8-11,0くらいのイメージで、ジュールポレールよりは明らかに持続力面で良さが出ているので、本当にもうワンテンポスッと進路に入っていけていれば、と思いますが、この馬自身の上がりとしては32,9は究極に近いとは思うのでまぁ仕方ないですかね。
 多分追走面ではジュールポレールよりいいものを持っている筈で、結果的に時計勝負にも対応できた以上、良馬場のままだったらそっちのほうが良かったのかも、とは思いますが、どうあれレースは生き物、与えられた条件の中で勝利の女神を掴み取れなかったのは事実です。

 状態面はピークだったと思いますし、安田記念でも戦えるレベルの馬でしょうが、さすがに春4戦目になるとお釣りもなさそうですし休養でしょうかね。
 秋は正直エリ女よりは、毎日王冠から秋天の方が面白いと思います。まずスローになるエリ女だと機動力の差で勝負になりにくいですしね。

 3着のレッドアヴァンセも強気の競馬で一瞬はっきり勝ちを意識させるシーンがあり、先週の藤岡佑Jに続いて北村友Jもすわ初GⅠか!?と思わせましたが、最後の最後で力尽きてしまいましたね。しかし本当にこのエリモピクシーの血統は、父親が誰であろうと府中マイルだけはべらぼうに走るのが不思議ですよねぇ。
 前走は出遅れ気味のスタートから外枠を利してリカバー、という形で惜しい競馬でしたが、今日は絶好に近いスタートを決めて楽に好位列に入っていけましたし、斜め前にいるアエロリットを目標にしつつコーナーではまだ我慢、直線でスッと外に持ち出して追撃という流れそのものは完璧に近かったですね。
 過去も府中戦では要所の鋭さが目立っていましたし、ここでも400-200m地点でアエロリットを撫で切りにして一気に先頭に立ちますが、やはり持続力面ではやや甘く、最後は地力のある差し馬に屈する形になりました。

 この馬の場合も追走面に不安があったわけで、それを自身47,2-45,1くらいのスローバランスとはいえ、絶対的な質で前半11,8をクリアしてきたのは今後に向けてはいい材料だと思います。
 良馬場でもっと厳しく流れていたらどうだったか?とは思いますが、少なくとも今日の条件ではこの馬の位置がベストに近いバランスですし、それで差し負けている以上上位とはやや力の差はある負け方だったのかなとは見ています。

 4着アエロリットはうーん、これは責められないかなぁ、という負け方ですね。
 上でも書きましたがこの馬の誤算としてはふたつ、リエノテソーロのスタートが良過ぎて楽に番手を取られてしまった事、そうなるといくら外から押し上げても間接的にしか逃げ馬をつつけないので影響力は小さくなりますし、この馬がリカバーしてくるまでの2F目が緩かったことを含めてもこの最序盤の攻防はかなり影響があったと思います。
 この馬もスタートそのものはそこまで悪くはなかったように見えましたが、やや重心が後ろに残ってスピードに乗り切らないのをやや押して押して、というイメージですから、折り合いを踏まえるとテン乗りであれ以上つつけ、というのも酷だったのかなぁと感じましたし、結果的に中途半端に渋ったのも仇になりましたね。

 結果論的に言えば46,8でも前半緩すぎて、後続が余力を持ってその切れ味や持続力を発揮できる条件になった中で、どうしても後半要素の絶対量、特に瞬発力面ではちょっと足りないこの馬だと切れ負けしてしまった、というのが一番の敗因だと思っています。
 一応戸崎Jも4コーナーから勝負には出ていますし、おそらくこの馬はほぼレースラップに近い数字、多分11,0-11,2-11,8くらいを踏んでいる筈ですが、この馬としては最大限切れる脚を使い、かつ仕掛けどころはコーナー地点、という形でより他の馬よりは持続力面を強く問われた中で、400-200m地点の瞬間的な切れ、200-0m地点での持続力面の両方で僅かずつ見劣った、というのが正確なところでしょうか。

 ただ結局雨が降らなかったとしたら1,31,5くらいは出ていたはずで、そうなると46で入っても45,5の後半になるので、この馬としては勝ち切れない条件だったかもしれません。
 そこまで速いと45,5-45,8くらいにしないとダメだったかな、と思いますし、高速馬場でも強いですが、超まで入ってしまうと厳しいのかな、と感じさせました。
 ただ残り300mであっさり前に出られてからも食い下がっているように、やはり強い馬なのは間違いないですし、こちらも安田記念でよりタフなペースになるなら、というのはありますね。マイルなら少し時計が掛かっても安定して強いと思いますし、今後も楽しみです。

 5着ミスパンテールは、やはり出負けで理想のポジションを取れなかった事と、進路取りでややもたついた事など色々難しさはあり、どうしても内枠がプラスにはならなかったのかな、とは感じましたね。
 ただレース自体はかなり後傾バランスになった事で、この馬らしい瞬間的な切れ味は引き出せていたと思いますし、外目からスムーズならばもう少し際どかったかもしれません。まあ力をつけている事は間違いなく、こちらもマイル路線で今後牡馬と戦う形でも楽しみはあると思います。

 6着レッツゴードンキは、少なくともこの馬の競馬はできたと思いますし、一瞬いい脚は使いましたけど、やっぱりマイルですとラストの甘くなり方がスプリント戦より顕著だな、とは感じました。
 前半のポジションやペースも向いたと思っているので、もうマイル路線ではここが限界なのは確かかな、と感じた一戦です。

 7着ソウルスターリングもまず切れ負け、でしょうね。
 位置取り自体折り合い専念でやや後ろからでしたし、もう少し流れていればまだ良かったですけれど、これだけペースが落ち着いて後半勝負の比重が高いと、10秒台の切れ味を持っていないこの馬が後ろから詰め切るのは物理的に厳しかったと言えるでしょう。
 ラスト1Fの持続力自体はこの馬らしさを見せていましたし、ただ現状左回りのマイルではどう乗ってもリスグラシューには逆転されちゃっているかな、とは思います。
 折り合いやテンションが鍵の馬だとは思いますが、それでも理想は平均ペースを前目から、だとは思いますし、時計勝負のマイルはやや短いとは思っていますので、2000m路線、特にエリ女でしっかり好位を取る競馬が出来るように馬を作り直してくれば怖いかなと思います。

 8着アドマイヤリードは難しいですけど、元々追走面に課題はあったのでこのペースと全体時計でも厳しかった可能性と、あと半端に内に入った事でエンジンの掛かりが鈍った可能性、両方を考えたいですね。
 ただ直線向いてのコース取り自体はそこまで悪くないですし、追い出されてからの反応が今一つだったあたりからは滑る馬場がダメなのか、或いはやはり追走で脚を使ってしまったのか、本質的にマイルでは短い、という部分がどうあれ露呈したのだろうとは見ています。
 超高速のままで外から長く吹かす形でどこまでやれたかは見てみたかったですが、近走の内容もやや微妙ですし今後の評価が難しい一頭になりましたね。


posted by clover at 17:15| Comment(12) | レース回顧・中央競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは★ いやあ、馬場がもっとタフな状態になるだろうと踏んで、レーヌミノルから入ったんですが、元々の土台が良すぎるのか全く影響なかったですね(笑)

レーヌはペースが流れて、直線外目通せて噛みあっても勝ち負けは厳しかったかなあ?って思ってます。

やっぱり直前に雨が降ると難しくなりますね。 しかも大粒の雨だったのでジョッキーは責められないなあと。

それにしてもNHKマイルといいヴィクトリアマイルといい、この辺のG1は昔から予想が上手くなりません(笑)
Posted by J.N at 2018年05月13日 18:43
こんばんは。
cloverさんいつもありがとうございます。
雨が本降りになってから芝レースがなかったことでレース展開を予想するのがかなり難しくなりました。
しかし多少馬場が渋る状態はリスグラシューにとっては願ってもない戴冠のチャンスで、応援の意味も込めて馬券の軸馬にしたのですが・・・
人間でもそうですが、勝利を得られる者と2着止まりの者の差は何だろうか?などと偉そうに考えてしまいました。
かなり好メンバーなレースだっただけに、超高速馬場でのレコード決着も見てみたかったですね。
Posted by hetare at 2018年05月13日 22:53
いつもありがとうございます。

ヴィクトリアマイル、発送前の映像を見てもかなりの雨模様でしたね。

自分の中では降ってくれれば絞り込みがし易いと思っていたので恵みの雨となりました。

後、自分の勝手な思い込みの中に「雨が降ると馬のテンションも下がる」というのがあって今日のレースぐらいの雨はクールダウンにはもってこいなのでは・・・というのもありました。

いつもながらの後出しじゃんけんでお恥ずかしいのですが、ジュールポレールとレッドアヴァンセの最終追い切りを見て久しぶりに「おおっ!」と思えたので、結果がどうなるのか楽しみに見ていました。ジュールポレールについてはcloverさんも〇評価でしたので、更に楽しみが増しました。(といっても今回は残念ながら馬券は買えませんでしたが・・・)
後、良く見えた馬としてはデアレガーロ、リスグラシュー、アドマイヤリード、リエノテソーロ、デンコウアンジュでした(笑)

ジュールポレールについては西園師の話を拝借すれ「馬が完成形に近づいている」という話でしたし、前走でも最後に内を突いていれば勝っていたかもしれないので、その辺りがレース後の幸Jのコメントに反映していたのかもしれません。

リスグラシューは雨と偶数枠は大いに見方をしたと思いますがコメントにもあるように外枠が・・・ですかね。課題のゲート出はこの馬としては良かったですから。ただゲートに向かう様子を見てもだいぶ落ち着いてきた感じがあるので勲章は近いような気がします。
あとアドマイヤリードは最後の勝負所で内にいて周りに併せる馬がいなかった事が痛かったですね。
それにしても去年のレースは内がガラ空きだったので、今年とは馬の走路がかなり違っていましたね。


Posted by MOMO at 2018年05月14日 00:32
>J.N様

 いつもコメントありがとうございますー。

 結果的に見て、レーヌミノルもそうですし、あとソウルスターリングやアドマイヤリードも、マイルの時計勝負では限界がありそうなイメージでしたね。
 このあたりはやってみないと分からない部分なのでなんともですが、仰る通りレーヌは完璧に展開向いても、この時計では最後切れ負けして精々掲示板だったと思います。
 せめてVM時点くらいの馬場になってから、芝のレースがひとつでもあればまた違ったんでしょうけどね、お天道様の気紛れだけはどうにもなりません。

 改装後の府中マイルって適性として微妙にニッチというか、ここだけやたら走る馬って昔からちょくちょく出てくるなぁ、とは思います。
 特に春シーズンは時計も速くなりますし、複数の適性が絡み合って難解にしている感はありますね。私もピントがずれてばかりです。。。
Posted by clover at 2018年05月14日 04:02
>hetare様

 いつもコメントありがとうございますー。

 確かにリスグラシューにとっては、31秒台決着ですと純粋なポジショニング面でより厳しくなりますし、ましてこの枠では難しかった可能性はあるので、馬場はともかく雨のおかげで騎手の馬場意識が下がったのはプラスだったと思います。
 ただ、よしんば時計勝負だったとしてもあまり上位の顔ぶれは変わってない気はしますね。結局マイルで32秒前半の壁は厚くて、かなりマイル適性が高くないと出せない面はあると思っていますので。

 まぁ昨日も勝てなかった事でとやかく言われますが、なんだかんだでリスグラシューもまだ4歳春ではありますからね。
 この馬の場合、2歳から活躍しているハーツ産駒にしては珍しく順調な成長曲線を踏んでいますし、その点父親のハーツクライの戦績に近いものがありますから、きっとまだまだチャンスはあると思います。

 脚質転換まで出来るかはなんともですが、純粋に距離は2000m前後がベストに感じていますし、左回りの内枠で上手くポジションが取れるなら秋天でも勝ち負け出来る可能性は感じるんですけどね。
Posted by clover at 2018年05月14日 04:10
>MOMO様

 いつもコメントありがとうございますー。

 確かに「冷や水を浴びせる」なんて言葉もありますし、それは馬にも適応できる概念かもですね。
 勿論サトノアラジンみたいに雨が大嫌いだったり、逆に雨降りで張り切る馬もいるでしょうから一概にはですけれど、そのあたりの適性も予想に組み込めれば面白いかなって感じます。

 ただ同時に騎手のテンションも下がってしまうのが、ハイペース上等組にとってはマイナスだったりもするので、全てを読み切るのはやっぱり至難の業だと思います。

 ジュールポレールは明らかに良化してましたもんね。レッドは個人的には前走もかなり良かったので、上積みはないかなと思ったのと、ペース耐性がジュールポレールよりは低いと踏んでいたので、そこで甘く見てしまったのが失敗でした。

 元々去年の阪神牝馬Sの時点からこの馬の素材は高く買っていましたし、枠が出た時点で本命はアエロかこの馬、と思っていましたが、流石にアエロの上に据える気概が持てなかったのも残念です。
 やっぱりアエロリットみたいに、このコースならどんなペースでも走る、というわけではなく、あくまでペースメイクとセットで強さを発揮できるタイプは、テン乗りでは大幅に割り引かないとダメですね。
 その辺冷徹になり切れないのが観戦派の限界かもなぁと、皐月賞に続いての反省でした。とか言いつつまたダービーも同じ事しそうなんですけどね。。。

 馬場に関しては、府中の場合特に乾くときは内から、というのが定説ですし、逆に降り始めで水分含有量に内外の差がないなら、純粋に綺麗な外の方が走りやすいって事なんだろうと解釈してます。
 今後JRAも馬場の水分含有量を細かく発表する方針らしいですし、それは当然より精緻な予想の助けにはなるでしょうけど、降り続けてその数値なのか、乾いてきてその数値なのか、そして荒れた馬場でどのくらいレースが行われたのか、そのあたりも加味しないとならないですからね。
 それこそ出来れば渇きかけの時は内目と外目の両方の数値を出して、定説通りに渇きに差があるのかも検証して欲しいです。まあ中々そこまでフレキシブルな対応してくれるとは思えませんけれど。
Posted by clover at 2018年05月14日 04:24
雨が降ることで却って瞬発力寄りにシフトするというのは、競馬の難しいところですねぇ。
ペースを作るカワキタエンカ、アエロリットともにテン乗りというのも大きかったと
思います。やり直すたびに結果が変わりそうな感じですが、少なくともソウルスターリング、
レーヌミノル辺りは掲示板を外したとはいえそう悲観するような負け方ではなかった
ところは覚えておいて損はないのかなというところでしょうか。逆にアドマイヤリードや
ラビットランはしばらく様子見ておいた方が良さそうですかね。

リスグラシューはコース適性を考えれば安田出走はアリだと思っています。武豊も空いて、
矢作厩舎ですしね。あとはノーザンが許可するかどうかというところでしょうか。
Posted by I.C.スタッド at 2018年05月14日 13:21
はじめまして。
いつも楽しく拝見させていただいてます。

今回のレースについて、リスグラシューの上がりが11,1-10,8-11,0だとすると、レーヌミノルは大体11.0-11.0-12.5ぐらいだったと思います。このラップタイムから推測すると、レーヌミノルはラスト1Fで大きく失速している事からも「バテた」と考えられ、決してキレ負けしている訳ではないと思うのですがいかがでしょうか?

また「バテた」と考えるなら、馬場がもっと軽かった方が持ち味が生きた(失速が抑えられた?)と考えられるような気がするのですが、レース後に和田騎手は「直線は伸びかかっていますが、上がりが速かったです。もう少し早めに雨が降ってほしかったです」とコメントしています。馬場が重くなるという事は、もっと早くにバテたんじゃないかと思ってしまうのですが、どういう理屈でそう考えるのかが良く分かりません。

回顧が8着までしかなかったので、よろしければレーヌミノルについての見解もお聞かせ願えますでしょうか。

よろしくお願いいたします。
Posted by toto at 2018年05月14日 13:40
>I.C.スタッド様

 いつもコメントありがとうございますー。

 結局カワキタもアエロも横山Jのペースメイクの巧みさで良さを発揮してきた面がありますし、池添Jもそれを踏まえつつカワキタは上手く乗っていましたからね。
 ポジショニング面よりもあくまでペース次第、という馬は一定数いるのでしょうし、その面での難しさは考慮に入れるべきでしたね。

 まあ今回はみんなある程度敗因ははっきりしていたなぁとは思いますし、適距離・適舞台で巻き返してくる馬は多いでしょう。地味ですがハイレベルな一戦だったとは見ています。
 リードやラビットランも、1800m以上のワンターンで外目の枠ならガラッと変わってもいいとは思いますけどね。
 ステイの牝馬はいきなり終わる時があるのでそこは注意ですし、ラビットも外国産馬特有の早稲だった可能性もあるので、その辺は配慮しつつ様子見、にはなるでしょうか。

 結構陣営コメント見ると、安田参戦に前向きな馬が多そうですね。
 アエロリットは勿論、リスグラシューやジュールポレールも出てくれば展開次第でチャンスはありますし、その分益々弾かれる馬はいるんでしょうが楽しみです。
Posted by clover at 2018年05月14日 18:49
>toto様

 コメントありがとうございますー。

 レーヌミノルの敗因と失速幅の訳については、少し迂遠ですが持続力という概念についての私なりの定義を改めて見ていくところから語らせていただきますね。

 まず持続力というのは、その馬が最大限発揮できる瞬間最大速度に達してから、どれだけ長くその減速幅を抑え込めるか、という観点です。
 人間のスプリンターでもそうですが、全速力を出す場合は呼吸を止めた方が速く走れるわけで、馬も無呼吸で全速力を出せる範囲が大体2F、どんなに長くても3Fくらいと考えられています。

 そして、レーヌミノルという馬は、過去の戦績を振り返っても、この持続力という能力の適性はあまり高くありません。
 特に絶対的な限界に近いラップを問われた時はそれが顕著で、この馬の場合はハロンで繰り出せる最速の脚はそれこそ11,0くらいが限界だろうと観測できます。

 去年のクイーンCなどもそうですが、11秒前半の速いラップを問われて2F以内はしぶとく食い下がれていますが、それが3F目になるとガクンと数字を落としてしまいます。
 今回のレースも諸にそれで、最内を通したとはいえ比較的早めに先頭列に並んでいて、600-400m地点ではこの馬の最速の脚は繰り出してしまっており、そこから1Fは維持できたものの、ラストはいつも通り一気に落としてしまった、と見做せます。

 そしてこのレースの場合、アエロリットやレーヌミノルのように、瞬発力の質に限界のある馬は600-400m地点で最速に近い脚を使っていますが、上位3頭に関してはほぼ間違いなく400-200m地点で10秒後半の最速ラップを踏んでいます。
 当然この場合、ゴールに近い位置で最速ラップを踏んだ方が、ゴールまでそれを維持するのも容易い、と考えられますし、アエロリットが先行馬としては持続力が非常に高い馬、というのもレーヌミノルとの比較で裏付けられるところです。

 なので、このレースのレーヌミノルの場合、コース利があった分判別し難いですが、実質的な最速地点での切れ負けはしていると思います。
 瞬発力の質が足りない分だけ、持続力区間に入る地点が早く来てしまったのが大失速の一番の原因であり(後は当日伸びない内に入ってしまった点もあるでしょう)、単純なスタミナ不足、とは考えません。

 そしてなぜもっと渋った馬場の方がいいか、となると、それは他馬との相対的な話になってきます。
 この馬のマイルでのベストバウトは当然桜花賞、次いでマイルチャンピオンシップになりますが、この2レースはどちらも時計が掛かって、ハロンラップも最速で11,5と究極的な切れ味はほぼ問われていません。

 これは切れ味が身上の馬が、馬場の重さに脚を取られて持ち味を発揮出来ない条件だったわけですが、レーヌミノルという馬は、そういう力の要る条件で繰り出せる瞬発力自体は結構いいものを持っています。
 桜花賞は11,5-11,9-12,8というラップですが、仕掛けを待って11,9地点で一気に詰めてきているように、ここで11,3~4くらいの最速の脚を繰り出し、ラスト一気に減速はしているものの、他の馬も同じように失速したので粘り込めました。
 マイルチャンピオンシップも同様に、コーナーで我慢して直線入り口で最速の脚を繰り出す形に持ち込んだことで、失速をギリギリまで抑える事に成功して善戦しています。

 つまりレーヌミノルという馬の勝ちパターンは、前目からレースを作り、かつ最速地点は出来る限りゴールに近くする必要性があるわけですね。
 そして重馬場になると、みんなスタミナ切れを考慮して仕掛けが遅くなりがちですし、かつ最大瞬間の切れ味も発揮出来なくなります。
 そうなれば、レーヌ自身はどうしたって持続力はないのでラストで失速するにしても、そこまでの経緯でアドバンテージを作りやすいわけですね。

 極端な話をすればレースのラストまで加速し続けて勝つ馬やレース、なんてのは稀で(近年は結構多く見かけるようにはなってしまっていますが)、基本みんな一番いい脚は遅くとも直線半ばで使い、後は如何にそこからの失速を減らすかが鍵になるわけですよね。
 そこに騎手の、馬のバランスを阻害せずに鼓舞して持たせる技術とかも加わってきますが、ともかく基本バテ合いの中で、顕著にバテ幅が大きく出やすい、少なくとも12秒半ばくらいまで一気に落としてしまうこの馬では、相対的な失速幅を狭くする意味でも最速ラップが遅い方がいい=時計の掛かる馬場の方がいい、と考えられます。

 なのでこういうタイプは、基本ハイペースの方が粘ります。
 私見ではありますが、このレースのペースが46-46,2くらいのバランスになっていたら、勝っていたのはアエロリットで、レーヌミノルも32秒後半では乗り切れていたと見ています。
 それは追走力が高くて、前半に脚を使っても後半要素を引き出せる幅が広いからですし、後半が0,7程度遅くなれば当然ハロン平均も遅くなりますので、その分だけ後続にアドバンテージを作れたはずです。

 とはいえ流石にここまで高速馬場ですと、平均ペースくらいでも切れ味を発揮できる馬はぞろぞろいたでしょうし、勝ち負けまで見込むならマイルでは33秒後半くらいの時計にならないと厳しい、というのは今回のレースでよりはっきり露呈した感はありますね。
 まだこのレースの前の段階では、高速馬場でのマイル適性が未知ではあったので、そこに期待出来る余地がありましたが、今後はマイル戦で狙うならタフな馬場の時限定、と判断するべきでしょうね。
Posted by clover at 2018年05月14日 19:35
分かりやすい説明で答えていただき、ありがとうございました!
いつも長文で大変でしょうが、応援してますので頑張ってください!

今後ともよろしくお願いいたします!
Posted by toto at 2018年05月15日 18:03
>toto様

 こちらこそ、宜しくお願い致します。
 どうしても回顧は一定のラインで打ち切らないとキリがなく、上位の馬と人気馬、後は自分が評価していた馬のみになりがちですので、また言及のない馬で気になる事がありましたらお気軽にお声がけくださいませ。
Posted by clover at 2018年05月15日 19:41
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