2018年05月07日

2018 ヴィクトリアマイル プレビュー

★はじめに

 さて今週は、春の古馬牝馬頂上決戦となるヴィクトリアマイルです。
 今年は登録の段階で18頭と、除外馬がいないので現時点でも想定がしやすいですし、例年以上にマイルの距離を望んでここに挑んできた馬が多くいますし、その割には時計面や追走面などの裏付けがあまりない馬も多く、やはり一筋縄ではいかないレースが想定されます。
 天気マークも微妙なラインですし、ある程度幅を持たせた想定をしておきたいところです。


★レース傾向分析

 例によって去年の記事http://horserace-romanesque.seesaa.net/article/455794389.htmlです。

 そちらでも触れているように、Bコース替わりでインのグリーンベルト化が顕著になりやすく、ある程度流れても平均の範疇には収まって、前々や、せめて中団から運んだ馬が圧倒的に強いレースではあります。
 ただ去年は雨上がりの稍重開催になり、実際的にはかなり回復していたものの騎手の意識が追い付かずに、47,9-46,0とこのレースとしては珍しいスローバランスでの後半の決め手勝負になっています。

 傾向的にはこのレースはリピーターが非常に強いのと、まともな流れで勝ってきた桜花賞馬は強い、というのが定番なのですが、去年の桜花賞とこのレースはどちらもレースの一般的な傾向とは外れた内容だったので、どこまで連関性があるかの判断も難しいところです。
 あくまで今のところは、ですが、去年の3歳牝馬戦の中ではチューリップ賞が一番このレースの適性にマッチする内容かな、と思いますし、去年のVM上位馬がそのまま高速決着でもスライドして上位に来るイメージはあまり持っていませんね。
 無論週中&週末の雨で馬場が渋ればその限りではないですが、馬場条件も踏まえてしっかり考えていきたいですし、それでも基本的にはポジションが取れる馬を重視すべきレースだとは思います。


★有力馬所感

・リスグラシュー

 去年は牝馬三冠を皆勤するも惜しい競馬続きでしたが、今年は初戦の東京新聞杯で牡馬をなで斬り、前哨戦の阪神牝馬Sこそ超スローの中でトライアル仕様の競馬で3着に敗れたものの、得意の左回りで悲願のGⅠ制覇を狙います。

 とりあえずこの馬に関して唯一気になる点は、純粋な高速決着のマイル戦に対応できるのか、という点に尽きると思います。
 本質的にハーツの仔はスピード決着向きではないですし、実際にこの馬も持ち時計はあまりなく、時計の掛かる馬場でラストラップが落ちるところでしぶとく、という競馬が身上でした。
 ただ桜花賞では46,5-48,0とかなりの前傾の中で最後までしぶとく伸びており、相対的な追走力はあると思えるのと、やはり東京新聞杯でも見せたように、左回りですと仕掛けてからの反応の鋭さが違いますので、ここで大きく崩れる姿は想像しにくいところです。

 ただ絶対的に前半46秒そこそこのペースになった時にポジションが取れるか、となるとやや怪しいですし、後半の持続力面や切れ味の質の面でも決して最上位とは言えないので、良馬場なら少し中盤の淀みが出来てそこで取りつく、という競馬が望ましく、なお言うなれば少しばかり渋ってくれた方が絶対的にも相対的にも有利だと思えます。

 安定感は確かなので印を回さない暴挙は出来ませんが、パンパンの良馬場なら連下想定、少し渋りそうなら重い印も視野に、というバランスで考えています。


・アエロリット

 去年のNHKマイルカップの勝ち馬であり、追走面と時計勝負に確実な裏打ちがあるのはこの舞台では頼もしい限りですし、ゆったりしたローテーションで確実にここを仕留めに来ている、という感覚もいいと思います。
 ただこれまで手綱を取り続けてきた横山Jから、今回は戸崎Jへの乗り替わり、というのは一抹の不安を呼ぶところです。

 ざっと見て逃げたい馬がカワキタエンカくらいですし、持ち前のスピードを生かすならこの馬は最低でも番手、或いは自分で逃げてもいいと思うのですが、その時に横山Jなら確実に速いペースを作ってくれると信じられたのですが、戸崎Jの場合変にスローにしてしまう事が多いのでそこは明確に気掛かりです。
 基本的にあまりつついてペースを引き上げたい、と考える馬も少ない組み合わせと思うだけに、尚更この馬がこの馬らしい競馬に徹するならまず勝ち抜ける、とは思っているのですが、流石に変に47-45,5くらいの決め手勝負にしてしまうと、瞬間的な切れ味の差でやられる可能性も強く出てくるはずで、そこが悩み所ですね。

 一応出負けするときもあったりで、まだスタートに絶対の信頼は置けないというのもありますし、基本的にはある程度外枠の方がいいかな、と思います。内枠で出負けするとどうにもならないですからね。
 戸崎Jの傾向的にも、前に行く馬だからこそスムーズさを欠かない外枠の方がとは思いますし、基本的に良馬場なら素直に本命にしたい馬ではありますが、現時点ではまだちょっと迷っていますかね。
 少なくとも府中マイルでの素材としては確実に一番だとは思っています。


・ミスパンテール

 こちらは逆に横山Jが選んできたことになるのか、その辺の経緯は定かではないですが、4連勝でGⅢ⇒GⅡと確実にステップアップし、競馬の幅も広げてきたミスパンテールが一気の戴冠を狙います。

 この馬の場合ポジショニング面で自在性を見せているのは収穫ですが、ただしそれはペースに合わせて、というだけで、あくまでもこの馬自身が使っている前半の脚はほぼ一緒、というあたりに横山Jらしいトリックがあります。
 とどのつまり、まだこの馬に関しては絶対的な追走面での不安を確実に克服した、とは言えないですし、後半要素もいいものは持っていますが絶対的ではない以上、ここで勝ち切る為には前半要素で削がれない事は必要条件になってくるとは思います。

 少なくとも2戦目だったチューリップ賞で、自身ハロン12から33,6の上がりを繰り出せていますし、それ以後もじっくり構えればより瞬発力の質を高められるところは見せています。
 なのでここでも、余程前の流れについていって脚をなし崩しにしない限り凡走はしないかな、とは思いますが、やはり自分より前にいる馬がしっかり強い競馬をしてきた時に捻じ伏せられるほどの強さはまだ備わっていないだろうと思います。

 またこの馬は渋るとかなりイマイチになるので、そのあたりも踏まえて基本線は連下、渋れば無印まであるかな、というイメージでいます。


・ソウルスターリング

 前走の負け方があまりにもだらしなかったのは事実ですが、一応負け方としては言い訳の効く範疇でしたし、むしろ上がり勝負特化になりにくい府中マイルで、追走を問われる形で勝負するのはプラスには転じると思います。
 この馬が一番強かったのはチューリップ賞で、ある程度の流れを楽に追走して早めに動きつつ、しっかり持続力を発揮して突き抜けており、ミスパンテールやリスグラシューを問題にしていないパフォーマンスは確かなものです。

 そこからの成長度や順調さで疑わしいところはあるとはいえ、元々スタートセンスも良く、折り合いに不安のない流れるマイル戦なら見直す手はあると思っています。
 枠的にはある程度壁を作りつつ前目に入れる黒帽赤帽くらいがベストかな、と思いますし、並び的にスムーズに好位に入っていけそうならば重い印を考えてもいいかな、と考えます。


・アドマイヤリード

 ディフェンディングチャンピオンではありますが、去年はかなり緩いペースで内も荒れている条件の中、綺麗にコーナーでインをコースロスなく通す完璧な騎乗でしたし、まだマイルでの絶対的な追走力、スピード勝負への対応力は疑問符が付きます。
 前走かなりいいスタートからポジションが取れたのは意外でしたし、ミルコJは昨日のギベオンでもまさか、という完璧なポジショニングをしてくる時があるので(その分出負けするときは派手ですが)、あながち後ろから、と決めつけない方がいいかもしれず、その点では侮れません。

 ただ前走はあの位置で超スローだから脚は当然溜まっていて、となりますし、自身半マイル47前後で通過する流れから、持ち味である爆発的な切れと高い持続力を引き出せるかはやってみないと、となります。
 一応このメンバーに入っても切れ味の質、という面では最強クラスだと思いますし、その点でペースに適応出来れば47-45くらいの脚を使えるかもしれず、勝ち負け、という視座ではリスグラシューやミスパンテールよりチャンスは出てくるかもしれません。

 理想的には外目の枠から中団後ろくらい、そこからしっかり出し切る形ですし、ミルコJである限り強気には動いてくれるでしょうから、ここでもいい勝負はしてくるのではないかな、とは思っています。
 ただし時計勝負が全くダメならなにもない、というパターンも有り得る馬ですし、やはり安定して評価するなら少し渋った時、にはなるでしょうね。


・レッツゴードンキ

 近年はこのVMだけ崩れていて、三度目の正直なるか、というところです。
 少なくともこの馬の桜花賞も異次元の超スローバランスでしたしあまり当てには出来ないのですが、ストレイトガールが強かったように基本高松宮記念をフラットに好走できる馬はこの舞台自体は合わないことはないはずです。

 ただしどうしてもスプリントの後、と言う事で折り合いに苦慮するところが大きいですし、その分だけポジションが取れず、この距離になると持続力面も平凡なので難しい、となってしまうのでしょう。
 少なくとも追走面では、この距離での平均くらいは普通にこなせる筈で、理想は内枠から怖がらずに出していって好位追走になるでしょう。後半要素そのものは総合的に高いものがありますし、しっかり折り合って進められれば決してノーチャンスの馬ではないとは思っています。

 けれど、そもそもスプリント路線でも最後甘くなるように、基本的には府中の坂やラスト200mで苦しくなるとは思うので、最大限噛み合ったとしても圏内、連下までの評価が妥当だろうとは考えています。


・カワキタエンカ

 強い4歳世代の中でも異色のローテーションを組んで、逃げる形で結果を残してきたカワキタエンカは、ここでも自分の競馬が出来るでしょうか?

 少なくともアエロリットが自分のペースに徹した時には、逃げの形をとるので精一杯になるかなとは思いますし、ただハイペース自体は強い馬なので絶対的な速度が問われてもそこそこやれる可能性はあります。
 とはいえ理想的にはややスローバランスの逃げかな、とは思いますし、裏路線組ではあるので阪神牝馬S組にはやはり分が悪い、という面はありそうで、それこそアエロリットが手遅れて後ろから、なんて恵まれがないと粘り込むのは簡単ではないと思います。

 実際にマイルのスピード比べも、追走面も確実にあるとは言えない戦績ですし、後半要素は平凡ですからね。


・ラビットラン

 ローズSは強い競馬でしたが、それ以降はやや精彩を欠くこの馬が、大舞台でまた輝きを取り戻せるでしょうか?

 前走が正直、超スローのポジショニング勝負とはいえやや伸び方に不満もあり、また京都金杯など見ても、馬群の中から器用に伸びてくるタイプでもないので、現実的にはこの条件で外から差し込みは中々難しいとは思います。
 またこの馬も追走面、全体スピード面の担保は足りませんので、綺麗な良馬場の府中そのものはかなりいいと思うのですけど、出来れば先週の内が伸びにくい馬場でやりたかった馬でしょうね。


・レーヌミノル

 腐っても去年の桜花賞馬、ですが、今年に入ってからはどんな路線でもワンパンチ足りないもどかしい競馬が続いています。
 この馬の場合はスプリントですと前々に行ってしまうと流石にやや追走が怪しく、といって後半要素はそこまででもないので、そのバランスが難しい馬ではあり、ただこのレースで穴を開けるタイプとしては面白いところです。

 先行馬が少ない中でしっかり前目につけて、アエロリットがややハイくらいの流れを作ってくれるのに便乗して前々から粘り込む形ならかなりやれると思いますし、時計勝負も適性があると考えています。
 その辺どう乗るか、陣営のコメントなど注視したいところですし、出来れば2列目ポケットあたりがすんなり取れる内枠がベストですね。色々噛み合ってくれば単穴くらいまで考えてもいいと思っている一頭です。


・デンコウアンジュ

 去年の2着馬だけに侮れませんが、この馬も淡々と流れて取り付く地点がない流れでは苦しいタイプだと踏んでいます。
 まだマイルの時計勝負には目途を立てていませんし、追走面も大きな武器になるほどではなく、瞬間的な切れ味は素晴らしいですが持続面は甘いので、展開的にも去年のように本仕掛けは遅く、切れ味の質が強く問われる形がベストだったのは間違いありません。

 少なくとも府中マイルが水に合うのは間違いなく、ここもそれなには走ってくる、とは思うのですが、流れてしまえばポジショニングで苦労するでしょうし、今のところ積極的に狙う理由はないかな、と考えています。


・ジュールポレール

 この馬もマイル適性は高いと思うのですが、去年の3着を鵜呑みにし過ぎるのは良くはない、とは思います。
 こちらもやっぱり基本スローからの切れ味特化のレースで強さを見せていますし、その意味では前走はお誂え向きの展開で最後失速したのは少し物足りませんでした。
 当然追走が問われた時に強いかはまだなんともで、持ち時計もないので、内目の枠からすんなり好位で、という競馬が出来ても突き抜けるまではどうかな?という感じです。
 結構期待している馬なので重く評価したい気持ちはありますが、総合的な不安材料を甘えるとやはり連下までが妥当な馬かな、と見ています。


・デアレガーロ

 前走はやや展開的に噛み合わないところもありつつしっかり伸びてきていて、素質開花を印象付けました。
 この馬の場合はクリアザトラックを問題にしなかった市川Sが時計・ラップ共に優秀で、高速決着への素地はありますし、その中でしっかり早い上がりが使えるのも魅力です。
 一発を狙ってくる時は怖い怖い池添Jですし、ある程度タイトに、けれどしっかりスムーズに出し切れる枠が引けたなら、こちらも単穴まで視野に入れています。


・リエノテソーロ

 去年のNHKマイルカップはそこそこ強かったはずで、そこから低迷してしまっていますが、舞台適性が問われやすいここでの復活はあるでしょうか?

 少なくとも近走で一番良かったターコイズSと、失速した前走を踏まえて考えると、ある程度追走を武器にして上がりがそこそこ掛かる競馬が望ましいものの、相対的にも絶対的にも前傾になり過ぎるとダメ、という繊細なバランスが問われそうです。
 その意味でスポットは狭いですが、少なくともアエロリットが自分の競馬をしてくれた時に、それを好位から追い上げていく形で噛み合ってくる可能性は皆無ではなく、ノーチャンス、と決め切るには怖さがあります。
 ただ印を回したい馬がやたらいるレースですから、現実的に余程恵まれないと、という水準のこの馬では流石に拾えないとは思いますね。


・レッドアヴァンセ

 昨日も弟のレッドヴェイロンが3着と、この母血統の府中マイル適性の高さを見せつけてきた中で、当然その姉になるこの馬にも期待は掛かります。

 ただこの馬の場合、今までの一連のレースではっきりペースが上がると甘い、という所は見せており、そこを舞台適性だけで克服してくるのは容易ではないでしょう。
 後半要素としても前走あの流れでギリギリ、というところからも絶対的な武器はないですし、流石にここまで手は回らないでしょうね。


posted by clover at 19:24| Comment(0) | 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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