2018年05月05日

2018 京都新聞杯 レース回顧

 今日は東西でダービーの最終切符を賭けた戦いになりましたが、西ではまさかの先行策から悠々と抜け出したステイフーリッシュが勝利、しぶとく2着に食い込んだアドマイヤアルバと共に東上の権利を手中に収めました。レースを振り返りましょう。


 まずは馬場状態ですが、こちらはかなり回復はしていたものの、開幕週ほどの超高速までではなかったかな、という印象です。
 9Rの1000万下2000m戦が61,2-58,8のややスローで2,00,0、10RのパールSが実質スローからの上がり勝負で1,46,6ですが、上位は33秒半ばの切れ味を使っていますので、総合的には先週よりは少し軽かったと判断して良さそうですね。
 その中での2,11,0はかなり優秀だと思いますし、しっかりペースが流れた事もあって、全体的にスタミナを問われるレースになった印象です。なにせ上位の馬の血統がステイとハーツばっかりですしねぇ。

 レース展開は、逃げを狙うと目されていたタニノフランケルとケイティクレバーがどちらもややイマイチのスタートで、ある程度2頭ともに周りの出方を窺っているところで、その間のメイショウテッコンが思い切って出していき、梅花賞以来のハナを切る競馬を選択します。
 そして外から好スタートを決めたステイフーリッシュもニュートラルにそれを追いかけていってなんと2番手まで進出、その後ろにタニノフランケルとケイティクレバーが続くも、少し前が離していく展開になりました。

 その後ろにアールスター、レイエスプランドルあたりが続き、ユーキャンスマイルが丁度中団、グローリーヴェイズとアドマイヤアルバがその後ろで並んで追走し、レノヴァールがその後ろ、外枠のシャルドネゴールドやダブルシャープはやはりポジショニングで苦労した感じでかなり後方からの競馬になります。
 更に後ろに、こちらはスタイルを貫く感じでアルムフォルツァがいて、スタートで煽ったフランツがなんと最後方から、という隊列になりました。

 ラップは3-2-3-3Fで取りますが、34,7(11,57)-23,8(11,90)-37,9(12,63)-34,6(11,53)=2,11,0(11,91)という推移でした。
 前半1000mは58,5とかなり速いのですが、中盤、特に坂の手前と上り地点はかなり緩くなっていて、しっかり息を入れてからの再加速戦、という様相ではあり、後続は逆にある程度ゆったり入って、緩んだ地点で取りついていってのロンスパ持続力戦、という趣が強いですね。

 後半は12,6-12,1-11,3-11,4-11,9という推移ですので、坂の下りでじわっと引き上がってコーナー出口で最速、そこから長く脚を問われた格好ですし、あのペースからでも積極的に仕掛けていった事で後続はより苦しくなった、という面はあると思います。
 ある程度後ろからでも追走は問われるペースだったとは思いますし、トータルで見るとスタミナ寄りの総合力が求められたイメージで、瞬発力よりはじわじわと伸び続ける持続力面で良さを見せた馬が最後しっかり食い込んでいる印象です。

 勝ったステイフーリッシュは、前走の輸送での馬体減からしっかり立て直しての+16kgを見た時点で好印象でしたが、それに輪をかけてのレースでの意外なくらいの積極性が光りましたね。
 本当に今年の藤岡佑Jの京都2200~2400mでのポジショニングの良さとバランス配分の正確さは見事だと思いますし、馬自身外枠からこんな楽にすんなり先行出来る馬とは思っていなかったので、そのあたりはこの血統らしい成長力の賜物なのかな、と思います。

 ペース的にはかなりタイトに流れていたのですが、この馬の位置で大体1000m59,2~3くらいと、前後半のバランスで言えば綺麗な平均くらいのポジションにはなっています。
 かつそこから1200-1000m地点で前のメイショウテッコンが13,2と顕著に息を入れているのですが、それに付き合い過ぎず、フラットに3馬身ほど取りついて坂に入っているあたりのバランス感覚、変に上げ下げをし過ぎず馬のリズムの邪魔をしない、という哲学がしっかり浸透した押し上げだったと思います。
 実際ここを12,6と考えれば、59,2-12,6-59,2という走破バランスなので、追走面でしっかり良さを見せ、最小限の緩みでもしっかり息を入れて走れているのが見えてきますし、その後の立ち回りも中々でした。

 大体残り800mで前と2馬身くらいありましたが、これをしっかり12,1の時点で詰めきっていて、ラスト3Fはほぼこの馬の上がりで推移する格好になっており、しっかりコーナーから勝負する事で後続が押し上げるのを苦しくしている、かつ瞬間的な切れ味は微妙に足りないこの馬の短所をフォローし、長く脚を使える長所を早仕掛けを怖がらずに引き出せている抜群のバランスでした。
 馬は直線一頭になってややフラフラしたりとまだ若い面は見せていますが、ラストも11秒台でまとめてほとんど後続を寄せ付けない完勝でしたし、この平均ペースで先行して結果を出せたのは次に向けては大きな収穫になったと思います。藤岡佑Jとしても、ダービーで体が二つ欲しいと思わせるパフォーマンスだったのではないでしょうか。

 共同通信杯の時は輸送でガレて力を出せなかっだ分もあり、まだまだ繊細さは感じるものの、素材はやはりかなりいいものを持っているので、本番でも馬体を減らさずに挑めるなら楽しみはありますね。
 ただ先行勢がかなり強力ですし、その中で切れ味がある方ではないので、かなり積極的に入っていかないと勝ち負けまでは流石に、というイメージです。それこそトーセンホマレボシ競馬を狙うくらいの思い切りは欲しいですかね。

 2着のアドマイヤアルバは、今までずっとマイルを使っていたのがどうなのか、と印の当落線上でかなり迷ったのですが、結果的にそこそこ追走が問われる展開と、総合的なスタミナが問われた中で、持ち前の堅実さを遺憾なく発揮してきたと思いますし、あとやはり今の岩田Jは大分冴えている印象がありますね。
 マイルでも先行できる馬ですが、少し出負けしたのもあり、距離を考えてかじっくり後方寄りのポジションになったものの、結果的に後半要素をしっかり引き出してこれたと思いますし、後は仕掛けのタイミングがすごく良かったと思います。

 後ろからの馬の中ではこの馬が一番早く、残り800mの下りに入ったあたりから一気に進出していますが、前のラップが12,1-11,3なので、ある程度緩い地点で押し上げて勢いをつけられたのは、外を回すロスよりもアドバンテージが大きかったと思えます。
 逆にこの馬の動きにワンテンポ遅れて動いた組は、諸に11,3の地点で速い脚を一気に使う羽目になっていて、本質的にはそこまで持続力面では評価していなかったこの馬が2着に粘り込めた要因になっているのかな、と考えています。
 まあ血統的にはこのくらいの距離で良さが出る可能性はありましたし、こちらも追走面にはまだまだ余裕があると思いますので、ダービーでひとつでも上を狙うなら個人的には果敢に前の流れに入っていくべき、とは思いますね。総合力的にステイフーリッシュにも完敗なので流石に上位争いは厳しいでしょうが。

 3着シャルドネゴールドは結果的に外枠が痛かったですが、ある程度ポジションが取れたとしてもこのペースで削がれた可能性もあるので、どう転んでも現状はここまでのレベルの馬だったか、と見ていい気はしています。
 外枠の分中々インに潜り込めなかったのも痛かったとは思いますが、ボウマンJらしくコーナーは極力タイトに、それでいて進路取りではある程度スムーズに捌けてはいるので、力は出し切っていると思いますし、それでも痛いハナ差、ではありましたね。先週の春天に続き、ボウマンJは岩田Jの好騎乗に悉く退けられている格好になっているのは面白いところです。

 4着グローリーヴェイズは、序盤でポジションを取り切れず、内々を立ち回った分進路確保が遅れてしまったのが痛恨でしたね。
 スタートもあまり良くはなく、ある程度促してもあの位置なのでその辺は仕方ない面もありそうですが、アドマイヤアルバが動いた時点で一緒に、という意識はあっても、コース取りの差でこちらは直ぐに前が壁、というあたりは上手くやられているな、という感じでしたし、もう少しスムーズなら2着争いに加わってこれたとは思います。
 ああいう窮屈な形でもしっかり脚を使えたのは収穫ではありますし、距離もこのくらいあって良さそうですが、もう少しポジショニングを上手くしないと、後ろから後半要素だけで圧倒できるほどの素材ではないのでそこが今後の課題になりそうですね。

 5着メイショウテッコンは、なるほどこの馬はペースうんぬんより、あくまでも逃げた方が良い馬なのかな、と感じさせる粘り込みでしたね。
 1000m58,5ですからかなりのハイですし、しっかり息は入れたとはいえステイフーリッシュの早仕掛けでスッと直線前に出られてからもしぶとく、この展開で0,4差ならかなり強い競馬は出来ていると見ていいです。
 緩急自在、とまでいかずとも、ギアの上げ下げの中で後続を翻弄する競馬が出来るタイプですし、一度横山Jとか乗ってみて欲しいかなぁなんて感じます。出足そのものは抜群とは言えないので、まずは逃げの形を安定して作れるかが今後の課題でしょうが、そのあたりがしっかりしてくればかなり面白いタイプの中長距離の逃げ馬になれる資質は秘めているなと感じました。

 ユーキャンスマイルやアルムフォルツァは、後半の長くいい脚は確かですけれど器用さがないので、どうしてもこういう締まった流れですと雪崩れ込むだけにはなってしまいますね。それぞれにもっと距離はあっても良さそうです。
 ケイティクレバーは率直に追走負けだと思います。今までほぼ前半60を切るペースを刻んだことのない馬ですし、唯一そうだった朝日杯の早々の失速ぶりからも、こちらはスローでこその後半型逃げ馬なのでしょう。
 ここはすんなり主導権を取れると安易に思ったのが失敗でしたし、ただやはり番手以降の競馬であまり味が出ないのも間違いないと思うので、次はしっかり逃げの形を狙って欲しいですけどね。

 フランツはまぁあの位置からではどうにも、というのはまずありますが、やっぱり単純な後半要素でも爆発的なものはなくて、速い流れの中での一脚が武器なのでしょうね。
 その意味では距離はもう少し短い方がいいのかもですし、なによりスタートが安定してこないと中々難しいと思います。
 また外枠でリカバー出来たとしても、スローから外々早めに動いて捻じ伏せるタイプでもないと思うので、意外と確実に好走する、という幅は広くないかな、とも感じますから、どうせ次も人気するでしょうけどあまり信頼は置けないタイプでしょうね。


posted by clover at 17:02| Comment(4) | レース回顧・中央競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
毎度!
フーリッシュ、横綱相撲でしたね。
折り合いも良く、
下り坂からの伸びも良くて長く良い脚を使うのはいいですね。
ひつ夏過ぎて馬体も成長の一途を見せて来たら、
菊花賞の惑星として買いますわ。

早く来い秋!って、
その前に大一番のダービーですねw
ダービー予想も楽しみにしております。
Posted by ギャロップ at 2018年05月05日 20:32
>ギャロップ様

 いつもコメントありがとうございますー。

 まずこのペースであの位置をすんなりと取れたのが驚きでしたし、ステイの仔としては随分気性が良さそうなんですよね。
 ああいう優等生なレースが続けて出来るようなら、ポジショニング勝負になりやすい菊花賞は楽しみがありますし、ステゴ最後の大物になれる可能性を秘めているな、と感じさせる走りでした。

 しかし今年のダービーは本当に高いレベルで混戦過ぎて悩ましいですね。とりあえず後は有力馬の脱落なく本番を迎えてくれれば言う事はありません。
Posted by clover at 2018年05月06日 03:51
ペースが上がったこともあって、なかなかの高レベルでしたね。個人的には
青葉賞より上だったと思います。準オープンレベルにあったはず。
ただ、ペースが上がっての高レベルレースだけに、ダービーに繋がるかどうかは
騎手次第というところですかね~

ステイフーリッシュは共同通信はいろんな面からノーカンにしておいた方が良いと
して、新馬からここまでの成長曲線を考えると、ホープフルSはタイム以上の
レベルにあったということで間違いないなと感じました。やっぱり今年は、基本的に中山
であった2~3歳戦はタイム以上に評価しておくというスタンスでいいですね。

またフランツの凡走からも、高速状態の阪神外回りは、タイムほどに評価するのが
危険な可能性があるということをセットで考えておく必要はあるかなと思いました。
Posted by I.C.スタッド at 2018年05月06日 10:43
>I.C.スタッド様

 いつもコメントありがとうございますー。

 少なくとも新馬からいきなりGⅠであれだけのパフォーマンスが出来た馬ですから、まともなら弱いわけはないんですよね。
 適性面や体調面で色々噛み合わない所はあったでしょうが、この走りができるなら先々本当に楽しみだと思います。

 まあ本番誰が乗るのか、ですけどね?
 藤岡佑Jは多分先約でサンリヴァルだとは思いますし、ボウマンJがダービー週までいるらしいので、この馬かコズミックフォースかあたりに乗ってきそうな気はするのですが。

 阪神1800mの時計勝負は、コース形態的に400-200m地点の一脚の鋭さでどうにかなる場合が多いんですよね。
 本物か見極めるには、ラスト1Fでどこまで持続力を引き出せているかで、12,5でやっとこ差し込んだフランツは怪しいとは思っていたんですけどねぇ。 
Posted by clover at 2018年05月06日 16:30
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