2018年04月09日

2018 皐月賞 プレビュー

★はじめに

 さて今週はいよいよ牡馬クラシック第一弾、最も速い馬が勝つ皐月賞です。
 桜花賞はアーモンドアイの震駭たる新女王襲名劇となりましたが、こちらは絶対王者のダノンプレミアムがその王道道半ばで一頓挫し、一先ずはダービー前に暫定王者を決める一戦となりそうですね。


★レース傾向分析

 毎週の事ですが、概ねこのコーナーは昨年の記事http://horserace-romanesque.seesaa.net/article/455700899.htmlが流用出来ますので貼っておきます。
 去年はレース傾向よりは平均寄りのペースになって、それでいながらレコードと、前日から一変しての馬場の高速化が顕著に過ぎる難しい条件にはなっていました。
 今年の場合はもう既に高速化はしていると言えますが、逆にまた週末予報が雨気味でもありますので、また直前まで馬場条件に頭を悩ませるレースになりそうです。

 ただ馬場がどうあれ、一定の追走力と底力は確実に問われるレースになりますし、今年は先行馬もかなり犇めいていますからその攻防も面白くなりそうで、出来れば綺麗な良馬場での戦いになって欲しいなとは思いますね。


★有力馬所感

・ステルヴィオ

 昨日アーモンドアイが勝って勢いに乗るロードカナロア産駒、この馬は産駒の中でもデビューが早く、そこからしっかり実績を積み重ねてきましたし、ダノンプレミアム以外には負けていない以上ここはなんとか勝ちたい条件になるでしょう。

 少なくとも前走は確実に前目の馬に有利な展開でしたし、それをあの位置からラストまでほぼラップを落とさず差し込んできた、という点で、どうしても囁かれる距離不安の声に関しては個人的には全く気にしていません。
 むしろロードカナロア産駒全体の傾向としても、マイル以上に距離を伸ばして良さが出そうな馬は多いですし、けれど一方で、マイルのスピード勝負にも対応出来る追走力や全体スピードも兼ね備えている以上、高速決着になる皐月賞は絶好の舞台だと思っています。

 不安としてはやはりポジショニングがそこまで上手くはないので、内目の枠を引いた時に後手後手に回りそうなことと、あと馬場悪化でよりスタミナが問われるのは微妙かもしれません。
 勝ったレースとはいえ、相手関係など考えればコスモス賞はやはり微妙な内容ですし、持続力が最大の武器ですから、それを引き出すに足る速いラップを踏める展開になって欲しいところです。

 少なくともアーモンドアイほどの瞬間的な爆発力はないので、スローでも問答無用で勝ち切れる、というレベルではないとは思いますが、皐月賞の傾向通りに59-59くらいで流れてくれる展開ならば堅実に差し込んでくるはずです。
 差し馬の比較としてはとりあえずワグネリアンは強敵になりますし、並びなども踏まえて総合的に考えていく事にはなりますが、現状は本命に最も近い馬、ではありますね。


・ワグネリアン

 こちらも前走で連勝街道は止まってしまったものの、それでもダノンプレミアム以外には負けていないもう一頭の馬として、ここで無様なレースは出来ないでしょう。
 ただこの馬もステルヴィオとキャラが被るというか、エンジンの掛かりが遅く、絶対的な切れ味の質は持っていなくて持続力で勝負するタイプですので、いかにスムーズに仕掛けからノーブレーキで、この馬の底力を信じて強気に押し上げていけるかがポイントになりますし、その点常にポジショニングの意識や距離ロスの意識を強く持つ福永Jが本質的に合うか、という意味ではどうしても疑問視したくはなってしまいます。

 ただこちらも東スポ杯で追走面の不安はほぼないですし、馬場が悪化しなければ変に評価を下げる理由もないでしょう。
 野時菊Sの重馬場が額面通りだったかは多少疑問があるとはいえ、ある程度の渋りなら対応できそうなことも含めて、総合的にステルヴィオと双璧なのは間違いないですし、この2頭を負かせる可能性がある馬がどれだけいるか、というのがこのレースの焦点にはなってくると思います。

 この馬も現状まだ本命の可能性は残しつつ、最低でも連下では押さえる事になるでしょう。


・オウケンムーン

 こちらはトップクラスとの激突はないものの、近年の出世レースである共同通信杯を強い競馬で完勝し、勢いに乗っての挑戦となります。
 国枝厩舎も桜花賞制覇で勢いづくところですし、良血が幅を利かせる中でのこの渋い血統で、どれだけ太刀打ちできるかはかなり楽しみなところです。

 この馬の場合、前走は明確に高速馬場&後傾型の競馬でレベルアップを見せてきました。
 中山2000m自体も経験しているのは強みですが、あのレースは馬場が重い時期だったのでレースレベルとしては微妙で、ポジショニングの面では上位人気馬の中でトップクラスのものがあると思うだけに、高速馬場で前目からの競馬を狙っていきたいところです。
 コース適性などあるとはいえ、カフジバンガードあたりとの比較でもスプリングS上位にそこまで遜色ないとは思えますし、内目の枠からスムーズに先団の後ろくらいに入っていけそうならば楽しみはあります。

 ただ今のところ馬群の中からスッと抜ける競馬はしていないですし、多頭数でごちゃつくリスクもある中での立ち回りが諸刃の剣になる可能性も含め、まだまだ未知の部分も多いですから判断が難しいですね。
 とりあえず良馬場で極端な外枠でなければ印は打つと思います。


・ジャンダルム

 こちらも弥生賞は完敗でしたが、より追走が問われて本領発揮の可能性もあり、高速馬場条件でしっかりポジションが取れれば面白い一頭になってきます。
 この馬の場合加速性能はかなり高く、また一瞬の切れもしっかり持っていますが、持続面では最上位には及ばないと感じますので、好走のためにはやはり内枠が欲しいな、と思いますし、そこそこ先行馬が多い中でどこまでポジションを主張していけるかが課題になってくるでしょう。

 全体を見渡しても、競走馬としての完成度と器用さはトップクラスにあるかな、と思いますし、その強みを生かせれば楽しみですが、外から正攻法で勝ちに行って粘り込める相手関係ではないか、とも思うので、そのあたりの上げ下げはポイントになってきますね。
 ただどういうペース、位置取りにせよ勝ち切るイメージまではもちにくいですし、基本的には連下想定、並びによっては印を回さない可能性もありそうです。


・キタノコマンドール

 こちらは色んな意味で話題性と未知の魅力に溢れ、しかもGⅠハンターミルコJが選んだ馬、という事で人気も赤丸急上昇となっています。

 少なくとも前走のすみれSはかなり強く、如何に高速馬場とはいえ、この時期の3歳馬がハロン12を2200m戦で切ってくるのは素晴らしく、かつ全体の仕掛けは遅くて最速11,0という出し抜きのラップの中でも全く見劣りしない瞬発力と加速性能を見せてきました。
 かつそれをコーナーで使えているのは、今回の小回り気味の中山での適性も感じさせるところですし、中山の勝負所、動くポイントを熟知しているミルコJだけに非常に怖さはあります。

 ただ他の有力馬に比べると、追走面とポジショニングの不安は顕著で、その辺は去年クリンチャーが同じローテであっさり克服してきたように、可能性がない事はないですが、やはりやってみないとわからない、という面はあります。
 ですがレースレベル、という視座だけで言うなら、去年も重い時期の中山トライアル組より高速馬場で高いレベルを示してきた馬達が上位独占した経緯もありますし、すみれSも準オープンレベルの芸当は見せていますから、バッサリ切るのは躊躇するところはありますね。

 少なくとも後半勝負だけならステルヴィオ・ワグネリアンと伍していけるだけのインパクトはありますし、評価に悩む一頭になります。


・タイムフライヤー

 初代ホープフルS王者で、そこではジャンダルムを破ってきたものの、叩きの一戦とは言え若葉Sで惨敗、ここが試金石となるタイムフライヤーも取捨の難しい一頭です。

 ただ基本的に早咲きのハーツ産駒とはいえ、超高速馬場が得意な馬はそんなにおらず、ここで時計勝負になるようだとやっぱり少し苦しいかな、という印象はあります。
 前走にしてもそこそこ時計の出る馬場での平均ペースで、早めに外を回して持続力面でそこまで良さが出てきませんでしたし、ここで好走するなら最低でもスタートを決める事、京都2歳Sくらいのポジショニングの意識を持って入っていく事が必要になってくるかなと思います。

 一方で馬場が重くなれば一気に台頭してくる可能性はある馬で、基本的には器用さがあり大崩れしないタイプですから、乱戦になりそうな状況なら思い切って評価を上げる形を取るのもアリかもしれませんね。


・エポカドーロ

 スプリングSは最後までステルヴィオを苦しめる好走を見せたこの馬、桜花賞では絶対的人気のオルフェーヴル産駒ラッキーライラックが苦杯を舐めましたが、今度は逆に人気のカナロア産駒を逆転する事が出来るかにも注目が集まります。

 この馬の場合、前走の実質的なスローバランスがベストだったか、という意味では疑問があって、或いはもうちょっと流れた方がいいタイプ、とい可能性は残っています。
 あすなろ賞の内容は本当に強くて、平均ペースから後半ロンスパ気味の中でも全く落としてこなかったですし、多少馬場が渋っても問題ないのはやはり強みになってきます。

 ですが前走に関しては、こちらは権利を取らなきゃいけない立場で、ステルヴィオは完全に叩きのレースでしたし、向こうは距離伸びてプラスとも見ていますので、基本的に逆転は難しいのかな、とは思っています。
 先行馬が多いので、相対的に逃げなくても競馬が出来るこの馬のポジションもそこまで前々にはならないかもですし、それに今の戸崎Jは本当に頼りにならないので、そのあたりを踏まえても印を回せるかは難しいところでしょうか。
 能力そのものは高いと思うので、やや外目の枠からスムーズに前に入っていけそうな形なら、ですかね。


・ジェネラーレウーノ

 こちらも京成杯まで破竹の三連勝、そこから休み明けの異端ローテでの参戦になりますが、アーモンドアイ然り未完の大器の不気味さは漂わせています。

 ただ純粋にレースレベルで見た場合、コズミックフォースがすみれSで完敗、その他の馬も基本重賞で目途が立たない馬ばかりで、ホープフルSとは互角だったといえど、今となってはそのホープフルSのレベルも微妙なのは間違いないので、その点で評価はしにくいですね。
 けれどこの馬の場合は単純に高速馬場で走った事がまだない、という所と、血統的に渋った馬場でもある程度やれそう、という部分はあり、そこそこ引っ張ってくれる馬が多いメンバーの中で競馬そのものはしやすいのかな、と思います。

 気性面など難しさはまだまだありそうですし、今の完成度で太刀打ちするのは苦しいとは思いますが、それでもその未知の魅力に賭けてみたくなる雰囲気はあるのが困りものですね。
 ただ現実的にここまで印を回す余裕はないかな、と考えています。


・グレイル

 馬場が渋った時の単穴候補、でしょうか。
 前走は良馬場の外枠でポジショニングに苦労、かつ究極的な瞬発力を問われて全くダメでしたが、ある程度分散される中山ならその点は悪くないのかなと思います。
 それでも前半59くらいの流れである程度位置を取りに行けば削がれそうな雰囲気は強いですし、顕著に渋って2,02,0くらいかかる馬場でなら狙えますが、良馬場だったら流石に厳しいかなと踏んでいます。


・サンリヴァル

 こちらは良馬場での単穴候補です。
 基本的に追走力は高く、かつ馬群に揉まれても怯まない精神力の高さと完成度があって、混戦になりやすい皐月賞向きの馬だな、とはずっと思っていました。

 ハイペースに巻き込まれたホープフルSにせよ、スローに支配出来た前走にせよ、勝負所の3~4コーナーで無為にペースを落とし過ぎて、後続の捲りを楽にさせてしまったのが敗因だと見ていますし、このレベルになればそこで顕著に緩む可能性は低くなりますので、この馬の追走力と底からの確実な一脚が生きる可能性はかなりあると踏んでいます。
 勿論底力勝負では一枚足りないとは思いますが、皐月賞はどうしても多頭数の中で差し損ねが頻発するレースでもありますから、内枠からポケットあたりが狙えそうな並びなら重い印を打ちたいなと思っています。


・ケイティクレバー

 転厩初戦で乗り替わりもあり、色々と難しい立場ではありますが、逃げ馬候補の中ではまだ番手でもやれる、という意味で狙い目にはなりますし、キタノコマンドールを苦しめたすみれSの内容からも能力的に通用する素地はあると思います。
 それまでのレース的にも上がりや切れ味に限界があるタイプと考えていましたが、前走は高速馬場とはいえ顕著にスパッと加速して切れる脚を披露していますし、自分であれだけのペースを刻んでこれなら、馬自身はかなり強くなってきていると感じさせました。

 どうしても今回は先行争いの中での立ち回りが難しくなりますし、朝日杯を見ても絶対的な追走の質や前傾バランスに入ったら苦しいか、という感もありますが、例えば微妙な渋り馬場で全体が様子見的に入っていくような形ですと、この馬のしぶとさが生きてくる可能性はあるかもしれません。
 条件次第では拾ってみたい馬にはなりますね。


・アイトーン

 若葉Sを強いラップで逃げ切り勝ち、ここでも持ち前の二枚腰を披露できるか注目です。
 この馬の場合は逃げ馬の中でも明確に弱点があり、逃げられないとはっきり成績が悪いという部分で、しかも先行馬の中ではそこまでスタートセンス・二の足共に優れているわけではないので、どこまで自分の形を主張できるかがポイントになります。

 おそらく内枠ですと逃げられずに終戦になりそうですし、逆に外枠だと無理矢理出していって序盤のペースがかなり引き上がる可能性があり、レース全体の流れを左右する一頭だと見ています。
 まあダノンプレミアムがいなくなった分、自分の形に持ち込めればノーチャンスではないとは思いますが、前目の馬でもケイティクレバーやサンリヴァルは好走の幅も広く手強いと思いますし、当然この馬自身絶対的な追走の質、全体スピードの担保も薄いですから、前走の内容だけでここも狙う、というのは流石に難しい、家賃が高いかなと考えています。

 こちらも少し渋った馬場の方がチャンスはあると思いますし、そこは含んでおきたいですが、良馬場なら印を回す余裕はないでしょうね。


posted by clover at 19:42| Comment(0) | 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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