2018年03月31日

2018 ダービー卿チャレンジトロフィー レース回顧

 既に桜が散り始め、春の足音がせわしなく駆け抜けていく中で、ここでも春の大舞台での飛躍を目指す上がり馬のヒーズインラブが中団内から突き抜けて快勝しました。レースを振り返っていきましょう。


 まず馬場状態に関してですが、このレースで超高速に近いところまで一気に引き上がっている、と確信できた印象です。
 山吹賞が中山2200mらしく向こう正面から引き上がっていく形で、ある程度ロンスパながらコーナーで11,5-11,4-11,7とほとんど落とさずに前が押し切る競馬で、後半5Fの58,7は間違いなく先週までの馬場では出ないラップでした。

 そして10Rの1200m戦が、34,1-34,5とペースがかなり緩かったので全体時計はさほどでもないのですが、後半が11,7-11,3-11,5とコーナーで少し緩む展開になっています。
 そこを後方につけていたイノバティブとシゲルタイガーが一気に捲って差す、という競馬で、外差ししやすいグリーンベルトも出来てきているのかな、と思わせました。
 シゲルの上がりが33,3ですから、これも先週までの馬場ではまず出せないラップで、ある程度高速化は予想していましたがそれ以上かも、と思ったところでのこのレースの1,32,2、流石にここまで時計が速いと狙いのポイントも少しずつずれてはきたなぁ、という感じです。

 ただ一応このレース自体はかなり流れていましたので、まだ絶好の高速馬場までは上がり切っていないかもしれませんね。それでもかなり走りやすい軽い馬場に変貌してきたと思いますし、馬場のバイアスもそこまで内外大きな差はないのかな、というイメージでした。

 レース展開は、一番スタートが良かったのはキャンベルジュニアとソルヴェイグですが、二の足を効かせてマルターズアポジーがスッとハナを奪います。
 キャンベルジュニアがポケット、ソルヴェイグが番手外につけて、その後ろにマイネルアウラートとミュゼエイリアン、外からダイワリベラルとクラリティスカイも積極的なポジショニングになります。

 中団やや前のインくらいにレッドアンシェル、その真後ろにヒーズインラブがいて、ロジチャリスとサンライズメジャーがその外、グレーターロンドンはまずまずのスタートからじわじわ下げるも外には出せずに後方インで我慢を強いられ、その列にやや出負けしたテオドール、ストーミーシーがいました。
 アデイインザライフはスタートからの急流に戸惑ったように最後方からになってしまいましたね。

 ラップは35,0(11,67)-22,4(11,20)-34,8(11,60)=1,32,2(11,53)という推移でした。
 これはいかにもアポジーらしい、中盤緩まない厳しいペースではありますが、しかし前後半で見ても46,2-46,0と実は平均ペースでした。その分後続の脚を削ぎ切れない格好にはなっていますね。

 それでもこの流れで中盤息を入れる場所も一切なく、後方に位置した馬までかなり高い追走力と総合力、底力を問われるレースになったと思いますし、ここで上位に来た馬は素材としてはやはりかなりいいものがある、と見込めるだけのレースではあったと思います。
 そして後半11,2-11,3-11,9-11,6と直線入り口でのアポジーの失速は早く、そこで上手く脚を残しつつ最後にもう一伸び出来た馬、スムーズに進路確保で来た馬が上位に来ているな、というイメージですね。

 勝ったヒーズインラブは、言い訳ではないですがこういう馬場だとわかっていればもっと重い印打てたと思いますし、実際思った以上に人気していたのも過去の中山高速戦のパフォーマンスを評価されていたからでしょう。
 今回は微妙な枠でしたが、そこから上手くインに入れて、外を通すとロスが大きくなる中盤をじっと凌ぎ、前が緩んだ直線入り口からも少し外に出してスムーズに進路確保と、かなり形としては噛み合ったなと思います。

 この馬自身は上がりから推定して46,9-45,3とややスローくらいでは入れていて、高速馬場でこのペースでも削がれずに、後半要素をしっかり引き出してきたなというイメージでいいですし、この馬自身はほぼラスト1Fでも落としていないと思えるのでこれは強い競馬ではあったと感じます。
 時計勝負のマイル戦が向いていますし、持続力も相当に高いので、良馬場前提なら安田記念は悪くない条件でしょう。流石にかなり家賃は高くなるでしょうが、充実期に入ってきた今なら面白いですし、ハービンの仔でここまで高速馬場巧者なのもレアなので頑張って欲しいですね。

 2着のキャンベルジュニアもいい競馬でした。
 この馬の場合は非常に追走力が高く、逆に後半要素では一瞬しかいい脚を使えませんので、まず今日はポジショニングがほぼ完璧でしたし、アポジーが作る淀みの少ない流れに乗って淡々と進めていけたのも良かったのだろうと思います。
 ただ後ろから入った馬は、この馬場でこのペースでも脚を残していて、前目で掲示板に残ったのはこの馬だけなので強い競馬はしているのですが、理想としては更に0,5秒くらい前半が速ければ面白かったのかもしれません。
 いずれにせよ、高速馬場でも強気にペースを作っていけば重賞でも、という所は見せましたし、マイラーズCとかは結構合うかもしれませんね。

 3着ストーミーシーは、この馬にとっては枠が良かったのと、外差しもそこそこ効く高速ロードをしっかり緩んだ地点で押し上げてこられた、というのが噛み合ったのかなと思います。
 多分グレーターロンドンと枠が逆なら結果も逆だったイメージですし、ただこの馬も本当に瞬間的には良い脚を使いますけれど、そのまま前を飲み込むほど維持は出来ないのがもどかしいですね。
 今回はスピード勝負のタフな展開でこの馬のタフさが生かせたのも良かったですし、今回のように圏内食い込みのためには色々条件が問われる馬ではあるものの、まだまだ今後も期待出来そうです。

 4着テオドールは、やっぱりこの距離の方がいいんじゃないかなぁ、と思えますね。
 今日の場合はやや出負けして後ろからになりましたけど、ある程度外目を回しつつも勝ち馬と遜色ない脚を使えていますし、高速決着にも余裕で対処してきました。
 自分の競馬が出来れば重賞でも力は足りる、という所は証明できましたし、かつある程度流れてこそなのはあるはずですから、時計が速くてかつ前後半のバランスが取れているマイル戦、というのがベスト条件に近い、その上で理想を言えばこの馬自身が前目を取ってしっかり折り合えれば、という感じですね。

 5着グレーターロンドンは枠がやっぱりちょっと厳しかったですかねぇ。
 流石にスタートから一気に下げてポツン、というわけにもいかなかったのか、最近はその点改善してきたものの逆にそれも仇になっている感じで、馬群の中からじわじわ下げても常に外に壁があるイメージで、最終的には最内に絞ってのレースになります。
 ただ直線どちらかと言えば三分所より外の方が伸びる感じなのと、どうしても下がってくる馬を捌くのに時間を要してスピードに乗せ切れずに終わったイメージで、田辺Jとしては悔いの残る半端な騎乗になってしまったのではないでしょうか。

 カフジテイクなんかもそうなんですけど、なまじスタートがマシになって馬群に取りついていくよりも、序盤は捨ててでも自分のリズムと外差しに徹した方がいい馬、ってのは、ノンコノユメなんかもそうですし確実に少数はいるのだろうと思うんですよね。
 この馬の場合も今日の馬場なら最後方からぶん回しでも、出し切れれば瞬発力の質と持続力はこのメンバーでは一枚上ですからもうすこし上に来られた可能性はあって、結論的に言えば外枠&少頭数の方がいい馬、とはなるでしょう。
 流石に今年はもう賞金的に大きいところは無理っぽいですし、メイS⇒エプソムCあたりで着実に稼いで、秋のマイルチャンピオンシップには間に合わせて欲しいんですけどね。

 6着レッドアンシェルは、結果的にマイルの総合スピード勝負になると少し足りない、というのを、NHKマイル同様に露呈してしまったと言えます。
 まあもう少し時計の掛かる馬場想定ではあったので予想自体は仕方ないな、と思っていますが、ある程度位置を取れて直線でも前はクリアなのに伸びあぐね、すぐ後ろにいたヒーズインラブに楽々差されている以上、追走が問われずゆったり入りたい馬、というのは確定的だと思います。

 その意味ではマイルより距離を伸ばしてもいいのかな、と思いますし、一度ワンターンの1800m戦で見てみたいですね。ポジションが取れる今ならそっちの方が安定して強い気はしますし、マイルでも少し時計の掛かるコンディションやスローバランスなら狙えると思います。

 10着アデイインザライフは、本来マイルの馬ではないと思いますし、スピード勝負になったここは尚更ですが、それでも終いはしっかり自分の脚を使えているとは思います。
 なので適距離に戻れば次はかなり期待できるかなと感じましたし、新潟大賞典あたりに出てくるなら重い印も視野に入れたい馬ですかね。




posted by clover at 16:46| Comment(4) | レース回顧・中央競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
中山は仮柵つけて随分と高速化しましたね~。元々が速かった阪神に比べて、
ここまでとのギャップが大きいだけに、荒れやすくなるのかもしれませんね。

ヒーズインラブは足りるかどうかは別にして、安田記念は合うように思うんですが、
シンガポールのクランジマイルに行くかもらしいです。ドバイ見てもそうですけど、
もう海外遠征っていうのは特別な馬の特別な出来事ではなくなって久しいですが、
もう少し国内のレースにこだわってもらったらどうかなと思ったりもします。
まあ、出資者のこと考えたら使い分けた方が良いのは分かりますけど、
レイデオロとアルアインとリアルスティールが一堂に会した方が盛り上がるんじゃ
ないかなと思うんですけどね。
Posted by I.C.スタッド at 2018年04月01日 10:33
>I.C.スタッド様

 いつもコメントありがとうございますー。

 例年の傾向通りではあるにせよ、先週までがああなだけにこの振れ幅はアジャストが難しいですよねぇ。
 騎手も中々馬場に合わせる意識を持ちにくいですし、適性面で今まで燻っていた馬がガラッと一変する余地が出てきたので、そのあたりを見切れれば面白いんですけどね。

 確かにもう海外はロマンとか栄誉でなく、単純にリスクがリターンに見合うかどうか、という観点で使うべき舞台になってますからね。
 近年は本当に国内でトップホースが大集結、というシーンは見なくなりましたし、それは寂しいとは思いますが、ある程度結果が伴う限りはこの風潮は変わらないでしょうねぇ。
Posted by clover at 2018年04月01日 16:03
いつも勉強させて頂いています。ホースレさんの展開を読むのが楽しみで、毎週脱帽しています!これからも頑張って下さい。
Posted by なかやま at 2018年04月02日 21:30
>なかやま様

 コメントありがとうございますー。

 展開予想もかなりしっかり考える割には中々上手く当たってはくれないので申し訳ない話ですが、少しでも制度を高められるよう今後も精進します。応援ありがとうございます。
Posted by clover at 2018年04月03日 18:33
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