2018年02月26日

2018 2月第4週3歳特別戦 レース回顧

 今週は特別戦だけでも5鞍もあって非常に豪華、かつ中々見応えのあるレースも多かったですね。しっかりと回顧していきましょう。


★水仙賞

 このレースは内から鋭く伸びたロサグラウカが坂上でも脚色衰えずの完勝、去年のイブキに続いてルーラーシップの仔がこのレースを制するとともに、これで2戦2勝と、クラシック戦線でも惑星となる資格を勝ち取ったと言えそうです。

 土日の中山の馬場は、時計的にはそこそこ出ていたとは思いますが、見た目通りに内馬場はあまり良くはなく、色々と適性面で開幕週らしからぬ要素が問われた格好なのはあるかな、と思います。

 レース展開は、外からラスエモーショネスが逃げて、好位にタニノフランケル、ロサグラウカは好位のインに収まり、ダイワギャバンがその後ろ、ウラヌスチャームは後方からの追走になりました。
 ラップが36,7(12,33)-26,6(13,30)-37,3(12,43)-34,8(11,60)=2,15,4(12,31)という推移でした。
 最序盤こそコーナーまで距離があるコースなのでそこそこ引き上がってはいますが、1~2コーナーでガクンとペースが落ちてのスロー、向こう正面からタイプムーンが外を押し上げたことでロンスパになるも、ラスト3Fはほとんど減速しないラップで締めています。

 残り1000mが12,1-12,1-11,7-11,5-11,6でジャスト59秒なので、この馬場でのロンスパとしては悪くないでしょう。大体中山記念のウインブライトで58,5くらいでしょうからね。
 無論前半スローで実質的に時計が出ない馬場ではなかったとはいえ、内目を通してラストまで突き抜け切った勝ち馬は中々の素材感がありました。

 新馬の時もラスト1F最速で底を見せていない勝ちっぷりではありましたが、流石に福島回りでどこまでか、と懐疑的に見てしまって、ただ少なくともロンスパの流れの中で一番ロスの少ない絶好位で折り合えていたのは良かったのだろうと思います。
 ただ相対的に内がタフな馬場で中々伸びあぐねる馬が多かった土日の中で、この位置取りで突き抜けたのは中々にインパクトがありますし、数字的にすごく切れる、とは言えませんが、長くいい脚を使うルーラーシップ産駒らしい競馬だったと思います。

 距離的にはこのくらいでしっかりポジショニングしつつ、が合いそうですし、追走を強く問われての課題はありますが、ダービートライアル路線で楽しみな一頭にはなるでしょう。

 2着ウラヌスチャームも、スローバランスでしっかり脚を溜めると本当にいい持続力を見せてきますし、質を高めてくるのも好印象です。
 如何に新潟マイルとはいえ、新馬で32,0の極限的な上がりを出しているのは伊達ではないですし、より高速馬場で距離延長、ゆったり入れれば、という感じで、最後坂でグイグイ伸びているところからも、持続力の高さと坂加速適性は感じます。
 前走は位置取りも窮屈で馬場も重かった面はあったでしょうし、より軽い馬場でのオークス路線で面白さはありそうなので、なんとかそこまでに賞金か権利を、というイメージですね。

 3着タニノフランケルは、弱くはないけど決め手に欠ける競馬が続いてしまっていますね。
 少なくとも人気馬としての位置取りは悪くないですし、外を回したにしてもロスはウラヌスチャームと同程度、と考えると、少なくとも後半特化で戦えるレベルは高くない、と見ていいのでしょう。
 相変わらずスタートセンスは抜群ですし、未勝利のように逃げる競馬を視野に入れてもいいと思いますね。要所の反応の良さは持っていると思いますし、ただ持続面は甘いので、そこをフォローするための位置取りの意識は今後大切になってくるでしょう。
 流石にこの負け方でクラシック云々は厳しくなりましたが、長い目でじっくり育てて欲しいですね。


★マーガレットS

 今年からアーリントンカップの代わりに阪神開幕週にやってきたマーガレットSは、アンフィトリテが好位から抜け出し、オジョーノキセキの追撃を凌ぎ切って見事に3連勝を飾りました。

 阪神の馬場は土日通じて文句なしに高速馬場で、スローのレースが多く全体時計は目立たないものの、かなり速いラップを踏んでいたのでその点は間違いないと思います。

 このレースもハゼルが逃げて、そしてアンフィトリテがスッと2番手を確保して実質コントロール、ベルガドやオジョーノキセキがやや出負けしてのもあってペースが上がりませんでした。
 ラップも34,7(11,57)-34,4(11,47)=1,09,1(11,52)という推移で、ほぼ平均ではありますが後半は11,7-11,0-11,8と直線向いての加速度合いが非常に高く、底力よりは器用さとポジショニングが問われたのかな、と思います。

 アンフィトリテはこれまでのレースに比べて、スタートからの出足とポジショニングを劇的に改善してきましたね。
 その上で、個人的にまだこの馬はハイペース適性で懐疑的なのですが、実質的にスローに近い流れに落とし込み、直線出し抜きの脚でなんとか凌ぎ切った格好です。
 ただ11,0-11,8とかなり坂で落としているように、長く脚を使えるタイプではなく、ただ新馬のイメージからしても、このくらいのペースでの先行でも足を削がれた部分はあったのか、とも感じます。

 今回は相手関係や前半のペースに恵まれましたが、多頭数でテンがゴリゴリ速くなる競馬にどう対応してくるかはまだなんともですし、この馬は血統通り後傾型とは思うので、1200mなら京都の方が合うのかな、とは思います。
 少なくとも前傾ラップになった時には、同じロードカナロア産駒でもアンヴァルの方がまだ強いかな、とは思っていますが、成長力やセンスの良さは確かなのでそのあたりも可塑性の強い若駒の内に一気に克服してきて欲しいですね。

 2着のオジョーノキセキは、いかにも出遅れが痛かったですが、一方で後半特化の競馬でこれだけのパフォーマンスが出来たのは収穫になると思います。
 自身は35,1-33,8とかなりの後傾で、かつ残り200mまでスッキリと進路がなく、坂で猛然と伸びてきた脚色はかなりインパクトがありました。
 推移的には11,7-11,0-11,1くらいだとは思いますし、2F勝負なので持続力面の底まではなんともですが、どういうバランスになってもある程度対処できる幅の広さは改めて注目に値すると思います。

 無論理想は前受になりますし、その上で如何にペースをコントロール出来るか、なんとなく地味さが付き纏う馬ですが能力は中々いいものがあるので今後も注目ですね。


★くすのき賞

 こちらは休み明けのコマビショウが外目から豪快に突き抜け2勝目を飾りました。
 サージュミノルが逃げるのを射程圏で追いかけつつ、29,7-38,7-37,8という推移で、12,7-12,7-12,4とラスト1F最速で突き抜けたあたりは、同日の500万下でぶっちぎってきた2頭が出し切って1,45,9だったことを踏まえても悪くないパフォーマンスです。
 むしろ本質的にはもっと長い距離がいいと思いますし、タフな馬場も合うので、次走予定の伏竜Sは中々楽しみ、そこからJDDあたりまで視野に入れられる素材だと思います。


★黄梅賞

 こちらは断然人気のシルクプリマドンナを、外から豪快にカイザーメランジェが差し切りました。
 レースラップは34,0-35,1=1,09,1と、中山1200mとしては緩いくらいの流れで、かつ後半11,7-11,4-12,0としっかり再加速を踏んでいる中、コーナーでの緩みに噛み合わせて一気に最後方から押し上げてきた脚の使い方は、いかにも中山の田辺Jらしい印象でしたね。

 馬の方もそれにしっかり応えて、上がり断然の34,3でラストまでしぶとく伸び切っていますし、距離はもう少しあってもいいですが、前掛かりの展開での差し脚は今後も楽しみはある馬だと感じます。
 2着のシルクプリマドンナも悪くはない競馬ですが、ちょっと前のゆったりしたペースに合わせ過ぎたかなという面もあり、外から勢いをつけて入ってきたカイザーにスッと前に出られてしまってからの盛り返しまではいけなかったですね。

 距離適性の幅はあると思いますし、1400m前後の距離なら安定して好走するタイプでしょうが、意外とこういう勝ち味の遅さは後を引くというか、次は確勝と言い切るにはなにかパンチが足りないのは確かです。
 相手関係も弱かったとは思いますし、ちょっと物足りないレースにはなってしまいましたね。


★すみれS

 去年はクリンチャーが勝った当レース、今年は去年と打って変わっての高速馬場でしたが、ケイティクレバーが軽快に逃げ込みを図るところに、最後方からキタノコマンドールが一気の捲り差しを決めてデビュー2連勝となりました。

 隊列はまずケイティが逃げて、内のポケットにビックスモーキー、スズカテイオーやコズミックフォースがその後ろで、キタノコマンドールはほぼ最後方に近い位置からのレースになります。
 ラップが36,1(12,03)-24,5(12,25)-36,6(12,20)-34,5(11,50)=2,11,7(11,97)という推移になりました。
 ここ2年ほどはそこそこ流れるようになっていましたが、基本的には超スローになるのが恒例のレースでもあり、まさかこれだけ締まったラップになって、かつ如何に高速馬場とはいえ、この時期にこの距離でハロン12をクリアしてくる勝ち時計というのは出色だとは思います。

 しかも勝ったキタノコマンドール、馬主的な意味でも話題先行感は強かったのですが、中身も本物であるとしっかり示しましたね。
 ラップ的に後半が12,3-12,0-11,7-11,0-11,8で、残り1000mからじわじわ引き上げていきつつ直線で鋭く出し抜き、という完璧なケイティクレバーの勝ちパターンを、最後方に位置しながら残り600m地点からの動き出しで一捲り、というのは中々のインパクトでしたね。

 とにかく合図を送ってからのコーナーでの反応の鋭さが素晴らしく、ラップ的にもラストは1馬身ちょっとを詰めているので、推定で11,3-11,0-11,5くらいだろうと思います。
 流石に最速地点で明確には詰められていないものの、それでも高いレベルの切れ味と持続力を兼ね備えていて、かつそれをどこからでも繰り出せそうな抜群の機動力を見せたのは面白い要素です。
 あの動き出しで完全にコズミックフォースに蓋をし切っていますし、あの感じなら馬群の中から瞬時の隙間を縫うような競馬も出来る可能性は高く、面白い馬だと思います。

 勿論この日も追走では微妙、ポジションもかなり悪かったので、2000m路線ではちょっと全体速度で足りないイメージですが、直線で右に凭れていた事を踏まえても左回りは合いそうで、こちらもダービー路線の新興勢力として俄然脚光を浴びる事になそうですね。

 そして2着のケイティクレバーも予想以上に強かったです。
 この馬場でスローに落としたら切れ負けするだろう、と思っていたのですが、かなりしっかりペースを作って1000m通過60,6は先ず先ず、そこからも段階的に加速していきつつ、直線で11,0という素晴らしい切れ味を発揮しています。
 結果的にこのあたり、朝日杯の経験が結構糧になっている感じで、この程度のペースなら全く問題なく後半要素を引き出せるのと、軽い馬場での瞬間的な切れもパワーアップしている感じはします。

 血統的にも成長力があるのは確かですし、例年レベルならかなり侮れない馬になりますが、今年の場合は同型にダノンプレミアムが君臨しているのが厄介ですね。
 勿論弥生賞の結果次第で、というのもあるのですが、やはりどうしてもスピード色の強いところではあちらの下位互換、的なイメージにはなってしまいますし、ただこの競馬が出来るならダービーはちょっと面白いです。2,24,0前後の時計勝負に持ち込みつつも直線坂で一脚、という競馬が出来るようなら面白いですね。

 3着ビックスモーキーは初芝だけにビックリではありますが、枠の利を生かしての立ち回りも素晴らしかったですし、純粋に今年のダート路線上位はポテンシャルが高いと思っていますから、その意味ではこのくらい走っても、というのはありますね。
 この加速ラップにも楽々ついていけたように、芝適正は結構高そうですので、今後2000m前後で楽しみがありそうです。


posted by clover at 19:49| Comment(0) | レース回顧・中央競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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