2018年02月14日

2018 こぶし賞・あすなろ賞 レース回顧

 やー、もう週末の重賞の追い切り情報が山ほど出てきていらっしゃいますな…………。
 四日間開催はそりゃあ楽しかったですけれど、こうも息を入れる隙も無く来週の検討、となると、持久力の足りない身としては中々にしんどいものです。

 とりあえず今週は今日で特別、明日でその他3歳戦の回顧をサラッとやって、もう金曜から重賞予想なので、他に書かなきゃいけないことがなくて良かった、という感じです。


★こぶし賞

 土曜の淀は午後から断続的に強い雨が降り注ぎ、刻々と馬場状態が悪化していく中での開催でしたが、このレースも例に漏れずかなりの悪馬場に変貌してからのレースでしたね。
 全体の推移もあるので一概に言えないですが、この時点でほぼ重に近い悪化だったと思いますし、当然ながら馬場適性と心身共のタフさが求められた条件にはなっていたと思います。

 レースはまずスタートでトゥラヴェスーラが好スタート、それを外からオメガラヴィサンが執拗に追いかけていき、外主導で一気にペースが上がっていきます。
 それを少し離れた位置でシャルルマーニュとエントシャイデンが追いかけ、そこから更に馬群が離れて、とかなり縦長になる中で、人気のケイアイノーテックはスタートは五分ながら、内枠で流れに乗り切れず後方で外に出しての競馬、そしてパクスアメリカーナもスタートで煽り気味になりほぼ最後方からとなりました。

 ラップは34,0(11,33)-24,3(12,15)-37,4(12,47)=1,35,7(11,96)という推移でした。
 ハーフで見ても45,9-49,8で、4秒近い馬場を考えれば有り得ないくらいの超ハイペースになっていて、上がりから類推するに最後方のパクスアメリカーナの位置でも47,3-48,4とややハイくらい、それは当然前は止まるに決まっています。

 後半が12,4-12,3-12,4-12,7でほぼ一貫して減速ラップ、それを後方から捲ってきた1、2着馬に展開が向いたのは確かですが、それでもあの位置でも相当に高い追走力は問われていますので、純粋に上位3頭はこのタフな馬場、追走力と底力を問われる中で強いレースは出来ている、と考えていいと思います。

 勝ったパクスアメリカーナは、その前のレースがきさらぎ賞3着のラセットをハイペース戦で千切ったもので、そこからしても出遅れてあの位置で平気か?と思ったのですが、結果的に未勝利の46,5-48,0よりも更に強烈なハイペースになった事で、この馬の追走力と機動性が如何なく発揮できる条件になりましたね。
 展開が噛み合ったのは間違いないですが、残り800mから長く脚を使ってコーナーでも大外、それでもほぼ直線入り口で先頭に立ってそのまま後続を寄せ付けなかったので、こういう馬場とペースでは文句なく重賞級の強さを見せたといっていいと思います。

 勿論より高速馬場で持久力以外の後半要素が強く問われた時にどうかは微妙で、新馬の頃より成長はしているにしても適性的にガラッと克服まではどうか、とは思うのですが、本来はもっとポジションを取っていける馬ではあります。
 周りのペースに合わせず、前々から自分のリズムで、という競馬に徹することが出来れば強い馬ですし、それこそNHKマイルCあたりで、テトラドラクマがクイーンCみたいなレースをしてくれたら、一緒に前から雪崩れ込む競馬をしてくるタイプにはなるでしょうね。
 その為にもどこかでしっかり本番の権利は取っておきたいところです。

 2着のケイアイノーテックは、本質的には朝日杯を見ても後傾型、軽い馬場での瞬発型なのは確かなので、むしろこの馬場とペースでもここまで走れた事に、一定の底力を感じさせます。
 外主導の流れになってどうしてもポジションも後ろ目になってしまいましたし、この馬でも確実に前傾ラップですから、コーナーから動いていく時点で結構苦しかったとは思いますが、それでも前で粘るエントシャイデンを何とか捻じ伏せたのは地力の証といっていいと思います。

 少なくとも阪神の自己条件ならあっさり勝ち上がってくるでしょうし、毎日杯あたりでも面白い馬だと思うので、この負けはあまり気にせず、それで人気を落とすようならラッキー、くらいで狙い打っていいはずです。
 勿論ここで厳しい競馬はしていますので、状態面が維持できているかは注視する必要はあるでしょうけどね。まあそれはこの馬に限らず、ですけれど。

 3着のエントシャイデンも、ブランボヌールの下と血統的にスプリント色が強い中、前々からの持久力特化の形で最後まで粘り込めていたのは、姉同様の適性を感じさせるところでしたね。
 この馬の位置ですと諸に3秒くらい前傾で、相当なスプリントの性能がないとそこからもう一足、というのは難しいですし、追走面では今後距離短縮の中でもほぼ不安はない、と言えます。
 タイプ的に、京王杯みたいにスローになりやすいコースとレースよりは、ペースが上がりやすい条件で狙っていくべき馬で、小倉の1200mはめっちゃ強そうな気がします。阪神と中京の1400mも流れやすいのでアリですね。

 高速馬場で後半勝負の比率が上がると、マイルはおろか1400mでも甘くなる可能性が高いので、全体の流れや、この馬自身が前のペースメイクに絡んでいけるか、そこで強気に動いていける乗り役となっているか、条件が揃えば強い競馬は出来ますが、そのスポットを外すと勝ち切れないタイプでしょう。
 なので次のレースチョイスでどうなるか、しっかり見極めたいですね。流石に今からNHKマイル路線に乗れるかは微妙ですけど、どこかで賞金は積んで、夏はサマースプリント路線に出て欲しい馬です。

 4着オメガラヴィサンも、あの位置から粘り込んではいますけど上位とは大きく離されていますし、このレースはムーアJにしては随分無茶したな、というイメージではありますね。
 未勝利勝ちのイメージからしてもカナロアの仔ですし、ある程度ゆったり入りたいところはあるはずで、それがこの超激流ですからそれは潰れるのは仕方ないですし、ついでにトゥラヴェスーラも新馬の感じからはもっとバランスを意識出来ればこのクラスは勝てる馬と思っているのですけどね。
 ただ一度ああやっと速い流れで前に取りついていく競馬をしてしまうと、折り合いが難しくなっていくのも若駒らしいところで、そこからの立て直しは直ぐには難しいかもしれません。


★あすなろ賞

 ここはオルフェーヴル産駒のエポカドーロが、少し渋った馬場と最内枠を利して悠々逃げ切りました。

 土曜の小倉の馬場は、表記こそ稍重でしたけれど開幕週らしく時計は出ていて、かつ前残り馬場ではありました。
 ある程度小倉らしく外からの捲り差しは効いていましたけれど、流石に直線一気というのは難しい条件でしたし、それを差し引いても勝ち馬の競馬は中々でしたね。

 レース展開は、まず内からエポカドーロ、そして外からラスエモーショネスがハナを窺います。
 ここで内の戸崎Jが何度も外のラスを確認しているのが印象的で、基本的には逃げたいけれど、小倉の2000mで出して行き過ぎるとオーバーペースになるから、その最低限のラインを踏まえつつそれでも譲らない、という意思を感じさせました。
 外の田辺Jも内が油断して譲ってくれるなら、というのを虎視眈々と狙っていたようですが、それでも無茶はしない、というバランスの意識が、このレースのテン34,7の数字に凝縮されています。

 無論これはそこそこ速い入りではありますが、コーナーまで500m近く直線のこのコースレイアウトではそこまで極端ではありません。
 例えば火曜の8Rなんか、内のマイネルと外のゴードンがどこまでもハナ争いでやり合った結果、テン33,4なんてスプリント戦みたいなラップになっていまして、このあたりは一流ジョッキーとそうでない乗り役の差、なんてものを考えざるを得ないシーンでした。

 少し話がそれましたが、ともかくその2頭が前に入っていって、少し離れた位置にラテュロス、オーデットエールが中団のインで、スーパーフェザーは外枠から無理せず後方でじっくり構える形、ナムラアッパレは更にその後ろという隊列になりました。

 ラップは34,7(11,57)-50,9(12,73)-35,2(11,73)=2,00,8(12,08)という推移でした。
 テンの入りはそこそこ攻防があって速くなったものの、すぐにコーナーで息を合わせてペースダウンしての中緩み、ハーフバランスでは60,5-60,3と綺麗な平均ペースになっています。

 後半も12,7-12,4-11,7-11,7-11,8と、向こう正面からじわじわ上げていってのコーナー勝負の色合いが強い3F戦で、これを逃げてラストまで落とさず刻んできたのは中々のものです。
 内容としてはある程度の追走力と高い持久力を問われ、総合力勝負の色合いも強めで、後ろから差すには向こう正面のまだラップが緩い地点で押し上げるしかなかったですが、流石にこの時期の3歳馬でそこまでやってくる人馬はいませんでした。
 それでも2着以降は差しが台頭しているように、前目の馬もかなりのスタミナ&パワー適性がないと苦しい展開ではあるので、より勝った馬の強さが光りますね。

 エポカドーロは距離伸ばしてもしっかり怖がらずにタフな流れを作っていけたのは大きな勝因ですね。
 これがラスにハナを譲ってポケットとかだと、機動性でそこまで器用さは見せていませんので難しかったかな、とも思いますし、前走もラノカウを平均ペースでしっかり撃破しており、そこからの比較でも持久力勝負の序列では結構この世代の上の方に入ってくると思います。

 ただ前走にしてもこのレースにしても、まるっきり速いラップは踏めていないので、高速馬場で切れ味が問われた時には新馬戦のように一瞬で置いてけぼりにされるわけで、常に馬場を踏まえての適性なペース判断が乗り役に問われる馬だと考えます。
 その辺如何にもオルフェの仔ではあって、成長力もありそうですからいずれ冬の中山で、なんて感触を微かに嗅ぎ取れるくらいのイメージはありますが、軽い馬場ですと勝ち切るのは簡単ではないでしょうね。

 若葉Sあたりを使うなら、去年のアダムバローズみたいにハイペースを作るくらいの意識は欲しいです。
 ただまだ極端な前傾になってどうか、の適正までは見えていないので、そのあたりのバランスも含めて強い事は間違いない、けれどそのスポットの広さは見極められていない、というところです。

 2着のスーパーフェザーは現状このくらいでしょう。まあしっかり最後長く差し脚は使えていますし、小回り向きでないのは確かですね。雨が降ったのも誤算ではありました。
 阪神の外回りなら1800mでも、とは思いますが、ポジショニングが悪いので2400mの方がいいかもしれません。もう少し温かくなって、馬場が軽くなった時が狙い目でしょう。

 3着ナムラアッパレは流石にここで無欲の追い込みを決めるとは、って感じでしたが、小回りでコーナーでの機動性を問われつつエンジンをかけていく競馬がいいのでしょうかね。
 また次にそれを再現できるかとなるとなんとも言えない馬ですが、とりあえず現状距離はこのくらいがいいのだと思います。

 7着ラテュロスも前々から粘ってはいましたが、タフな馬場にタフなペース、距離もセットで、どうしてこのレース使ってみたのか?って個人的には思ってしまいましたね。
 最後は完全にスタミナ切れの印象ですし、ポジショニングは常に上手なのですから、素直に軽い馬場でのマイル路線が一番合っていると思います。無論最上位相手で頭打ちなのは確かですけどね。


posted by clover at 18:32| Comment(0) | レース回顧・中央競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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