2018年02月13日

2018 フェブラリーS プレビュー

★はじめに

 遂に今年も中央競馬のGⅠ開幕戦、フェブラリーS週が到来しましたね。
 記事としてはスポナビ時代からプレビュー2周目、という事になり、思えば去年のこの時期はまだ色々とリズムもつかめず、予想などもサッパリでしたから(それは今でもだ、というツッコミはご容赦をば)、初GⅠという事で随分と緊張し、肩に力が入っていた記憶があります。

 今年はその点色んな意味で気楽ではありますが、今年最初のGⅠでいい結果を残したい気持ちは変わりませんので、しっかりと出走馬を精査していきたいと思います。

 ただレース傾向分析の項などは、ある程度去年書いたものが踏襲できるので、ちょっとズルッこくコピペを利用しつつ、新たな角度での視座など思いつけば付け足していく格好になると思います。
 ついでに思い出の~シリーズは、1年目だからこそ意味があった項目で、2年目にやっても蛇足感が強いので中止させてもらいます。その分だけ出走予定馬の分析を出来るだけ取り上げたいと思っていますので、その点含み置きくださいませ。


★レース傾向分析

 去年も書いたように、府中の1600mは芝スタートで外枠有利、またカテゴライズ的にもギリギリ短距離馬でも、という距離の為に、スプリント路線からダッシュ力のある馬が出てくる場合も多いので、総合的にテンのペースは速くなるコースです。

 過去10年の平均は34,8(11,60)-24,5(12,25)-36,1(12,03)=1,35,4(11,93)という推移で、ハーフバランスでも46,9-48,5と1,6秒の前傾戦になっています。
 テンの2~3F目がかなり速くなりますので、ポジショニングの良さで勝負をする馬はここでの追走力の担保がないと苦しくなりますし、差し馬でもハロン12くらいのペースで追走して脚を削がれないレベルの、最低限の追走力は求められます。

 裏返すと、このレースでは1,5秒程度の前傾になるのが当たり前なので、差し馬が一気に台頭するには、騎乗面でのアイデアか、もしくはそれ以上のハイペースにならないと難しい、という面はありますね。
 そのアイデア、というのは、如何に中盤の中緩みで回りに合わせずポジションを上げていけるか、という部分で、去年のゴールドドリームなんかは実にミルコJらしい12,9と顕著に緩んだ地点での押し上げを見せており、その意味で基本流れに合わせる「待ち」の騎手には適性が噛み合わない舞台、とも言えます。

 なにせ前傾戦で上がりはそこそこかかると言っても相対的な話で、後半は一度緩みがある分しっかり再加速してくる場合はとても多く、坂地点では11秒後半の切れ味を問われるのが平常です。
 これを差すにはその最速地点でも差を詰められる最上級の切れ味の質が求められますし、そこからの持続力も高く問われます。
 故に後方一手の馬はやはり、如何に緩んだコーナー地点でギアをじわっと上げていって、直線向いた時点でエンジン全開に出来るように持っていけるか、そのエスコートの意識の後押しがないと厳しいと見ていいでしょう。

 面白いのは、平均的な馬場の時が一番差し追い込みには辛くて、もっとはっきり重かったり、或いは雨が降って軽くなったりした方が台頭しやすい、という点ですね。
 これは純粋に重い馬場ですと前傾の比率が高まり、軽い馬場ですと追走に苦慮せず、また切れのある差し脚を相対的に引き出しやすく、高い瞬発力を保持していない馬に対してのアドバンテージが出来るからだと考えます。

 なので前日、当日の馬場傾向の見極めは非常に大切ですね。
 基本的には同じ日にヒヤシンスSがあり、ペース如何にもよりますがこのレースよりは2秒くらい時計が速くなる、と思っておくのが妥当な線でしょうか。
 前日からでも、全体の時計は遅くても後半ラップで11,5とかかなり速い数字が出ていれば、最上位の馬ですとかなり全体の時計面でも詰めてくる可能性は強まりますので、そのあたりからも多角的に考えていくといいでしょうね。


★有力馬所感・分析

・ゴールドドリーム

 去年の中央ダートGⅠを完全制覇し、今年も王者の座は譲らないとばかりに満を持しての登場となるゴールドドリーム、鞍上には世界最強の剛腕・ムーアJを配して、連覇に向けて視界良しという所ですが、今年は相手関係もより強化された印象でさてどうなるでしょうか?

 まず単純に、馬の底力という部分では一枚抜けているかな、とは思っています。
 前走にしても前有利の流れを、完璧な立ち回りとムーアJの剛腕ありきとはいえ強烈な差し切り、あれは馬自身にも力がないと絶対に出来ない芸当です。
 どうしてもこの馬は出負けのリスクが付きまといますし、南部杯くらいやらかしてしまうと流石に厳しいのはありますが、ある程度の出負けならそこからのリカバーの意識が強く、出していってもしっかり折り合いもつけられるムーアJというのは合っている筈です。

 ただ逆に、道中での淀みを察知して先手を打って動いていく、日本競馬特有の展開に対する「読み」と、それを味方に引き寄せる胆力の部分ではミルコJの方が上だと思っていますので、理想的にはこの二人の長所をハイブリットした騎手が…………って、そんな事はどの馬にも言えてしまいますね。。。
 ともあれ、ある程度中盤では待ちの感覚が強いムーアJで、コース取りもタイトに、という意識が強いので、淀みからの急激な加速戦になった時に一抹の危うさはあるかな、とは思います。

 ただこの馬自身は高い追走力を持っていて、かつ加速力・瞬発力・持続力の後半勝負で大切な3大要素を全て高いレベルで持っている、正に府中マイルを走る為に生まれてきたような性能の持ち主ですから、多少後手を踏んだくらいではなんら問題ないでしょうし、またムーアJでその後半要素を高めている印象も強いです。

 血統的にも府中マイルの鬼・ゴールドアリュール産駒ですし、調教過程も去年同様に順調で、ほぼ死角はないと考えていいでしょう。
 なので総合的には本命・対抗以下には絶対に落とせませんし、これもある程度どの馬にも言える事ですが、コースロケーション的には外目の枠の偶数番が最善で、これを引ければ磐石だと見ています。


・テイエムジンソク

 こちらは去年の夏から急激に成長、また古川Jとの手も合っての快進撃を続けてきていて、残すターゲットは中央GⅠのみ、前哨戦も強い競馬で完勝して今度こそゴールドドリームへのリベンジに燃えています。

 この馬の場合は高いレベルでの不安がいくつかはあります。
 まず当然気になるのは、生涯はじめての芝スタート戦でどこまで出足がつくのか?という部分です。
 この馬はダートスタートでのフラットな二の足が非常に鋭く、そのアドバンテージで他馬を前半で圧倒できる、という部分がありますので、それが芝スタートでどうなるかというのは興味深い観点です。

 まあ流石に芝だと全くダッシュが効かない、なんて事はないはずですが、それでも他の馬にとっては芝スタートの方が勢いをつけやすい、というのはあり、相対的に前半のアドバンテージは削がれる、と考えておいた方が無難だとは思います。
 あと当然ですがマイルもはじめてで、絶対的な前半46秒後半の追走力を問われてどうか?というのもあり、こちらはそこまで心配はしていませんが、諸々セットにするとすでに確実な担保はあるゴールドドリームよりは気になりますね。
 最悪内枠からダッシュが効かず、スプリント力の高い馬に先手を取られて馬群の中、という可能性もありますし、じっと我慢しての後半勝負で味がある馬では決してないので、この辺りの見極めは重要だと思います。

 後は乗り役の府中経験の薄さも微妙なところではあり、他のコースよりも直線が長い分、前々の馬がコーナーから動いていって押し切る、というのはかなり勇気が要ります。
 ジンソクの適性面からすれば、チャンピオンズカップやエルムSを見ても、相対的に速いラップを後半で踏むと甘くなりやすい、他馬との差が縮まりやすいというのは顕著で、かつ今回はチャンピオンズカップのようにコーナーの機動力の優位性は強くは出ません。
それでもこの馬なら、コーナーで後ろに取りつく隙を与えずに、後半4Fの内800-200mまでを12,0~1くらいで刻んで、ラスト12,5くらいでまとめてくるイメージが一番勝ちやすい推移かな、と思いますし、それだけの胆力を持って仕掛けられるかはポイントになります。

 まあ基本的には中京1800mで先行して強い競馬が出来る馬は、府中マイルの適性も持っている場合が多いですし、後半要素も甘いとは言っても最上位に比べれば、ですので、ポジションさえ取れてしまえば凡走の可能性は低いとは思っています。
 ただエルムSのように渋って、全体のバランスが平均寄りになったり、より後半の鋭さを他馬が引き出しやすい条件では、相対的に序列は下げるべきとも考えています。

 去年の夏前から使い詰めではあるので状態面も鍵ですが、中間見ている限りは維持は出来ていると思いますし、後はやはり枠ですね。
 出来る限り外の方がこの馬の持ち味を生かす意味でも、芝スタートのリスクを減らす意味でも有難いですし、今のところは良馬場で外枠なら本命・対抗級、内枠なら連下に下げて他に面白い馬を狙いたい、というイメージです。


・ノンコノユメ

 前走で久々の勝利の美酒を味わい、改めて悲願の中央GⅠ制覇に向けて、得意の府中マイルでどこまで躍動できるでしょうか?

 正直前走はちょっと驚かされましたが、よくよく考えると距離短縮でついていけない懸念よりも、淡々と流れてくれて加速性能を問われずに、というのはプラスだったんだろうな、と思います。
 無論極端なハイペースになってくれたのも恩恵で、この馬の場合はポジショニング自体は常に難がありますが、追走力自体は非常に高いものがあり、どれだけペースが上がっても自分の脚は削がれないのが最大の強みかもしれません。

 なので今回、府中のマイルに替わっての最大のポイントは、如何に中盤の緩みに合わせず、この馬のペースを保ったまま直線に入ってこられるか、だと思います。
 もっとも純粋に全然序盤はついていけない馬ですので、促しながらの追走にはなる筈ですし、上手く残り1000mあたりから外を回すロスを気にせず取り付いていく強気の形を崩さなければチャンスはあり、その点内田Jは噛み合ってくるかもしれません。
 陣営コメントからも外に出した方が断然いい、と出ていますし、そういう極端な競馬でこそという馬は稀にいますから、大味であってもこの馬の競馬をどこまで徹することが出来るか、騎乗面のフォローとしてはそこに注目です。

 当然そういう馬ですので、枠は外であればあるほどいいでしょう。内枠からですと一度下げきって外に出す必要は出てくるので、元々最後方近くからの馬とは言え、その微々たる差は最後に響く可能性は強く、内枠なら素直に割引きで考えておくべきですね。

 あと前走を見てはっきり確信したのは、この馬は明確に高速馬場巧者ですね。
 思えば全盛期に府中のマイルで強い競馬を見せた時も稍重~不良で時計が出ていたレースが多いですし、武蔵野Sがイマイチだったのもペースが緩く、かつ馬場も重めだったのが二重に影響していたのかなと思います。
 あのレースのCデムJのエスコートは完璧に近かったと思っているので、あれ以上を求めるならペースの恩恵、馬場の恩恵の後押しは欲しいところです。

 高速馬場なら後半要素を総合的に高めてくる感じですし、加えて前もスピードの意識が強まる分淀みが少なくなって、一貫ペース向きのこの馬に追い風になる筈です。
 なので馬場水準と枠、全てが噛み合いそうなら重い印を回しますし、全く噛み合わなさそうなら無印も有り得る、振れ幅の大きい馬になると考えています。


・サンライズノヴァ

 毎年比較的若駒の活躍が目立つレースですが、今年の4歳馬はこの馬のみとやや寂しい事になっています。
 世代レベルが微妙とも囁かれますが、それでもこの馬の府中適性は確か、前走こそノンコノユメの差し脚に不覚を取りましたが、改めてこの舞台で躍動できるか注目です。

 この馬も性能的には結構わかりやすくて、後半要素では瞬発力と持続力にはかなり優れており、かつ時計が出る馬場ではそれをより高めてくる傾向があります。
 一方で加速性能は微妙で、前走のように流れ切ってしまえば問題ないですが、武蔵野Sのように全体も緩めのペースでかつラップの乱高下が激しい、という中で、馬群の中からスパッと動けるような器用さは全然足りない馬です。

 ノンコとの比較で言うと、こちらの方がポジショニングは確実に上手く、かつ良の力の要る馬場でも持ち味は生かせる、という面では上で、絶対能力としてもゴールドドリーム以外の馬とは遜色ないものがあるとは思っています。
 ただ乗り役が戸崎J、というのが個人的には微妙で、失礼を承知で言えば、ミルコJが空いてるならそっちを乗せてくれ~、とか思っちゃいます(笑)。

 ノンコほど極端では無いにせよ、この馬も一度エンジンをかけたら絶対にブレーキは踏みたくないし、コースロス以上にタイムロスの意識を強く持ってあげるべき馬なので、基本流れに沿って馬の後ろで我慢、がデフォルトの戸崎Jというのは実に不安ですし、内枠など引いたら尚更です。
 一応前走は珍しくしっかり外から勝負に出てくれてはいて、その辺で期待も持てなくはないのですが、流石に中盤淀んだところでの早捲りまでを望むのはどうか、と思いますし、その辺で踏み遅れると勝ち負けまで食い込んでくるのはちょっと厳しいのかな、という見立てです。

 上手く出し切れる形ならチャンスはあっていい馬ですが、こちらも当然外枠でないと嫌だな、と思いますし、今回の条件で噛み合い切るスポットはかなり狭い気がしています。ノンコと違って、インで死んだふりからコーナーロスなく回って前が空けば、という形でも、スムーズに進出さえできればそこそこやれるとは思いますが…………。
 馬自身は結構贔屓しているというか、かなり好きな馬ではあるので、余程嫌な条件でない限り連下は回すと思いますが、半端に人気はするでしょうし、重い印は打ちづらいですね。


・ケイティブレイブ

 前走の川崎記念では見事な逃げ切りでGⅠ級レース2勝目、この2月一杯で引退の目野調教師にも大きな勲章をプレゼントできましたが、残る悲願、未だ未達成の中央GⅠ制覇のラストチャンスでどんな走りを見せてくれるでしょうか?

 ここ最近の目野厩舎の勢いは中々で侮れないものはありますが、流石にここではちょっと足りないとは思っています。
 一応去年もこのレース6着とそこそこは走っていて、少なくとも追走面での不安はなくこの馬の脚は使えるのは確かです。

 ただし去年は46,2-48,9と、例年になく強烈なハイペースでもあり、その分後半要素の比重が軽くなった事で粘り込めた感じは強く、よりこのレースの平均ペースに近づいて、後半要素を問われると厳しいのではないか、と感じます。
 チャンピオンズカップでもジンソクの後ろの絶好位から後半勝負で全く詰められていませんし、といってこの舞台で後半要素を他の馬が引き出せないレベルにまで引き上げる、となると、それこそ45秒台の前半が必要になる為に流石に現実的ではありません。
 この馬自身としてもそこまで行くと平安Sでも見せているようにオーバーペースにはなってしまうでしょう。

 まだ勝ちに近づくとしたら逃げた場合ですが、流石にノボバカラやニシケンモノノフなど、スプリント路線での先行馬を向こうに回してこの馬が逃げられるかは厳しく、去年も外枠の恩恵は強かったので、その点で内枠などになってしまえば尚更前を取り切るのは難しいでしょう。
 といって思い切って後半勝負をしても、切れ味の質ではここに入っては全然足りない馬ですから厳しいでしょうし、どちらにせよ圏内まで食い込むのは余程恵まれないと、とは思いますね。


・サウンドトゥルー

 ミスター他力本願のサウンドトゥルー、今回はミナリクJを配してどういう競馬を見せてくるでしょうか?

 当然この馬も常識的には厳しい、とは思います。
 どうしても芝スタートでついていけないですし、後半要素でも持続面は素晴らしいものがありますし、加速性能もそこまで悪くないですが、瞬発力という点ではほとんど期待できません。

 ただ去年のレースぶりを見ると、やり方次第ではノーチャンスではなかったな、というのはあって、ノンコ同様に追走力自体は高くてマイルのペースでも苦にしない上、馬群を割ってもその末脚の威力を減衰させないところに強みがあります。
 去年は善臣Jのカニ移動騎乗で中々に顰蹙を買っていましたが、あの時も無理に外に出さずに、一か八かベストウォーリアの真後ろを取っていれば3着はあったんじゃ?という感じもあって、今回先入観の薄いミナリクJでタイトな競馬を狙ってきた時に少しだけ怖さはあります。

 少なくともケイティブレイブよりは圏内食い込みの明確なイメージは作りやすいです。
 かなりタフな良馬場でかなりのハイペース、この馬の場合は芝の出足が絶望的なのでむしろ内枠、そのまま延々タイトにインを回ってきてスムーズに前が空けば、と、ここまで噛み合えば圏内くらいは期待出来ますし、それでも実績から極端な穴人気にはならないでしょうから、その狭い狭いチャンスを狙って拾うべきかは他との兼ね合いで考えたいですね。


・インカンテーション

 前走は一線級のメンバー相手に跳ね返されてしまいましたが、ベストの舞台である府中マイルで改めてどこまでやれるか、遅れてきた8歳世代の大物が乾坤一擲の走りで、人馬共のGⅠ初制覇なるか注目です。

 まあとはいえ、総合能力的にはやっぱりちょっと足りないのかな、とは思っていて、武蔵野Sは強かったですけどこの舞台としては顕著にスローペースでもありましたから、ここで楽観視できる材料ではないでしょう。
 この馬の場合芝スタートでの出足は素晴らしく、去年のこのレースではあのハイペースを外枠から先導しているくらいで、この馬が外目の枠で、真ん中くらいに逃げ候補のニシケンやノボがいて、内枠にジンソク、なんて並びになった時は、ジンソクを内に閉じ込めて封殺する立ち回りが出来そうなのはポイントです。

 去年ほど前傾になると流石に苦しいですが、ある程度は追走力を持っていて、ギアの上げ下げも上手ですので、明らかに距離が長く、中盤息を入れたいノボやニシケンを前に置いて、内にジンソクを閉じ込めレースをややハイくらいに実質的に支配することが出来れば、相対的に差し追い込み馬の動き出しも牽制できます。
 そんな意味でレースの鍵を地味に握っている馬かな、とは思いますし、噛み合うスポットもそれなりには広くて、圏内食い込みのチャンスはそこそこあると踏んでいます。

 ただそれでも絶対的な武器はないので、善戦はしても最後はゴールドドリームあたりの豪脚には屈してしまうかな、というイメージですし、単穴、という感じではないんですよね。今のところは連下想定で、この舞台ならどんな展開でもある程度の好走はしてくれるとは思っています。


・ベストウォーリア

 去年は惜しい2着だったものの、そこからの成績が下降線でなんとももどかしい事になっているベストウォーリアですが、府中マイルはリピーターが強い条件でもあり、過去3,4、2着と来て、ここで悲願の中央GⅠ制覇なるか注目の一頭です。

 状態さえ去年に戻っているなら絶好の単穴候補ではあるかな、と思っています。
 この馬の場合ある程度追走力を問われた方がいいですし、淀みに合わせての加速性能も瞬発力も持っていて、持続力だけちょっと甘いので、加速地点で繰り出す脚で先頭に立ってしまって粘り込みたいタイプです。

 去年のレースはたまさか上手く前の馬が外を回してくれて、労せずエンジンをかけながらポジションを上げられるという、戸崎Jらしい競馬が綺麗に噛み合った内容ですが、普通はああまで綺麗には開きません。
 ただ今年はルメールJで、武蔵野Sでは逃げの手に出たように、基本的に先行馬でのポジショニングの意識の高さは戸崎Jより上で、当然動き出しの意識の繊細さも上です。
 なので、ある程度前が飛ばしてくれる中、2列目でしっかり追い掛けつつも足を残して直線に入っていければ面白いですし、去年もゴールドドリームを惜しいところまで追いつめているように、マックスの地力だけで言えば2番手グループには入ってくる馬です。

 故に後は本当に状態面だけで、特に去年のこのレース以降は顕著にレース内容が萎んでいるのでそこの判断が難しいですね。
 ただ敢えて言い訳をつけるなら、かしわ記念は状態が悪かった、さきたま杯と南部杯は機動力の意識が乗り役に問われる展開の中で後手を踏みまくった、武蔵野Sははじめての逃げと、その割にスローに落とし過ぎて切れ負けした、と敗因はつけられます。

 元々叩き良化型ではなく、そして根岸Sの時も最終追い切りは良くなかったので、むしろレースで消耗せずぶっつけで調整しつつここ、というのは悪くないかもしれません。
 勿論頓挫明けでその後の調整がどこまで順調か、調子が上向いているかは見極める必要がありますし、基本的に調教の内容が調子と直結するタイプでもありますから、そこを注視した上で上積みがありそうなら思い切って狙ってみてもいいかもしれませんね。人気の薄い時のルメールJも怖いですし。


・アウォーディー

 近走も健闘はするものの勝ち切れず、もどかしい戦績になっているアウォーディーが、新味を求めてマイルGⅠに初参戦、果たしてどのようなレースを見せてくれるでしょうか?

 正直ここでは絶対的に前後半共にスピードが足りない、とは思います。
 そもそも芝時代ですらマイル経験もなく、出足も悪い馬でしたから、ここでいきなり芝スタートの激流で流れに乗っていけ、というのは無茶な話でしょう。
 ダートになってからある程度の先行力は身につけましたが、それでも一昨年のチャンピオンズカップの前半48,8くらいの流れでもついていくのに汲々、という面はありましたし、全盛期は過ぎている今となっては尚更です。

 後半要素でも、今年のチャンピオンズカップでわかる通り切れずバテずで、瞬発力が致命的に足りず、全体の上がりで36秒を切れない馬ですから、この舞台でいきなりそれが繰り出せるかというと疑問符です。
 少なくともサウンドトゥルーは、噛み合い切れば上がり全体で35秒前半までは出せますし、そのあたりでも敢えて狙うならまだそっち、とはなりますね。

 ノンコのように外枠から強気強気に早めのスパートくらいしか、勝ち負けするためにやれることはないかな、とは思いますし、それでも無尽蔵のスタミナというほどでもなく、前を抜きに行かない気性面の難しさなど考えても、この条件で好転するかも、と期待するのは楽観的過ぎるとは言えるでしょう。
 どうせいつものように半端に騎手人気はするでしょうし、ここは絶好のお客さんだと考えます。


・キングズガード

 前走は雪明けの外差し馬場で噛み合いませんでしたが、本来は堅実派のこの馬がここでどのような走りを見せてくれるでしょうか?

 基本的には嵌り待ちしかない、とは思いますが、条件としてはまだ好転はすると思います。
 どうしても左回りでだと内に凭れる面が解消されない為に、前走もああいう内に潜る競馬になって、結果的に勢いをつけ切れず、とはなりましたが、普通に良馬場ならまた話は違うでしょう。
 またこの馬もインから馬群を捌いても差し脚が崩れにくいタイプですし、後方内目からの決め打ちでの台頭は狙える一頭だと思います。

 ただ地力がちょっと足りないのは明らかですし、ポジショニングもそこまで良くはないですから、最大限嵌っても圏内までかな、という気はしますね。
 今地味にブレイク中の藤岡佑Jですし、他の馬の立ち回り次第ではノーチャンスではないかもで、多分人気は一気に落ちるので出来れば紐では引っかけたいですかね。
 どうせ内に潜り込む事を考えれば、真ん中くらいの枠が助走距離踏まえてもべストだと思います。芝スタートの方が出足はまだしもいいので、中団のインまで潜り込めれば面白いです。


・ロンドンタウン

 こちらも去年急激に力をつけて、海外でも結果を出してきたロンドンタウン、全盛期に入ってからのテイエムジンソクを撃破したのはゴールドドリームとこの馬だけで、噛み合えば足りてもいいだけにどういう競馬をするのか注目です。

 正直チャンピオンズカップが非常に不満なんですが、海外明けで調整が難しかったのもあるでしょうし、前走は適性外に思えるタフなダートの2000mでそこそこ食い下がっていて、復調の気配は感じます。
 この馬はエルムSが強くて、軽い馬場で実質平均ペース、良質な追走を問われつつ最後にしっかり脚を残せていて、枠が抜群に良かったのは否めないとはいえあれは強い競馬だったはずです。

 果たしてこの距離でどうか?ですが、実はこの馬の場合は3歳時に武蔵野Sを走っています。
 あの時は超高速馬場でタガノトネール(いい馬でしたよねぇ、フェブラリーSの前に急死してしまったのが本当に惜しかった…………)がレコード勝ちしたのですが、この馬も内枠からやや出負けしつつしっかりリカバー、中団までスムーズに取りつけています。
 あの感じですと芝スタートは合いそうで、かつ高い追走が問われてもそこまで苦にせず、最後もジリジリとは伸びていたので、もう少し前傾になっても力をつけた今ならある程度対処してくると感じられます。

 外枠から上手く先団を見る位置に入っていければ面白いですし、後半要素としては加速性能(ただしコーナリング加速は微妙、府中ならその弱点は出にくいはず)と持続力はまずまず、ただ瞬発力は足りないので、ジンソクが前にいてくれるならそれに合わせて動く形で良さが出そうな感じです。
 後はエルムSからしても、馬場が渋ったほうがよりパフォーマンスが上がる可能性はありますが、他の馬でも渋馬場得意の馬は多いので、それは相対的にはプラスになるかは微妙ですね。少なくとも対ジンソク、という意味では渋ったほうがチャンスはあるのでしょうが。

 ともあれ、状態面は注視しつつ、スムーズにこの馬の形が作れそうなら連下くらいでは狙ってみてもいい馬かなと思います。少なくとも2000mよりはマイルの方が強い競馬が出来そうです。


・ニシケンモノノフ

 去年5着と健闘していますが、かなり追走が問われてスプリント寄りの競馬になった上であそこまでですので、やはり常識的にはちょっと足りないはずです。
 どうしてもこの距離で、前半要素で後続の脚を削ぎ切るのは無理ですし、この馬自身は後半要素で特筆できるのは加速性能くらいで、瞬発力の質はそこそこ、持続力はこの距離でははっきり足りませんから、逃げて何処まで、という所にはなりますね。

 敢えて言えばこの馬が離して逃げて、ジンソクがそれを追い掛けずにポジション差が出来て、かつ後ろも牽制し合って仕掛けが遅れる、くらいの僥倖がないととは思います。基本的には狙うのは難しいでしょう。


・ノボバカラ

 こちらも逃げ候補で、南部杯で2着に粘ってあっと言わせましたが、こちらも性能的にはニシケン同様に後半勝負の馬ではありません。
 南部杯で粘り込めたのは、キングズガードやカフジ、べストがそれぞれに適性に合わなかったり窮屈な競馬を強いられたり、なによりゴールドドリームが超出負けした事の蓄積ですし、この相手で普通に前から粘り込めるイメージは持てません。

 一応過去にもユニコーンSでハイペースからノンコの2着に粘り込んだりしていますが、あの時期の3歳馬とは他の馬の追走力の高さが全然違いますから、ニシケンの項で書いたような僥倖がない限りは厳しいでしょう。
 ただ芝スタートは相対的に上手なので、逃げを打つ可能性はそれなりにあるため、展開の鍵を握る一頭、という視座でのマークは必要かなと思います。


・レッツゴードンキ

 本当に出てくるのかな?というのはまずありますし、出てきたとしてもここは適性的にどうか、とは思います。
 基本的には後傾型ですから、この条件で前目を取れるとも思えず、砂を被る形になってどうか、また追走で苦慮してマイルの距離で後半要素を引き出せるかは微妙なラインです。
 ダートはJBCレディスクラシックの2着以外実績がないので、中央のダートでどれだけ持ち前の加速力と切れ味を使えるか、いい意味では未知数ですが、今は馬自身もスプリント色がより強くなっていますし、常識的には狙い辛いですかね。


・ララベル

 南関の女王が引退の壮行レースとしてここを選んできました。
 こちらはドンキ以上に適性でどうか、とは思いますし、そもそも地方ですらタフな展開での粘り込みが身上なので、芝スタートでついていけるか、追走力を高く問われて平気か、後半要素で切れ味を引き出せるか、普通に考えると極めて困難と言わざるを得ません。

 元々戦ってきた相手も、今のやや低レベルな牝馬ダート路線ですし、流石にここは記念出走以上のものにはならないんじゃないかな、とは思っています。


・カフジテイク

 色んな路線から馬が集まり、賞金を詰めなかったこの馬が出走順で弾かれそうな憂き目にあっていますが、一応まだ出られるチャンスはゼロではないので触れるだけ触れておきましょう。

 馬のタイプとしては追走力を問われ過ぎると良くない差し馬で、前走のように時計勝負の色合いが強くなりすぎるとそこで甘くなるところはあると思います。
 その意味でややタフなダートになった方が府中マイルならプラスで、かつ道中しっかり動き出しが出来る乗り役が欲しいところです。そもそもこの馬が出られたとして、福永Jはケイティブレイブとどちらに乗るの?って感じでもありますが。

 去年のドバイ後は、絶頂期に比べて切れ味の質が弱まっているようにも思えて微妙ではありますが、そこそこのハイペースで外枠、淀みに合わせず外からしっかりエンジンをかけていく意識で入ってくれば、タフな馬場なら差し脚ではゴールドドリームの次くらいのものはまだある筈ですし、圏内くらいはチャンスのある馬ですので、出走に漕ぎ着けられると良いですね。


posted by clover at 04:58| Comment(0) | 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください