2018年01月31日

2018 川崎記念 レース回顧

 睦月の競馬シーンを締めくくる、寒空の下での伝統のGⅠ・川崎記念は、先手を取ったケイティブレイブがそのままスイスイと押し切りGⅠ2勝目、引退間際の目野調教師に嬉しいビックタイトルをもたらしました。レースを振り返っていきましょう。


 今日の川崎の馬場表記は昨日同様に稍重で、ただ全体の時計的には少し昨日よりも走りやすくなってはいたのかな、というイメージです。
 レースによってまちまちではありますが、Cクラスの1400m戦で1,30,7が出ていたりもして、ある程度馬場適性は問われたので誤差とも言えなくはないですけれど、気持ち軽かった、と考えてもいいかもしれません。
 バイアス的にはやはり内目前目が圧倒的に有利で、よほどペースが流れてラストの加速度が低いレースにならない限りは、直線一気の差しは決まっていませんでしたね。

 レース展開は、他に行く馬もいない、という中でスムーズにケイティブレイブがハナに立ち、それを目標に何が何でも先行する、という意思を見せて押していったアポロケンタッキーが番手外につけます。
 それを追い掛けていったグレンツェントが、内の馬が出足が良くなかったのに乗じて2列目ポケットに入り込み、その後ろにメイショウスミトモ、アウォーディーは一歩目でやや立ち遅れて、リカバーしていくもののグレンツェントに前に入られてしまって3列目のインとやや窮屈な位置取りになります。
 ディアドムスは中団の外目、サウンドトゥルーもはっきり出負けして序盤は後方2番手、そこから外を押し上げてじわっと差を詰めていく形になりましたね。

 ラップは31,4(12,56)-26,6(13,30)-39,8(13,27)-37,1(12,37)=2,14,9(12,85)という推移でした。
 大方の予想通りに全体のバランスとしてはスロー気味ではありますが、それでも極端では無く、ある程度必然的にペースが落ちてしまうコーナー以外では、スタンド前でも13,8-12,8とフラットに加速して捲りを誘発しないようにコントロール、向こう正面でも2コーナー出口から促して一気に14,2-11,7と引き上げています。

 そのあたりからしても、道中で一気に動いて、という競馬がしづらい流れに前がしっかり支配出来ていましたし、かつ後半スパートをかけてからの11,7-12,3-12,7-12,1という推移は中々出色です。
 川崎の3~4コーナーで12秒半ばを続けて刻んでくるのは、いかにペースが緩かろうと簡単ではなく、コーナリングの高い適性は問われている筈で、かつここで後ろの馬を取りつかせずに直線も加速出来ている、というあたりは、想像以上に前が機動性を生かした強い競馬をしてきていますね。

 ここまでコーナーのペースがフラットに近くなれば、内々を通していた方が楽だったとは言えますし、馬場のバイアス的にもこのペースバランスで後ろから差し込むのはほぼ無理、という形になったと考えていいでしょう。

 それにしても今日のケイティブレイブ&福永Jは中々に見事なペースコントロールをしてくれたと思います。
 メンバー的にも中途半端な競馬をしても仕方ない、というところではありますし、序盤自分のリズムで先手を取れて相対的にスローに落としつつ、おそらく体感的にはフラットに近いペースを維持しているのかな、というイメージはあります。
 どうしてもコーナーでブレーキを踏まされる構造ですし、それでもペースを落とすべきではない地点で、自分から積極的に強気にペースを引き上げていったのは、番手のアポロケンタッキーの積極性に押された部分もあったとはいえ、本質的に後半の持久力をフラットに生かしたいこの馬としては悪くない形だったと思います。

 去年の川崎記念がコーナー外々とはいえやや機動力でイマイチだったのでそこがどうか、と懸念したのですが、向こう正面でしっかり勢いをつけ切って入っていき、コーナーでも不必要に溜めを入れなかった事で、後続の押し上げを許さない12,3-12,7という極めて優秀なラップを刻んできました。
 レースラップとしてはハタノヴァンクールが勝ったレースに近いものがありますが、それを一番前で刻んで、かつ直線でも12,1と更に加速出来ているのは強い競馬で、コーナーでの自然な減速分を差し引けば、この馬自身は4Fロンスパ気味でフラットに走り切ったイメージで良さそうです。

 川崎でこの競馬が出来るなら、大井でも向こう正面から5Fロンスパで、コーナーで緩めない競馬が出来るならやっぱりかなり強いはずで、コーナーで待って出し抜きを食らった前走のような形に持ち込ませない方がいい、というのは改めて思いますね。
 1800mですとどうしても序盤の立ち回りでゆったりは入り辛いですし、2000mくらいの距離で平均からややスローで入り、そこからロンスパを仕掛ける形がベストになりそうで、今日はほぼそれに近い形で走り切れた、前目でも必要以上には緩めない、勝ちに行く意思を感じた良い騎乗でした。

 馬も本当にタフでいい馬だなと思いますし、今後も今日のようにこの馬の持ち味を引き出す競馬を続けられれば、緩みに乗じての捲りタイプであるサウンドトゥルーみたいな馬は常に封殺できるはずです。
 今年こそはこの馬の時代をしっかり作って欲しいところですね。

 2着のアポロケンタッキーも、内田Jは根岸Sのノンコに続いて覇気のあるいい騎乗でした。
 ややスタートが安定しない馬だけにそこがどうか、と懸念していましたが、しっかり五分のスタートを切らせて、そこから押して押してケイティブレイブを目標に番手まで押し上げてくれた時点でかなり安心して見ていられましたね。
 そこからもしっかり向こう正面入り口で早めにつつきに行って勝ちに行く競馬は見せていますし、結果的にケイティブレイブもそこで怯まず強気の競馬を展開した事、そして今まで以上に高いコーナーでの機動性を見せてきた事で及びませんでしたが、直線でもしぶとさは見せていて、この馬の持ち味は発揮出来たレースと言っていいでしょう。

 ちょっと機動面で見劣ったのは、冬場のレースで更に馬体が増えていて、少しだけ重かったかな、という感もありますし、ペース的にはやっぱりスローバランスから緩急をつけていった方が確実にいいんですよね。
 常にいいポジションが取れる、という馬でもないので狙いどころは結構難しいですが、少なくともケイティよりは前半の追走面で無理は出来ないタイプですので、そのあたりのバランスを考えつつ入っていける条件なら、まだGⅠ格のレースを勝つチャンスは充分にあると思いますね。

 3着アウォーディーは、結果的に出負けが致命傷だったかな、という気はします。
 レースラップ的に後半は比較的フラットに近かったですし、その中で3列目のインからしっかり動けていて、直線出口で外に出す理想的なコーナリング、このあたりは流石の武Jではあったのですが、そこからの伸びでアポロケンタッキーにも見劣ったあたりは、どうしても能力的な減衰は感じるところです。
 ただ元々速いラップを踏んで勝負するタイプではないので、ラスト1F12,1で前との差を詰めろ、というのも厳しい話でしたし、序盤でグレンツェントの位置を取れていれば2着争いは際どかったと思うのですが、いずれにせよケイティにこの競馬をされたら捕まえられなかったとは思います。

 一応自分の競馬は出来たとは言えますが、この馬にとってはもう少し全体がタフなレースになった方が、というのもありますし、その面で川崎は本質的にはプラスになるコースではないんでしょうね。
 今後もこの路線で堅実には走ってきそうですが、勝ち切るにはかなり展開が恵まれないと、というイメージになりますし、タフな競馬になってもケイティは強いので、中々それ以上に評価するのは難しそうです。

 4着グレンツェントは、この開催の馬場傾向を知悉した森Jらしいタイトなポジショニング・コース取りを完璧に生かしたものの、それでも圏内に粘れなかった辺りはまだ地力でひとつ足りないのかな、と感じさせました。
 ただ東海Sを勝った時もそうだったように、ゆったり入って後半ロンスパ、という形は噛み合うタイプだと思うので、中央で走る場合はステイヤーコースに出てきたら見直してみたいな、と思います。
 高いレベルの1800mですと、追走で汲々、というシーンが多々ありましたし、地方なら1800mでも平気かもですが、そのあたりは相手関係も含めてになるでしょうね。

 5着サウンドトゥルーは、前にコーナーでこのラップを刻まれては無理、というのは物理的にあるのと、あと過去2年のようにコーナー出口まではインに潜り込んで、コーナリングの上手さを生かしつつの押し上げをしてくるかと思ったのですが、今年の馬場でインに拘る馬が多く、それが出来なかったのも難しかったのかなと思います。
 ただ結構早い段階で外に出していましたし、大井ならそれでいいけど川崎では、という話でもあって、そのあたりはもうちょっと臨機応変というか、コースレイアウトと馬の適性に合わせた立ち回りは意識して欲しいなぁと今更ながら思いますね。まぁこの流れではどうあっても5着だった気はしますが。

 7着メイショウスミトモは、向こう正面のペースアップでちょっとついていけなかったように、高いレベルでのスローロンスパだと良さが生きなかった感じですね。
 もう少し全体的にタフな展開で、フラットに脚を使う形の方が良かったのでしょうし、枠も外で極端では無いとはいえ、なし崩しに脚を使う形になってしまったかと思います。
 能力的にも流石に一枚足りなかったイメージは出てきますし、今後も噛み合えばGⅠ路線でも圏内脅かし位はあるかもですが、それ以上はまだ厳しいのかな、と感じました。

posted by clover at 17:35| Comment(0) | レース回顧・地方競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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