2017年10月18日

2017 萩S レース回顧

 土曜の京都で開催された2歳OP特別の萩Sは、新馬で大器ロックディスタウンに敗れたものの、その後の未勝利でアドマイヤアルバ相手に強い競馬で勝ち切ってきたタイムフライヤーが、後方一気で大外から豪快に差し切ってみせました。レースを振り返りましょう。

 土曜はまだ雨が本格的にはなっていませんでしたが、それでも馬場表記は重であり、一週前の台風の影響も顕著に残っていて、パンパンの良馬場から比べると3秒くらいは平然とかかる条件だったのは間違いありません。
 スワンSも1秒前傾の消耗戦と時計が出やすい流れで1,22,4止まり、10Rの準オープン1800m戦も、こちらはかなりスローだったとはいえ、勝ち馬がぶっちぎる形で1,49,8ですので、かなり流れたとはいえこのレースの1,49,7は相当に高く評価していい時計だと思います。

 レース展開はまず最内のニシノベースマンが逃げ、新馬を好時計で逃げ切ったリュクスポケットが宥めながら少し離れた外目を追走、その後ろに新馬でタニノフランケルを下したサクステッドとシースプラッシュが並んで入っていきます。
 その後ろにオーデットエールとタイムフライヤーがじっくり構え、アドマイヤキングはスタートも良くなく、この流れの中で追走にも汲々していて、道中内目に入れておっつけながら、という形になりました。

 ラップは35,7(11,9)-36,8(12,27)-37,2(12,4)=1,49,7(12,19)という推移でした。
 馬場が馬場なので時計的には充分出ていますし、かつ最序盤が結構流れ、道中も12秒前半を淡々と刻む形で、息の入れにくい、この馬場なりのパワーを兼備する追走力が高いレベルで必要とされていたと思います。
 その上で後半も極端に波のない持久力特化戦になっていて、このペースで足を削がれない追走力と、そこからバテずに突き抜けられるスタミナ、持久力面が相当に強く問われていますね。
 実際に2着以下はラスト1F実質13秒台に入っている消耗戦と見做せますし、その中で勝ち馬は図抜けた底力を見せてくれたと言えそうです。

 とりあえずタイムフライヤーがこういう競馬でここまで強さを見せるとは、ちょっと驚きはありましたね。
 新馬にせよ未勝利にせよ、超スローからの3F瞬発力/持続力特化戦に近い形でしっかり反応の良さと鋭さを見せていて、ゆったり入って良さが出るこの時期のハーツ産駒らしい馬かな、と踏んでいたのですが、この今までのレース内容とは真逆に近い厳しい流れでこの結果は、今後の展望が大きく広がったと言えそうです。

 無論ハイペースに区分できる流れの中でじっくり後方から、という立ち回りは噛み合ったわけですが、それでも同じ位置にいたアドマイヤキングなど完全に追走で足を使い果たしている感じでしたし、あの位置でも決して楽なペースではなかったはずです。
 コーナーでも特に全体がペースアップしたわけではないながら、それでも一番外を通すロスはあったと思いますし、自身の上がりが36,1で、ラスト200mはほぼこの馬のラップと思うので、実質的には11,8-11,7-12,6くらいで走破していると見て取れます。

 つまりこの馬場このペースでも、しっかり一段上の切れ味を引き出すパワーと追走力を秘めていたことは間違いなく、自身の走破でラスト1Fはかなり落としている、とはいえ、他と相対的に見ればかなり粘っているとも言えますので、これは本当に強かったと思います。
 勿論血統的にこういう渋った馬場、スタミナを問われた事がプラスだったとは思いますが、この時期のハーツ産駒でこのペースを楽にこなしてきたのは中々の完成度、素材のスケール感だと言えますね。

 この後どこを使うのかはわかりませんが、今の馬場が悪い府中京都なら重賞でも当然、となりますし、持久力戦になりやすい年末中山も視野ら入ってくるでしょう。
 ただポジショニングですごく器用、という感じでもないので、現状は広いコース、府中1800mなんかが一番良さそうな気はしています。
 いずれ距離が伸びても面白いですし、好走スポットがかなり広いので、ダービーまでの可能性を踏まえてじっくり育てていって欲しい逸材かなと思いますね。

 2着のオーデットエールも、内容的には完敗ですが、中々面白い競馬は出来ていると言えます。
 というより、こちらも新馬がスローからの5Fロンスパで二段階加速に対応、新潟2歳Sは位置取りが絶望的だったとはいえあの3F特化戦でまずまず適応、そしてここでも持久力特化戦に一定対応と、どれを取っても凄みのある武器ではないながら、勝ち馬同様にどんな展開でも崩れにくい総合力は持っているのかな、と思えます。

 まあ位置取りもほぼ同じ、かつこちらの方が内を通して、あのラストの着差のつけられ方なので、素材面では足りないのは明白ですけれど、こちらもハーツ産駒としては比較的完成度が高いと思いますし、距離ももう少しあったほうが噛み合いそうですね。阪神の外回り1800mとかで見てみたいです。

 3着のリュクスポケットは、追走面ではギリギリ対応してきたと思いますが、ここまで重い馬場ですと純粋なスタミナ面で少し足りなかったのかな、とは思います。
 新馬は稍重表記とはいえ、そこそこ軽い馬場で持続力戦をしぶとく立ち回って好時計勝ちでしたし、この馬の位置でも平均よりはややハイ寄り、くらいの中で、最後全く切れ味を問われない展開においては、ダイワメジャー血統ですと少し辛い、というのはあったかもしれません。

 ただ新馬の時と違い番手からでも一定対応が出来ましたし、基本的にはバランス良くスピードを活かしたいタイプなのは間違いないと思うので、もう少し軽い馬場のマイルから1800mで改めて真価を見せて欲しいですかね。

 4着シースプラッシュもこの馬場に持ち味を殺された面は強いと思います。
 未勝利の持続力特化戦の勝ちっぷりは鮮やかでしたし、前走に今回と強敵相手に粘り強く堅実に走ってはいますが、理想は血統的にも綺麗な馬場でスローから脚を出し切る展開なのかな、と今のところは感じます。
 要所でスッと反応できる感じはそこまでないので、広いコースの方が合うのは間違いないかなと考えます。

 5着サクステッドも展開が噛み合わなかった面は強そうですね。
 新馬はコーナーの緩みに乗じた内容ではあり、強かったけど噛み合ったのも間違いなかったので、ここでかなり追走を強く問われて一足を引き出せなかった、という点でも、スポットがそこまで広くはない、というのはありそうです。
 まぁ2着基準で言えば大きく負けてはいないですし、相変わらずスタートセンスやポジショニングの上手さなどはあるので、高速馬場でゆったり入れる条件なら見直したいところです。馬場の回復前提ではありますが、百日草特別あたりが現状ベスト条件かなって思います。

 6着アドマイヤキングは、明らかに他の馬以上に追走で苦慮していましたし、後は新馬の内容からしても単純に力負け、の側面は強いと思います。
 血統的には成長力はあると思いますが、直ぐにOPでどうこう、という感じではないですね。500万からコツコツとしっかり実績を積み重ねて、後はよりゆったり入れる距離と馬場の方が良さそうなので、来春にすみれSとかでいい勝負をしていそうなイメージはあります。
posted by clover at 04:07| Comment(0) | レース回顧・中央競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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