2017年09月14日

2017 シリウスS レース回顧

 秋の大舞台への飛躍を目指す馬が出揃ったシリウスSは、最後の最後に急追したメイショウスミトモが粘るドラゴンバローズを交わしさり、嬉しい初重賞制覇を成し遂げました。レースを振り返っていきましょう。

 まず阪神のダートですが、重くもなく軽くもなく、という普通レベルの良馬場だったように思います。
 2歳戦の1400mでも1,25,0とそこそこの時計が出ていて、500万の1800m戦が平均から仕掛けの速い展開で1,53,0ですので、このレースの2,03,9は正直レベルが高かった、とは感じません。
 でもレース展開も意外とタフな展開になる中で、そういう流れに適性のある馬と、純粋なスタミナ面で優位性がある馬がしっかり食い込んできていて、淡々とした見た目より内容のある面白いレースだったと思います。

 展開は、まずマスクゾロが気合をつけて先行し、内に切れ込んでいきます。
 この時にちょっと急に内に寄ったせいで、すぐ隣のドラゴンバローズが立ち上がりかけるところはありましたが、すぐにリカバーして外の馬を抑え込み、コーナー利を生かしてこの馬が2番手につけます。
 外からは芝スタートで勢いがついたピオネロが3番手、2列目ポケットにはメイショウイチオシが入って、その外にモルトベーネが前の動きを見ながらの追走になりました。

 その次の列のインコースにメイショウスミトモがいて、外からトップディーヴォ、タムロミラクルなどもこのあたりにいました。
 其の後ろにマインシャッツ、ミツバはいつものように二の脚が良くはなく後方4番手の外あたりでおっつけながらの追走、スリータイタンは更にその後ろに構えていました。

 レースラップは35,6(11,87)-50,6(12,65)-37,7(12,57)=2,03,9(12,39)という推移でした。
 最序盤が速いのはコース形態上ありがちな事ですが、中盤は緩んでいるように見えて、ラップで見ると13,5-12,5-12,3-12,3であり、コーナー出口でスローになりかかったところからすぐに加速しています。
 これは前が緩めるのを察知したドラゴンバローズの和田Jが、そこでじわっと差を詰めてプレッシャーをかけ、激しい中緩みにならないように仕向けているように見えました。
 前をカットされたあたりからの当てつけ的なマーク感もありつつ、結果的にそれがこの馬の持ち味を引き出すにプラスな展開、ペースに持ち込めていて、そのあたり見事でしたね。

 ともかく、中盤緩み過ぎずに6Fロンスパ気味の展開、かつ後半が12,0-12,5-13,2とコーナー中間地点で最速ラップを踏んでいて、ここで外々から押し上げるのは辛かったですし、基本的にはタイトな立ち回りを出来た馬が上位に来ています。
 当然序盤の追走力もそれなりに問われた上で、息の入りにくいロンスパ戦での高いレベルの持久力が必要となった一戦であり、斤量が重い組がこぞって崩れたのもわからないではない、というイメージですね。

 勝ったメイショウスミトモは、いわゆる1900m以上のステイヤーコースに出走するのがはじめてでしたが、これが綺麗に嵌った部分はあると思います。
 元々追走面で1700mとかでは厳しい、1800mでも流れ切ると辛い感じで、前半ゆったり入れれば長くいい脚を使えるので、このコースには最適な性能の持ち主ではあり、またここは内枠で器用に立ち回ってこられたのがファインプレーでした。

 コーナー最速である程度スペースが出来る中で、上手く馬群を縫いつつも基本的にはコーナーをインベタで回り、直線入り口で外に出す理想的な競馬が出来ていて、前がかなり消耗していく中での最後の1Fで、この馬だけほぼ減速せず差し込んでこられたのはそのあたりが抜群に噛み合ったからと見ています。
 スパッと一瞬の切れがあるタイプではないので、府中2100mよりはロンスパになりやすいこのコースがベストだったと思いますし、ここまで綺麗に噛み合うレースも中々ないとは思いますが、それでも所与の条件の中で、馬自身は本来の素晴らしい持久力を発揮してくれたと思いますね。
 今日の内容からしても、コーナーの機動力は中々良かったですし、川崎記念とか出られたら面白いかもしれません。

 2着のドラゴンバローズは強い競馬でした。
 この馬は結構ステイヤーコースを走っていて、ペースが緩んだ時ほど崩れている傾向にあったので、その弱点を補うような番手からの強気の競馬で、道中も前をつついて緩みを極力減らせたのが好走の大きな要因だと思います。今年の和田Jは本当に乗れていますね。
 メイショウスミトモは正直かなり嵌った感はあり、この展開で終始一列外だったとはいえ、ピオネロを退けているのは立派で、斤量面の恩恵を踏まえても重賞クラスに目途を立てる一戦だったと言えそうです。

 この馬の場合ステイヤーコースに拘る必要はあまりなく、1800mのタフな競馬でも対応できますので、その意味で今後の目標に出来るレースはメイショウスミトモに比べれば多いと思います。
 今後もこのコンビでしっかり強気のレースを作り、重賞路線を盛り上げて欲しいですね。

 3着のピオネロも、芝スタートが良かった分もあるとは思いますが、久々に先行して粘りこむこの馬らしい競馬が出来たと思います。
 この馬の場合は後半の機動力、一足の鋭さが武器になる馬ですので、ここまでロンスパ気味で最速地点も早い展開はそこまで噛み合ってはおらず、それでもスローにコントロールされるよりは良かったのだろうと考えています。
 結果的に枠が逆なら、というところもありましたし、やはり先行してこそ、とは思うので、それが噛み合う条件で、かつペースが上がりそうなところは常に積極的に狙っていける馬だと思います。

 4着トップディーヴォも、今は充実期なのかな、と思わせるいい競馬でした。
 どうしても枠なりに外々にはなってしまいますし、コーナー最速地点でもろに押し上げる形を取っていましたので、流石に最後甘くなるのは仕方ありません。
 ただこの距離、外枠で一定の結果を出せたのは収穫ですし、本来はインを立ち回って要所の機動力で勝負出来るタイプですので、距離にもめどをつけて今後の選択の幅は広がりましたね。仕掛けの早い展開はやはり強いので、今後も展開待ちの部分はあれ楽しみです。

 5着スリータイタンは、スタートからインに入れて一か八か、という競馬でしたが、結果的に位置取りが後ろになり過ぎました。
 上がり最速できていますし、インからコーナーもなるべくタイトに回ってきていい展開ではありましたが、結果的に最初から内枠である程度ポジションが取れる馬に比べると立ち回りで後手後手に回ってしまったという印象です。
 常に堅実に差し込んできますし、もう少し噛み合えばどこかで圏内にズドン、と飛び込んできてもおかしくないと思いますので、長い距離のレースでは常に一定の警戒を置いておいても悪くはないと思います。

 7着マスクゾロは、結果的にペースを落とそうと目論んだところでせっつかれて、びっしりマークされる展開は厳しかったですね。
 それならあのままスピードを落とさず入っていった方が良かったですし、去年に比べると斤量面もあり走りに余裕がなかったように感じます。
 馬場も去年よりは重かったので、そのあたりもあるかもしれません。実際強い競馬が出来ているのは重馬場とか時計の速い馬場なんですよね。盛岡の2000mとかいかにも合いそうなイメージがあります。
 この馬も変に息を入れずに一気に飛ばす競馬で、1800mでもスピード負けしない点は強みですので、ここはドラゴンバローズに上手く支配されましたし、テン乗りの難しさ、斤量も含めて総合的に敗因を見ておきたいところです。
 
 8着ミツバは、序盤の位置取りはあんなものと思いますが、道中からいかにも手応えが悪かったですね。
 斤量面もあったでしょうし、それ以上にやや状態にも疑問符が付いたのかもしれません。流石に普段からあそこまで反応できない馬ではないわけで、ペースも淡々と流れて詰めるのは難しかったですが、一瞬もオッと思わせるところがなかったですからね。
 最後は前が消耗するところで多少詰めてはきましたけれど、この距離でもスピード負けしたような格好になったのは残念でした。

 11着モルトベーネは、この馬にとってはこれはハイペースだった、という視座がひとつと、後ははっきりロンスパでスタミナを問われて甘くなった面を合わせて見ておきたいです。
 この枠で不用意に下げることも出来ないでしょうから、あの位置はまず妥当だったと思いますし、コーナーもそこまでロスなく回ってきて、それでも直線全く反応できなかったので、こういう消耗戦の舞台では良さが出ないと、名古屋大賞典に続きはっきり見せたと感じます。

 ただ基本的にペースが緩みやすいステイヤーコース向きの馬だとは思うんですよね。
 今日は斤量や休み明けもありましたし、アンタレスSが予想以上に強かったところからも顕著な叩き良化型かもしれません。もう一戦様子を見たいところです。
posted by clover at 09:16| Comment(0) | レース回顧・中央競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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