2017年09月14日

2017 9月第1週新馬戦など レース回顧(土曜編)

**★9/2(土) 新潟2R 芝2000m未勝利戦**

 このレースでは、新馬戦では立ち遅れ、進路取りが非常に拙く、最後の末脚だけで見せ場を作ってきたオウケンムーンが、2戦目の変わり身で上手く先手を取り、前々から押し切ってのレコード勝ちでした。奇しくも新潟記念で4着と好走したウインガナドルが、以前のレコードホルダーだったんですね。

 この日の新潟の馬場は常識的に高速馬場、という趣で、ペースがそれなりに上がれば時計も出る印象でしたので、レコード自体は極端に驚くほどでもないでしょう。それでも勝ち馬は強かったです。

 レース内容としては、オウケンムーンは今回もスタートそのものはあんまり上手くなかったですけど、そこからコーナーの入り口までにしっかりリカバーして道中は3番手の外につけてきました。
 ラップも35,9-50,5-35,4と、そこまで序盤が遅くない中で、前走のイメージとは一転の出足の良さを見せており、叩かれて馬の意識がガラリと変わったと言えそうです。

 ポジションさえ取れてしまえば素材的にはモノが違う、とばかりに、強気に4コーナー中間くらいから仕掛けていって直線手前でもう先頭、ラスト200mは後続を千切るだけ、という圧巻の競馬でした。
 ラップを見てもそこそこ中緩みが大きく、時計勝負向きではない中で、後半5Fはほぼラストまで加速ラップを踏みつつ、ラスト1Fも全く数字を落としてこなかった持久力の高さは中々で、レコード勝ち、後続を千切るのも頷ける、決してフロックではない内容です。

 まだスタートそのものは上手くないので、出来るならコーナーまでゆったり入れるコースが合っているでしょうが、前走はほぼラスト3Fだけの競馬でそこそこ切れ味と持続力も見せていて、この日は持久力水準のラップで底を見せてこなかったので、かなりの器ではないかとちょっと思っています。
 ポジショニングで後手を踏まずに、後半勝負で強気に動いていく競馬なら、府中1800mあたりでも戦えるでしょうし、年末の時計がかかる馬場なら中山2000m戦も悪くはないでしょう。
 この前丁度ジャングルポケットの列伝を書いたばかりなので、オウケンブルースリの仔がこうして活躍してくれるのは嬉しいですし、ちょっと不器用そうなところはありますが、軌道に乗れば重賞でも楽しめる1頭ではないかと見ています。

**★9/2(土) 新潟5R 芝1400m戦**

 こちらは速い流れになる中で、ロードカナロア産駒×短距離王国安田厩舎ブランドで圧倒的人気のダノンスマッシュを、最後の最後外からランスマンが交わしてデビュー勝ちとなりました。

 展開は、新馬戦特有のばらついたスタートから、外枠のケルースとアルベルティーヌが先行策、そこに二の足を効かせた内枠のエスターテとダノンスマッシュが絡んでいって、中々隊列が決まらずにコーナーに入ってもなお4頭が雁行状態、ペースが落ち着かないままに進んでいきます。
 ランスマンは五分のスタートから枠なりに下げて丁度中団の外目につけ、4コーナー半ばから外目を押し上げて進出する正攻法の立ち回りでしたね。

 ラップは34,8(11,6)-11,7-36,5(12,17)=1,23,0(11,86)という推移でした。
 この時期の新馬戦としては珍しく、2F目からゴールまで延々と減速し続ける一貫消耗戦で、レース全体としてまずまず高い追走力は必要でしたし、そこからしっかりもうひと踏ん張りできる底力が問われた一戦だったと言えます。
 時計的に1,23,0は、馬場を踏まえればまずまず、ただペース的にはもう少し出ても、とは思うので、前傾戦で後々光るものを見せていく、という視座ではまだちょっと物足りないかもしれません。

 勝ったランスマンは、ポジションが非常に良く、自身は丁度平均バランスくらいで走破出来ています。
 かつ外を回したとはいえ、コーナーで前は減速気味になっていたのでそこまでのロスではなかったはずですし、ブレーキを踏むこともなくしっかりこの条件での全力を出し切れた、と見ていいでしょう。
 ダイワメジャーにクロフネなので、こういうタフな展開よりはもう少し器用さを問われてもいいところはありそうですし、ペース次第ですがもう少しポジションが取れるようになれば、反応の良さで上でもそこそこ通用するかな、というイメージは持てますね。

 2着のダノンスマッシュは、勝負に勝ってレースに負けた、的なところはありますね。少なくとも人気には恥じない、このレースで一番強い競馬を見せたのは間違いないと思います。
 序盤から4頭雁行の真ん中で息を入れるところもなかったでしょうし、ペースも全く緩まない中で、それでも3着馬あたりはラスト100mでしっかり突き放しているし、こういうハイペースへの高い適性は見せたと言えるでしょう。
 それでも勝ち切るまで行かなかったのは、ランスマンの総合力が中々に高かったのもありますし、この馬も前傾戦よりはもう少しコントロールした方がいいのでは、という印象もあります。

 ロードカナロア産駒ですが、ここまでの産駒のイメージは父と似ていて、比較的1200mの前傾スピード勝負とかだと脆い場面が多く、平均的な適正は1400~1600mの平均からややスローなのかな、とは見ています。
 カナロアはその辺最後は絶対能力で克服してきましたけど、このペースでラストはそれなりに甘くなっている以上、この馬も類型的なパターンのほうが噛み合う余地は高そうで、京都の1400mとかバッチリ合いそうなイメージですね。
 素材としては未勝利は楽にクリアできるレベルとは思います。

**★9/2(土) 小倉2R 芝2000m未勝利戦**

 こちらはロックディスタウンが勝った新馬戦で3、5着だったシャルドネゴールドとウォルビスベイの一騎打ちとなり、ラストまでしぶとく伸び切ったシャルドネゴールドが勝ち切りました。
 牽強付会的なところはありますが、やはりこの2頭で後続を8馬身も千切った内容からも、あの新馬のレベルの高さは明らかだったわけで、そこをロックの勝利のイメージに上手く繋げられた人はそこそこいたのではと思わせます。

 この日の小倉は決してすごく軽い馬場ではなく、同じ2000m戦でも3歳未勝利が2,00,8、1000万下が1,59,8ですので、時計面の2,01,2も優秀、かつラスト2Fが11,8-11,8と、まだ出し切っていない数字の中でですから、この2頭は上に進んでも楽しみがあると思います。
 勝ち負けは枠の差、通したところの差もありますし、2頭ともに向こう正面から仕掛けて長くいい脚を使っているので、新馬戦とは違う適性を見せており、その点でも楽しみが広がると思いますね。

**★9/2(土) 札幌2R 芝2000m未勝利戦**

 こちらは時計的には地味な一戦ですが、後方から楽に捲り切ってノーステッキで突き抜けたマイハートビートの強さが際立ちました。
 この馬は例の、札幌1800mの新馬戦屈指の好メンバーになったルーカス戦の4着馬ですし、馬場状態が違ってどうか、というのもありましたが、ここでは素質の違いを見せつけた格好になりますね。

 勝ち時計の2,05,2は前半からかなりスローですのでまぁ、というところですし、最終の1000万下2000m戦も2,03,3止まりで、勝ち馬のトリコロールブルー(+32kg!!)の上がりも36,1止まりですから、手綱を最後絞って36,3で軽々と突き抜けてきたこの馬の持久力性能はかなり高いと思えます。
 まあ切れ味を問われた新馬で案外でしたし、本場に戻ってどうか、適性の幅という視座では、他場の2000m戦で勝ち上がってきた面々に比べれば心許ないですが、素材的にはかなり面白い1頭になりそうです。

**★9/2(土) 札幌5R 芝1500m戦**

 北海道シリーズラストの新馬戦は、スズカ血統の集大成的なスズカフェラリーが、後方から外々を捲り切って直線も楽に突き抜ける、中々にスケール感を感じさせる勝ち方を見せてきました。

 展開は、内からクルーズヴォイスが逃げて、外枠の馬がその外に取りつき、人気のサトノアレスの半弟、オルフェーヴル産駒のサトノテラスが好位集団のやや後ろ、外目の絶好位をキープします。
 スズカフェラリーはやや立ち遅れてダッシュも効かず後方から、2着のアンブロジオも上手くポジションが取れずに中目の枠から下げ気味の苦しい競馬になります。

 ラップは32,2(12,44)-24,9(12,45)-35,8(11,93)=1,32,9(12,19)という推移でした。
 全体的には馬場の影響もあってかなりスローで、かつレース全体の仕掛けどころも遅く、結果的にラスト3Fが12,3-11,9-11,6とゴールまで加速し続ける展開になっています。
 ただラスト1Fは勝ち馬が千切ってきたからで、3着馬基準で見れば12,2くらいに落としているので、純粋にあまり追走力が問われなかった中で、後半勝負、特に持久力面の素材でスズカが図抜けて強かった、と見てもいいのではないかと思います。

 勝ったスズカフェラリーは3コーナー過ぎから上手く外目を通してブレーキを踏まず進出出来ていますし、前にサトノテラスという絶好の目標があったのも好都合でした。
 サトノテラスが思ったよりだらしなかった部分もあるでしょうが、楽にコーナーで外から捲り切ってみせた脚は素晴らしかったですし、ラスト1F最速、この馬場で11,6はかなりいいラップですので、素材的にはまだまだ底知れない所があります。
 血統的にはスズカフェニックスの仔で短距離色が強いですが、走りからするともう少し距離があっても、と思いますし、当然速い流れ、切れ味勝負など未知数の要素は数多ありますが、一度阪神外回り1600mあたりで出し切ってどこまでやれるか、底を見てみたい馬ですね。

 2着のアンブロジオは、スズカフェラリーが捲り上がっていくときに一緒に動きたかったですが、外が壁になっていて、前にもサトノがいてややブレーキ気味、直線も馬場の悪い内目を突くしかないという、ややスムーズさを欠いた競馬でした。
 それでもラスト100mで一気に伸びてサトノを交わしていますし、スムーズならもっと楽に2着でしたでしょうから、叩いての変わり身に期待したいですね。

 3着のサトノテラスは、この日冴え渡っていたルメールJの絶好の位置取り、仕掛けでしたが、あれでラストがあそこまで甘くなるのはちょっと物足りなかったですね。
 血統的にもオルフェに代わって持久力面は増してくるかと思いきや、兄同様いい脚は一瞬のみ、重い馬場は得意でない、というイメージを露呈してしまいました。
 まあサトノアレスも未勝利で中々勝てず、でも馬場と展開が噛み合ったところでとんとん拍子、でもありましたし、大型馬でもありますから、ここを使って本場での巻き返しには注目したいところです。
posted by clover at 09:16| Comment(0) | レース回顧・中央競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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