2017年05月18日

2017 天皇賞(春) プレビュー

**★はじめに**

 いよいよ今週は伝統の天皇盾を巡っての大一番、春の天皇賞が行われますね。

 余談から入りますが、私が競馬観戦を始めた90年代前半から2000年代初頭にかけては、春の天皇賞と言えば強い馬が順当に勝つ、荒れないGⅠの代名詞のようなところがありました。
 実際に過去の勝ち馬を眺めていても、名前だけでその走りが脳裏にはっきり浮かんでくるような素晴らしい名馬ばかりなのですが、2000年代半ば頃から、全世界的に長距離レースの実質的な価値の低下が著しくなり、国内でも牝馬の時代の到来とセットになって、チャンピオン級がこぞって出走する、というレースではなくなりました。

 また95年の馬場改装以来、一貫して高速馬場であり続ける淀の舞台においては、例え長距離戦であろうと枠の有利不利、ポジショニングの重要性が飛躍的に増し、いつしか数多の名馬を飲み込む魔物が住むレース、荒れるGⅠとして定着した感があります。
 それは2006年のディープインパクト以来、10年連続で1番人気馬が飛んでいる、という点だけを踏まえても顕著ですし、本当に一筋縄ではいかないレースになりました。

 近年のファン層にはそれこそ死語に近いかもですが、淀の坂はゆっくり上りゆっくり下る、という格言がありました。
 これは特に二回坂を通る長距離戦でより説得力を持って語られたもので、実際昔の馬場ですと、坂の下りから一気にスパートしたらスタミナ切れを起こして直線でバテてしまうのが普通であり、その分だけ直線勝負の比重は高く、強い馬が順当に勝ちやすい展開を生んでいた、とも言えます。
 けれど高速化著しい近年では、坂の下りから一気にペースが上がってそのまま雪崩れ込む展開がほとんどになり、後方から外を回す王道的な競馬を試みた名馬達が、その淀の3~4コーナーの罠にかかって失速してきました。

 すなわちこのレースを勝ち切るには、馬の実力もさることながらいい枠を引く運と、そしてその中でベストの戦略を引き出す胆力が求められると言っていいでしょう。
 そして今年は、キタサンブラックにサトノダイヤモンドという、近代競馬に高い適応を示しつつ、どこか古き時代の王者の貫禄を纏う2頭が、真の王者の座をかけて激突する舞台になります。
 果たして前評判通り2強の決着になるのか、それとも荒れるGⅠの面目躍如とばかりに伏兵がこの特殊な舞台で台頭してくるのか、大注目の一戦です。

**★レース傾向分析**

 淀の外回り3200mのコース形態は、スタートしてすぐに上り坂が待ち構えるのが特徴的です。
 3000mに比べると3コーナーまでの距離はあるものの、最初から上りで飛ばしていく意識を持ち辛く、特に外枠の馬には難しいバランスが求められます。

 この淀の坂は全長でおよそ800mに渡り、レース終盤で見ると、残り1200m地点から800m地点まででじわじわと4mほど上り、そこから100mちょっとで一気に3mも下り、そこから300mかけて1mをじんわり下る、というレイアウトになっています。
 つまり、上り坂で行き脚をつけたまま下りに入ると、序盤の一気の下りでブレーキを利かせられない危険性があり、特に2周するレースでは、序盤で無駄足を使ってしまいかねない事になるため、外の馬が積極的にポジションを取るのは勇気が要ります。
 その為どうしても先行争いの中では、内枠の方が優位性が高く、大レースの中では有馬記念と並んで枠順に悲喜こもごもが生まれる舞台だと言っていいでしょう。

 どうあれ先行する馬はある程度は坂で減速出来ないのを折り込んで出していくことになりますし、例外もありますが前半1000mのペースは概ね60~61秒台に収束します。
 そこから一周目のスタンド前、1~2コーナーで息を入れる形になり、向こう正面からまた少しずつペースが上がりはじめて、そして二周目の坂の下りから前がスパートを開始する、というのが順当に流れた場合のメカニズムになります。

 あまりにも1~2コーナーでペースが遅くなったり、或いは戦略的に早めに押し上げていく馬がいるとロングスパート戦の比率は高まりますが、序盤からガンガン飛ばしていくレースにはまずならず、近年ではフェノーメノの一回目が例外的にそうでしたが、こちらはそこまで勘案に入れずともいい例外だと思います。
 総じて序盤のポジショニングの上手さと操縦性、そして勝負所でのコーナーの機動力と、最低でも坂の下りからの4Fスパートにはなるのである程度の持続力、かつ当然ながら根本的なスタミナもそれなりには問われる、適性の嚙み合わせが中々に難しい特殊なレース、と言えると思います。

 今年の馬場は、昨日のマイラーズCを見る限りそれなり以上の高速馬場には入ってくると思います。
 近年の春の天皇賞はほぼ確実に後半5Fは60秒を切ってきますし、今年もメンバー構成を見る限りその点はまず揺らがないでしょう。
 ただ一応逃げ先行馬はそれなりにいて、ヤマカツライデンあたりはここでもハナを切りたい、タマモやゴールドアクター、或いはファタモルガーナやラブラドライトあたりも先団を狙ってきそうな中で、キタサンブラックがどの位置で競馬をするかはまず大きな注目点です。

 この辺りの隊列はやはり枠順によって大きく変動してくると思いますので、現時点であまり決めつけてはおかずにいたいですが、ひとつ確実なのは、当日の馬場を踏まえてきっちり余力を残して走り切れるペースをキタサンブラック自身は刻んでくる、というところです。
 このブログでも何回か触れたように、去年のキタサンが刻んだペースは勝つためにはこれしかない、というほどに精密で絶妙なもので、そういう競馬を他の馬の動向に惑わされずしっかり組み立て切れるのがこの人馬の最大の強みです。
 なので、大阪杯を見てもわかる通り、伏兵が大逃げなどを打ったとしても、キタサンがそれを捉えられずに負ける、というパターンはまずないだろうと見ていいですし、キタサンより前で勝負に持ち込むなら能力の裏付けは必須、と考えていいと思います。

 後はやはり、これも方々で触れてきましたが、現代の長距離戦の勝ちパターンはポジショニングにかかっていると言っても過言でなく、けれど昨日のホウオウパフュームを見ても、それがわかっていても序盤から急かしたら競馬にならない、そもそも加速力が足りずについていけない、という馬は一定数います。
 そういう馬は結局、ペースが緩むところで上手くポジションをリカバーする意識が必要になってきますし、近年では特に横山Jが良く見せる、一周目のスタンド前で、馬群から離して自分のリズムを保ちつつ前に取りついていく動きなどは、従来の競馬観・常識からは乖離していますが、実際的には非常に理に適っているものだと考えています。

 勿論それが出来るほどに操縦性の高い馬、という前提はいるでしょうが、実際に有馬記念でサトノダイヤモンドがそれでも勝てる、というのを実証してみせた以上、今後序盤では無理できない馬が勝負の土俵に乗っていく為の戦略として、新たな常識になっていく可能性は充分にある、と思います。
 今年のメンバーで言えばシュヴァルグランやアルバート、それに外枠を引いてしまった時のサトノダイヤモンドやシャケトラあたりはそういうチャレンジを試みないと勝ち負けまでは厳しくなる、という事になると思うので、各々の陣営の意識、立ち回りには注目していきたいですね。

**★有力馬所感**

・サトノダイヤモンド

 前哨戦の阪神大賞典も、タイトなステイヤーの流れの中で強敵シュヴァルグランに完勝し、改めてディープ産駒らしからぬ豊富なスタミナと超距離適性を証明してみせました。
 元々叩いてからの方が確実に状態が上がるタイプでもあり、正に狙い済ましたローテーションと言えますし、ディープの鬼門を次々打破する馬ながら、ディープの仔らしく京都が最も得意、という印象も強いので、大きく崩れる姿を想像しづらいのは確かなところです。

 さしあたっての懸念としては、前走も菊花賞も、最初の4コーナー付近で引っ掛かる気配を見せたことで、そろそろ馬自身も賢いので、二周するレースの指示を覚えてきっちり折り合うかもですが、少なくともキタサンほど一気に出してスッと抑える、という柔軟な動きは出来ないかなとは思います。
 それ故に外枠を引くと序盤は中団より後ろのポジションにはなりそうですし、内枠でもいずれは動ける位置に、という思惑があるでしょうから極端には出していかない、その上で1~2コーナーでスーッと前に取りついていくという、有馬を踏襲するレースをしてくる可能性は高いです。

 こういう動き出しは騎手にとって胆力が問われますが、昨日のイスラを見ても、継続騎乗で完全に手の内に入れている馬でなら大胆に動けるのがルメールJの強みでもありますので、枠がどうあれ向こう正面あたりではキタサンをマークできる位置にはつけてくれていると思います。
 キタサンも去年より更に強くなっているとは思いますが、この馬自身菊花賞などは鬼門の外々を回しても序盤であっさり突き抜ける鋭さを見せており、京都適性は非常に高いと思えますので、直線向いてキタサンから2~3馬身以内にいれば問題なく捕まえてくれると考えています。

 もうひとつ懸念があるとすれば斤量ですね。
 明け4歳馬はほぼ確実にここではじめて58kgを背負うことになりますし、54~55kg近辺の1kgはそこまで気になりませんが、57kg⇒58kgの斤量増は意外と堪える馬が多いイメージがあります。
 去年のシュヴァルグランなんかはそのパターンの中でも健闘しましたが、一昨年のアドマイヤデウスなどは他にも要因があったとはいえ大敗、この点に関しては去年で確実にクリアしているキタサンに分があると見ていいでしょう。

 後は本当に超高速馬場で、切れ味の質まで問われる形になった時、その点では非常に高いレベルでの話ですが、決して超一流ではない、と思っているので、そこでポジション差が響く可能性はあります。
 とはいえキタサン自身が切れ味勝負・持続力特化勝負はプラスでないことを鑑みれば、その可能性は低いはずで、そうなればラスト1Fの伸びが非常に重厚なこの馬が届かない懸念は相対的に薄くなると感じますね。

 勿論最終的には枠と馬場を踏まえてですが、おそらくこちらを本命にします。

・キタサンブラック

 去年はまだ半信半疑、という立ち位置の中での完璧なレースプランを組み立てての逃げ切りでしたが、最後カレンを差し返す薄氷の勝利でもありました。
 前走などを見ても本質的なスピード能力は相当に高く、3000m超のレースがベスト、という事はまずないはずで、圧倒的な総合力と操縦性でこなしてしまう馬、と見るのが妥当なところではあると思います。

 その上で、今年はおそらく番手以降の競馬になる可能性が高いです。
 無論2~3番手からでも実質的にレースを支配出来る馬ですが、伏兵陣はともかく、今回は横山Jを配してきたゴールドアクターの立ち回りはそこそこ厄介な要素になりそうです。
 キタサン武Jが、精密で波のないラップを作って押し上げる余地を与えない形の支配の名手なら、横山Jは変幻自在に波を作り、後続のリズムを狂わせて自分の形に持ち込んでいく形の支配の名手であり、ゴールドアクターが思い切ってキタサンの前に出してきた時のレースプランは中々に見所の一つになると思っています。

 そのあたりはゴールドアクターの項でもう少し触れるとして、この馬自身は本質的に4F戦で早々に引き上げ切ると最後やや苦しい面はあると感じています。
 去年はそれを最内で出来たので良かったですが、多少なり外から押し上げる形で、となるとよりバランスが問われますし、また序盤から中盤にかけても、楽々サトノダイヤモンドが動いてこられないようなバランスを意識する必要も出てきます。
 まず大崩れはしないはずですが、多頭数で様々な思惑が錯綜する中、しっかりマークしてくるサトノを振り切るにはもう一段上の戦略がいるのではないか、と思いますし、それをどういう形で示してくれるかは非常に楽しみです。

・ゴールドアクター

 去年の大敗で適性がない、と見做される部分もありますが、流石にあれだけ入れ込みが激しく、大外でポジションも取れず、魔の3~4コーナーで外々を押し上げていく正攻法に出てしまっては仕方ない面は強いです。
 勿論輸送の懸念は大きいので当日の気配は重要ですが、純粋に能力面、適正面から見た時には、淀の3200mは決して不得手ではなく、むしろ宝塚記念のコースよりはプラスの条件だとは思っています。

 基本的にこの馬は、前走でもはっきりしているように、ロングスパート戦向きの馬ではありません。
 馬のイメージ的に長くいい脚を使うタイプと思われがちですが、実態は真逆に近く、非常に高い機動力があり、そして瞬発力の質も素晴らしいものを持っている代わりに、持続力・持久力面ではやや劣るのがゴールドアクターという馬だと私は見立てています。
 なので、ロンスパはロンスパでも、勝った時の有馬の様に2段階加速で明確に切れ味を問われる展開の方がいいですし、それを鑑みれば去年の有馬はかなり粘ったほうと言えます。

 その意味で今年の高速馬場はプラスで、相対的に後半勝負の比率が高くなり、コーナーからの4F戦でも直線入り口で11秒前後の鋭い切れ味を求められる展開になれば面白いです。
 勿論その為には序盤のポジショニングが重要で、その地点をなるべく内で受ける必要がありますが、そこでこそ百戦錬磨の横山Jの手腕の見せ所になってくるでしょう。
 内枠ならしっかり出していってキタサンより前を取り切ってしまいたいですし、去年のように外枠なら序盤は無理せず、そして正面スタンド前でじわぁっと押し上げていって番手くらいまで取り切ってしまう、それが出来れば好勝負に持ち込める余地は充分にあります。

 キタサンとサトノに対してこの馬が明確に勝る武器は一瞬の質に他ならないですので、それこそ4コーナーでは死んだふり、くらいに外の押し上げをまともに受けずに待って、キタサンとサトノが外目で並んで上がってくるところで逃げ馬が垂れてきたインに潜り込んで、離れたところから一瞬の切れ味で引き離す、なんて芸当をしてくれば、そのリードを生かしての頭まで考え得る馬とは思っているので、どうあれ枠順には大注目ですね。

・シュヴァルグラン

 長距離路線では安定して力を発揮するシュヴァルグランですが、ベストの舞台の阪神3000mで同斤量のサトノダイヤモンドに正攻法で見劣ったように、力関係では苦しいものがあります。
 またこの馬は序盤のポジショニングは拙く、多頭数の中で去年は中目の枠から上手く3列目のインを取り切れたものの、外枠だと難しい競馬を強いられる事になります。

 上で触れたようにどこかでポジションアップする戦略を取れればいいですが、良くも悪くも福永Jなので、そういう外連味のある動きはしてこないでしょう。
 なので評価としては近走の力関係そのままにまず頭はない、内枠なら圏内はあるかもですが外枠だと厳しい、と見ておいて問題はないかなと思いますね。

・シャケトラ

 このレース最大の上がり馬で、日経賞で見せた圧巻の持久力は、明確に名ステイヤーの誕生を予感させるものでした。
 ただしこの馬はまだまだキャリアは浅く、そしてこれまで未勝利戦の56kgが一番重い斤量だったところに、いきなり58kgという負担が圧し掛かります。
 去年のキタサンは産経大阪杯の時点でそれを克服していましたし、シュヴァルグランはいきなりでもそこそこ好走したので、それだけで一概に嫌う理由にはなりませんが、一気呵成に頂上を極める上でのハードルが高いのは間違いないでしょう。

 この馬自身はそこまで行き脚が悪くはないので、内枠ならばなるべく先団には取り付いての競馬を試みたいですし、外枠ならゆったり出して、やはりどこかで上手くリカバーする意識が欲しいところです。
 この点では積極性のある田辺Jというのは面白い組み合わせですし、どちらにせよ切れ味の質で勝負するタイプではないので、ロンスパに持ち込んで出来る限り勝負所でのラップの偏差を少なくするという戦略を取りたいですね。
 それでも現状2強を崩せるほどの破壊力はない、と思うのですが、枠次第では重い印も、と考えています。

・ディーマジェスティ

 基本的に器用さはあまりないタイプではあり、馬群を軽快に捌いて、という競馬が出来そうではなく、序盤の出足も悪いので、そのステータス面では淀の3200m向きではないと正直思います。
 ただ、前走は重い馬場で明確な持久力戦になってしまってどうしようもなかったと思いますが、軽い馬場での瞬発力を問われる形なら良さが戻ってくる可能性は充分あります。

 今回はそこまで人気もしないでしょうし、後方インでじっと構えて直線まで仕掛けを我慢し、加速力自体は持っている馬なのでそこから上手くスペースを見出して縫って出てくる、というくらいの思い切りがないと圏内までは難しいと思いますが、淀長距離のマイスターの一人である蛯名Jでもあり、クラシック勝ち馬の沽券にかけても、見せ場は作って欲しいなと思っています。
 でも評価的には、菊の負け方からしても打っても連下になりますし、難しい条件ではあると思いますね。

・レインボーライン

 この馬も菊の内容的にはレースが終わってからの差し込みで、勝ちに行って勝ったサトノダイヤモンドとは大きな差がありますし、自分でレースを作れない弱みがあります。
 前走はなんで内に潜ったし?という印象でしたが、このレースを踏まえてインから動けるかを試した、という深謀遠慮なら大したものです。
 どうあれ本質的には持久力型で、前がコントロールしてくる流れでは厳しいものがあるので、どこかで押し上げが欲しいですし、それこそ皐月賞のようにデムーロJらしいイン潜りで中団まで押し上げてこられたなら警戒は必要ですが、常識的には難しいかなと感じています。

・アルバート

 本当にこのレースはコテコテのステイヤーというか、後ろからスタミナを生かして最後までバテずに伸び切る、というタイプが多いので、どれかは中盤でスイッチを入れてきそうな気もするのですが、当然この馬もその系譜の1頭になります。
 前走も超スローの中かなりの切れを見せましたが、あれも3Fを平均的に速い脚を使っている形であり、一瞬の質は伴っていないので、このメンバーで後ろから一手では当然厳しいです。

 今回は序盤のポジショニングに積極性のある川田Jを配してきたとはいえ、それで行きっぷりが良くなるかはわからないですし、テン乗りで早め早めに押し上げる競馬が出来るかは、基本差し追い込み馬で動き出しが悪い川田Jなので難しいかなと。
 それこそ2~3頭がこぞってキタサンの支配するラップの中でも動いていって明確にロンスパになった時、おそらく鈴をつけに行った馬は苦しくなるのですが、それにワンテンポ遅れて追随した馬は利するところが大きいと思うので、この馬としてはそういう展開待ちになりそうな気はします。
 このメンバーでも勝ち切るだけの武器はある馬と思うのですけど、それを引き出す条件がシビア過ぎるのは確かで、こういう馬にこそ横山Jを乗せてみたいのですけどね。

・ファタモルガーナ

 現状の穴候補としてはこの馬かなと思っています。
 去年は枠の割にポジショニングで後ろになり過ぎて、要所で確実に一脚を使える良さをほとんど生かせませんでしたが、それでも着差的にはそこそこに健闘していて、長距離での安定感はやはり高いです。

 前走は完全に切れ負けで参考外でいいですし、本来ある程度ポジションは取れる馬で、内枠から上手く2~3列目のポケットを取れる並びならば、圏内ならワンチャンスあってもいいと考えます。

**★思い出の天皇賞(春)**

 こちらは名勝負が沢山あって、ひとつひとつ思い出していたらきりがないですね。
 こちらのブログを立ち上げての1回目の列伝で取り上げたように、私の中でライスシャワーという馬はひとつの固有のエポックとして神格化されている部分もあり、その点で当然この馬の2勝は感慨深く思い出すのですが、やはりそれを抜きに、純粋な名勝負として思い出すのは97年の、ローレル・マベサン・トップガン3強の激突になるでしょうか。

 このレースでは前年の有馬からローレルがぶっつけでの挑戦、この間に境勝太郎厩舎から小島太厩舎に移ったのもあり、改めてその真価が問われる中で、休み明けの分テンションが高く、向こう正面から引っ掛かり気味に進出していく展開になります。
 それを見逃さずにきっちりマークするようにマーベラスサンデーも動き、強烈な7Fのロンスパになりつつも、改装後の京都の高速化と噛み合って勝負所で11,2とえげつないラップを踏んでおり、仕掛けていった2頭の底力を伺わせます。

 けれどそれを虎視眈々と中団で見守り、じっと流れの中で我慢に我慢を重ねて、引き絞った矢を一気に解き放つ形で直線外から飛んできたトップガンの底力もまた素晴らしいもので、勝ち負けに展開の綾はあったものの、本当に向こう正面からゴール前まで胸が躍りっぱなしの名勝負だったと思います。
 今年のキタサンとサトノも、あんな形での一騎打ちになればいいなと思いますし、その鬩ぎ合いを漁夫の利として台頭してくる第三の馬がいればなおの事面白いレースになってくれるのではないでしょうか。
posted by clover at 04:05| Comment(0) | 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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