2017年10月18日

2017 北海道2歳優駿 レース回顧

 スタミナと機動力を問われる門別の1800m戦、2歳ダート路線の登竜門のひとつとなる北海道2歳優駿は、圧倒的な人気に推されたドンフォルティスが問答無用の大外ぶん回しで楽々突き抜け、能力の違いを誇示する完勝を収めました、レースを振り返りましょう。

 馬場は重で、他のレースを見てもそこまで軽い条件ではなかったように思います。なので時計的には、近年の標準レベルには達しているのかな、と感じますね。

 レース展開は、まずディーエスソアラーが逃げて番手にサザンヴィグラス、その外からヤマノファイトが追いかけていきます。
 内目からハッピーグリンとマイネルアンファンが好位列に取りついていって、その外にムルシェラゴ、やはり二の足が今一歩だったドンフォルティスはじわっとリカバーしつつ後方の外目、内からやはり出足は悪かったフィールシュパースが外に持ち出してそれをマークするように最後方に近い位置取りでした。
 その内にナナヒカリ、という隊列になって、馬群は一団で横に大きく広がりながら淡々と進んでいきます。

 ラップは途中経過しかわかりませんが、全体時計が1,55,5(12,83)で、上がり3Fが38,2(12,73)ですので、思ったよりも序盤からペースは上がらず平均で進んでいた、と見て良さそうです。
 そうなるとより強くコーナー地点からの機動力、加速力が問われ、そこからの持久力も含めて、後半要素をしっかり引き出せるか、がポイントになっているかなと思います。

 勝ったドンフォルティスはその意味で非常に理に適った立ち回りでしたし、馬自身もそれに応え、距離不安もなんのそのの問答無用に強い競馬でした。
 スタートで少し挟まれ加減にもなりますが、慌てずに後方外、常に前がクリアになる大外を選択していて、しかしその分コーナーへの侵入角が楽になり、しっかり機動性を引き出してきたのは流石の武Jらしい立ち回りだったと言えます。

 残り800mあたりからスーッと動き出して、残り600m地点では既に先頭列のすぐ後ろに取りつけていたように、思った以上にコーナーで動けたな、という感じで、このあたりは武Jのお家芸的な部分もあるので、そこを懐疑的に見たのは反省すべきポイントでしょうか。
 馬自身も、この馬の位置ですと明確にスローバランスにはなっている筈で、それを残り800mから動いて、ラストまでおそらくほぼラップを落とさないまま突き抜けていて、このあたりの持続性能は今までのレースでも見せていた通りです。
 ただそれをこの重いダート、小回りの1800mという条件でも使えたのは大きな収穫ですし、今後の展望が大きく広がっていきますね。

 現状まだダートで切れ味そのものは未知数ですので、例えば時計の出やすい府中マイルで坂地点最速、なんて場合に差し損ねるパターンはあるかもですが、追走面でも不安は少ないですし、動き出しのタイミングとスペース作りをしっかり意識してくる騎手が乗っている限りは安定して上位に突っ込んでくる力はあると思います。
 フィールシュパース比較でもルヴァンスレーヴと互角に戦える素材と言えるでしょうし、先週のハヤブサマカオーといい、この世代のダート戦線はこの時期から中々の素質馬が出揃って面白くなりそうですね。

 2着のフィールシュパースも、この馬の競馬、脚はしっかり引き出してくれたと思います。
 個人的に予想の段階ではこの馬が2番人気と疑ってなかったのでその点意外でしたが、どうしてもこういう脚質の馬だけに中々信頼が置けないのはあるのでしょうね。
 ただその弱点を補う形で、序盤はゆったり、そこからじわっと外に出して、確実に動いてくれるドンフォルティスを目標に仕掛けていく、田辺Jらしいクレバーな戦略で入っていければ、展開的にも噛み合いましたしこれくらいは当然走ってくるでしょう。

 ただ勝ち馬とはコーナーでの反応も違っていましたし、直線でラストは向こうが流していたから少し詰められたくらいで、持久力面だけでも精々互角、となると、総合的に見て勝ち馬を逆転できる要素を見出すのは中々に難しいですね。
 強いて言えば血統的な部分からも、大井の2000mになれば潜在的なスタミナの違いで逆転は可能かもしれませんが、長い距離のレースが少ない2歳戦の内は、このまま勝ち切れない競馬が続きそうな感じです。

 3着サザンヴィグラスは、距離不安をポジショニングとペース配分で上手く糊塗してきた、と言えますでしょうか。
 前走のサンライズカップは、レース平均が13,0くらいなのに上がり3F平均が14,0くらいの極端なハイペースでしたし、それを今回平均まで落としてきたことで、要所の機動力を生かして粘り込め、同時にサンライズカップの1、2着馬の良さを削いだ、と言えるかもしれません。
 それでも最後止まっているように、血統的に距離がギリギリだったのは間違いないでしょう。ただ南関の1800mまでなら、この立ち回りの上手さはかなり大きな武器になりそうですし、移籍してくるなら面白い存在ですね。

 ヤマノファイトは1200mでも強い競馬が出来ているように、追走面を強く問われた方がプラスだったのかな、という感じで、実際コーナーの立ち回り、多少なり加速するところで後手を踏んでいましたので、後半要素は少し足りない、と考えて良さそうです。
 ハッピーグリンの場合は更に内々に入ってしまった事で、自分のタイミングで動きにくかったのもあるでしょうし、こちらもスロー展開であまり良さが出なかったか、加えて歴戦の疲労もそろそろ出てしまったか、という負け方になってしまいましたね。
 それにここまではずっと外から捲って押し上げる競馬で結果を出していたので、その点でも戸惑いがあってかなと見ますし、潜在能力的にはもっとやれるはずなので巻き返しには期待したいところです。
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2017 萩S レース回顧

 土曜の京都で開催された2歳OP特別の萩Sは、新馬で大器ロックディスタウンに敗れたものの、その後の未勝利でアドマイヤアルバ相手に強い競馬で勝ち切ってきたタイムフライヤーが、後方一気で大外から豪快に差し切ってみせました。レースを振り返りましょう。

 土曜はまだ雨が本格的にはなっていませんでしたが、それでも馬場表記は重であり、一週前の台風の影響も顕著に残っていて、パンパンの良馬場から比べると3秒くらいは平然とかかる条件だったのは間違いありません。
 スワンSも1秒前傾の消耗戦と時計が出やすい流れで1,22,4止まり、10Rの準オープン1800m戦も、こちらはかなりスローだったとはいえ、勝ち馬がぶっちぎる形で1,49,8ですので、かなり流れたとはいえこのレースの1,49,7は相当に高く評価していい時計だと思います。

 レース展開はまず最内のニシノベースマンが逃げ、新馬を好時計で逃げ切ったリュクスポケットが宥めながら少し離れた外目を追走、その後ろに新馬でタニノフランケルを下したサクステッドとシースプラッシュが並んで入っていきます。
 その後ろにオーデットエールとタイムフライヤーがじっくり構え、アドマイヤキングはスタートも良くなく、この流れの中で追走にも汲々していて、道中内目に入れておっつけながら、という形になりました。

 ラップは35,7(11,9)-36,8(12,27)-37,2(12,4)=1,49,7(12,19)という推移でした。
 馬場が馬場なので時計的には充分出ていますし、かつ最序盤が結構流れ、道中も12秒前半を淡々と刻む形で、息の入れにくい、この馬場なりのパワーを兼備する追走力が高いレベルで必要とされていたと思います。
 その上で後半も極端に波のない持久力特化戦になっていて、このペースで足を削がれない追走力と、そこからバテずに突き抜けられるスタミナ、持久力面が相当に強く問われていますね。
 実際に2着以下はラスト1F実質13秒台に入っている消耗戦と見做せますし、その中で勝ち馬は図抜けた底力を見せてくれたと言えそうです。

 とりあえずタイムフライヤーがこういう競馬でここまで強さを見せるとは、ちょっと驚きはありましたね。
 新馬にせよ未勝利にせよ、超スローからの3F瞬発力/持続力特化戦に近い形でしっかり反応の良さと鋭さを見せていて、ゆったり入って良さが出るこの時期のハーツ産駒らしい馬かな、と踏んでいたのですが、この今までのレース内容とは真逆に近い厳しい流れでこの結果は、今後の展望が大きく広がったと言えそうです。

 無論ハイペースに区分できる流れの中でじっくり後方から、という立ち回りは噛み合ったわけですが、それでも同じ位置にいたアドマイヤキングなど完全に追走で足を使い果たしている感じでしたし、あの位置でも決して楽なペースではなかったはずです。
 コーナーでも特に全体がペースアップしたわけではないながら、それでも一番外を通すロスはあったと思いますし、自身の上がりが36,1で、ラスト200mはほぼこの馬のラップと思うので、実質的には11,8-11,7-12,6くらいで走破していると見て取れます。

 つまりこの馬場このペースでも、しっかり一段上の切れ味を引き出すパワーと追走力を秘めていたことは間違いなく、自身の走破でラスト1Fはかなり落としている、とはいえ、他と相対的に見ればかなり粘っているとも言えますので、これは本当に強かったと思います。
 勿論血統的にこういう渋った馬場、スタミナを問われた事がプラスだったとは思いますが、この時期のハーツ産駒でこのペースを楽にこなしてきたのは中々の完成度、素材のスケール感だと言えますね。

 この後どこを使うのかはわかりませんが、今の馬場が悪い府中京都なら重賞でも当然、となりますし、持久力戦になりやすい年末中山も視野ら入ってくるでしょう。
 ただポジショニングですごく器用、という感じでもないので、現状は広いコース、府中1800mなんかが一番良さそうな気はしています。
 いずれ距離が伸びても面白いですし、好走スポットがかなり広いので、ダービーまでの可能性を踏まえてじっくり育てていって欲しい逸材かなと思いますね。

 2着のオーデットエールも、内容的には完敗ですが、中々面白い競馬は出来ていると言えます。
 というより、こちらも新馬がスローからの5Fロンスパで二段階加速に対応、新潟2歳Sは位置取りが絶望的だったとはいえあの3F特化戦でまずまず適応、そしてここでも持久力特化戦に一定対応と、どれを取っても凄みのある武器ではないながら、勝ち馬同様にどんな展開でも崩れにくい総合力は持っているのかな、と思えます。

 まあ位置取りもほぼ同じ、かつこちらの方が内を通して、あのラストの着差のつけられ方なので、素材面では足りないのは明白ですけれど、こちらもハーツ産駒としては比較的完成度が高いと思いますし、距離ももう少しあったほうが噛み合いそうですね。阪神の外回り1800mとかで見てみたいです。

 3着のリュクスポケットは、追走面ではギリギリ対応してきたと思いますが、ここまで重い馬場ですと純粋なスタミナ面で少し足りなかったのかな、とは思います。
 新馬は稍重表記とはいえ、そこそこ軽い馬場で持続力戦をしぶとく立ち回って好時計勝ちでしたし、この馬の位置でも平均よりはややハイ寄り、くらいの中で、最後全く切れ味を問われない展開においては、ダイワメジャー血統ですと少し辛い、というのはあったかもしれません。

 ただ新馬の時と違い番手からでも一定対応が出来ましたし、基本的にはバランス良くスピードを活かしたいタイプなのは間違いないと思うので、もう少し軽い馬場のマイルから1800mで改めて真価を見せて欲しいですかね。

 4着シースプラッシュもこの馬場に持ち味を殺された面は強いと思います。
 未勝利の持続力特化戦の勝ちっぷりは鮮やかでしたし、前走に今回と強敵相手に粘り強く堅実に走ってはいますが、理想は血統的にも綺麗な馬場でスローから脚を出し切る展開なのかな、と今のところは感じます。
 要所でスッと反応できる感じはそこまでないので、広いコースの方が合うのは間違いないかなと考えます。

 5着サクステッドも展開が噛み合わなかった面は強そうですね。
 新馬はコーナーの緩みに乗じた内容ではあり、強かったけど噛み合ったのも間違いなかったので、ここでかなり追走を強く問われて一足を引き出せなかった、という点でも、スポットがそこまで広くはない、というのはありそうです。
 まぁ2着基準で言えば大きく負けてはいないですし、相変わらずスタートセンスやポジショニングの上手さなどはあるので、高速馬場でゆったり入れる条件なら見直したいところです。馬場の回復前提ではありますが、百日草特別あたりが現状ベスト条件かなって思います。

 6着アドマイヤキングは、明らかに他の馬以上に追走で苦慮していましたし、後は新馬の内容からしても単純に力負け、の側面は強いと思います。
 血統的には成長力はあると思いますが、直ぐにOPでどうこう、という感じではないですね。500万からコツコツとしっかり実績を積み重ねて、後はよりゆったり入れる距離と馬場の方が良さそうなので、来春にすみれSとかでいい勝負をしていそうなイメージはあります。
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2017 10月第4週海外GⅠ レース回顧

**★コックスプレート [レース映像](https://www.youtube.com/watch?v=wyrOhQN0-g4)**

 破格――――昨日の感想に被せる形で書き出すなら、やはりこちらも驚嘆をイメージさせる形容こそが相応しい、ウィンクス22連勝達成となったコックスプレート。
 これで当レースにおいて、史上2頭目の3連覇を達成し、国内の最多獲得賞金ホースに躍り出ると共に、かのブラックキャビアがマークしたGⅠ15勝の金字塔にも肩を並べる、こちらも歴史的偉業がいくつも重なった上での、チャンピオンの矜持を遺憾なく発揮した素晴らしい勝利となりました。

 レースは見られる映像にしっかりラップが推測できるものがないのであくまで印象論にはなりますが、少頭数ながらも前は比較的しっかりペースを作っていって、そこそこハイペースで展開していたと思います。
 その中でウィンクスは道中ずっと外目のやや後方でじっくり構え、なが~い3~4コーナーの入り口辺りからじわじわと進出していって、特に4コーナー付近では4頭雁行状態の一番外を一気に押し上げていく形になります。
 さしものウィンクスであっても、勝ち時計が2,02,94というレコードタイムで、それなりに時計の出る条件下でコーナー外々ぶん回しは楽ではなかったはずで、それをシメシメ、とばかりに見ていたのが、最後2着に差し込んで、一瞬とはいえ肝を冷やさせたヒュミドールでした。

 この馬は春の中~長距離路線で、ジャメカと勝ち負けを繰り返していた馬ではあり、本質的に距離が伸びてこそのタイプではあります。
 オーストラリアでは、例え3200mのメルボルンカップが大目標、という馬でさえ、基本前哨戦は1400~1600mあたりを使い、徐々に距離を伸ばしていく事が多い、というより、そもそも前哨戦に2000m級の距離のレースが少ない、路線が整備されていないという事情があるように感じます。
 その中でこの馬も、この春シーズンは1400mのレースを叩き台に2回使ったようですが、そこではまるでついていけずに結果を出せず、そのせいでここは人気をかなり落としていました。

 しかし2000mになれば別であり、かつ敵はウィンクス一頭、と絞り込んでのこの馬のレースは、中々にクレバーな戦略を感じさせるものでした。
 スタートから無理せず後方に位置し、けれどほぼインベタで距離ロスを最低限に抑えつつ、斜め前にウィンクスを見てしっかりマークする形で進めていきます。
 ウィンクスが3コーナー過ぎから外を回して進出していくのに合わせて、この馬もポジションを上げてはいくもののまだ極力インを通し、馬群を捌きながら虎視眈々と追走、そしてコーナー出口付近でようやくウィンクスの真後ろに誘導してスムーズに進路確保という完璧な立ち回りを見せてきました。

 ここに至るまでの経緯で明らかにロスが多かったのはウィンクスの方で、かつヒュミドールもこの路線でGⅠをしっかり勝ち切っている実力馬ですので、ここでは非常に珍しい、後ろから差し脚で追い詰められるウィンクス、という構図が完成します。
 直線向いて残り100mまでの脚色は明らかにヒュミドールが勝っており、場内から悲鳴が聞こえてくるようでしたが、しかしここからがウィンクスの女王たる由縁、馬体の影が並びかかったあたりからもう一度しっかり反応し、それでもじわっとは詰め寄られるものの最後はほぼ同じ脚色にまで持ち込んでいて、着差はクビと僅かながら、昨日のキタサン同様に、この後どこまで走っても詰まらない、そんなクビ差にも見えました。

 改めて、何度繰り返しても飽き足りませんがウィンクス、凄まじい牝馬です。
 何気にこの春シーズンはここが5走目と、これだけの馬にしては結構過酷な使われ方をしています。
 今回相手も強かった&かなり嵌った競馬をしてきたとはいえ、見た目に結構苦戦したのは、連戦の疲れもなかったわけではないとは思うのですが、それでもこうしてきたのには、おそらく陣営がはっきり、ブラックキャビアの金字塔、25連勝の更新を視野に入れてきたからなのでは、と感じています。

 ここまで毎シーズン4走、というのが定番となっていましたし、けれど今春にひとつ多く使った事で、来年の秋シーズンで例年通りに4戦走り、全て青写真通りに勝ち切れれば、その時点で26連勝となります。
 まずそこで実質的な数字面での記録をクリアし、満を持してアスコット遠征を敢行して、そこで勝てれば、その連勝記録の中にアスコット開催のダイヤモンドジュビリーSが含まれる、ブラックキャビアの偉大過ぎる足跡を名実ともに凌駕する事になる――――それはなんとも夢のあるプランに思えます。
 
 かつ、もしもそこでプリンスオブウェールズSを選択し、イネイブルと激突するようなことがあれば、これは本当に歴史的一戦になるわけで、競馬ファンとしてはどうしても見たい垂涎のカードになること請け合いでしょう。
 勿論気が早すぎる話ではありますが、本来これだけのシーズンに跨って好調期を維持するのは不可能に近い中で、そんな常識を悉くその凄まじい走りで覆してきたこの馬なら、とも思いますし、まずはしっかり休養して(勿論JCなんて来るわけもなかったですね。。。)、次のシーズンもその素晴らしい走りを陰らせることなく披露して欲しいと思います。

 ヒュミドールも文字通り相手が悪すぎただけで強い馬ですし、或いはメルボルンカップに使ってくるかもしれないので、来年のクイーンエリザベスSあたりではウィンクスの最大のライバルとして名を馳せている、なんてことになっていれば面白いですね。


**★レーシングポストトロフィー [レース映像](https://www.youtube.com/watch?v=0Afko_HNX8s)**

 こちらは過去にハイシャパラル、オーソライズド、セントニコラスアビー、キャメロットなど錚々たる名馬を輩出しているイギリスの2歳GⅠ、芝のマイル戦になります。
 このレースを勝ったのはオブライエン厩舎のサクソンウォリアー、この勝利できっちり、自身のホームである欧州で年間GⅠ26勝の金字塔を打ち立て、そしてそれを成し遂げたのがディープインパクト産駒、という点でも日本の競馬ファンには何とも言えない気分にさせられるところです。

 レース自体はペースメーカーの2頭が飛ばしていって、サクソンウォリアーは第2グループの先頭近くで機を窺います。
 前がバテてくる残り600mあたりからじわっと進出して先頭に立つサクソンウォリアーですが、後方で脚をじっくりと溜めていた2着馬のロアリングライオンが満を持して追い出すと、素晴らしい切れ味を発揮して一瞬でサクソンウォリアーを交わして先頭に立ちます。

 その2着馬がどんどん内側に切れ込んでくることで、やや追いづらいところもあったサクソンウォリアーですが、鞍上ライアン・ムーアJの叱咤に応え、一度は半馬身くらい抜け出されたところからジリジリと盛り返していきます。
 最後はやや勢いの衰えた2着馬を差し返し、勝ち時計も1,40,12とかなり重い馬場の中で圧巻の底力と勝負根性を見せつける形での勝利を収めたのでした。

 これでサクソンウォリアーは3戦3勝と完璧な成績で2歳シーズンを終え、現時点で英ダービーの一番人気に推されているようです。
 ディープの仔なので本質的に欧州の2400mは長いのではないか、という懸念も当然出てきますが、この馬は重馬場でも強く、かつ文字通り欧州馬らしいしぶとさを備えているので、この勢いのままクラシックシーズンを席巻していく期待も充分に持てますね。
 当然血統的な特性はあっても、その後の生育環境次第では全く違う質の馬が出来る、という可能性も当然見ていきたいところですし、来年のクラシックは牝馬にもセプテンバーがいますので、オブライエン厩舎のディープ産駒の動向から目が離せませんね。
posted by clover at 04:07| Comment(0) | レース回顧・海外競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする