2017年09月14日

2017 9月第1週海外G1などレース回顧 その他雑談

**★ウッドワードS [レース映像](https://www.youtube.com/watch?v=cpeLFit0tFE)**

 ガンランナー、盤石の圧勝、といったところでしょうか。
 BCクラシックに向けての主要な前哨戦のひとつ、伝統のウッドワードSは、2番手から早めに抜け出したガンランナーが後続に10馬身以上の差をつけ好時計で勝利し、パシフィッククラシックで連敗を喫したアロゲートに対し、BCクラシックで雪辱を果たすべく、その鋭利な牙をこれでもかと誇示してみせた格好です。

 相手関係的にはドバイで千切ったネオシリックあたりが人気の楽なメンバーでしたが、それでもこの勝ち方は圧巻です。
 ラップ的にも凄みがあり、23,20-23,36-23,89-24,33-12,65と、綺麗な減速戦ではありますが後半も極端に落とさず、このレースがサラトガ開催になってからのレースレコードで駆けてきました。
 こういう競馬が出来る限り、もう1Fの延長が大きなブレーキになるとはちょっと考えにくいですし、現状は明らかにアロゲートよりも確実に前目で走れるので、かなり有力視していいのではないかと感じますね。
 今年は3歳世代が猫の目打線でかなり低調でもありますし、パシフィッククラシックの上位勢とこの馬が主軸の、去年ほどのワクワク感はあまりない一戦になるかもですがそれでも楽しみです。

**★チェルムズフォードS [レース映像](https://www.youtube.com/watch?v=gKp54pVokDo)**

 今週のオーストラリア競馬は、トーセンスターダムが3着に入ったGⅠレースなどもあったのですがその辺は地味ですので、GⅡですがいつものウィンクスのレースの方を。まあレース名の読みがこれで正しいのか、いつも以上に自信がありませんが(笑)。

 今回はスタートをきちんと決めたウィンクスですが、先行馬がかなり離して逃げている中で、道中は並び順では中団くらいの位置でじっくりと構えています。
 レース映像だけ見ているとかなり前のペースが速いのか、と感じますが、実のところこれかなりのスローだったらしく、ウィンクス自身は前走に引き続き、かなり無茶な後傾ラップでの持続力特化戦で強烈に差し込んできた、という格好になるようです。

 正直前走にしても4コーナーでの位置取りは絶望的に思えましたし、このレースもコーナー回る時点では2番手集団の一角で前とは6~7馬身差とかなり冷や冷やではありますが、しかしこれを楽々差し切ってしまうのがウィンクスの恐ろしさ。
 実際に3着馬とは、残り300mではほぼ並んでいるのにそこから5馬身近く差をつけていますし、この強烈に過ぎる持続力は本当に神かがっています。

 近走は着差自体は小さいですが、それでも普通なら勝ち切れない展開で勝っており、改めてその凄みを見せつけているなぁと。
 元々距離が伸びて、かつペースが上がったほうがより強い馬ではありますし、おそらくあとひとつ叩いてコックスプレート、というローテーションでしょうが、今のところは故障以外でこの馬が負ける姿を想像し辛いですね。本当にいつもそのレースぶりには感動の一言です。

**★ソングバード引退**

 だそうです。
 前走の負けから巻き返して欲しい、と書きましたが、その後骨折が発覚して、という経緯のようですね。
 今年に入って復帰も遅れ気味、内容もイマイチでしたし、或いは元から足元にモヤモヤがあるのを、だましだまし使ってきたところもあるのかもしれません。

 去年の春過ぎくらいからずっと応援してきた馬ですし、本当に走りのリズムやフォームが綺麗な馬で大好きだったので、引退は非常に寂しいですがこれも競馬の常、仕方ないですね。
 繁殖でもその素軽いフットワークを受け継ぐ仔を出して欲しいですが、アメリカって日本や欧州ほど、活躍した牝馬の子供が活躍する、って話を聞かないんですよねぇ。ゼニヤッタの仔とか全然話題にも出てきませんしね。

**★今週末の海外競馬シーン**

 先週はあまり目立ったレースがなかったので短めの記事になりましたが、来週は世界各地で楽しみなレースが目白押しになります。
 日本人としてはやはりまず注目なのは、凱旋門前哨戦ウィークの、フォワ賞に出走するサトノ2騎、となるでしょうし、同日ニエユ賞やヴェルメイユ賞などのライバルの動向も気になるところです。

 アイルランドでも、この国最大の競馬イベント、愛チャンピオンズデイがあり、むしろ凱旋門賞の強敵はこちらから、というパターンも多いのでやはり注目、更には韓国国際レースにクリソライトなどの参戦もあり、本当にワクワクしますね。
 余裕があればプレビュー記事なども書けたらと思いますし、当然回顧もしっかり進めていきたいところです。国内も本場に戻って、土日重賞があるのでまた忙しくなりますねぇ。
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2017 小倉2歳S・新潟記念 レース回顧

**★小倉2歳S**

 去年の勝ち馬レーヌミノルは桜花賞馬にまで駆け上がっており、今年もそれに匹敵するスケール感のある馬が出現するか見物だった小倉2歳Sですが、好位の外から早めに抜け出したアサクサゲンキが押し切っての勝利でした。うん、とりあえずやっぱり騎手って大事だよなぁと改めて思わされた一戦です。。。

 馬場状態は昨日とほぼ変わらず、少し内側が荒れてきてはいるもののそこそこ時計の出る馬場ではあったと思います。
 1Rの2歳未勝利戦が、上位2頭は抜けて強いとはいえ34,0-35,0=1,09,0、8Rの500万下も33,6-34,7=1,08,3ですので、このレースの1,09,1は正直かなり物足りない数字ではありますね。

 展開は、内から二の足を効かせたフローラルシトラスがやはり逃げを打ち、それをすぐ隣のオーロスターキス、外からモズスーパーフレアが追いかける展開になります。
 その外からこちらも好スタートだったアサクサゲンキは、前のモズをしっかり目標にする形で三番手の外をキープし、ジュンドリーム、ルリハリあたりがそこに加わっていくところ、少しダッシュが効かなかったアイアンクローがリカバーしてこの集団に取りつく形になりました。

 その後ろに、スタートは良かったものの二の足で少し下げる格好になったヴァイザーと、スタートで後手を踏みリカバーしつつのバーニングぺスカがいて、出負けしたイイコトズクシやペイシャルアスは後方内々からじわっとリカバーしていく形でしたね。
 全体的にごちゃっとした、2歳馬らしい込み合ったレースでしたし、内の馬場もそこまで良くはなかったと思うので、外目からスムーズに流れに乗れた馬が楽だったとは思います。

 ラップは33,3(11,1)-35,8(11,93)=1,09,1(11,52)という推移でした。
 テンの2Fが22,0と相当に速く、それに人気のモズスーパーフレアが積極的に絡んでいったことで、予想以上に展開は前掛かりになった印象で、後半は11,6-12,0-12,2と、コーナーから減速している綺麗な消耗戦なので、基本的には追走面での素材をかなり特化的に問われたレースになっているのではないかと思います。
 ご存知の通り、基本的にはこういう波のない一貫減速戦がスプリント戦では一番時計が出やすい展開でもありますので、ラップで補正してみると1Rとの差はかなり大きく、それだけこの頭数の中でスムーズにレースを進めるのが難しい、という証左でもありますが、一方で前傾戦でより良さを発揮してくる馬はあまりおらず、追走面に裏付けがあった馬が粘り込んだ、というイメージですね。

 勝ったアサクサゲンキは、都合この夏4戦目で上積みがあったとは思いませんが、前走で見せた一貫前傾消耗戦への適正を、今回も外枠からスムーズに、フルに生かし切ったな、という感じです。このあたりのバランスの組み立て方は流石の武J、というところですね。
 スタートも完璧に決めて、かつモズが前に行ってくれたのでこれを目標につかず離れず、ペースを落とさせずに入っていくことが出来ましたし、コーナーでモズのあおりを受けてやや外に膨れたものの許容範囲、直線はしっかり粘り腰を発揮して、自分の時計通りには走ってきた、というところでしょう。

 正直ジュンドリーム戦のようなパターンであっさり出し抜かれるように、後半要素での良さはあまりないタイプですので、今後も好走パターンはブンブン飛ばして粘るのみ、とはなりそうで、あまり将来性を感じさせる勝ち方、時計ではないのは確かです。この世代からは降級がなくなるので、これで一生OP馬が確定しましたしねぇ。
 それでも自分の形に持ち込んで、他の馬を削げる形でなら強さを発揮できるタイプですので、同系色の強敵がいない場面なら、という限定的なスポットを上手く拾っていければ、でしょうね。
 新馬の内容からいずれダートを試してみても、ですし、中山や小倉で狙えるタイプになるとは思います。

 2着アイアンクローは正直かなりの自信度で消していたのですが、この時期の2歳馬の経験値の大切さを思い知らされる結果でしたね。
 新馬が強い勝ち方ながら完全後傾戦で、その時点で1200m向きではないと思っており、実際に前走1秒ちょいの前傾の流れに乗っていって味がなかったので、よりペースが上がるここではもっと無理だろうと高をくくってしまいました。
 ですが実際のレースでは、ペースが速いところでしっかりリカバーを掛けつつ前についていって、最後までしぶとく粘り込んでおり、逆にここまで流れ切ってしまえば素材と経験値で何とか我慢できたのかなぁという印象です。

 多分能力的にはこのメンバーでは1、2を争う馬だとは思っているので、この走りで次に距離延長で嫌われるようなところがあるなら、むしろ狙ってみたいと思わせますね。
 まぁ良くも悪くもこの経験から折り合い面に不備が出ると難しいところですが、マイルくらいでも後半勝負でチャンスを作れるくらいの馬ではあると個人的には思っています。今回は能力面で来られてしまったな、という推測です。

 3着バーニングぺスカも、素材的にはいい馬なんだけど乗り方がなぁ…………とはなりましたね。やっぱり武Jがこっちに乗らないなりのなにかはあったのでしょうか。
 ただ上記1R未勝利戦も、ラブカンプーは改めて強い2着でしたし、あのレースの質の高さは間違いなかったと言えます。
 でも今日ははっきり出負け気味になって、リカバーしたくても微妙に前が壁で頭を上げながらの追走と、かなりロスの大きい競馬になっていました。
 馬自身はそれでも最後までしっかり走れていて、前傾戦への適正の高さははっきり見せていたのでこのくらいは当然、とは思うのですが、やはりもう少しスムーズに前目を取れていたら、と惜しまれますね。

 4着ヴァイザーも、ペース自体は対応してきたとはいえ、やっぱりちょっと1200mは短いのかなぁと感じさせました。
 スタートは良かったですがこのテンの速さについていけない格好でしたし、枠も真ん中だったせいでスムーズに動けず、直線向いても外の馬と接触したりとバーニングぺスカ同様にかなりスムーズさを欠いてはいたと思います。
 最後は地力で突っ込んできましたし、基本的には流れるタフなレース向きなんでしょうけれど、距離は1400m~1600mあたりで、ある程度自分でペースを作っていく形が今のところはベストかな、と感じました。

 7着モズスーパーフレアに関しては、松若J、若いなぁ…………とまず思わざるを得ませんね。いや実際に若いんですけれど。。。
 まぁこの枠でスタートは決めたい、揉まれたくないという気持ちはわかるのですが、それでもあそこまで積極的に出していってどうか、というのは、前走も再加速戦の中でその機動力が最大の武器、というのを見せていた中では未知数であり、正直位置取りを見た瞬間に嫌な感じはありました。
 イメージ的にはアサクサゲンキを行かせてその後ろでスペースを作る感じを期待していたのですが、ガラッと立場が逆になってしまいましたし、この流れを無闇に追い掛け過ぎたのもちょっと馬の力を過信し過ぎていたのではないかと思います。

 もちろんこの時期の2歳馬で、前傾戦でより良さが出る可能性もないわけではないので、半端に馬群に揉まれて負けるよりはまだ、とは思いますが、前走のイメージを大切にするならもう少しじわっと入る選択は取れなかったか、素材面でそこまでの馬がいない組み合わせでもありましたし、勿体ない競馬になったとは思います。
 この馬自身はここまでの前傾戦は駄目、となるなら、はっきり距離は伸ばした方がいいですね。
 まずは1400~1600mで、前を取りつつコントロールする意識で、後半の良さを引きだしてどこまでやれるか、次走あらためて注目したい1頭です。


**★新潟記念**

 こちらはタツゴウゲキが夏の勢いそのままに、2番手から力強く押しきってサマー2000シリーズのチャンピオンの座を獲得しました。レースを振り返っていきましょう。

 馬場状態は、やはり少し内側が傷み始めて通すところや巧拙は問われた印象ですが、未勝利2000mが2,00,7で、内回りとはいえ500万下1400m戦が1,21,3ですので、まだギリギリ高速状態、くらいではあったと思います。
 その中では1,57,9はまずまずの時計だと思いますし、ラップ的にも綺麗に流れて、どの馬でも力を出せるフェアなレースになったのではないかと感じますね。

 展開は、まず内からタツゴウゲキが素晴らしいスタートを決めてハナを伺いますが、外からじわっとウインガナドルが来たのでそちらに譲って番手外に持ち出しある程度積極的にプレッシャーをかけていきます。
 その後ろに、内からこれも積極的にカフジプリンスが出していって3番手、それを見る形でソールインパクトとアストラエンブレムがいて、マイネルフロストはいつもより消極的にその2頭のやや後ろを追走していました。
 その後ろ、内目からロイカバードとハッピーモーメント、ロッカフラベイビーもこのグループの後ろくらいにいて、やや出負けしたルミナスウォリアーとフルーキーが後方寄り、トーセンバジルとラストインパクトはほぼ最後方に近い位置でレースを進めていきました。

 ラップは35,2(11,73)-48,1(12,03)-34,6(11,53)=1,57,9(11,79)という推移でした。
 思ったよりタツゴウゲキが積極的だったことで前半のペースが上がり、けれど中盤も一番遅いラップが12,3と極端に緩む事はなく、息を入れにくい淡々とした平均ペース、と考えていいと思います。
 後半も12,3-12,0-11,4-11,2-12,0と、じわっとですがコーナー出口から引き上げられて速い脚が分散させられ、その分新潟外回りにしては最速地点の加速度が低く、切れ味よりは持続力面をより強く問われる展開になっています。

 後ろからでも一定の追走力は問われるペースでしたし、やっぱり余程持続力か切れ味の質がないと一気に差し込める展開ではなかったとは思います。内を上手く立ち回っても、インが伸びにくい馬場にもなっていて、先行馬がコーナーでも変に落とさず入っていったことで、平均だけど前残り、という面白い結果になっているなと感じますね。
 なので基本的には序盤のポジショニングが成否を握ったところはありますし、その上で高い総合力を問われた一戦、と考えたいです。

 勝ったタツゴウゲキは、予想以上の積極性が功を奏した格好ですね。
 ここ2走のようにハイペースでも一脚は使えるし、垂水Sのようにスローペースの持続戦でも一定やれる、元々好走スポットが広い馬ですので、今回はその間の平均ペースからの持続力戦でもしっかり結果を出してきました。
 ただハイペースの時ほど他の馬を削げる部分は少ないですし、高いレベルで見れば後半要素だけでは勝ち負けまでは危ういかな、という印象ですので、それを補う形でポジション、仕掛けともに早め早めにしていったのはファインプレーだったと思います。

 おそらく切れ味の質の面では、アストラ比較でもちょっと足りない感じですから、そこをコーナーワークでフォローできたのが最大の勝因かなと思います。ラスト12,0でまとめてくる持続力は流石ですし、重賞勝った直後で55kgは結果的には恵まれた部分もあるかなと。
 流石に夏これだけ使って秋にお釣りはないでしょうが、地味ながらしっかり成長力を見せてきていますし、今後もGⅢレベルならコンスタントに活躍してくれるのではないかと思います。

 2着のアストラエンブレムは、うーんまぁ色々判断が難しい形ではありますね。
 とりあえずマイルくらいですと、流れてしまうと追走で怪しかった馬ですので、この距離でなら平均で前目からでも自分の一足は引き出せた、というのは評価していいポイントだと思います。
 ただ本質的には切れ味より持続力面が武器の馬とは思っていて、その割にこの展開でラスト1Fはやや失速気味、カフジプリンスにも食い込まれている、というのを見ると、やはり距離は少し長いのかな、とも感じました。

 今日のレースは比較的長距離色が強くなったのもありますし、よりスローに振れれば2000mでも、という感覚もありますけれど、やはり今のベストはワンターンの1800mになりそうですね。
 でも重賞未勝利馬の割にかなりハンデも背負わされて、初の2000mでも崩れない堅実さは流石ですし、どこかでもう一つ殻を破る走りが出来ればより高いステージでも、と期待したくなる馬なんですよね。

 3着のカフジプリンスは、ちょっと拾おうか悩んだ経緯があるので結構痛恨ですねぇ。
 2000m自体がベストのタイプではないのですが、ただ新潟外回りはポジションを取る気なら取りやすいコースですし、基本的に反応がすこぶる鈍いだけで後半の脚はそこそこ持っているタイプだったので、やっぱりこういうロンスパ気味の展開になると踏んでいたならチャンスはあったか、という印象です。

 もちろんこういう馬ですのでしっかり前につけられたのが何より良かったですし、馬も追走面で少し平均だと怪しいかな、と思っていましたがそこは克服してきて、この馬なりに地道に成長している感はあります。
 どうしても最速地点の反応で置かれてしまいますが、11,2で留まってくれたおかげで勝負圏内に踏みとどまれましたし、そこからラスト100mでの粘り込みはこの馬の真骨頂、という感じでしたね。
 今後もとにかくブレーキを踏まずに前目前目で、という競馬を試みて欲しいですし、距離自体はペースが上がり切らなければ長距離までカバーできるタイプと思っていますので、そのあたりに活路を見出していって欲しいかなと思います。

 4着ウインガナドルは、世代レベル的に辛いかなと思ったのですがかなり頑張りましたね。
 ここも津村Jらしく淡々と流してコーナーも緩めず、しっかり先行馬としてやるべきことはやった、というところで、それでも平均ですと後続は切れ味を引き出せる余力はあるので、そこの切れ味・反応の差でタツゴウゲキに見劣ってしまっていました。
 タツゴウゲキ自体もアストラには見劣っていて、けどアストラも究極の切れ味比べで一線級、というタイプでもないので、今回は切れ味の質の面で良さがある馬が少なく、或いはいてもこのペースの追走できちんと削げた、と考えていいでしょう。

 ともあれ、この流れでも切れ負けするならもう少しペースを上げるか、或いは重たい馬場や小回りで、という事にはなってきそうですね。
 血統的には距離は持つはずですし、淡々と菊で逃げられるならそれはそれで面白そうで、今回の好走で見えた弱点をしっかりフォロー出来るバランスを考えていって欲しいです。

 5着フルーキーは、後ろからの馬では最先着となり、やはり持続力面では流石、という所を見せましたが、内が伸びにくい馬場にもそがれた部分はあるでしょうし、どうしてももうひとつ噛み合わないなぁ、という感じです。
 まぁコーナーで上がりはじめているので、外を回すロスはやや大きいですし、実際トーセンバジルあたりは外々で伸び切れていないわけで、立ち回りとしてはこの馬なりの最善だったとは思います。
 まだ色々噛み合えばGⅢなら圏内まで、は警戒したい馬ですね。

 そしてマイネルフロストはなぜあの位置からなんでしょうね…………?
 普通にタツゴウゲキのすぐ後ろにいれば勝ち負けだったと思いますし、直線もはっきり切れ負けですから、状態面に不安があったのか、スムーズに前に出していけるだけのタイミングは普通にあっただけにちょっと消化不良の内容でしたねぇ。

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2017 札幌2歳S レース回顧

 北海道開催の掉尾を飾る札幌2歳Sは、オルフェーヴル産駒の1番人気、ロックディスタウンが好位からジリっと抜け出し、粘るファストアプローチや捲り差しに決め打ったダブルシャープの追撃を退けて見事に無傷での重賞制覇となりました。レースを振り返っていきましょう。

 おそらく全く雨は降っていない札幌の馬場ですが、それでも予想よりも更に重かったかも?というくらいに時計は掛かっていましたね。
 8Rの500万下2000m戦が61,9-60,6=2,02,5、10Rの1200mが34,3-34,8=1,09,1までで、どちらも上位がかなり突き放している格好ですので、時計もかかるし馬場適性も覿面に問われる、そんなイメージでいいと思います。
 このレースの1,51,4も、この状況下では水準クラスは出ているかなと思いますし、少なくともパワーの要る馬場での化け物的なスタミナ馬、2014年のブライトエンブレムみたいな馬はいなかった中で、素直に立ち回りのそつのなさが結果に直結している格好ではあります。

 展開は、外からサージュミノルが予想通りハナを取り切りますが、それに対して内の馬はほぼ出足が鈍く、サージュについていく形ですぐ外のマツカゼ、ファストアプローチが楽に2、3番手を取り切れたのはちょっと意外でしたね。
 ロックディスタウンもまずまずのスタートから、外の動きを見てある程度出していくアクションを見せ、その分1コーナーの入りで頭を上げるシーンも見受けられましたが、すぐにファストアプローチの後ろで落ち着き、好位の外目といつでも動き出せる最高の位置を確保します。

 内からはロジャージーニアスがポケットに入り、その後ろにコスモインザハートとヴィオトポス、シスターフラッグはその後ろで、スタートでやや出足の効かなかったカレンシリエージョもこのグループ、馬群の真っ只中と苦しい位置になります。
 ミスマンマミーアも出足は悪く後方の内目、クリノクーリングも二の足でスーッと下がってしまい一時は最後方、そこから軽くリカバーしてカレンをマークするような位置取りとなり、ダブルシャープは注文を付ける形で最後方からの競馬を選択します。

 ラップは37,2(12,4)-37,6(12,53)-36,6(12,2)=1,51,4(12,37)という推移でした。
 多少バランス的には中盤が緩めですけれど、ラップ的には一番遅い地点でも12,6と顕著には緩んでおらず、淡々としていながらこの馬場ですと息は入れにくい流れ、とも言えそうです。
 それなりには流れた分仕掛け自体はかなり遅く、後半が12,4-12,3-11,9-12,4という推移、このペースを追走して尚しっかり加速できる余力、コーナーでの機動力をそこそこ問われて、でも全体的には持久力勝負の色合いはかなり強いと考えられます。

 やはりこういう速いラップを踏まない展開ですと、道中楽に自分のリズムで走れたかはポイントになりますし、ごちゃつくコーナーでもスムーズに加速するスペースを作れていたか、の差は大きいでしょう。
 その点序盤のポジショニングセンスの差もかなり出ましたし、結果的に展開も外主導になって、外枠の馬の方が総じて走りやすかったのはあるのかな、と思います。

 とはいえ、勝ったロックディスタウンのパフォーマンスは素晴らしいの一言ですね。
 この馬の場合は新馬がまるっきり適性の違うドスローで包まれる展開からの瞬発力&持続力戦で、一転この重い馬場で常識的には流れるのを前目外目で追走しつつ、しっかり前走でも見せていた反応の良さは引き出すことが出来ました。
 素材的にこういう馬場でのタフネス勝負がもってこい、という感じではないと思うのですが、それでも勝ち切ったのは純粋に能力の差とも思えますし、こういう競馬が出来るなら、牝馬同士のマイル戦なら充分追走面でも対処できるんじゃないかな、というイメージを持ちました。

 見た目以上に器用さはある馬と思いますし、それでいて切れ味勝負でもタフな展開でも対応してくるので、当然距離延長もマイナスにはならないでしょうし、春のクラシック2冠に向けてひとつ物差しになる1頭ではないかな、と思います。
 オルフェーヴル産駒もこっちかぁ、という所ですが、今日はルメールJの馬場読み、位置取りも抜群に冴えていましたし、この時点でクラシック当確の賞金を積めたのは大きいと思うので、このまま順調に成長していって欲しいですね。

 2着のファストアプローチは、枠的にもっと半端な位置になるかな、と思って、外から自分で動く形だと前走のラストも止まり気味ではあったので厳しいか、と見ていましたが、前半の積極性が流石でしたね。
 近くの2頭がこぞって前に行ってくれたのも僥倖でしたし、しっかり出していっても折り合いはピタリとついて、鞍上の支持に従順に走れるいい馬だなと思います。
 ただこの流れでもコーナーで一足使って、そこからの持続面では甘いところはありましたし、基本的にはマイル近辺でもう少し追走力を問われつつ、の方が、最上位クラスでは安定して走ってくるイメージはやっぱりありますね。当然血統的に洋芝得意、という部分もありそうですし、切れ味を問われてやれるかは未知数なのでそのあたりは留意しておきたいです。

 3着のダブルシャープは随分と大味な競馬になりましたが、上がりダントツで突っ込んできたのは能力の証明ではあるかなと。
 スタートはそんなに悪くなく見えたのですが、あそこまで意識的に下げる形になるとはちょっと思っていなくて、ごちゃつかずにこの馬の脚を引きだすのみ、という意思は感じられるポジショニングでした。
 実際残り700m過ぎくらい、他の馬よりワンテンポ早く捲りをかけて、それに即座に反応して一気に上がっていく脚は素晴らしく、この馬のラップとしては多分11,6-11,6-12,1くらいを使ってきていると思いますが、この馬場でこれだけの加速力を引きだすのはパワーある証拠ですね。

 ファストアプローチが老獪に外目を回したことで、その外にいたロックに釣られてかなり大外を通す羽目になりましたし、その中でもラスト1Fでまだジリっと対ロックでも差を詰めていたのはかなりの持久力と思えます。
 距離延長は確実にプラスだったと思いますし、もっと長い距離でタフな展開になったほうがよりチャンスがありそうなタイプです。
 究極的な切れ味でどうか、は当然出てきますけど、あれだけ反応良く動けたならこの辺りの距離ならどんな馬場でもある程度は戦えそうで、この後どういう道を選ぶか興味津々ですね。

 4着シスターフラッグは、岩田Jらしく道中内目に拘りつつ、上位の馬がコーナーで外に出してくれた分もあってすんなり進路は確保、ただじりじりとしか伸びずに圏内争いには絡めず、でした。
 特に不利なくスムーズな走りで、5着のコスモ同様ロスなく進出してこれなので、この条件では少し上位と差があった、と見ていいでしょうね。このラップ推移ですと内々を立ち回れたのはプラス要素にはなっていたはずですし、この馬は改めて軽い馬場でどうか、そこで進展があればと思いますが、現状まだ色々足りないのは確かと思います。

 6着クリノクーリングは、思った以上にポジショニングではっきり負けてしまって、そこからある程度リカバーという意識はあったものの、動くタイミングを計っている内に外からダブルが動き、それについていったディバインにも蓋をされ、コーナー出口で最後方まで下がってしまったのはまぁ致命傷でした。
 ラスト進路を確保してからはじりじり来ているだけに、ダブルくらいのタイミングで強気に先に動けていたら圏内くらいはあったかな、とも思いますが、このあたりはダブルの石川Jの腹を括った立ち回りに対し、無難に終始してしまったツケ、というイメージですね。
 こういう馬場自体は得意なはずだけに、逆に中央場所で切れ味を問われてどうかはイメージ的にはちょっと微妙なのですが、素質はあると思うので上手く適正に噛み合わせていって欲しいですね。
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