2017年08月26日

2017 ブリーダーズゴールドカップ レース回顧

 お盆の交流重賞三連戦の末尾を飾るブリーダーズゴールドカップは、二番手から積極的にレースを進めたマイティティーが、圧倒的な一番人気のクイーンマンボの追撃を辛くもしのぎ切って、嬉しい重賞初制覇となりました。レースを振り返りましょう。

 馬場状態は重ですが、それでも全体的に時計は掛かっていて、後半のレースでもハロン12,5を軽く超えてくるレースばかりでしたので、それだけパワーを問われる条件なのは間違いなかったでしょう。
 これは余談ですけど、この日の1200m戦の一番時計が、3Rの2歳新馬戦のアンジュキッスの1,14,2で、このレースは2着まで大差、そこから3着までも大差、なんてとんでもなレースになってますので、これはかなり強い馬かもしれませんね。エーデルワイス賞に出てきたらチャンスが充分に有りそうな走りぶりでした。

 ともあれそういう特殊なコンディションの中で、展開は内からビービーバーレルがかなり勢いよく出していき、それに外からマイティティーが追いかけていくという形で、この2頭がちょっと予想外に大きく後続を引き離してハイペースを演出していきます。
 クイーンマンボは普通に出て、外から三番手に入ってきたタイニーダンサーの後ろあたり、3、4着に食い込んだオージャイトとスルターナ、地元期待のジュエルクイーンはそれをマークする位置で進めていて、1000m通過地点では前と後ろで6~7馬身の差がついていましたね。

 レースラップは細かくは出ませんのでなんともですが、勝ち時計が2,08,4(12,84)で、上がり3Fが40,6(13,53)なので、最初の1400mは87,8(12,54)という計算になります。
 当然前半は前の2頭がかなり飛ばして逃げていたのでハイペースには間違いないのですが、後続も残り1000m付近からは前を追い掛けて、残り600m通過時点ではマイティティーとクイーンマンボの差はもう1馬身程度でしたので、どの地点で足を使ったかはともかくとしても、全体的に前傾の流れで、ラストは明確にズブズブの消耗戦になっていると言えるでしょう。

 1000-600m地点でもう前のペースはかなり落ちていたかもしれませんが、それでもこれだけの流れを追走して、かつロンスパ気味に押し上げる形は牝馬戦らしからぬ、このレースの傾向ともちょっと違う、かなりタフなレースになっていて、それなりに高いパワーを要する追走力と、潜在的なスタミナ・持久力を特化的に求められたレースになっていると思います。

 そしてここでマイティティーが勝ち切るところまで来るとは流石に驚きでしたね。
 勿論潜在能力は高く評価している馬で、この相手ならきちんと走ればこれくらいやれて不思議ない馬ではありましたが、にしても近走が不甲斐無い競馬続きだったので、こうまでガラリ一変を強気に狙い難かったのはあります。対抗も考えたんだけどなぁ。

 好走要因として、まずは距離延長が噛み合ったのはあると思います。
 去年の好調時も、明らかに一番強かったのは1900mの愛宕特別であり、相対的に前半ゆったりめのスピードで入っていくことで、後半のしぶとさを遺憾なく発揮できる、という面が元々あったのを、今回は上手く引き出せたのではないか、と思います。
 ただそれでも今まではハイペースになると厳しいタイプと思っていたんですが、ここまで距離があって馬場が重いと、絶対的な平均速度の低下でそのあたりを補えた可能性もあるでしょう。

 あと、この馬は基本的に被されるのが苦手というのもありそうで、前走なども休み明けで息が出来ていなかったのはあれ、距離が足りなくて追走で一杯になりかかったところを一気にジンソクにこられて気持ちが切れた感じでした。
 冬の交流重賞もそんな雰囲気はありましたし、今回は全体のペースを引き上げることで、対クイーンマンボでアドバンテージを上手く作りつつ、ギリギリ外から被されない距離感を保ってスパートできていて、それがラスト1Fまでしぶとく粘り込めた要因なのかなと思います。
 それに、本質的に夏に調子を上げるタイプなのかも、とも思えて、様々な要因が綺麗に噛み合っての一気の復活劇、という感じですね。

 正直好走スポット自体はあまり広くない感じですが、今日のイメージからすると逃げに拘るよりは横の位置取り、被されない位置で速い流れを主導して、かつ自分から動いていく競馬がベストなんだろうと感じます。
 1800mだと微妙に短いし、相手も強くなるところでの難しさは感じますが、やはり素材としては牝馬ダート路線なら充分最上位で戦える力はあると再認識しましたし、噛み合いそうな条件なら積極的に狙っていきたいですね。

 2着のクイーンマンボは、正直もっと落ち着いた流れになると思っていたので、そこが誤算ではありました。
 兵庫CSでもバランス的にハイで、なし崩しに足を使わされる展開の中で最後甘くなったように、持久力面ではそこまで凄みはなく、前走のように前半ゆったり入ることで後半の鋭さを引き出すのが本質だと思っていますので、このラップ推移からすると、まぁ負けてしまったのもわからないではない、とは感じます。
 とはいえ流石にここは勝ち切って欲しかったですし、展開に注文がつくところも結構ある、追走面でも絶対的な部分でも相対的にも無理できないのは見えてきたので、このあたりでのもう一段の成長は欲しいですね。
 少なくとも大井のダート1800mあたりで、前が速い流れになったらかなり甘くなりそうな印象で、そういう展開ならアンジュデジールの方が強いかなぁと改めて思いました。

 3着オージャイトは福永Jらしくタイトに経済コースを回ってきて、前につらい流れに上手く噛み合わせてという感じで、このあたりのそつのなさは流石ですね。昨日は佐賀で乗っていたのにご苦労様です。
 とはいえ馬自身はやはり1000万下の馬ですから、かなり噛み合ってこの着差は決定的ですし、メンバーが揃う所ではまだどうにもならないでしょうね。

 4着スルターナも同様に、流石に今の牝馬交流重賞でも、もう少し地力をつけたいところです。ただこちらの方が多分レースの内容や距離延長ねタフな馬場で噛み合っていないので、1800mの大井・レディスプレリュードあたりでちょっと見てみたい気持ちはありますね。
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2017 8月第2週新馬戦など レース回顧(日曜編)

**★8/13(日) 新潟5R 芝1600m戦**

 少し雨の影響が残った新潟芝コースでの新馬戦は、シンボリクリスエス産駒の伏兵クレバーバードが番手から楽に抜け出して快勝しました。
 しかしこの土日は、この馬のみならず清水厩舎の2歳馬が良く走りましたね。その他にも重賞ウィナーになったカシアスもいますし、やはり厩舎に強い看板馬がいると、その相乗効果で全体が底上げされるというのはあるのでしょうか。

 ともあれ、時計水準としては良馬場だけど多少重いイメージで、関屋記念の内容などから考えても0,5秒くらいの馬場差は見てもいいのかなと感じます。
 ややバラっとしたスタートの中、一番いいくらいの出足だったクレバーバードは、内からアイスフェアリーを行かせて楽に番手外を確保します。
 その外に2着のブラックジルベルトが入って、ポケットには内から人気薄の3着マイネルテンプスが押し上げてきました。
 人気の4着パクスアメリカーナは、外枠もあり序盤は好位の外目で前の馬を見る形、他の人気どころではククルカンあたりは明確に出遅れて後ろからの競馬となっていましたね。
 
 ラップは37,5(12,5)-25,8(12,9)-33,7(11,23)=1,37,0(12,12)という推移になっていました。
 馬場の影響もあったとはいえ、隊列がすぐに決まってペースはてんで上がらず、序盤・中盤共にかなり遅い、新馬戦らしい流れからの後半3F勝負になっています。
 ラスト4Fが12,6-11,4-10,6-11,7と、コーナーでは上がり切らずに直線向いてからの加速勝負になっていて、その分基本的には外目から前をずっと向けていた馬が有利だったとは思います。無論能力差もあるでしょうが、結果的に上位は外目の枠で外を回した馬ばかりですからね。
 ともかくこの馬場の中で加速力と瞬発力はそこそこ問われていて、かなりスローでしたので持続面では大分楽だったとは思います。序盤のポジショニングセンスと機動性がそのまま結果に反映しているかなって感じですね。

 勝ったクレバーバードは、名前の通り非常に賢そうな馬ですね。
 スタートセンスも抜群で、番手につけての折り合いもバッチリ、コーナー出口あたりからじわっと引き上げて早めに先頭に立つと、後半要素でも総合的に非凡なものを見せて後続を全く寄せ付けない完封勝利でした。
 ボリクリの仔なので、少しでも渋った馬場になったのも向いたところはあるかもですし、ペースは極端にスローですので、ペースが引き上がってこのポジショニングの良さが噛み合ってくるかは未知数ですが、先々面白い一頭に化けるかもしれない、という雰囲気を持っていたと思います。

 2着のブラックジルベルトも、勝ち馬に対しては枠の差で一頭分外ではありましたし、要所の反応で少しズブさを見せていました。
 最後の1Fの伸びはこちらの方が優秀で、ノヴェリストの仔っぽいしぶとさ、アデイインザライフの下らしい持続面での良さの片鱗は見せましたが、このレースでは価値馬のセンスに完敗でしたね。
 この日はスローだったので、楽に押し上げる形でポジションを確保できましたが、ペースが上がったり揉まれたりするとちょっと不安がありそうで、どちらかと言えば1800mの方が楽に競馬が出来るタイプではないかと思います。

 3着のマイネルテンプスも、エントリーチケットの下らしい堅実さを感じさせる走りでしたね。
 上位勢ではこの馬だけがインで待たされる格好ではありましたが、クレバーバードが早めに動いて抜け出してくれたのでスペース自体は楽に確保できましたし、流石にそこからどの地点でも上位を脅かす脚は使えませんでしたが、外差し勢の食い込みを凌ぎ切ったのは一定の評価が出来るかなと考えます。
 こういう器用な立ち回りが出来るなら、コーナーでペースが引き上がる展開で良さが出てきそうですし、地味なので次もあまり人気はしないかもですが、そんなに大崩れするイメージは持ちにくい馬ですね。

 4着パクスアメリカーナは、とりあえず帝国建設の第一歩に躓いた、というところでしょうか。
 ホエールキャプチャの下なので、ある程度俊敏さや早熟性もあるかなと思いましたけど、レースを見た限りではまだ動きももっさりしていますし、反応が鈍くて要所で置かれ、内に刺さったりと若さも見せているので、これからの馬、って印象です。

 この馬も含め、外を回して掲示板争いだった馬は、素材的には面白いかもですが、このコースですとポジショニングの面でプラスアルファがないと、ペース次第では脆い事になる可能性も秘めているので、その辺は展開踏まえつつ注意が必要ですかね。

**★8/13(日) 新潟6R ダート1800m戦**

 去年はあのエピカリスが勝ったレースで、今年も萩原厩舎から大物誕生を予感させる一頭・ルヴァンスレーヴが破天荒な競馬で勝ち上がりましたね。
 先週もそうですが、新潟のダートは例年よりちょっと重めで、この日も稍重と、少し渋りが残ってやっと標準的、というくらいだったかなと思います。
 2Rの未勝利戦が明確に出し切る消耗競馬で1,55,8でしたので、2歳の新馬としては1,54,8は相当の水準にあると言えるでしょう。

 展開は、まず珍名馬ラジオタイソウが朝一番だけ張り切るがごとくにハナを取り、その直後に2着のビックスモーキーがつけていきます。
 人気のルヴァンスレーヴに3着ゴライアスは揃って出遅れ、特にルヴァンスレーヴは確実に3~4馬身はスタートで置かれてから、大外に持ち出しじわじわとリカバーする形で進めていきます。
 2コーナーから向こう正面でガクンとペースが落ちたところで、外からルヴァンスレーヴが、ドバイワールドカップのヴィクトワールピサみたいな捲りで一気に先頭列に押し上げ、それにゴライアスもついていって、逆にビックスモーキーはその動きに合わせず少し待つ形でレース後半に入っていきましたね。

 ラップは37,8(12,6)-38,5(12,83)-38,5(12,83)=1,54,8(12,76)という推移でした。
 序盤に加速する分を除けば全体のバランスは平均ペースですが、スタートから3,4F目が13秒台後半とかなり落ち込んでいて、そこで勝ち馬と3着馬はフラットに押し上げることに成功していて、そこからは平均的に12秒後半を刻み続けるロンスパ持久力戦になっていますね。
 少なくとも3コーナー過ぎから押し上げる形で入っていくのは無茶という流れですし、最初から前にいたビックスモーキーに、向こう正面で前に取りついたルヴァンスレーヴとゴライアスは理に適った競馬をしていて、かつ明らかにこの3頭は能力が抜けていた、と言えそうです。

 当然その中でも勝ったルヴァンスレーヴは破格で、このペースであれだけ向こう正面から長い足を使いつつ、急角度の4コーナーで一旦緩んだペースを自力で12,9-12,6と加速させており、それだけの余力があることがまず驚きでしたね。
 ラストも13,0とほとんど落とさずに突き抜けていて、この馬以外は確実に前傾消耗戦になっているのに、1頭だけ追走面でも機動力でも余裕があり過ぎました。これは本当に、スタート以外は文句のつけようのない強い競馬だったと思います。

 こちらもボリクリの仔ですが、やはり芝ダート問わずパワーが求められる時の方が強い印象はあって、この先よりスピードを問われてどうかはなんともですが、まず順調なら2歳ダート路線の主役になってくる馬でしょう。本当に楽しみですね。

 2着のビックスモーキーは、有力馬が動く中でしっかり溜めを効かせて我慢が出来ており、コーナーでもムリせず入っていった分、自身は消耗ラップでも、ルヴァンスレーヴを負かしに行ったゴライアスを食えたのかな、と感じます。
 スケール感ではゴライアスのほうが、とも思いますが、レースぶりは一番堅実でしたし、ゴライアスがいない組み合わせの未勝利なら確勝級でしょうね。

 3着ゴライアスもルヴァンスレーヴの競馬に付き合う形で最後はガス欠になったものの、この時期の新馬としては充分に強い競馬でした。
 ライジングリーズンの下らしい反応の良さは見せていましたし、こちらも先々が楽しみになる一頭ではありますね。

**★8/13(日) 小倉1R 芝1200m未勝利戦**

 このレースはアサクサゲンキが33,6-35,2とハイペースの流れで後続を千切り、1,08,8の好時計で勝利してきました。
 フェニックス賞でジュンドリームがなにもなかったのでその辺判断が難しいですが、この馬としては緩んで再加速の度合いを強く問われるよりは、アメリカ血統らしくガンガン飛ばして粘り込む方が強そうですし、小倉2歳に出てきて、ローテーション的にあまり注目されないならば、穴馬として覚えておいてもいいかもしれないとは思いますね。

**★8/13(日) 小倉5R 芝1200m戦**

 こちらは開催も進んでやや小粒なメンバー構成の中、異色のフサイチセブン産駒・スーサンドンがミドルペースに持ち込みスイスイと逃げ切りました。

 ラップは35,5(11,83)-34,6(11,53)=1,10,1(11,68)と正直かなり遅く、その分後半で11,6-11,3-11,7と綺麗に加速を決めて出し抜いていますが、その幅にも強烈さはないのでなんとも、ですね。
 スタートからの動きは良かったですが、ペースは遅い中での相対的なものですし、むしろこの競馬内容からすればもう少し距離があった方がいいのかなと感じます。
 スーサンジョイの下で、フサイチセブンもゴリゴリのアメリカ血統ですし、いずれはダート短距離で、というイメージが強く、少なくとも芝1200mの前傾スプリント勝負に合うかは難しいところですね。

**★8/13(日) 札幌5R 芝1800m戦**

 ここはデビュー前から評判を集めていた、バウンスシャッセの下のハーツクライ産駒・フラットレーが、外からほぼ馬なりで楽に前を飲み込み、噂に違わぬ大物ぶりをアピールしました。
 この日の札幌の馬場は、前の日よりは少しは回復していたと思います。
 9Rの500万下が平均で1,50,2、10RのHTB賞が62,5-59,6のロンスパ持久力戦で2,02,1でしたので、大体1,5秒くらいは時計がかかっているイメージでしょうか。

 しかし、敢えてひとつ記事枠埋めて書くほどでもないのでここで書きますが、ディアドラがこんなところで復帰してくるとは、って感じで、しかしラヴィエベールを外から正攻法で捻じ伏せたのは52kgとはいえ流石のパフォーマンスでした。
 本当にどんな競馬でも対応してきますし、スピード勝負も強いので、秋華賞は穴馬(になってくれるか、この勝利で微妙なところですが)として期待しているのですが、強いて言うと復帰して-12kgってのは嫌ですね。その意味では次のレース自体は少し懐疑的になりたくなります。

 閑話休題、新馬の話に戻りましょう。
 レース展開は、内から伏兵2頭が飛び出して逃げる中、外から2着に入ったマツカゼが三番手に進出、フラットレーも最序盤はそれに付き合う形を見せましたが、すぐにスッと下げて中団の外目、いつでも動けるポジションをキープします。
 3着ラティーノヒート、4着チェルヴァは、やや内目の枠が祟って出足も一歩、その分リカバーする余地が少なく中団やや後ろのインというポジションでレースを進めていくことになりました。

 ラップは36,6(12,2)-38,1(12,7)-36,6(12,2)=1,52,3(12,48)という推移でした。
 バランス的には綺麗な平均、中盤に新馬らしい中緩みがはっきりあって、そこからじわっと加速しつつの後半の持久力勝負ですが、他の馬がペースを引き上げる余力がなかったのに対し、直線だけの競馬で突き抜けたフラットレーだけラスト1F11,9とスピードアップしていて、そのあたりを見ても比較的総合力・素材面が問われる中で文字通り物が違うレースをしてきたのは確かだと思います。

 フラットレーは血統的に、この馬場に対する適応力もあったでしょうが、レースぶりはまるでレイエンダの焼き直しのような楽走でしたね。
 序盤はゆったり目に入って折り合いにも難しさはなさそうでしたし、一応淡々と一貫したペースで流れている中でも、大外を回して楽に前に取りつき、直線も軽く促す程度であっさり粘り込むマツカゼを捉えてきました。
 自身のラスト3Fは12,2-11,8-11,8くらいかな、というところで、実質的にはコーナー大外ですのでこっちが最速かもですが、それでも直線はまだまだ余力充分、より距離が長いレースの予行演習的な走りでしたし、こういう馬場では強いのは確実に分かりました。

 一方で当然軽い馬場での追走面や加速力の質などは未知数ですので、改めて秋の府中で真価を問いたいところですね。
 ハーツの仔の割にこの時期にここまで完成度が高いのは本当に珍しいと思いますし、順調に育っていけばダービー、という言葉を意識できる素材なのは間違いないと思います。

 2着のマツカゼも悪くない競馬で、平均気味の流れを前目から追走し、コーナーでは早々と先頭に躍り出て粘り込む、正攻法の競馬で挑みましたが、ここは流石に相手が悪かったと言えるでしょう。
 機動力面やポジショニングの良さは今後も武器になりそうで、馬場悪化しても走れたのも含めて、次はかなり期待値の高いことにはなるでしょうね。アメリカ血統でパワーは十二分にありそうなので、いずれ芝で頭打ちならダートでも、という感はあり、芝ですとこの日みたいに早めに仕掛けて、あまり切れ味勝負にしないなどの工夫がいるタイプかもしれないと思います。

 チェルヴァはキンカメの仔でビッシュの下ですけど、あの走りの感じですと良馬場でこそ、という感覚はありますね。
 距離的にももう少し短め、マイルあたりがベストの気はしますし、牝馬同士なら巻き返してくるでしょう。
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2017 サマーチャンピオン レース回顧

 アドミラブルの復帰予定来年秋ってなんですかぁ~~、と悲しみに包まれつつ、サマーチャンピオンのレース回顧に移りましょう。
 画面で見ている限りは分かりづらいですが、表記は不良でそこそこ時計の出るコンディションだった当レースは、好位から直線でしぶとく抜け出したラインシュナイダーが、タムロミラクルの追い込みをギリギリ凌いで、1600万での勝ち切れなさが嘘のように重賞制覇にあっさり辿り着きました。レースを振り返ります。

 展開は、外からウインムートが好スタートを決めて、一気にハナに立つ積極策に出ました。
 内のグレイスフルリープは出足鈍く、マサヤもそれほど積極的ではない中、予想外の出足の良さを見せたのは中目の枠の古豪レーザーバレットで、この馬が番手外を取り切ります。
 そして一歩目が遅かったラインシュナイダーもそこからリカバーしてレーザーバレットの外三番手を確保し、その後ろにグレイスフルリープが入っていって、タムロミラクルは最序盤はゆったり馬群の中団あたりで前の動きを睨む格好でレースを進めていましたね。

 レースラップは37,4(12,47)-12,4-36,3(12,1)=1,26,1(12,3)という推移でした。
 見ている限りではそこそこ流れているのかな、と思ったのですが、実はかなりスローの展開だったようですね。全体時計が不良馬場の割にはそこまででもないのもその点で納得できますし、ある程度後半勝負の色合いが強い中で、コーナーでの機動力と一瞬の決め脚が結果に直結した感じがしています。

 勝ったラインシュナイダーは、序盤の攻防でやや後手に回って外々になった時点で苦しいか、と思ったのですが、緩いペースにも助けられ、上手くコーナーで外からじわじわとエンジンを掛けて、この馬の武器である機動力と安定感をフルに引き出してきましたね。
 レーザーバレットが早めに潰れてくれたのも良かったとは思いますが、それでもこの競馬で外から捻じ伏せて、追い込みも凌いでいるのですから中々に強く、或いは中央以上に地方の深い砂、急コーナーの適正が高かったのかな、とも感じさせる走りでした。
 今回は斤量的にも一番恵まれていましたし、元々勝ち味に遅いタイプですので、今後も大崩れはしないけど、という感じにはなると思いますが、まずは適性のある交流ドサ回りで着々と力をつけていって欲しいですね。

 2着のタムロミラクルも、やっぱり前半ゆったり入れるパターンなら1400mでも後半勝負で強さを引き出せますね。
 序盤は上手く馬群の中でリズムを守って、向こう正面から一気に仕掛けてコーナーでも勢いを殺さず長い脚を使ってきました。
 流石に最後までその鋭さを引き出しきれなかったのはありますが、距離適性の幅はそれなりに広げてきて、かつ決め脚比べになればチャンスが出てくるのはあらためて証明しました。
 こういうタイプの天敵は、前半からガンガン飛ばしてスピードで押し切るタイプになるわけで、このレースに限って言えば、そういう競馬をすれば一番強かったはずのウインムートが溜め逃げをしてくれたのもプラスに働いたと思います。

 3着ウインムートは、上でも書きましたがまずペースを落とし過ぎた部分はあると思います。
 ダートスタートも何ら問題なく、外枠から楽にハナを取り切れていて、この時点では楽勝するかな、と感じたのですが、向こう正面からびっしりレーザーとラインに貼りつかれ、中々出し抜くことも出来ずに目標にされる苦しい競馬になりました。
 どうしても内目で閉じ込められている分だけスピードにも乗せにくい、という形で、外から惰性で伸びてきた2頭には太刀打ちできず、地力は見せたもののこの3着は、昨日のサイタに似て歯痒いものがある内容ですね。

 どうしてもサンプルが中京戦しかないわけですが、あのレースはかなりしっかり前傾ラップで組み立てつつも、そこから確実にもう一足加速する余力を残していたわけで、こういう後傾戦で同じだけの良さが出るとは限らなかったのはあります。
 結果的に前半緩め過ぎたことで、後ろの馬にかなり楽に取りつかせてしまっていますし、この馬自身も小回り適正や深い砂、コーナー加速性能などは上位2頭に比べると足りなかった、とも言えるでしょう。

 このあたりはどうしても初めての競馬場で適性ペースがわからないホワイトJ、という部分が弱みになったと思いますし、そこを百戦錬磨の武Jにうまく利用された感じはあります。
 馬自身はあれだけスタートがいいので、地方小回りでもある程度しっかりペースを作る意識を持って入っていければ、充分に高いレベルでも戦える素地はあると思っていますので、次に期待ですね。

 4着レーザーバレットは、出足の鋭さには驚かされましたが、しかしこのペースでも追走一杯になってしまうあたり、基本的にはこういう形の競馬は噛み合いにくく、能力自体も下降線で斤量も辛かった、と見做していいでしょう。
 どちらかと言えば後半勝負の機動力面で負けた、という考え方も出来ますので、この馬の得意なややハイからの自身平均での粘り差し、という形が嵌ればまだやれるかもしれませんが、圏内まで食い込むための好走のスポットは大分狭くなってきているとは感じますね。



 
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