2017年08月26日

2017 クローバー賞 レース回顧 その他雑談

 ちょっと今週は色々忙しかったり、体調を崩したりしていたもので余力なく、こまめに切り分けてのお茶濁し的な書き方になってしまっていますがご容赦くださいませ。

**★クローバー賞**

 日曜日の札幌で行われた2歳OP戦のクローバー賞は、一番人気のタワーオブロンドンが楽に捲り切って勝つか、と思われたところに、内から地方馬のダブルシャープが差し返すという面白い内容・結果になりました。細かく振り返っていきましょう。

 新馬回顧でも触れたように、この日の馬場はかなり重かったです。
 1Rの2歳未勝利戦が、上位2頭のぶっちぎりで1,31,3でしたので、ここの1,30,8というのはまず水準レベルには達していると考えていいでしょう。

 展開は、中目からキョウエイルフィーがまずハナを主張し、内からリープフラウミルヒもじわっと馬なりで出していって、しかしその外から地方馬のユニバーサルライトが上がってきたのもあり、被されるのを嫌って少し掛かり気味に番手外まで押し上げていきます。
 内からはモレイラJ騎乗のヴーディーズピアスがポケットをすんなりと確保、外から函館2歳S4着のデルマキセキも加わっていって、その後ろ、丁度中団あたりに勝ったダブルシャープがいました。
 2着のタワーオブロンドンはそのダブルシャープを見るような位置で枠なりに外目を追走、有力馬の中では一番後ろのポジションになりました。

 レースラップは、30,8(12,32)-24,0(12,0)-36,0(12,0)=1,30,8(12,08)という推移でした。
 スタート直後の2F目がみんな手探り、という感じで11,9とやや遅く、その分だけ全体のバランスの中では序盤が緩めになっていますが、ただそれを踏まえてみれば綺麗な平均ペース、と言えると思います。
 2F目からラストまで全てのラップが11,9~12,1と僅か0,2秒差の間に収まっており、全体的に波のないタフなレースになっていると言えます。

 追走面もそれなりに問われたと思いますし、この息の入りにくい流れの中でしっかり要所で起動力を引き出せたか、それをラストまでしぶとく使える持久力があったか、そのあたりが要素としては強く問われていると思いますし、距離以上にスタミナ適正が求められたのは間違いないと見ています。

 勝ったダブルシャープは、地味ですが強い勝ち方でしたね。
 道中は馬群の中でコースロスを最小限にしつつ、じわじわと前目に押し上げていって4コーナーでも上手く進路を外に取り切りました。
 その際に若干の接触はありましたが、戒告すら出ていないのでまず許容範囲と言えますし、ただその動きの中で外にいた馬が玉突きに外にふらついて、それが大外を通したタワーオブロンドンの脚色に多少なり影響を及ぼした部分はあるかもしれません。

 ともあれ、波の少ない流れの中でこの馬の上がりも35,8とほぼレースラップに近いものがあり、少なくとも加速力や切れ味はほほ一切問われていないと言えます。
 ですが、ラスト1Fが11,9と最速の中で、先に半馬身ほどタワーに抜け出されてからようやくエンジンがかかった、という感じで差し返したのは中々の持久力適性を見せてきたと思いますし、本質的にはもう少し長い距離で、淡々とスタミナ勝負がベスト、というイメージが持てる馬です。

 血統的にもベーカバドにタキオン肌と芝血統、母の母がレーヌデュタンって事はメジロブライトの近親でしょうから、スタミナ色が強く出るのもむべなるかな、という所ですね。
 門別の1700m戦でも、この前コスモス賞でステルヴィオを脅かしたミスマンマミーアに完勝しており、その視座からもこれくらいは走れる素地はあった、と考えられそうで、この先どういう路線を踏むかはわかりませんが、力の要る馬場でのスタミナ勝負なら今後も面白い競馬が出来そうな馬だと感じました。

 2着のタワーオブロンドンに関しては、負けて強し、という感じのレースぶりでしたし、血統的に言うならこちらはスピード色が強めなので、ここまで重くなった馬場はあまり歓迎ではなかったのかもしれません。
 スタートは普通に出て、新馬とは裏腹に枠なりに下げての競馬でもしっかり対応できていましたし、勝負所の4コーナーでの進出、反応の良さも流石で、このあたりは前走も直線で鋭く出し抜く脚を使えていましたし当然、というところでしょう。

 ただ内にいた馬が玉突き的に外に膨れてきた影響もあり、コーナー出口でかなり外を回される羽目になったのはあって、それでも直線入り口で鋭く伸びて一気に内の馬をパスしてこれは強いか、と思いきや、ラスト50mくらいでバタッと止まってしまったように見えました。
 まあラップ的に加速の範疇で、ダブルシャープが伸びているとも見做せますけれど、この馬自身はコーナー最速で12,0-11,6-12,0くらいでしょうから、加速力と一瞬の切れは高いものがあるけれど、持続面、持久力面ではそこまで秀でてはいない、と考えられそうです。
 でもこの馬のセンスの良さは後々まで武器になりますし、出来れば主導権を握れる距離・コースで、上手くバランスを取りつつ最大の武器である機動力を生かせる競馬をしていけば、上のクラスでもチャンスはある一頭に思えますね。

 3着デルマキセキは、元々1200m路線の時も距離が伸びた方が、という競馬はしていましたし、この日の馬場・ペースで外々はそれなりに辛い要件だったと思うのですが、最後まで大きく崩れなかったのはそこそこ地力はあるな、と感じさせました。
 とはいえどんな条件でも勝ち切るだけの武器が足りない感じもありますし、函館2歳の回顧でも触れたように、この決め手のなさはやっぱり最終的にはダート向きなのかな?とは感じますね。

 5着のリープフラウミルヒに関しては、そもそもなんでここ使ってきたのよ、とそこから納得がいきませんねぇ。
 この時期の若駒が、1600m⇒1200m⇒1800m⇒1500mってローテーションはいくらなんでもおかしいと思うし、2戦目とこのレースいらんよ、と言いたいですね。
 このレースに限って言えば、序盤に外から被されそうになって力んだのは痛かったでしょうし、タフな展開になったのは悪くはなかったと思うのですが、やっぱり本質的にこのくらいの距離ですと追走面で楽が出来ないから後半の良さも出ない感じです。

 血統的にもステゴで、母系にマックの血も入っての遠縁ニックス、って感じですし、明らかに晩成型ではあると思うのですが、こんな無茶な、競馬を覚えるもないようなローテーションではなんかなぁ、と。
 素材的にはかなり面白いと思っているのですが、なんとか次からは適性の距離に、適切なローテーションで出てきて欲しいものです。

**★アルマンゾル引退**

 ここからは一言コメント的な雑談をば。
 まずアルマンゾルの電撃引退は本当にびっくりしましたが、やはり感染症の影響は大きかったという事でしょう。
 実際に去年は英愛チャンピオンSであれだけ凄まじい差し脚を見せていた馬ですし、こういう終わり方は残念ですが、大事なく繁殖に上がれたことを良しとすべきでしょう。

**★エイシンバッケン大井移籍**

 プロキオンS回避の後沙汰がなかったのですが、こちらもいきなりの移籍ですね。
 ブルドックボスが南関移籍で結果を出して、交流重賞を楽に使えるようになったのを見てか、というのもありますが、この馬自身は明らかに広くて直線長いコース向きとは思うので、この判断がプラスに出るかはちょっと疑問符が付きますね。折角本格化して今後楽しみと思っていたのですが、また狙いどころの難しい馬になりそうです。
  
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2017 8月第3週新馬戦 レース回顧(日曜編)

**★8/20(日) 新潟5R 芝1600m戦**

 土曜と同じく、まずまずの高速馬場での開催となった牝馬限定の一戦は、オルフェーヴル産駒のラッキーライラックが好位追走から直線で鋭く抜け出し、追い上げるラヴァクールを楽に退けてのデビュー勝ちとなりました。

 かなりばらついたスタートになる中、ラッキーライラックは好スタートを決めて先団に入っていき、外から来る馬を見ながら少し下げて好位で進めていきます。
 2着に入ったラヴァクールもスタートは悪くなかったですが、あまり行き脚はつかずにスッと下げて中団よりやや後ろくらいから、じわじわと馬群を縫って進出する競馬を取ってきました。
 1番人気3着のデルニエリアリテも先団の後ろくらいにはいて、そこから外目を通してじわじわ押し上げる正攻法の競馬でしたね。

 ラップは36,4(12,13)-26,6(13,3)-33,4(11,13)=1,36,4(12,07)という推移でした。
 最序盤はそこそこペースが上がっていますが、その分顕著に中盤が緩くて、後半4Fが13,4-11,9-10,5-11,0と、直線に入っての強烈な二段階加速ラップになっています。
 当然こういう流れですと、前半はある程度の位置から、緩みで取りつきつつコーナーで押し上げて、直線に入るまでにしっかりエンジンをふかしていく方が有利で、デルニエはまさにそういう競馬をしていたのですが、ここに関しては純粋に後半の素材面で図抜けていた2頭がいた、という感じですね。

 勝ったラッキーライラックは着差以上に強い競馬でした。
 スタート抜群ながら馬群の中でしっかり折り合い、中盤の緩みでも特に引っかかるところは見せなかったものの、馬群が凝縮してくる流れで中々前が空かずに、直線を向いてだいぶ外に持ち出してからのスパートになります。
 前がクリアになったのが残り450m地点くらいですので、普通ですとそこからでは一気に加速するのは楽ではないはずなのですが、しかしこの馬は合図に瞬時に反応してグーンと伸びています。

 自身の推定が11,8-10,3-11,0くらいですから、最速ラップを踏むまでの加速ラグが非常に少なく、加速性能の抜群の高さと、そして質の高い瞬発力を持っていることがここから見えてきますし、その上でラストも11,0と落とさずに突き抜けています。
 厳密には2F戦に近いので、本当の意味での持続力がどうかはまだわかりませんが、それでも後半要素において全てが一級品、という可能性を感じさせる鋭さでしたし、ポジショニングの上手さなども含めて非常に楽しみな逸材ではないか、と感じさせましたね。

 2着のラヴァクールも中々に強かったですが、ここは相手が悪すぎましたね。
 スタートの割にポジションは下げたな、という感じでしたが、そこからインをタイトに回って、直線入り口ではやはりライラック同様にじわじわ外に持ち出して、きちんとスパートできたのは残り400mあたりから、とはなっていて、その点では互角の評価をしてもいいのですが、こちらは後ろから緩みで取りついている分だけ楽ではあったかな、と。
 かつ最速地点もラストの持続力もわずかながら見劣っている感じで、ダイワメジャーの仔にしては珍しい後半要素の高さとは思いましたが、それでも勝ち馬のスケールには及びませんでしたね。

 ただこの内容なら、牝馬限定でなくともすぐに勝てる素材かなとは思いますね。本質的にはもう少しポジションを意識して、全体のスピードで勝負した時にどこまで良さが出るか試して欲しいタイプです。

**★8/20(日) 小倉5R 芝1800m戦**

 日曜の小倉はやや回復傾向で、500万下の1800m戦でも1,47,0が出ており、決して悪い馬場ではありませんでした。
 その中で、こちらもオルフェーヴル産駒のレゲンダアウレアが差し切りましたが、レースレベルとしてはかなり低めの一戦かな、という印象です。

 人気の3着コンファーメントが逃げて、フルオーライトが番手、勝ったレゲンダは好位のインで2着の二ホンピロフェスタは出遅れて最後方から、という隊列でした。
 ラップは38,4(12,8)-37,8(12,6)-36,3(12,1)=1,52,5(12,5)という推移で、大雑把に見ると前半4Fが遅く、そこから5Fのロンスパ持久力戦、という感じではありますが、この馬場・ペースで一回も11秒台のラップを踏んでこないのはちょっと物足りないですし、その流れで最後方にいた馬が差し込んでくるのもうーん、という感じです。

 勝ち馬も上手くインで立ち回って、直線も不利には関係なく綺麗に最内に潜り込んでの差し切りですし、そこまでの評価は出来ないな、と思いますね。

**★8/20(日) 小倉6R 芝1200m戦**

 こちらも1000万下で1,07,5が出る馬場でありながら、勝ち時計1,11,0というのは前日のモズスーパーフレア戦に比べてもあまりに見るべきところは少ない一戦だったとは言えそうです。
 勝ったオーロスターキスが逃げて35,4(11,8)-35,6(11,87)=1,11,0(11,83)という平均ペースで押し切ったレースですし、後半もコーナーで緩んでからの2F戦で、そこでも11,7-11,7と上がり切っていないので、いかに牝馬限定とはいえメンバー構成的に楽だったのは否めませんね。

 強いて面白いな、と思ったのは、3着のアンヴァルくらいでしょうか。
 この馬は出遅れて、外からリカバーしようとしたところで被されて嫌気を見せたのかズルズル下がってしまって、道中は馬群から4馬身くらい離れた最後方、直線も大外に持ち出して、という大味な競馬でしたが、ラスト1Fはレースラップ11,7のところを4馬身くらい、軽く11,0くらいでは詰めてきていて、まともに走れるのなら能力的には圧倒的にこの馬なのかな、というのはありました。
 ただ明らかに馬群に怯むような感じもありますし、内枠とか引いたら競馬にならなさそうで、そのあたりがレース慣れで克服してくれば、という所でしょうね。

**★8/20(日) 札幌5R 芝1800m戦**

 ここは兼ねてより評判馬が出揃うと噂され、実際にラストグルーヴの仔のリシュブール、モーリス全弟のルーカス、ショウナンマイティの半弟ゴーフォザサミットなど粒揃いのメンバーでの一戦になりましたが、その中でも一際光彩を放ったのは、後方から一捲りで圧巻の押し切りを見せたルーカスでした。

 昨日も触れたように、土日の札幌の芝はかなり時計がかかっていました。
 メインの札幌記念でも2,00,4止まりですし、500万下の2000m戦も2,02,1、それに距離問わずどのレースでも、まず速いラップを踏んでこられないパワーを問われる条件だったのは間違いないと思います。

 その中での展開は、内からディープ×キンカメの良血、3着に入ったマイスターシャーレが逃げて、2着リシュブールがそのすぐ後ろ、番手をキープしていきます。
 ルーカスも好スタートでしたが、大外枠でもあったためにじわっとポジションを下げながらの競馬で、道中は後方4番手くらいでゆったり構えていました。
 先団にはマイハートビートやゴーフォザサミットも加わって、基本的にはこの前に行ったグループがそのまま雪崩れ込むところを、後ろから一頭だけルーカスが一気の捲りで捉えた、というレースになっています。

 ラップは38,2(12,73)-37,3(12,43)-35,0(11,67)=1,50,6(12,29)という推移になっています。
 見ての通りに最序盤はかなり遅く、中盤でじわっと上がるもののそこまでではなくて、ラスト5Fは12,3-12,6-11,9-11,4-11,7と二段階に加速しつつ最後まで落とさない展開であり、これだけ見ても基本的には前が有利だったのは確かです。

 そしてこの後半5F59,9は、札幌記念が60,7-59,7だったことを踏まえるとかなり優秀で、かつ全体時計も相当に高いレベルにあります。
 見た目の数字としてはインパクトはないかもしれませんが、近年の札幌1800mの新馬戦では、馬場がいい時期でも50秒台はほぼ出ていなかったですし、それを後半の3F要素だけでしっかり詰めてきているのは、上位陣が揃って高い素材・能力の持ち主であることを証明していると思いますね。
 かつ400-200m地点の11,4は、この土日全部の中距離戦で最速ラップでもあり、一定のペースからそれだけの切れ味を引き出せる部分も含めて楽しみが大きいメンバーと言えそうです。

 当然その中でも勝ったルーカスには高い評価を与えるべきですが、この勝利自体は鞍上の捲りのタイミングが抜群だったことも少なからず寄与しているとは思います。
 枠が外である限りあのポジションは致し方ないところでもありますし、その中で残り800mまではじっと我慢して、そこから前が12,3-12,6と僅かながら落としたところで、こちらは逆にスパートをかけて一気に上がっていきました。

 見た目にもあの捲りは強烈でしたが、実質的には12,6と後半の中で一番遅い地点で動いていて、ここで4馬身くらい一気に詰めているとはいえ、実質的には11,8くらいでしょう。
 そこから残り3Fを推定11,6-11,3-11,7くらいでまとめており、しっかり勢いをつけて入っていったことで、最速地点で大外を回す不利も最小限に留められていましたし、一期に先頭列を脅かしたことで、2、3着馬が逆に一気に仕掛けなくてはならない必然性を作ったのも、最後の粘り、持続力面で優位に働いたとは感じます。

 とはいえこの時期の2歳馬が、この重い馬場でラスト4Fを推定46,2で上がってくるのは凄まじいのは間違いなく、兄同様に持続力面ではかなり高いものを持っていると感じさせました。
 勿論前半のポジショニングや追走力、本質的な切れ味の高さなど、今後トップクラスで戦っていくのに証明しなくてはならない資質はありますが、それでもこのレース内容は破格で、順調に育っていくなら間違いなく重賞級にはなるだろうと予感させます。
 モーリスはスピード色が強い印象でしたが、こちらは最初からじっくり育てられている、という部分もあるのか操縦性は高そうで、その点でクラシック、という期待も当然持てますね。モーリス自身2400m級でも最上位だったのでは?というイメージを持たせつつの引退でしたし、弟がそれを証明する走りを見せてくれたら実に盛り上がるなぁと思います。

 2着のリシュブールも新馬としては十分に強い内容で、センスの良さも見せましたが、ここは相手が悪かったのと、立ち回りでやや後手になったのが響きましたね。
 スタートからスッと番手を取って、そこからやや下げて2列目と福永Jらしい完璧なポジショニングでしたが、勝負所でじわっと上がっていきたかったところに一気にルーカスが捲ってきてしまい、前に出すわけにもいかないのでそこでやや忙しなく一緒に上がっていくことになったのは誤算だったとは思います。
 それでも馬はよく反応して、コーナー出口まではしっかり抵抗していましたが、直線ではどの地点でもじわじわ離され、2着もなんとか逃げ込むマイスターシャーレをギリギリ捉えて、という形でした。

 この3着馬、というより時計的に見ればここで掲示板に入った馬は、同じ組でかち合わなければ未勝利レベルなら勝負になると思うのですが、ともあれ相手も強かった中で最低限2着を死守してきたのは今後に繋がるかな、とは思います。
 ただこの日、メインでもわかるようにかなりキンカメ馬場でしたので、そのあたりまで踏まえると、このメンバーで明確に二番手、とまでは言えないのかもしれませんね。

 3着マイスターシャーレも、ルメールJらしい支配的な逃げでしっかり走れていましたが、この段階加速の流れを先に動かれては苦しい、というのはありますし、そこは勝ち馬を称えるしかないところです。
 でも出足も道中の折り合いも、そして後半要素もそれぞれに良いものを見せてきましたし、順調に育っていけばクラシック路線に乗れる可能性は充分に秘めた素材だなと思いますね。
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2017 8月第3週新馬戦 レース回顧(土曜編)

**★8/19(土) 新潟5R 芝2000m戦**

 2000mですが内回りでのレースになったこの新馬戦は、好位追走から楽に抜け出したブービー人気のノーブルバルカンが勝ちました。

 この週の新潟の馬場は、特に変化はなく高速馬場を維持していたと思います。
 1Rの未勝利でも1,34,5が出ていますし、メインの1600万下2200m戦も、スローの展開で2,12,3とそこそこの時計でした(なのにどうして後続があんなに離れていたのか…………)ので、普通に走りやすく、内外の差もないフラットな条件だったでしょう。

 レース展開は、2着ミレフォリウムが逃げて番手にセイカメテオライト、そのすぐ後ろに勝ったノーブルバルカンが押し上げてきていました。
 3着ワセダインブルーは中団よりは前目で、一番人気のブリスフルデイズは内枠から好ダッシュを決めるものの少し下げて、、スローペースの中先団の最内を確保していました。

 レースラップは37,6(12,53)-51,2(12,8)-35,2(11,73)=2,04,0(12,4)という推移でした。
 序盤・中盤共にゆったりスローで流れて、3コーナーから徐々に加速するものの一気には上がり切らず、結局ラスト3Fが12,0-11,6-11,6という直線勝負で、その中で後方から特に鋭さやスケール感を見せられた馬もおらず、前につけた馬がそのまま押し切るやや凡庸な内容ではあったと思います。

 勝ったノーブルバルカンは、スタートから出足良く前に取りつけましたが、減量の恩恵もあったでしょう。
 道中の折り合いはスムーズで、要所でも段階的な加速にしっかり反応して直線入り口で先頭、そこから2F戦での切れ味や持続面で決して非凡とは言えない数字ですが、まずはセンスの良さを見せて勝ち切ったと言えそうです。
 流石に相手が強くなってどうこう、というメンバーでもなかった感じはありますが、サムソンの仔らしくしぶとい成長力を見せてくれれば、と思います。

 あと3着のワセダインブルーは、4コーナーですこし窮屈になって外目に出しつつ下がるところがありつつ、ラスト1Fは中々鋭さを見せてきましたので、レースレベル的な部分はともかく、スムーズならもう少し、という印象は受けましたね。

**★8/19(土) 新潟6R 芝1400m戦**

 こちらのレースは、平均の流れを好位につけた一番人気のマイティーワークスが、直線で鋭く抜け出して盤石の競馬でデビュー勝ちを飾りました。

 好スタートを決めた2着カイトセブンが逃げて、その外にルアナ、トニーハピネスあたりが追走し、マイティーワークスはその後ろ、馬群の真ん中でじっと我慢する競馬となります。
 3着に差し込んできたアイスフィヨルドは中団のインあたりで、全体的に人気薄の馬ばかり上位に来たレースなのですが、流れ自体は比較的普通だったなと思います。

 ラップは35,3(11,77)-11,9-35,6(11,83)=1,22,8(11,82)という推移でした。
 ほぼ平均的な流れと言っていいですし、コーナーでも極端には澱まず淡々と流れて、直線の加速度も控えめな中で、勝った馬はしっかり前目から一脚を残す競馬を見せてきたと言えそうです。
 コーナーでも緩いラップとはいえ外目に持ち出しながらの追走で、けど最速地点でスッと前に取り付けており、この反応の良さはいかにも総合力があるキンシャサの仔らしいところかなと思いますね。
 ラストもしぶとく11,9でまとめていますし、血統的にも1400mがベスト、という感じですが、若い内は1200~1600mあたりまで対処できそうですし、センスはあるので今後の進境に期待という所ですね。

**★8/19(土) 小倉5R 芝1200m戦**

 このレースは、人気に推されたマル外の2頭がそのスピード性能を遺憾なく発揮して、熾烈な一騎打ちの末にモズスーパーフレアに軍配が上がりました。
 この日の小倉の馬場は少しだけ時計がかかってきたイメージで、最終の500万下がほぼ消耗戦の流れで1,08,5だったことを踏まえると、明確に緩みがあったこのレースでの1,08,5は破格のスピード・能力の証明と言っていいと思います。

 逃げたのはミンミンレジーナで、モズスーパーフレアが外から積極的に出していって番手を確保、2着に差し込んできたジャスパープリンスは序盤は先団やや後ろで構え、ラスト600mあたりからじわっと進出して前を追い掛けていく形になっています。
 ラップは34,0(11,33)-34,5(11,5)=1,08,5(11,41)という推移でした。
 極端に上がり切っているわけではなく、かつラスト3Fが11,6-11,1-11,8と、逃げ馬が早々と潰れたのでわかりにくいですが実はコーナーで一旦緩み、そこからこのクラスでは極めて質の高い再加速を見せています。
 その点コーナーで取りついてきたジャスパープリンスの方が噛み合った競馬はしていますが、勝ち馬もこのラップを自身で踏んでしっかり反応できていますので、これは短距離路線でかなり楽しめる2頭になってくるかも、と思わせる総合力でした。

 バーニングぺスカ戦の上位2頭も強かったですが、馬場補正も含めて考えるとこちらの方が総合的には質の高い競馬をしていて、敢えて言えばこのレースは絶対的にはペースが上がり切っていないので、より速い流れに巻き込まれたとき、この日と同じように要所で加速する余力を持てるかは一応の課題になるでしょう。内枠で揉まれたときの懸念もあるとは言えます。
 とはいえ現状はケチのつけようのない内容ですし、特に勝ち馬は小倉2歳Sに出てくれば楽しみが大きいですね。2着馬も出られれば楽しみですけど流石に間に合わないでしょうしねぇ。

**★8/19(土) 札幌5R 芝1500m戦**

 牝馬限定の一戦は、人気馬2頭の一騎打ちとなり、ディープ産駒のダノングレースが、ミスエルテの半妹のミカリーニョを最後内からしぶとく差し切ってデビュー勝ちを収めました。

 この土日の札幌の馬場はかなり重く、全体的に時計がかかっていました。
 10Rの1800m戦が流れ切って1,48,9、最終の1500m戦も出し切る展開で1,29,2止まりですので、ラスト1F最速と余力を持って入れているこのレースでの1,30,5は、見た目以上に良い時計だと思っています。実際3着以下はかなり離されましたからね。

 レース展開は、内枠の伏兵が好スタートから飛ばしていき、3着のドラゴンハートが好位集団の外目にいて、2着ミカリーニョはその後ろ、丁度中団くらいでレースを進めていきます。
 ダノングレースはやや出負けしておっつけながら内目を追走、丁度ミカリーニョをマークするような位置取りになり、4着イルーシヴグレイスはスタートからおっつけ通しながらも行きっぷりが悪く更に後方、という隊列になっていました。

 ラップは30,0(12,0)-24,2(12,1)-36,3(12,1)=1,30,5(12,08)という推移でした。
 流れとしては綺麗な平均ペースで、道中のラップも波が少なく淡々と12秒ちょっと、を刻んでおり、一定の追走力は問われる中で、コーナーで緩んだところでしっかり押し上げてくる機動力と、そこからの加速力、切れ味がそこそこ高いレベルで平均的に問われた、上位2頭としては後半勝負の総合力戦と言えそうです。

 勝ったダノングレースはスタートこそ悪かったものの、インからじわっとリカバーして中団の後ろでレースを進め、コーナーでも前との差を詰めつつしっかり加速できるスペースは残したまま、タイトにコーナーを回ってきます。
 直線では先にミカリーニョが抜けだしますが、その内側に潜り込んでからしっかりと持続力を引き出してきた格好で、前も11,8と止まっていない中で1,5馬身差をきっちり差し込んできたのは強い競馬だったと思います。

 通したところの差を考えるとミカリーニョとはこの条件では互角、という印象ですが、こちらは序盤についていけなかった部分と、推定11,8-11,5-11,5くらいの上がりから、広いコースで持続力を生かす競馬がより噛み合いそうです。
 時計的にも優秀だと思いますし、素材としてはかなり確かと思いますので、今後の活躍が楽しみになる1頭ですね。赤松賞とかサフラン賞とか強い競馬が出来そうです。

 2着のミカリーニョもセンスあるいい競馬でしたね。
 ハーツの仔ですのでこの距離がどうか、と思いましたが、ミスエルテの下でもありスピード色が意外と強く、コーナーでもスーッと動いて自分から勝ちに行く強い競馬が出来ていました。
 この内容でしたらマイル前後のスピード勝負にも対応してきそうですし、この日は勝ち馬にうまくインを掬われましたが、能力とセンスは確かなのですぐに勝ち上がれると思います。
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