2017年07月26日

2017 7月第4週海外GⅠその他 レース回顧 

**★サンディエゴハンディキャップ [レース映像](https://www.youtube.com/watch?v=2VOEUs6LlpE)**

 このレースはGⅠではないんですけれど、今週の海外ニュースとしてはまずこれを取り上げないわけにはいかないだろう、と。
 レース自体は逃げたアクセラレートがややハイペースの流れをそのまま押し切った淡泊な内容ですが、なにはともあれここでは、ドバイワールドカップで衝撃の強さを見せたアロゲートが復帰戦として登場し、往時の豪脚が見る影もなく惨敗してしまった事に尽きるでしょう。

 勿論アロゲートにとっては、1700mという距離自体は短い、とは思うのですが、それでも1800mのペガサスワールドカップをレコードで完勝しているように、この程度のペースで追走に苦労する馬ではありませんでした。
 しかしこの日はスタートこそ普通に出たものの二の脚が全くつかずに最後方から、道中も促しながらの追走で全く差が縮まらず、3コーナーから鞍上もかなり叱咤している中で、ほんの一瞬だけ脚を使ったものの最終4コーナーで外を回した時にはもう失速気味で、あの雄大かつ回転力の高いフットワークはどこに消えたのか、と見たものを唖然とさせる走りとなってしまいました。

 それこそアロゲートの替え馬が走ったんじゃないか、ってくらいの負け方で、やはりあのドバイの無茶なレースの代償は大きかったのか、と感じると同時に、流石にこの負け方だともう能力というより気持ちの面でダメになっている可能性すら感じてしまいます。
 次走は2000mのパシフィッククラシックらしいので、何とかそこで復権してもらいたいですがどうでしょうね。雰囲気的にはアレですね、4歳春の天皇賞で惨敗した後、宝塚に出てきたオルフェに対する半信半疑感に近そうな感じで、気持ちが前向きになって、最低限体調が整っていれば負けようのない馬ではあるはずなんだけど…………というモヤモヤ感があります。
 これだけの馬ですから、もしも次また不甲斐無いレースをするようなら、これ以上種牡馬価値を下げない為に即引退、という可能性が高くなってしまいますので、まだこの馬の強い走りが見たいファンとしてはなんとか、と注視したいところです。

 勝ち馬に関してはまぁ、相手関係も弱いところですしなんとも、ですね。時計面でもとりわけ優秀、というほどではないですし、今までのイマイチっぷりを払拭する快走ではありましたが、相手が強くなってどうかはやってみないと、という気はします。

**★CCAオークス [レース映像](https://www.youtube.com/watch?v=j9MEOck747Q)**

 ニューヨーク牝馬三冠の第二戦、CCAオークスは、第一戦のエイコーンSを制したアベルタスマンが向こう正面からの積極捲りから最後まで押し切り二冠達成、ケンタッキーオークスから続けてGⅠ3連勝となりました。

 レースラップ的にはアメリカらしくなく400m過ぎから25秒そこそこのラップを刻み続ける、そこまで前傾でないレースになりましたが、いつものようにスタートはもっさりのアベルタスマンは、そのペースが落ちた400-800m地点で早くも動き出し、一気に先頭列に並びかける競馬を見せます。
 そこからもう一度ペースを落として堂々4角先頭でしたが、序盤に脚を使った分があるのか直線でいつものように力強く持久力を発揮する、というほどではなく、内から2着馬に忍び寄られてヒヤッとはしましたが、それでも一度も先頭は譲らずの横綱相撲でしたね。

 この勝利で、アベルタスマンのニューヨーク牝馬三冠達成の可能性がかなり大きくなった感はあります。
 実のところ、2003年から今の1600m⇒1800m⇒2000mというレース体系になって以降、ニューヨーク牝馬三冠を達成した馬っていないんですよね。近年ですとイッツトリッキーが後の超名牝ロイヤルデルタにアラバマSで大きく千切られ、一昨年のキュラリナもアラバマSで距離の壁に阻まれました。それ以前は悲劇の名牝ラフィアンをはじめ、そこそこ達成馬がいるのですけどね。
 去年のソングバードがエイコーンSに出ていれば達成は濃厚だった気もしますが、ともあれ今のアメリカではマイル戦と2000m戦は完全に別体系、という扱いに近いですので、その両方を制するのは、いくら牡馬三冠に比べてローテ的には厳しくなくとも、十二分に難易度が高いのでしょう。

 でもアベルタスマンの場合、スタートが悪く後ろから追い込む馬ですので、距離が長い方が楽であり、むしろエイコーンSをよく勝てたな、という所があるので、アラバマSに出てくるならば、むしろ適性的にはお誂え向き、となりそうで、これは非常に注目ですね。


**★ダイアナステークス [レース映像](https://www.youtube.com/watch?v=c8aG76jjnzk)**

 アメリカでは主流とは言い難い芝のレース、しかも牝馬限定戦ですが、レディイーライは好きな馬なので書いておきましょう。
 6頭という少頭数のレースになり、後方2番手でじっくり脚を溜めたレディイーライは、4コーナーから外を通して進出、直線で切れ味を発揮し一気に先頭に立ち、内から軽斤量の伏兵に脅かされるもののこれをなんとか捻じ伏せる、というレースぶりになりました。
 時計的にもややスロー寄りの平均から3F戦、という感じで、しかしこの馬は安定して強いですけど、持続力勝負になるといつもほんのちょっと最後が甘いですよね。追走力が高く必ず一足は使えるタイプで、かつスローになれば瞬発力の質を高めてくるので安定して好走はしますけど、ハイペースだった前走ゲイムリーステークスの方が危なげなかったですし。

 ただそれでも未だに生涯連対率100%は見事なものですし、今年こそは去年鼻差で取り逃がしたBC勝ち馬の称号を手に引退の花道を、となるか、しっかり追いかけていきたいところです。

**★習志野きらっとスプリント**

 基本的に交流重賞以外の地方戦は、取り上げていると切りがないので基本見るだけにしているのですが、昨日のこのレースは非常にインパクトがあったので書いておこうかな、と。

 人気は中央からの移籍初戦のブルドックボスで、それに去年の覇者のフラットライナーズ、短距離路線に転向して圧巻の2連勝と波に乗るスアデラが続いていました。
 というか、ブルドックボスをはじめ中央からの移籍初戦馬が非常に多く、斤量の差もあり非常に展開予想から結果まで難解なレースだったと思うのですが、しかしまさかこのメンバー相手にあんなに楽々スアデラが先手を取れるとは流石に予想しなかったですね。

 基本的に過去6年、ラブミーチャンが3連覇したころも含めて、全てのレースで2F目からラストまで一貫して減速ラップを踏む消耗戦になっていて、とにかくテンのダッシュ力勝負の様相は強いレースで。
 今年も条件クラスとはいえ1200mで1分16秒を切るのがやっとこ、という重い馬場でしたので、勝ち時計としても1分を切れれば上々と思って見ていましたし、先行争いは激しくなるのだろうと思っていました。

 しかし蓋を開ければ素晴らしいスタートダッシュでスアデラが楽にハナを取り切り、北海道の快速馬タイセイバンデットも、内のフラットライナーズもついていくのが精一杯、という感じでした。
 ブルドックボスもスタートは悪く、押して押して追走するもののポジショニングの面では見劣り、やはり斤量とこの距離での前傾戦は合わないな、南関移籍は今の馬場だと微妙だな、と思いましたね。

 そんな後続を尻目にスイスイ馬なりで飛ばすスアデラ、ラップも前半3F34,6と例年と遜色ない数字で、しかし驚愕するのはここからでした。
 スタートから12,1-10,9-11,6-12,4と、いつものように一貫減速戦になるはずの展開の中で、ラスト200mからスアデラだけが更に加速し、ラスト1Fを12,0の加速ラップで締めてくるという離れ業を演じてみせたのです。

 他の馬も速い上がりが使えているならそんなに驚きではないのですが、普通に2着のタイセイ規準ですとラスト13,3と振れ幅の大きい減速ラップになっていて、馬場状態も考えればこの馬が勝ち馬でもそんなに悪くはない、と言える内容でした。
 なのにスアデラだけラスト1Fで余裕綽々、とにかく圧倒的な追走力と底力、短距離適性を発揮していて、かつまだ出し切っていない以上1200mあたりでも当然これくらいのハイペースで楽に対応できる計算が立ちます。
 このパフォーマンスなら普通に交流重賞で勝負になりますし(ブルドックボス比較でもそれは言えますしね)、加速対応が出来るという事は大井も適性はあるはずなので、今年のJBCスプリントの台風の目として一気に浮上してきた、そんな圧巻のレースぶりだったと思います。本当に先々が楽しみな一頭ですね。
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2017 7月第4週新馬戦ほか レース回顧(日曜編)

**★7/23(日) 福島5R 芝2000m戦**

 先週の中京に続き、福島の最終日でも2000mの新馬戦が組まれました。
 一昔前ですとこの時期に中距離の新馬戦など北海道以外では見なかったものですが、色々と時代は変わっていくなぁとこの辺でも実感しますし、どうしても短距離以上にヨーイドンの競馬にはなりますけど、これはこれで趣深いものです。

 閑話休題、ともあれこのレースはやや人気薄のスターリバーとサノサンが先行策から直線で競り合い、僅かにスクリーンヒーロー産駒のスターリバーが凌いで初勝利を上げました。
 3着に突っ込んできた人気のギルドエッジは全くダッシュがつかず後方からで、改めて新馬の水物感を感じさせる結果でもありましたね。
 ラップは36,8(12,27)-52,4(13,1)-35,7(11,9)=2,04,9(12,49)という推移で、とにかく中盤の中緩みが大きく、後半は3コーナー入り口辺りからペースアップしての4F戦ですけれど、小雨の影響もあったのか、ラップ的には前日の1800m戦のように見所のある数字でもなく、評価の難しいレースにはなっていますね。

 レースのポイントとしては、大きく出遅れたギルドエッジが中盤の緩みに乗じて外から一気に押し上げてきて、それに呼応する形でスターリバーとサノサンが動いたところで、当然ながら前受していた分だけしっかり反応も出来て脚色も良く、逆にそこまで順調に押し上げてきていたギルドエッジは4コーナーでもう一段の加速に手間取る感じでした。
 直線も最後は伸びずばてず、という感じになっていましたし、素材としてはこの3着馬が一番に感じるのは確かですけど、色々競馬ぶりが不器用に過ぎて、ひとつ勝つにももう少し常識にかかってこないとなぁ、とは思いましたね。

**★7/23(日) 中京5R 芝1400m戦**

 このレースは人気のアントルシャが好位から押し切り、人気薄のライリーが2着に入っての波乱決着でした。
 馬場も少し時計がかかり出していたとはいえ、1,24,2の勝ち時計はあまり速くはなく、ラップも36,0-12,5-35,7と平凡な平均ペースでした。

 ただそれでも一応取り上げたのは、ラップ推移的に12,5-12,2-11,4-12,1と、はっきり坂地点での加速力戦となっていて、勝ち馬のそこでの反応が凄く良かったな、と思ったからですね。
 勿論外から勢いをつけて、というのはあったとはいえ、坂加速性能は意外と後々重宝する適正ですので、全体は平凡でも、次にそのあたりペースが上がって追走面で良さが出てくれば、要所の出し抜き、というのが武器になってくる感はあります。

 あとノヴェリスト産駒が結構新馬でも活躍していますが、不思議なくらい今のところ好走したレースの傾向がバラバラなんですよね。
 追走力を強く問われるレースやロンスパ持久力戦で勝つ馬がいれば、こういう小器用な競馬で勝つ馬もいて、まだ産駒全体の傾向が掴み辛いところはありますが、逆に言えばそれだけ多様性がある、とも言えます。
 ドイツ血統ですから日本では重い、とは思いがちですが、ハービンもキングジョージレコード勝ちだけでここまでまずまずの活躍ですし、そのレコードを更新したノヴェリストは意外と今年の台風の目になってくるかもしれないな、と予感させるところです。

**★7/23(日) 函館5R 芝1800m戦**

 函館最終日で、外差し傾向が強くなってきた中での一戦は、後方外からシスターフラッグが豪快に差し切って初勝利を上げました。

 伏兵が先導する流れの中、人気の3頭は揃って中団より後ろでじっくり構える形となり、スローペースから仕掛けも遅い3F戦で、それでも人気馬が素材の差を見せつけてきたレースになっています。
 ラップは36,8(12,27)-38,3(12,77)-36,0(12,0)=1,51,1(12,35)という推移で、函館にしては向こう正面でもペースが上がらず、ラスト3Fに集約された珍しい流れ、その分後方にいた3頭にとっては緩みに乗じて押し上げやすい流れだったともいえるでしょう。

 勝ったシスターフラッグは、圧倒的人気のジェネラーレウーノを前に置く形で道中はゆったり構え、残り800mあたりから一気に進出を開始し、外々を回しながらもコーナーでの加速力はジェネラーレウーノをあっさり置き去りにする鋭さがありました。
 この反応の良さ、コーナーの上手さは武器になりそうですし、コーナーを相対的にタイトに回して馬体を並べてきたノストラダムスもラストはしっかり振り切っていて、持久力の面でもそれなりに高い評価が出来そうです。
 前半の追走面は未知数で、少なくともポジショニングが一気に改善されそうな雰囲気でもなかったので、如何に後半自分のタイミングで仕掛けられるか、という、自分でロンスパを作るイメージが大切になってくる馬かなぁと感じます。この辺りいかにもゴルシの近親、という雰囲気はありますね。

 2着のノストラダムスもそつのない競馬でしたし、勝ち馬にはスケール感でちょっと見劣るところはありましたが、その分競馬センス自体は高そうですので、すぐに勝ち上がりのチャンスはやってきそうに感じます。
 逆に3着のジェネラーレウーノは、凄い人気でしたが結果的に見るとまだ長い目で見ないと、という気はします。機動力面でははっきりシスターフラッグに劣りましたし、ラストの脚もまだエンジンがかかり切っていない、という感じで、素質はあるのかもですが、競馬にいってのスピード感がちょっと微妙な感じですね。
 本質的にはもう少し距離が欲しいタイプでしょうが、一回使って変わってくればこの距離でも洋芝なら、というイメージでしょうか。
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2017 中京2歳S 土曜2歳戦 レース回顧

 いよいよ2歳の特別戦も始まりましたので、しばらくはこんな感じで、特別回顧をメインにしつつ、新馬戦なども取捨選択はさせてもらいつつ出来る限り拾っていきたいと思います。
 まぁOPや特別の数が増えてきたら、その頃は新馬未勝利は本当にこれは!と感じたレースに絞っていく感じになると思いますけどね。全部やりたいのは山々ですけど、流石に時間との兼ね合いが厳しいですしねぇ。

**★中京2歳S**

 世代最初のOP特別のマイル戦は、阪神の新馬で強い逃げ切り勝ちをしてきたアマルフィコーストが、一転後方からの競馬で素質馬アドマイヤアルバとの一騎打ちを制して勝利しました。

 この土日の中京の馬場は少し時計は掛かり出してきていて、古馬のマイル戦でもワントゥワンが1,34,0止まりでしたので、このレースの1,34,7もこの時期の2歳戦としては優秀、後続が千切られたのも納得の推移です。
 純粋に時計だけですと、この前の未勝利のシュバルツボンバーの方が優秀ですけど、展開や馬場補正を加味すれば互角のレース内容で、意外と例年地味に出世馬を輩出しているように、今年の上位2頭も楽しみな内容でした。

 展開はナムラバンザイが逃げて外からマイネルエメが番手外と、ダッシュ力と追走力に裏付けのある2頭が飛ばしていく形になります。
 アマルフィコーストもゲートは五分に出ますが、周りが速かったのでスッと控えて5番手と、中団よりやや後ろでじっくり構え、それをマークするようにアドマイヤアルバが追走していました。

 ラップは35,8(11,93)-23,8(11,9)-35,1(11,7)=1,34,7(11,78)という推移でした。
 ややスロー寄りの平均ペース、というイメージで、中盤に緩みもなく、この時期の2歳戦としては珍しく2F目から8F目まで全部11秒台を刻んでいて、波の少ない流れの中で一貫した追走力とスピード寄りの持久力を問われた上で、要所で加速できる余力が残せたか?という差が結果に出ていると思います。

 勝ったアマルフィコーストは新馬とは全く違う競馬で、しかししっかり自分の持ち味を発揮したいい競馬だったと思います。
 前に馬を置いても落ち着いて走れていましたし、指示にも従順な感じで残り600mからスーッと進出、坂の上りでしっかり加速力を発揮して一気に前を捉えると、追い込んできたアドマイヤアルバを際どく退けての勝利となりました。
 位置取りはああでしたが、レース全体がそこそこ流れたことで追走面での良さも出ましたし、何よりやはり坂地点での加速力が素晴らしかったですね。

 自身のラップ推定は、大体400-200m地点で2~2,5馬身くらい詰めているので、11,5-11,1-11,7くらいではないかと思います。
 新馬も残り400mからスッと切れ味を見せて突き放していましたし、この日はそれを坂で繰り出せたのもポイントが高いなと思います。
 一方ラストの持続力に関してはやや甘く、少なくともアドマイヤアルバにはちょっと見劣ったので、より高いレベルでとなると、ある程度前半要素を引き上げて、なるべく仕掛けを待ちたい、それこそレーヌミノルに似たタイプに育っていくかなと感じます。
 とにかくレースセンスは良く、今のところは大きく崩れるイメージはないので、まずは一頭、年末のJFに向けて楽しみな馬になるかな、と考えています。新馬で楽に退けたスカーレットカラーも日曜に強い競馬で勝ち上がっていますしね。

 2着のアドマイヤアルバも強い競馬ば出来ていました。
 新馬戦がドスローからの2F戦でしたのでなんとも、だったのですが、この日は常識的な流れで最後方とはいえちゃんと追走できていましたし、前走は明らかに脚を余した格好で負けていたところを、3Fしっかり脚を使って、後半要素も高めてきたのは収穫と言えるでしょう。
 外から早めに動き出しを意識されていて、それでも坂加速では少し見劣ったように、加速力や瞬発力よりは持続力で勝負するタイプになると思います。
 まぁ未勝利ならどういう競馬をしても勝てそうですが、距離はもう少しあった方がいいですし、現状はワンターンの方が良さが出る気がします。府中1800mで見てみたい馬ですね。

 3着ナムラバンザイはここより小倉2歳の方が良くない?なんて思ったものですが、平均ペースからしぶとく粘り込んできました。
 ある程度距離延長しても、前半要素で周りを削ぐ競馬が出来ればやれるかも、という目途は立てましたし、その為にはこのペースではまだ遅い、というのも見えたでしょうか。若駒の内は前半要素で勝負する馬は少ないので、その意味では結構面白い馬になるかもしれません。

**★7/22(土) 福島5R 芝1800m戦**

 福島も最終週で少し時計がかかってきましたが、まだ常識的な高速馬場ではあり、その中での1800m新馬戦は、かなりのスローからの4F戦を、ナスノシンフォニーが外々を捲り切る強引な競馬で勝ち切りました。

 展開は、2着に入ったプトラナが好位でそつなく進める反面、ナスノは出負けしてかなり後方からの競馬、3着のヴェロニカグレースも少し立ち遅れて後方のインから、という苦しい競馬になります。 
 ラップは39,1(13,03)-38,9(12,97)-34,8(11,6)=1,52,8(12,53)という推移でした。
 とにかく前半4Fが遅く、14,0なんてラップを刻んでから徐々に加速して、向こう正面出口から明確にペースが上がり、12,0-12,0-11,3-11,5と4F戦の中でも更にもう一段階加速が問われたレースになっています。基本的には後ろからはくるしい競馬ではあったはずです。

 しかし勝ったナスノシンフォニーは、最初のコーナーでは後方3番手くらいでしたが、コーナーから向こう正面の入りくらいのラップが遅いところで少し押し上げて中団、そこからもずっと促しっぱなしながら、全体が流れ始める中では明確に詰め切れるほどではなく、コーナー出口から直線入り口で11,3とかなりの切れ味を問われるところでも大外ぶん回しと、かなり粗い競馬になります。
 エンジンのかかりが遅いのと、外を回した分、内から抜け出したプトラナに残り200mでは3馬身近くの差がありましたが、それをラスト100mくらいから一気に詰めて差し切るという、中々に破天荒な芸当を見せてくれましたね。

 全体のペースが遅かったとはいえ、新馬レベルでラスト1F11秒を切ったかも?というくらいの脚は中々見ませんし、それを11,3の地点で外々ぶん回しとロスの大きい競馬でやってきたのには凄みがあります。はっきり言って騎乗としては強引でしたが、コメント通り力が違った、という勝ちっぷりでした。
 ただここまで追走が出来ない、加速も鈍いとなると、広いコースで、かつ距離ももっと欲しいですね。百日草特別とかはハーツの仔ですしかなり合うんじゃないでしょうか。

 2着のプトラナは競馬の立ち回りは上手かったですが、この馬としては経済コースを通しての2F戦に近い形ですので、あまり高く評価するのは危険ですね。ペースが上がった時にどうか、っていうのも含めて様子見はしたいです。
 むしろ画面上は目立ってないですけど、3着のヴェロニカグレースもラスト1Fはナスノと同等の脚で伸びてきていました。
 ただこちらは道中綺麗に内を通して、前に壁も作らず丁寧に加速扶助が出来ていましたので、ナスノよりはしっかり脚を溜めてのズドン、という感じで、面白い素材ではありますけどすぐにどうこう、とまでは言い難いですね。ポジショニングが良くなればこの後半要素は強みになってくると思うのですが。

**★7/22(土) 中京5R 芝1600m戦**

 ここはロードカナロア×トゥザヴィクトリーという良血のトゥザフロンティアが圧倒的な人気となり、道中非常に反応が悪いところを見せつつも地力の違いで差し切りました。

 3着のアップファーレン、2着のダンツセイケイがそつなく前目につける中、大外枠のトゥザはスタートは出たものの道中の行きっぷりがあまり良くなく、しきりに促されての追走となっていました。
 ラップは36,4(12,13)-25,3(12,65)-35,1(11,7)=1,36,8(12,1)という推移でした。
 新馬らしく序盤中盤共に緩く、特に中盤の後ろ1Fで12,9とかなり緩んでおり、そこから12,0-11,3-11,8と二段階に加速していく流れで、淀みで外から取り付けた馬は有利、当然前目から壁を作らず動け出せた馬もという感じで、その割に後半要素もそんなに優れた数字ではないので、レースレベル自体は微妙だったと思います。
 実際、当日に中京2歳Sがあったので、前半はともかく、後半要素でも見劣っているのははっきりしていますしね。

 勝ったトゥザフロンティアは、本当に最後まで遊び遊び、という感じで、ここは素質だけで勝ち切れましたけど、もう少し常識にかかってこないと厳しいな、とは思います。
 展開的にも少しトリッキーなところはありましたが、加速戦の流れで反応がやや鈍め、直線坂地点では内に刺さってその修正で手一杯、という感じで、坂を登ってから惰性で伸びてきたものの、このあたりは今後を考えると大きな修正ポイントになるでしょう。
 馬の素材としてはもう少し流れて波のないレース、それこそ中京2歳Sみたいな中に前目で入ってしまった方が競馬しやすいところはあるかもしれません。血統的にもカナロアの仔で、じっくり溜める競馬をしてクラシック路線に、というイメージでもあまりないですし、勿論今後が楽しみな一頭ではありますが、今のところは過大評価は禁物かなと感じています。

**★7/22(土) 函館1R 芝1800m未勝利戦**

 メンバー的にはクリノクーリング戦の焼き直し、というところで、カレンシリエージョの圧勝は当然なのですが、内容的にちょっと面白かったので拾っておこうと思います。
 今回のカレンは内枠でもあり、前半は2列目ポケット近辺でじっと我慢する競馬でしたが、残り1000m付近から、出遅れて後方にいた2着のソングオブローランが一気に捲りを敢行して先頭に立ち、ペースがグンと上がります。

 後半5Fは11,9-11,5-12,2-12,4-12,4という推移なのですが、ソングの動きに呼応する形でカレンも早めに2番手から前を追い掛けていて、その動き出しの地点が最速11,5のところなんですよね。
 ここでカレンは前と1~2馬身詰めてきているので、実質的に11,2くらいの脚を使っている計算になり、これはこの日の重馬場を考えると中々に驚異的な反応の良さ、加速力と瞬発力の質だと感じます。

 かつこの馬が凄いのは、それだけはっきり一瞬の切れ味を早めに使っておきながら、後半も自身推定12,0-12,3-12,4と、そこまでラップを落とさずにまとめてきているところです。
 この日は他のレースも軒並み時計は掛かっていて、ハロンラップで11,5を切るような場面が一切なかったことを踏まえると、この切れ味と持久力の兼備ぶりは中々のものだなぁと。コーナーでの機動力も高いですし、結果的に新馬は後ろを待ち過ぎて失敗したパターンにも感じますね。

 勿論それだけで、じゃあマイルの高速決着でどうこう、とは言えないですけど、少なくともこういう加速力も持ち合わせている、というのは、オークスの舞台には適切な素材に感じるんですよね。
 長い距離のレースが少ない、混合戦しかない内は、逆に2勝目を上げるのに苦労する可能性もありますが、長い目で見ていきたい馬だと思いました。
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