2017年06月18日

2017 関東オークス レース回顧

 今年の関東オークスは、外枠からスムーズに追走した人気のクイーンマンボがコーナーで早々と抜け出し、余裕綽々に押し切りました。レースを振り返りましょう。

 馬場は重のままで、他のレースを見てもほとんど遅い時計ばかり、速いラップも踏めても1F程度という状態でした。
 レース展開は、ややバラッとしたスタートから、内のイントゥザゾーンが好スタートを決めるも、それをすぐ外から出鞭を打ってアップトゥユーが交わしていきます。
 人気のクイーンマンボもまずまずのスタートからじわっと先団に取りついていき、アンジュデジールもスッと前目に入っていきます。
 一方サクレエクスプレスとアポロユッキーは大きく出遅れ、序盤は後方からの競馬を余儀なくされました。

 ラップはざっくり3,5-3-4Fで取ってしまいますが、45,6(13,03)-42,5(14,17)-50,9(12,72)=2,19,0(13,23)という推移でした。
 最序盤もそこそこ流れたのですが、これは出鞭を使って出していったアップトゥユーが、7,1-10,5-13,6という暴走気味のスタートダッシュを決めた分でもあり、そこまで敢然と逃げを打った割に道中のペースは中緩み顕著ではっきりスロー、というのが、微妙にバランスが悪いなぁと感じるところではあります。

 ともあれ二番手以降は、13,6と緩んだ地点からじわじわ差を詰めて、結果的に一周目のスタンド前では先団は団子気味で、人気のクイーンもそこで無理はせずにじわっと三番手の外まで上げていった時点で安心して見ていられた感はあります。
 レース的には完全に向こう正面からの4F戦の様相が強く、ダートとしては破格のスローペースの中、ラスト5Fは14,7-12,4-12,8-13,1-12,6という推移です。
 向こう正面に入ったところでまず一気に2,3秒の加速があり、そこでしっかり勢いをつけて押し上げていった馬が最終的には上位にそのまま残っていて、かつ勝ったクイーンマンボだけ、直線で再加速する余力を残していたレース、と見ていいでしょう。

 クイーンマンボは今回はスムーズなレース運びでしたし、後はやっぱりスローペースの方がいいのかもしれないなぁ、とは思いました。
 前走は鞍上も違いますし、コースの周りも違うので比較は難しいですけど、今日は外目を通していたとはいえ、12,8-13,1の、川崎としてはかなり速い勝負所の3~4コーナーのラップの中で、しっかり外から押し上げてアップトゥユーの機動力を上回ってきていました。
 ここから見ても、前走の敗因はハイペースで要所の機動力、鋭さを削がれた、と見る方が無難かなと感じましたし、この感じですと距離はある程度あった方が成績的にも安定してくる感じはありますね。

 となると、やっぱりJDDは使ってみて欲しいですねぇ。
 このレースも序盤はともかく、基本ずっと流れっぱなしにはなりづらいですし、コーナーで緩んでの再加速率が高いので、今日の競馬が出来るならば牡馬相手でも面白いと感じます。特に今年は牡馬勢がやや小粒な印象もありますしね。

 2着のアンジュデジールは、素質の差でなんとかしちゃったか、というイメージですね。
 基本的にここまでスピードをコントロールしてのレースははじめてだったでしょうけど、それでもそんなに折り合いに苦慮することなく、しっかりクイーンマークで進められていましたし、要所での反応も悪くなく、直線まで追撃態勢は作れていました。
 最後に加速する余力がなかったのはやはり純粋にスタミナ面もあるのかな、と思いますし、この馬自身これまでのレースで器用に再加速を問われる展開に出くわしていませんでしたので、その中ではしっかり粘り切ったほうと考えてもいいと思います。

 でもこの馬の適正はマイル近辺に落ち着きそうですし、交流重賞牝馬路線を選ぶと、去年のタイニーダンサー的なイマイチなレースを積み重ねる懸念もあるので、どちらかと言えば中央で、レパードSあたりで距離の融通がどこまで効くか見てみたい印象を持ちました。
 追走力的には1200~1400mでもやれそうな雰囲気もありますし、色々可能性を限定せず試していって欲しいですね。

 3着のステップオブダンスは、今回は正直アップが序盤暴走気味に脚を使ったのもありますし、その中で最内からじっくり脚を溜められた、要所で外の中央勢が動いてくれたので進路取りも楽だったなど、プラスの面は大きかったと思います。
 それでも最後までしぶとく粘り込んでの3着はまず立派と思いますし、もうワンランク力をつけてくれば、今の手薄な交流重賞路線なら楽しみが持てるかもしれません。惜しくも早々引退してしまったリンダリンダの後継の出現も期待したいので、今後もしっかり見ていきたいですね。

 4着アポロユッキーは、最後しぶとく伸びているあたり、距離延長自体は苦にしなかったと思いますが、どうしてもあの出負けとダッシュのつかなささを考えると、小回りコースではここまでが限界かもしれないなと感じさせます。
 勿論今日はかなりのスローでしたので、もう少し前傾で流れてくれれば違うかもですが、正直今後めきめきと頭角を現すビジョンは持てないレースぶりではあったかなと感じました。

 5着アップトゥユーは、正直変な逃げ方してしまったなぁ、と思います。
 最初からなにがなんでも、という気持ちがあったのに対しやや伸び上がったスタート、そしてイントゥがかなり速かったので泡を食って出鞭を入れて、というふうに見えましたが、それにしても10,5はやりすぎだなぁと。むしろこの馬場でこんなラップ踏めるんだ、とそちらの方に驚きました。
 とまれ、ある程度毅然とリードを作っておいて、それをすぐ超スローに落として使い切るというのはなんとも理に適ってない気はしましたし、結局そのペースでクイーンとアンジュは楽をしていた分、要所の追撃が早く厳しくなってしまったのはあると思います。もう少し淡々と平均で作って欲しかったなぁと思いますね。
 それでも交わされてからバタッとしていないあたり、すごく根性はあって前向きな馬だなぁと思いますし、前走の大井のレースは本当に面白かったので、来年のTCK女王杯あたりに出てきたら面白さはありそうです。

 6着サクレエクスプレスも出遅れが厳しかったですね。
 ある程度スタンド前からじわじわ上げていくイメージはあったと思いますが、このペースの中で思い切りよく動くでもなく、なし崩しに脚を使ってしまった感もあり、武Jの割には中途半端さが目立つ気はしました。
 とはいえ馬自身それでアポロあたりに完敗しているのでなんとも、ですし、もうすこし全体のペースが上がってこそ、という好走スポットが狭いタイプになっていく可能性はちょっと感じましたね。
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2017 6月第2週新馬戦 レース回顧

**★6/10(土) 東京5R 芝1400m戦**

 中々血統面や厩舎的に面白い馬が揃ったレースになりましたが、勝ったのは大外を突き抜けた4番人気のプレトリアでした。
 レースは序盤からそこそこ先行争いでごった返す形になり、人気の一角ファストアプローチはその中に入っていく形で、マイネルキャドーはそれをマークしつつ先団の後ろを追走します。
 人気のレピアーウィットは内枠のスタートから一度下げて、中団やや後ろから徐々に外目に持ち出して進出、プレトリアも同じような位置から馬体を合わせ、2頭でかなり大きく馬群の外を通して押し上げていく形になりました。

 レースラップは36,4(12,13)-12,4-34,8(11,6)=1,23,6(11,94)という推移でした。
 時計面では地味ですが、土曜は日曜よりは少し重かったと見ていて、その中で完全な後半3F戦になっているので、全体時計はあまり気にしなくてもいいでしょう。
 コーナー地点が12,4とまだかなり緩く、出口から11,6と加速する流れなので、見るからに大外をぶんまわしていた2頭にもさほど大きなラップ上のロスはなく(コーナー地点の自身走破が12,0くらいと、レース全体の流れに対して無理に速い脚を使っているわけではないので)、直線もラップ的には11,6-11,4-11,8とあまり波はないですが、上位の馬は11,4の坂地点でしっかり前との差を詰めています。
 その点から見ても、しっかり勢いをつけて入ってきたのがプラスになる面も多かったレースですし、要所の反応の良さ、切れ味の質の差で決着したレースかなと考えます。

 勝ったプレトリアは、枠なりのレースで超外々でしたが、それでも最後までしぶとく脚を伸ばしてきましたね。
 高速巧者のヨハネスブルグ産駒ですので、馬場のいいところを選べたのはプラスだったと思いますし、坂地点で自身11,0前後の脚は使っていて、そこの切れ味の差でレピアーには勝てた、という印象です。
 ラストは11,8とやや落としていますが、この週の府中は全体的にラストが落ち込む傾向でしたので極端に悪いほどでもなく、すぐ上位条件で勝ち負け、とは思いませんが、綺麗な馬場で出し切れる展開、枠になれば再度注目できそうかなと思います。

 しかし母の母ダイワルージュが懐かしい…………。サンデー×スカブーの超良血で阪神3歳牝馬Sから桜花賞あたりまでは強い馬だったのになぁ、と思いつつ、しかし改めてあのテイエムオーシャンの勝った桜花賞の結果を見ると、このレースその後にまともに活躍した馬が皆無に近いですね。。。
 ゴルシの母のポイントフラッグとか、ダートで活躍したネームヴァリューくらいしかイメージが浮かぶ馬もいないですし、それでも良血は代を経てしっかり根付き、開花してくるところはあるなぁと思わせるいい切れ味でした。

 2着のレピアーウィットは、あのアジアエクスプレスの全弟という事で人気を集めました。そう言えばアジアエクスプレス最近全く見ないですけどどうしてるんでしょうね?
 金子オーナーは最近こういうダート血統の高馬をセリで買ってる印象が結構あり、或いはそのあたりいずれの世界戦略も見越して、というのはあるのかもしれません。ヘニーヒューズの仔といえばアメリカではビホルダーが有名ですし、アジアも基本的に前傾のタフな競馬に強い馬でしたからね。

 その意味では新馬戦らしいスローからの3F戦はこの馬の土俵ではなかった、という見方も出来ますし、内枠から外に持っていって、という段取りもあったので評価が難しいところです。
 イメージ的には切れ負けなので、もう少し距離があるところで追走面・ポジショニングを上げてこないと、芝では大成できるかは難しいところで、北海道開催の1800m戦で外枠とかならとりあえず未勝利レベルなら勝ち負けになるでしょうが、兄同様に芝で2歳チャンピオン、というレベルにまでなるには、馬場やレースの流れに恵まれてこないとなぁとは思います。
 いずれはダート戦も使ってきそうですし、どこに最高の適性があるかじっくり見ていきたいですね。

 3着マイネルキャドーは道中も直線も馬群の中で、最後も馬場の悪いインをついて良く伸びてきました。
 ファストの後ろでじっと我慢していて、前が空いてからの一瞬の反応は中々に目を瞠るものがあり、この馬は非常に器用だな、と感じました。
 レース慣れしてくればマイネル軍団らしくポジショニングにも進境を見せてくるでしょうし、大成する感じはないですが、未勝利クラスならスッと勝ち上がれそうなイメージがあります。

 4着ファストアプローチは、ドーンアプローチに母父マルジュとかいかにも重そうで、日本の芝1400mを走るイメージの血統ではないですよね。
 レースではスッと前目を取るセンスの良さは見せたものの、直線は中々綺麗に進路を確保できず、外に持ち出すタイミングを待っている内に大外から2頭に交わされ、内からもマイネルに出し抜かれた感じで、展開的に勿体ない部分はあれど、即座の反応や切れ味の面では少し物足りなかったのかなと思います。

 父ドーンアプローチは、ギニーを取りこぼしたものの英ダービーは完勝したその父ニューアプローチと違い、2000ギニーまでは無敗でくるも、英ダービーでは母父フォーントリックという短距離血統が仇と出て惨敗、結果的にマイル戦に特化した馬でした。
 それにマルジュと言えばサトノクラウンの父でもあり、しかしこの馬が活躍する前に輸入されている計算になりますから、いずれサンデー系列の種牡馬の花嫁に、という算段での持ち込み馬だったのでしょうね。その点でやはり先見の明は感じます。

 なのでこの辺りの距離からおろすのは間違いではないのかもですが、安定して上位に来るには、常に自分でレースを作って厳しめの展開に持ち込むくらいの気概が乗り役にないと、常に切れ味の差でやられるパターンに陥る可能性があるかもしれません。
 この馬もさしあたっては北海道シリーズで、となるでしょうか。面白い血統ではあるのでこの馬が日本の馬場でどこまでやれるかは楽しみです。


**★6/10(土) 阪神5R 芝1400m戦**

 相変わらずの高速馬場だった阪神では、ダイワメジャー産駒のアマルフィコーストが素晴らしいレースセンスを見せて勝ちあがりました。

 スタートは外のビックウェーブとアオラニの方がよく、ただ2頭ともに積極的ではない中、枠の差を利してこの馬がじわっとハナを取り切る形になります。
 しかし道中はずっとほぼ真横に馬を置く形で、中々新馬戦としてはプレッシャーのかかる並びでした。
 その後ろに3着ステラローザや4着で圧倒的な人気のグランデミノルがつけ、2着に差し込んだスカーレットカラーは中団の中目を追走し、このあたりまで馬群が凝縮する展開でした。

 ラップは35,0(11,67)-11,9-35,2(11,73)=1,22,1(11,72)という推移で、綺麗な平均ペースになっています。
 それでも先週の超前傾のレースと0,2秒差ですから、バランスを加味すればこちらの方が良質かなと思います。
 またこのレースのポイントは後半の、11,9-11,2-12,1というラップに見事に表現されており、レース映像を見て一目瞭然のように、コーナーから直線での11,9-11,2地点での加速力の違いで勝ち馬が突き抜けたレースになっていますね。

 勝ったアマルフィコーストは、いかにもダイワメジャーの良質なスピードタイプ、という感じですね。
 前半から平均でコントロールしつつ、要所でしっかり一脚を使ってくる競馬は、メジャーエンブレムやレーヌミノルなんかも持ち合わせていた資質で、ダイワメジャー産駒が得意とする競馬だと思っています。

 この馬もまだ新馬なのでなんともですが、とにかく要所での反応の鋭さで他の馬を一蹴していますし、ただラストは12,1と少し落としてはいます。
 より上位のメンバーになってくると、このあたりで持続力の差に苦しむ可能性は出てきますし、ペースを落としてしまうと後半要素で足りない、というところが出てくる可能性は血統的にはかなりありそうなので、出来れば今後もある程度自分でややハイ~平均にレースをコントロールする意識を持ち続けて欲しい馬ですね。
 あれだけ横に入られて怯むところもなく、競馬センスはかなり高いと思いますし、マイル近辺までは楽しめそうな一頭ですね。

 2着のスカーレットカラーは、ちょっとこの距離だとスピード負けしたかな、という感じですね。
 最速地点のコーナー出口で外目を通しているわけですし、それでもラスト1Fは2馬身くらいは詰めて自身11,7くらいできていると思うので、持続面では勝ち馬より評価できます。この馬はマイル~1800mが現状は一番噛み合うのではないかと思いますし、広いコースで出し切る競馬が出来ればすぐに順番は回ってくるでしょう。

 それ以下の馬はちょっと能力や適性的に足りなかった印象ですかね。
 人気のグランデなんかはエンパイアメーカーの仔で、要所で勝ちに行くも甘くなっているので、もう少し全体的にタフな流れになるかしないと厳しいのかなと感じます。正直ダートの方が強そうな気もします。

**★6/11(日) 東京5R 芝1800m戦**

 土曜の新馬に引き続き、金子オーナー×堀厩舎の血統馬が登場し、こちらは人気に応えてディープ×アパパネといういかにもな金子配合のジナンボーが完勝しました。

 馬場的には少し時計面では土曜より回復、その分内はより荒れてきているというイメージの日曜でしたが、このレースも例外になく大半の馬が外目を通す展開になっています。
 ジナンボーは逃げ馬を前に置きつつ、横のスペースを空けて二番手の外目を追走、これはこの日のメインのアストラと同じ乗り方をデムーロJがしていましたね。
 そこでやや折り合いでギリギリの雰囲気を見せるも我慢、2着のダンシングチコは先団の中目に入りこみ、3着ジェネラルシップは中団外目を追走する形でした。

 ラップは37,2(12,4)-37,9(12,63)-34,8(11,6)=1,49,9(12,21)という推移でした。
 いかにも新馬の中距離戦らしく、序盤中盤がかなりゆったり流れて後半3F勝負、細かく見ると残り1000mから12,9-12,1-11,2-11,4-12,2と段階的に加速しつつ、エプソムカップの回顧でも触れたように先行馬が馬場のいいところを選ぶために仕掛け自体はやや速くなってコーナー出口が最速、そこからの持続力戦になっていると見ていいと思います。

 勝ったジナンボーは、いかにも素質馬らしい荒削りさを残しつつ、それでもしっかり結果を残してきたのはいいと思います。
 ただこの日の馬場で、ほとんど追わずに完勝、という事を加味しても、全体時計はともかく後半3Fの時計はそこまで目立つものではなくて、贅沢を言うなら要所の最速地点で11,0を切るくらいの脚を見せるか、持続面でラスト12,0を切るか、くらいの要素が欲しかったなとは感じます。
 もっとも明らかにまだ仕上がり途上という雰囲気でしたし、こういう血統馬は二戦目でガラッと変わってくる事も多いので注目の一頭には変わりありませんが、着差ほどレース内容には高い評価は出来ないかな、とは考えています。

 母がアパパネという事は、その母血統がソルティビットでバリバリの短距離志向でもあり、1800m戦で使ってきたという事は後々ダービーを意識して、ではあるでしょうが、どこかで距離の限界は出てきそうな雰囲気ですね。
 少なくとも若駒の内は折り合い面の育て方に気を使うことになるでしょうし、その意味で枠の並びや展開次第で甘くなるパターンも頭に置きつつ、先を楽しみに待ちましょう。

 2、3着馬は結果的にコーナーで通したところの差、動き出しのタイミングの差もあったかな、という感じで、悪い競馬ではないですがジナンボーの位置でも上がりとしてはそんなに非凡でない中で、それと同等かやや見劣る結果ではあるので、次にポンと勝てるか、となると微妙な気はします。
 2着馬のほうが器用さはありそうですので小回りコースでも、と思いますが、3着馬はいかにもルーラーの仔らしい不器用さも感じさせたので、馬場や展開は選びそうですかね。

**★6/11(日) 東京6R 牝馬限定芝1600m戦**

 後の桜花賞へと夢を繋げる府中マイルでの牝馬限定新馬戦は、ホーリーレジェンドが外目をスムーズに回して進出、逃げたリープフラウミルヒとの叩き合いを制して嬉しいデビュー価値を飾りました。

 馬場は上のレースの見解同様で、このレースの展開は総じて外枠の馬の方がスタートが良く、外主導でレースが作られていきます。
 勝ったホーリーは先団の後ろで外に出してスムーズな追走、2着馬は大外から淡々とした逃げを打ち、3、4着馬で出負け、もしくはスタートダッシュがつかずに後方インでのレースを余儀なくされます。

 ラップは37,7(12,67)-25,1(12,55)-34,0(11,37)=1,36,8(12,1)という推移でした。
 こちらは牝馬戦らしくなおもペース遅く、かつ後半も12,6-11,3-10,9-11,8と、一気に加速を問われる中でも本仕掛けは直線まで待たれていて、この日の馬場だとこのパターンの方が珍しかったので、そこも含めて牝馬戦らしい、と言えるでしょう。
 ほぼほぼ後半3Fでの後半要素の勝負で、加速力と瞬発力の質がより強く問われ、持続力面でもそれなりのものがないと上位には食い込めない展開だったと思います。

 勝ったホーリーレジェンドは、上手く中団の外目から早めに前を射程に捉えに行く、内田Jらしい強気の競馬が噛み合った印象ですね。
 アメリカ二冠馬のアイルハヴアナザーに母父バブルガムフェローとか、いかにも切れ味なさそうな印象なんですが(笑)、このレースではしっかり緩い地点で仕掛け始めたことで加速地点でも最速地点でも置かれずに抵抗できていました。
 逃げた2着馬もしぶとかったですが、最後は根性で捻じ伏せるような勝ち方で、後半要素は中々面白いものを見せてくれたと思います。おそらく器用さでは2着馬に負けると思うので、今後もこんな風にある程度出し切る競馬をしていきたいですし、血統的にはもう少し流れてタフなレースになっても対応してきそうで楽しみはありますね。

 2着のリープフラウミルヒ(名前呼びづらいっ!)も勝ちに等しい競馬でしたね。
 今日は前半がかなり緩く、内目の馬のスタートが軒並み悪かったことでスッと先手を取れましたが、今後流れが速くなってもポジショニングの上手さを見せられるかはポイントになってくると思います。
 後半要素としては加速力に切れ味は中々で、この辺は母父クロフネっぽいイメージですね。持続面でもステイの仔らしく面白さはありましたし、ペースが上がってもやれるようなら楽しみは増してくると思います。

 3、4着馬はスタートからの立ち回りの不器用さが明暗を分けた感じでしょうか。
 3着馬はこのペースでもダッシュがつかず、五分のスタートなのに置かれてしまっていましたし、4着馬は大きく出遅れました。そのリカバーにインの馬場の悪いところを通さざるを得なかったですし、ポジショニング勝負の面が強いレースだったのでこれは仕方ないでしょう。
 ラストの持続力面では2頭ともそこそこの水準にあると感じましたので、前半要素に改善が見られれば勝ち上がるのはそんなに難しくないかなと思います。

**★6/11(日) 阪神5R 芝1200m戦**

 いかにも初戦向きの短距離血統の馬が出揃った感のあるスプリントの新馬戦は、アイアンクローがそつのない競馬と1枚上のスケール感を見せて勝ち抜けました。

 日曜の阪神も高速馬場には変わりなく、その中での1,10,3自体は、前日の1400m戦の1200m通過が1,10,0だったことを踏まえても、あまり高くは評価できませんかね。
 展開は最内の2着馬ナムラバンザイが逃げて、それをクリノとブルベアが追いかける展開で、その外に1番人気の3着馬コーディエライトがつけました。
 中盤でブルベアが気の悪さを見せたかズルズル下がっていく中で、先団の直後にいたアイアンクローはスッと内に潜り込み、じわじわとポケットまで押し上げていく競馬を選択しています。

 ラップは35,6(11,87)-34,7(11,57)=1,10,3(11,72)という推移で、やや後半勝負の色合いが濃いレースになっています。
 後半4Fが11,7-11,5-11,3-11,9とじわじわ加速する競馬で、それを外から追い掛けた馬が苦しくなる中で、インを上手く立ち回った2頭が上位に残ったイメージでいいと思います。

 勝ったアイアンクローはスタートもレース内容もそつなく、いかにも福永Jらしい乗り方でしたね。枠の差はあれ、通したところは先週のケイアイノーテックとほぼ同じようなところですしね。
 ある程度緩い地点でポジションをフォローしつつ、コーナーでの仕掛けではじっと我慢して、ナムラの出し抜きにも慌てずしっかりラストまで自分の脚を引き出してきました。
 この感じですと自身は上がり11,5-11,3-11,5くらいのイメージで、切れ味は感じませんでしたが持続力はそこそこあるので、もう少し距離が伸びても戦えると思います。

 父アドマイヤムーンに母父グラスワンダーとはなんとも趣きがある血統だなぁ、という感じで、ムーンのスピード、高速巧者ぶりに、ロベルト系の爆発力が備わっているなら面白い馬になっていけるかもしれません。
 現状スプリント戦でもっとゴリゴリ流れたらどうかな?とは思うので、まずは1400m、1600mに距離を伸ばして色々試して欲しいですかね。

 2着馬はいかにも初戦が勝負!というヨハネスブルグ産駒のスピード馬で、しっかり逃げて自分の持ち味を引き出せたとは思います。
 正直このペースでは、このタイプには流れが遅すぎた可能性もあり、スタートセンスも悪くはなさそうなので、一度ガンガン飛ばす競馬もやってみて欲しいですね。序盤の追走面で余裕があれば、より後続の脚を削ぐ競馬が出来るでしょうし、かつ要所で一脚を常に引き出せるならスプリント路線でそこそこ楽しめる馬になれるかもしれないな、という印象です。
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2017 6月第2週海外主要GⅠレース レース回顧

**★ベルモントS [レース映像](https://www.youtube.com/watch?v=TlXLiD6M8iE)**

 元々エピカリスが出ていたら、この時間に単独記事にしようと思っていたのですが、無念の出走取り消しとなってしまいましたので、他の海外レースとまとめての紹介にします。
 
 まず展開ですが、スタートが良かったのはアイリッシュウォークライにミーンタイム、そして内からタップリットも出が良く、アイリッシュウォークライが逃げてミーンタイムが番手外、タップリットが二列目ポケット、という隊列が形成されます。
 ゴームリーもそのすぐ外で虎視眈々、ルッキンアットリーはいつも通りに後方で前が潰れるのを待つ構えでした。

 ラップは23,88-24,72-25,35-24,94-25,15-25,92=2,30,02という推移になっています。
 一応見ての通りに前傾ラップではありますが、アメリカ競馬にしては前半は遅い方で馬群も凝縮、ラスト1マイルくらいはハロン12,5~7くらいを淡々と刻む競馬になっていて、ラストだけちょっと消耗、という見立てでいいのではないかと思います。
 時計的にも近年は2分30秒を超えるのも珍しくないレースとはいえ、やはりこの展開でほぼ前に行った2頭決着でもあるので、レベルが高かったとは流石に言えない一戦だと思いますね。

 無論勝ったタップリットは、ペースが遅くなったのも含めてポジショニングを上手く出来たのが勝因だと思いますし、アイリッシュウォークライに関してもスムーズならこれくらいはやれる、後は適距離を求めて、という事になるでしょう。
 パッチも前走大外からしぶとく粘っていたのは伊達ではなく、ここでも外々の苦しい競馬ながらゴームリーを最後捉えてきたのは立派だと思います。

 ゴームリーは人気の一角として勝ちに行く競馬はしていましたし、あれで負けるのはやはり実力面でまだちょっと足りない、という事だと思います。
 ルッキンアットリーは展開も向きませんでしたし、改めて三冠皆勤の厳しさを突き付ける結果でもあったでしょう。これからは益々三冠皆勤する馬は減っていく傾向にあるでしょうね。
 ある意味ではアメリカンファラオの出現で、一時期の三冠馬待望ブームがやや下火になり、その分馬本位のローテーションを組みやすくなった、と言えるかもしれません。

 それにしてもつくづく、エピカリスの回避は残念でしたね。
 経緯を見るに色々とどうなの?と思う向きもありますが、どうあれ先のある馬なのでここで無理せずにしっかり立て直して、改めて国内で雄姿を見せつけて欲しいですね。その上で、改めて来年のBCなどに参戦、とでもなれば夢があると思います。
 しかしこの馬が回避しても5億売れるって中々に衝撃的ですよね。これからは益々海外の主要なレースに対する、日本馬の招致合戦が熱を帯びるのではないかと思わせる結果でした。

 ちなみに、このレースはJRA公式でもレース映像見られるのにわざわざリンクを貼ったのは、すぐ傍に伝説のセクレタリアトのベルモントSと、一昨年のアメリカンファラオのベルモントSのレース映像が並んでいたので、お時間があればぜひ見て欲しいな、と思いまして。
 今見てもセクレタリアトの31馬身差、超激流からの2,24,0とか有り得ないレースになっていますし、アメリカンファラオもそれに比べれば流石に、となってしまうものの、それでも近年では破格の2,26,65での逃げ切りは、流石三冠馬になる馬はまるで物が違う、と思わせます。
 この馬は本当にもう一年走って欲しかったですね。アロゲートとどっちが強かったかはすごく興味があります。去年のBCならカリクロも健在でしたし、それはもう凄いレースになったでしょうに。

**★オグデンフィップスS [レース映像](https://www.youtube.com/watch?v=rvbOfsUduOE)**

 個人的にはこちらの方が興味津々だった、去年の最優秀3歳牝馬、ソングバードの待望の復帰戦です。
 いつものように好スタートからハナを切り、淡々としたペースを刻んでいく中、4コーナーで2着馬に内を掬われて一度2番手に下がるものの、直線ではそれを鞭を使わずに楽に差し返して完勝を収めました。

 ただ、正直パフォーマンスとしては高くはなかったですね。
 この時期のベルモントパークは芝ダートともにかなり高速状態になるので、その中で1,42,24という時計はかなり遅く、最序盤からのラップも23,99-23,33-23,98-24,45-6,48(ここは0,5Fです)という緩めの推移で、次に触れる3歳牝馬限定のエイコーンSでも1,35,37を計時していると思えば物足りません。
 去年の絶頂期は本当にもっと弾むようなフットワークをしていたと思いますし、BCディスタフから半年ぶり、ということで立て直しに苦労した感もあり、まだ仕上がり途上なのは間違いなかったでしょう。

 それでもまずは無事に復帰して、しっかり勝ち上がったことは大切です。
 今年の古馬牝馬戦線は、この馬とステラウインドが二枚看板という形になっていくでしょう。あちらも先週、記事にはしませんでしたけど3頭立ての名称新設ビホルダーマイル(アメリカはすぐに名馬の名前をレースに取り入れますよね)を完勝していますし、改めての激突が楽しみです。

 牡馬挑戦にも期待したい馬ではあるのですが、アメリカは牝馬路線が充実していますし、賞金体系もそんなに遜色がないので中々難しいですかね。ましてや、その路線を貫いていった先にぶつかるのが怪物アロゲートとなれば、無理をさせる理由もないのかもしれません。
 ゼニヤッタあたりがBCクラシックで牡馬に挑戦していたのは、そもそもAWだったり、牡馬全体のレベルが低い時期でもあったと思うので、その辺はもし果敢に挑戦してくれるなら喝采、というくらいの期待に留めておこうと思います。

**★エイコーンS [レース映像](https://www.youtube.com/watch?v=oyjUuUmvb_U)**

 こちらはケンタッキーオークスを制したアベルタスマンが登場しました。
 いつもながらに最序盤では全くついていけずに強烈なポツンを披露してくれますが、レース中盤手前からじわじわっと前との差を詰め、コーナーでは器用に馬群の間を縫っていつの間にか最内から先頭に立つという離れ業を見せて、そのまま悠々押し切りました。

 正直アメリカでは珍しい追い込みタイプで、その割に戦績は安定しているのですが、サンタアニタオークスのように勝ち馬にスピードで圧倒されたり、多頭数のレースになると厳しさは出てくるわけで、今回はマイル短縮がどうかな?と思っていました。
 ただレース自体はそこそこ流れて、23,32-23,47-24,56-24,01=1,35,37という推移の中、前が苦しくなった24,56の地点でしっかり差を詰めて、立ち回りも完璧でしたし、ここまで綺麗にブレーキせず走れればそれは強いだろう、という感じのレースでしたね。

 絶対にいつもこう上手くいくとは思えないですので、ちょくちょく取りこぼしはすると思いますけど、レベルの高い相手にタフなレースになった時は当然怖さが増してくるので、それこそ上記のソングvsステラで前がやり合った時に、この馬が後方から漁夫の利を、なんて可能性も感じさせる馬ですね。ぜひBCディスタフあたりまでしっかり成長していって欲しいものです。

**★メトロポリタンハンデキャップ [レース映像](https://www.youtube.com/watch?v=ok8DwWnP2bU)**

 こちらはメンバー構成的には地味なレースでしたかね。
 勝ち馬モースピリットは去年ケンタッキーダービーで惨敗してから長く休養し、今年からマイル近辺に距離を絞って連勝中、2着馬シャープアステカは元々短めの距離で活躍していて、前走ゴドルフィンマイルでも3着という実績のある馬で、この2頭がスタートから直線入り口まで先頭2番手でマッチレースを繰り広げました。
 最後はモースピリットが大きく突き放しての完勝で、ラップ推移が23,20-22,85-24,05-23,61=1,33,71となっており、アメリカ競馬としては珍しく、ラストで多少なり加速してゴールしているのが特徴的です。それ故にこそ後続が千切られた、とも言えます。

 ただ馬場差がどうか、今年は全体的にやや重かったかもしれないというのはあれ、去年はフロステッドが1,32,73という猛時計で圧勝、近年はその他も大体33秒台前半に入ってくるレースですので、特別にレベルが高いという事はないのでしょう。それでもBCダートマイル路線で楽しみな馬になると思います。
 あと面白いのは、比較的このレースベルモントSの勝ち馬や連対馬が活躍してるんですよね。この辺は距離というより、大箱のコースで器用さを問われない方が噛み合う馬、というところなんでしょうか。いわゆる府中2400mで強い馬が、府中ならマイルでも、といってヴィクトリアマイルに出てくるようなイメージで、それが噛み合う舞台なんでしょうね。
 
posted by clover at 04:07| Comment(0) | レース回顧・海外競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする