2017年06月18日

2017 6月第3週新馬戦 レース回顧(日曜編)

**★6/18(日) 東京5R 芝1600m戦**

 他の2場が異常なくらい高速馬場でしたので、あまり目立ってはいませんが、府中もまだ普通に高速状態は維持できていたと思います。
 その中でのマイルの新馬戦ですが、ここは新馬戦らしいゆったりした超スローからの上がり勝負で、番手につけたイブキの半弟・テンクウがきっちり抜け出しデビュー勝ちを飾りました。

 展開は、3着のフォレストガーデンが好スタートでスッとハナを取り切り、五分くらいのスタートだったテンクウがやや押しながら番手外を確保、その外にコハルチャン、内からはアイリスロードとウィズが早めの追走になります。
 2着のニシノベースマンははっきり大きく出遅れてほぼ最後方からのレースになるも、道中の緩みで内内から押し上げて馬群に取りついてきました。

 ラップは38,0(12,67)-25.7(12,85)-33,8(11,27)=1,37,5(12,19)という推移でした。
 見ての通りに序盤中盤、1000mまでが63,7と相当に緩く、中盤もがっちり緩んでいて、そこから直線入り口にかけて12,7-11,3と一気にペースアップ、ラスト3Fが11,3-11,1-11,4と最後まで落とさない展開で、純粋なポジション差がはっきり出ました。
 これを覆すには余程最速地点で切れるか、それとも強烈な持続力を持っているかでないと、となるのですが、流石にそれだけの素材はおらずに前目、或いは内目をスムーズに立ち回った馬が上位に来たという淡泊なレースになっています。

 勝ったテンクウは父がヨハネスブルクに替わって、はっきりスピード色は強くなった感じですね。
 このドスローとはいえ二の足で楽に番手に取りつけましたし、そこからの折り合い・コントロール面も悪くありません。
 ややコーナー出口からの加速地点でフォレストには見劣ったものの、そこから坂を登り切ったあたりでしっかり伸び脚を見せ、ここで10秒台に入ったかな?くらいの切れ味は見せています。
 ラストも推定11,3~4になりますので、ほぼ落としていないですし、序盤が問われなかったレースとはいえそこそこの持続力と切れ味を前目で使える、というのが持ち味になってきそうです。

 血統的にはもう少し前半のスピードが問われてもそこまで削がれるイメージはないですが、兄のイブキ自体ははっきり流れると甘い馬ですので、その辺どちらの血が強く出るか、という感じですね。
 ヨハネスブルクの仔にしては距離の融通は効きそうですが、それでも更にここから距離を伸ばして、となると、余程上手くレース全体をスピード色でコントロールする意識を持っていかないと、後半要素だけでは戦えなくなってくる感はします。いずれにせよ、次にどこを使うのか注目ですね。

 2着のニシノベースマンは明らかにスタートが悪すぎて、このレースは道中相当遅く、かつインが空く馬場状態だたので簡単にリカバーが効きましたが、いつもそうなるわけではないので、まずここを改善しないと安定して上位に加わるのも難しいでしょうか。
 血統的には新種牡馬ノヴェリスト産駒で、阪神の新馬で早々勝ち馬が出ていましたがあっちは消耗戦、対してこちらはスローからのヨーイドンで結果を出してきたのはひとつポイントになると思います。

 ただコース取りはみんなが避けがちのインをスルスル、ですので、字面の3Fはそこまで信頼は出来ず、最速地点からの動きとしてはテンクウと互角、でも血統的に多少力の要る馬場でも苦にしない、という利点も生きたのかな?という感はあって、この一戦だけで評価が難しい馬ですね。
 母系がニシノフラワーからの流れで母父タキオン、というところでも、もう少し泥臭いタフなレースになっても対応してきそうな面はあるので、スタートが改善しないとそういう特殊条件でないと、ってタイプになってしまいそうです。兎にも角にもまずはそこですね。

 3着フォレストガーデンも新種牡馬エイシンフラッシュ産駒で、中々にセンスある走りでしたが、もう少し引き上げても良かったのかな、というイメージですね。
 エイシンフラッシュは歴代の馬の中でもトップクラスに加速力に優れていた馬だと認識していますが、この馬もそれを受け継ぎ、12,7-11,3の出し抜き地点での動きは良かったと思います。
 でも父親と違ったのは、最大瞬間の切れ味そのものは平凡だったことで、そこで勝ち馬にスッと取りつかれてしまっていますし、ラストも食下がってはいますが上位2頭には完敗でした。

 総合的に見ると加速力とポジショニングの上手さが武器になってくると思いますので、一度平均ペースで淡々と刻むレースの中で、なるべく仕掛けを遅く、ラップ偏差の大きいレースになると面白そうです。
 その時に追走面で苦労しないようなら、未勝利レベルなら楽に勝てるでしょうし、その後も安定して上位に食い込む物差し的な馬になれる素養を感じましたね。

**★6/18(日) 東京6R 芝1400m戦**

 このレースは結果以上に一番人気のミヤビフィオーラの放埓三昧が話題を持っていってしまった感はありますが(あれだけレース結果の下の備考欄が埋まっているレースも珍しいですよね。。。)、その影で勝ち馬は中々強い競馬をしてきたと思います。

 展開はかなりばらついたスタートの中、1、3、4、15あたりの伏兵人気馬が先団を形成していきます。
 人気のミヤビも一歩目は凄まじく速く、そこから抑えて先団のやや後ろ、対称的に勝ったムスコローソは少しもっさりしたスタートからある程度押してリカバーして同じ位置取りになりました。

 ラップは36,8(12,27)-12,3-34,6(11,53)=1,23,7という推移でした。
 先の5Rほどではないですが、序盤中盤共にゆったり目に入っていき、ラスト3Fが11,4-11,4-11,8という流れで、ここでもコーナー出口での加速力はそれなりに問われ、ある程度流れた中での持続力面も5Rよりは重く問われたのかな?という感触です。
 このレースも結果的には前目内目を取った馬が上位ですし、素材面で展開の不利を圧して、というほどの馬はいませんでしたが、その中で勝ち馬だけは持続面で一段階違うものを見せてきたと言っていいでしょう。

 勝ったムスコローソは、スタートこそやや遅かったものの二の足はまずまずで、しっかり好位のインを確保できましたし、そこから内目を通して直線もスムーズでした。
 ほぼラスト200mはこの馬のラップですので、推定で11,2-11,1-11,8くらいかな、と思いますが、多少荒れた内目を通してしっかりラストまで持続力を引き出し、11秒台でまとめてきたのは、単調さが出やすいアメリカ血統の割には面白い競馬だったなと感じます。
 この馬は母系がダイナカールの血脈という分、日本的な競馬に対する適性や奥行きもありそうで、距離はもっとあっても大丈夫だと思います。

 2着のリンシャンカイホウは、スタートは良く前目を取れましたが、この流れの中で切れ味・持続力共に平凡で、勝ち馬には突き放される結果を見ると、スローからの後半勝負では辛いのかな、と感じました。
 ポジショニングの上手さを生かしつつ、もう少し全体のペースを引き上げる意識を持つようにして、それで活路を見いだせれば、とは思いますが、後半勝負だと未勝利レベルでも現状は苦労しそうですね。

 3着のエンクローザーもスタートから鈍く、直線も最内を完璧に立ち回ってこれなので、やや芝では厳しさを感じますね。
 トランセンドの仔ですし、次はダート戦を使ってきそうな感じで、そこで改めて真価を見たいかな、という所です。

**★6/18(日) 阪神5R 芝1600m戦**

 超高速馬場で、メインのマイル戦はレコード決着だった阪神のマイル新馬戦は、新馬らしからぬスピード勝負になった中、内を掬ったコスモインザハートがラテュロスの強襲を凌いで勝ち名乗りを上げました。

 展開はやや外目からナムラ、カクテルあたりが果敢に先行し、内からヒロノ、2着のラテュロスもそのグループに加わっていきます。
 3着のサナコはそれを見ながら中団外目、勝ったコスモは出足一歩でリカバーするも、流れがソコソコ速い中で追走に苦慮しつつ中団のイン、というポジションでした。

 ラップは34,7(11,57)-23,9(11,95)-35,4(11,8)=1,34,0(11,75)という推移でした。
 馬場の影響もあるのか騎手の意識も前掛かりで、このペースでも馬群はほぼ一団でしたし、その流れに乗っていった馬はまず一定の追走力は問われたと考えていいと思います。
 無論ベースが超高速なので難しさはありますが、少なくとも前半47秒の絶対的な素地を見せてきた馬がソコソコいるのは、今後注目していい観点だと思いますね。

 その中で中盤もさほど緩まなかったので、後半要素が極度に問われる事はなく、どちらかと言えばこの馬場で持久力戦の様相が強く出ています。
 勿論これでもペース的に無理がなかった馬は最後に持続力要素を引き出せていると思いますし、現時点での完成度と素材面がそれなりに問われたレースだったと感じますね。
 時計的には鵜呑みにしない方がいい面もありますが、ここの上位陣はそれなりに強いと思います。

 勝ったコスモインザハートは、序盤追走に苦慮しつつも上手く内目からじわじわ前との差を詰めてきて、直線入り口でしっかりインを掬う形で一瞬の脚を引き出してきました。
 その際にフラフラして他の馬に迷惑をかけたのはいただけませんが、それは騎手の判断面に拠るところも大きく、馬自身の問題ではないでしょう。
 ハーツクライの仔で、この時期にこのペースを追走して、一応なり一脚を使えたのは素材として評価できる面だと思いますし、馬主的な面での仕上がり早と、血統的な面での晩成傾向、どちらが強く出ていたかで今後の活躍は変わってくると思いますが、OPクラスまでは入っていけそうな印象がありますね。

 ただ、素材そのものとしては2着馬ラテュロスの方にスケール感を感じます。
 この流れの中でスタートは良く先団に入っていけたのですが、いざ勝負所でコーナーから反応が鈍く、他の馬にどんどん前に入られてしまったのが結果的には致命傷でした。
 勿論多少挟まれる不利もあったのですが、それ以前にスッと反応できるところがあれば回避できるところでしたし、どうも外に馬がいると怯むというか遠慮するというか、そんな雰囲気は出ていましたね。

 最後200mを切ってから大外に持ち出し、その時点で抜けたコスモとは4馬身以上の決定的な差がありましたが、それをほぼラスト100mだけで詰めてきていました。
 上がりの字面はコスモの方が速いのですが、コスモは推定11,4-11,4-12,1ときっちり脚を出し切っているのに対して、この馬は11,8-11,8-11,3くらいに見えて、かなり歪な脚の使い方になってしまっていると考えます。

 少なくともレース前半はコスモより楽に追走できていて、その点で担保がある上でまだはっきり脚を余しているので、能力的には未勝利クラスでは確勝レベルでしょう。
 でもこのレースの不器用さを見ていると、内で包まれたりすると危うさは多分にありそうで、しばらくはある程度ポジションを下げてでも、外目を伸び伸びと走らせる競馬に徹した方が成績には繋がるのではないか、と思います。
 追走力の高さと、外から自分のリズムで仕掛けて持続力面をしっかり引き出せる点が噛み合ってくれば、重賞レベルでも戦えるイメージは持てる1頭ですね。ぜひ桜花賞路線に乗ってきて欲しいです。

 3着サナコも、外目から早めに動いていっての結果なのでそう悲観する負け方ではないですし、今回は枠も恵まれませんでしたので、内目からすんなり先行出来れば未勝利クラスでそこまで苦労する事はないのではないかと思います。
 ダイワメジャーの仔らしく機動力がありそうですので、高いレベルではその辺を武器にしていきたいですし、このレースに限って言えば、ラテュロスとサナコは真反対の競馬をした方が噛み合った可能性は高かったと感じますね。

 あとカクテルドレスはこの流れの中で積極策から良く粘っていると思いますし、もう少しレースをコントロールできれば次で充分狙える馬だと思います。

**★6/18(日) 函館5R 芝1200m戦**

 こちらもメインで1,06,8が計時される超高速馬場でしたし、総合的な時計面ではなんとも、ですが、勝ち馬のナンヨープランタンは中々に味のある競馬をしてきたなと思います。

 展開は大外から2着カシアスが逃げてサージュミノルがそれを追走、内からキングや3着リンガラも先行争いに加わっていきます。
 勝ったナンヨーはややもっさりしたスタートで、追走もやや苦慮している感じでインに寄せつつ鞍上が道中促し続けていました。

 ラップは34,7(11,57)-35,1(11,7)=1,09,8(11,63)という推移でした。
 ただこのレースはハーフで見ると平均ペースに見えますが、細かく見ると結構違う様相が見えてきます。
 折角なので全ラップを載せますと、12,4-10,8-11,5-12,0-11,4-11,7となっていて、実は中盤がかなり遅く、かつ直線手前で12,0と明確に一息入って緩んでいる、というところがポイントです。
 その分直線入り口で再加速していて、そこでの反応が問われるところもあったのと、後は後ろから押し上げる中で緩みに乗じることが出来た、それこそ先週のユニコーンSのようなメカニズムは一定働ているレースだと見ていいでしょう。

 ただ勝ち馬のナンヨープランタンが、その緩みに乗じて噛み合った勝ち方をしてきたか、というと決してそうでもないのが面白いレースたる由縁でもあります。
 少なくとも言えるのは、本質的に1200mでは絶対的に短く、追走面で苦労していたところ、12,0地点で一気に、とはいかずともある程度差を縮めることが出来たのは、レース全体でスピード負けしなくて済んだ最大の理由になるでしょうし、その上でこの馬はラストの持続力面で良さを見せてきました。

 直線入り口から外目に出して、でも加速地点で差を詰めるほどではなく、残り200mで先に抜け出したカシアスとはおよそ3馬身差、しかしレースラップ11,7の地点で一気にそれを差し切っています。
 なのでこの馬自身の上がりは11,8-11,4-11,2くらいでおそらくはラスト1F最速、確実に距離延長で噛み合う適性を見せてきたと思いますね。

 ですから、この勢いで函館2歳Sとか使ってきた場合、同じように取り付く場面があればいいですが、レース全体が前傾の一貫減速消耗戦とかになった時には、余程馬場が重くなっていてラスト1F12,5とかかかる条件でもない限り厳しいのではないかと感じます。
 血統的にもルーラーにスペシャルウィークで、いかにも2400mくらいで走りそうなところはありますので、ここで無理せず中央開催まで待つか、2歳Sを使うにも新潟か札幌にすべきかな、と感じます。ただ新潟ですと最速地点で切れ負けする懸念もありますし、その辺は難しいところですね。

 逆に2着馬のカシアスは、再加速ラップで後ろを出し抜く上手い競馬は出来ていますが、この日の馬場ならよりスピード勝負に徹してしまった方が強かったのではないか、という感じはします。
 勿論そこはやってみないとわかりませんし、血統的にもキンシャサの仔で、母系がディラントーマスと欧州2400m血統なのが面白味はありますが、少なくともここでは1200m戦らしいレースには作っていないので、今後距離延長を視野に入れるならそれはプラス、スプリンター路線を目指すならさほど武器にはならないと思いますかね。
 
 

 

 
posted by clover at 04:07| Comment(0) | レース回顧・中央競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017 6月第3週新馬戦 レース回顧(土曜編)

 今週から3場開催で新馬戦も沢山レース数がありますので、土日に分割して書かせてもらおうと思います。

**★6/17(土) 府中5R ダート1400m戦**

 今週からはダートの新馬戦も始まりました。
 このレースでは、人気になっていたパーラミターがどう頑張ってもゲートに入ってくれなくて除外、という珍事があり、直前で大きく人気が動きましたが、結果的に圧倒的1番人気になったマイネルユキツバキ(個人的にこの名前の響き、綺麗で好きです)が完勝しました。

 ややバラッとしたスタートから、内枠のコスモジョーカー、タマスカイブルーの2、3着馬が先手を取り、縦に長い隊列を紡ぐハイペースでレースを先導していきます。
 ユキツバキはスタートこそ五分でしたが二の足がかなり良くなく、序盤は中団の外目を追走、そこからずっと押っ付けつつ、少しずつ前との差を縮めていく形になりました。

 レースラップは35,8(11,93)-12,4-38,9(12,97)=1,27,1(12,44)という推移でした。
 全体時計としては、3歳未勝利の勝ち馬に千切られた2着馬が1,26,9で、最終の500万下マイル戦が1,37,3なので、馬場自体はそこそこ時計はかかっていたと思いますし、その中ではまずまず、とは言えるでしょうか。
 ただレース自体は一度も加速ラップを踏むことがない一貫減速戦で、前後半で3秒もラップの開きがある極端なレースになっていて、この時点で高い追走力か、後半の持久力がないと難しかった、という印象です。

 勝ったユキツバキは、道中ペースが速い前半3Fはまるでついていけず、そこからじわじわと詰めてくるものの、最後のコーナーと坂地点では目立った伸び脚は見せられず、結果的に坂を上ってからラスト1Fの持久力面で良さを見せてきた感じだと思います。
 このレースぶりですと明らかにもっと距離は欲しいですし、相対的にタフな馬場のほうが良さそうで、その視座だと中山1800mなんて合うかな?と思うんですが、一方ですごく不器用さも感じます。
 今回は外枠でスムーズに前を追い掛けられたのが良かったですし、相手関係にも恵まれましたが、内枠だったり、よりスピード色の強い場面では疑ってかかりたいところですね。

 血統的にもアイルハヴアナザーの仔なので、とりあえずダートは走る、とは思いますが、今回もワンペースになったのが功を奏した感はあり、要所での加速や切れ味を問われる条件でどこまで食下がれるか、また2戦目以降でどれだけ伸びしろを見せられるか、ですね。

 2着のコスモジョーカーも、勝ち馬同様にラフィアン軍団という事で仕上がり早でもあったでしょうし、スタートセンスの良さと先行力、追走力を存分に生かしての粘り込みだったなと感じます。
 この馬は逆にあれだけ前半要素で良さが出るなら、現状は1200mのほうが競馬はしやすいかもしれないと思いますし、スピードで押していける強みがあるのでコツコツ安定して走ってくれると思いますね。

**★6/17(土) 阪神5R ダート1200m戦**

 阪神のダートは府中よりは少し軽かったかな、と思いますが、こちらも一貫減速戦になる中、番手から最後の200mでしぶとく脚を伸ばしたゴールドクイーンが完勝しました。

 スタートして、内からやや出負けをリカバーするように押してハナに立ったのがメイショウキタグニで、その番手にスッとゴールドはつけ、その外よピッタリマークするような形で3着馬のマッスルマサムネが追走していきます。
 2着に入ったヴィグラスファイアは、1歩目こそ互角でしたがそこからの加速力がやや心許なく、一気に中団まで下がって追走で汲々となっていたように見えました。

 ラップは35,0(11,67)-38,4(12,8)=1,13,4(12,22)という推移になりました。
 わかりやすく綺麗な減速戦で、追走力以外の要素はせいぜいラストの持久力くらいで、全体的に淡泊な競馬ではありましたが、その中で勝ち馬はポジショニング、追走力、持久面において安定して高いものを見せたと思います。
 残り200mまではぴったりマサムネに張り付かれていたのを、この馬自身かなりの減速ラップとは言え最後の1Fで3馬身離したのは悪くない競馬でしたし、そこの脚は1頭だけ群を抜く末脚で伸びてきたヴィグラスにも遜色はなかったように思えます。
 この感じなら、もう少しコントロール出来るなら1400mまでは、という感じはありますが、血統的にもシスターミニスターにタイキシャトルと短距離色は強く、淡泊さも感じるところはあるので、今後相手が強くなってどうか、というのは難しいところですね。

 2着のヴィグラスファイアは、この馬は距離延長がいいと感じる出足の鈍さですが、ただコーナーでしっかり差を詰められている事と、ラスト1Fで一応勝ち馬に2馬身くらいは詰めている持久力は悪くなかったと思います。
 名前からわかる通りのサウスヴィグラスの仔ですが、この馬に関しては1200mの馬には感じないですね。最近はこの産駒も、ヒガシウィルウィンのように大井の2000mまでこなす万能性を時折見せてきているので、血統イメージに縛られず距離延長を試して欲しいところです。
 阪神、京都の1400m戦は合うと思いますし、後はもう少し出足を磨ければ、ですね。

 3着マッスルは、道中ずっと外、という面もありますし、それでも最後の失速からすると、前傾戦で良さが出るタイプではあまりないのかな?とは感じましたね。
 ヘニーヒューズの仔なのである程度スピードがつく条件の方が噛み合うかもですし、もう少し自分のリズムでじっくり構えられれば、後半要素で光るものを見せてきそうな印象はありました。

**★6/17(土) 函館5R 芝1000m戦**

 夏の函館開催の最初の新馬戦は、これも伝統的に決まっているのか芝の1000m戦となりました。
 この土日の函館の馬場は超高速でしたので、57,7という時計そのものは平凡ですが、勝ち馬はそこそこ面白い競馬を見せてくれたと思います。

 バラついたスタートから、内枠の伏兵ラヴバインドがハナを取り切り、それをイイゾが番手でマーク、その外に2着馬のディアバビアナがいました。
 勝ったベイビーキャズはスタートでかなり出負けしたものの、そこから押して押して先団までリカバー、その分やや掛かり気味なのを今度はコントロールしながら直線に入っていく形でした。

 ラップは23,3(11,65)-11,4-23,0(11,5)=57,7(11,77)という推移でした。
 1000m戦はほぼ上級条件がないので何とも言えないところはありますが、展開的には4コーナーでほんの僅かだけでも加速ラップは踏んでおり、馬場も馬場でしたから、実質的にはある程度コントロールしてからの一足、持続面をそれなりに問われたのかなと感じます。無論追走できなかった馬はそれまで、という展開でした。

 勝ち馬は2F目の最速11,0地点で結構無理目にリカバーして入っていき、そこから一度ブレーキという結構ちぐはぐな競馬をしていて、それでも直線外からの伸び脚は鋭く、また最後まで減速しませんでした。
 この馬自身は11,4-11,2-11,3くらいでラストは乗り切っていますし、コーナーでの機動力的にはそこまででもないですが、ラストの持続面はまずまずの資質を見せたと感じます。

 こういう差し足を使える馬は、比較的函館2歳Sなどに繋がる場合があるので、まだ色々鵜呑みに出来ない面はありつつも、それなりに評価できるのではないかと思いました。
 出来れば今回の出負け癖は解消させたいですし、スムーズに流れに乗る形での先行が板についてくれば面白さはありそうです。
 血統的にもアルデバラン2に母父スウェプトオーヴァーボードとか中々に渋いですし、後々ダンスディレクターのような短距離の差し馬になっていく資質の片鱗をチラッと醸した、かもしれませんね。

 2着のディアバビアナもスムーズに流れに乗っていい競馬をしていますし、やや早熟傾向があるマツリダゴッホ産駒ですから、昔風に言えば折り返しの新馬、すぐの未勝利戦でしっかり勝ち切る競馬を試みてくるかなと思います。
 1200mになっても、しっかりコントロールできそうなので問題ないですし、要所の機動力は勝ち馬より上に思えたので、その武器を上手く使って立ち回れれば、と感じます。 
posted by clover at 04:07| Comment(0) | レース回顧・中央競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017 6月第3週海外GⅠ レース回顧

**★フランスオークス [レース映像](https://www.youtube.com/watch?v=AdpiCUwpl6w)**

 日本のオークスとダービー週に、ルメールJがフランスではダービーよりオークスの方が人気がある、という談話を出していたと思うのですが、今週はその、フランスで二番目に盛り上がるという仏オークスが開催されました。
 このレースが大切にされている証左として、牡馬2冠は中2週の開催なのに、牝馬2冠は中4週とゆったりローテーションが取れる形になっていて、しかし今年は仏1000ギニーからはめぼしい上位馬はこちらに回ってきませんでした。

 あのレースの勝ち馬はコロネーションカップでウィンターと3歳牝馬最強マイラー決定戦をやるようですし、サンタラリ賞勝ち馬のソーベツも英オークスに参戦したため、ここは比較的大人メンバー構成になった気がします。
 それでも英オークス2着のロードデンドロンが遠征していたりと、面白いメンバーが揃った中で、しかしこのレースを制したのは1000ギニー11着から巻き返したセンガという伏兵馬でした。
 
 レースは比較的有力馬が後方につける中、伏兵陣が中々いいペースで飛ばしていって、前半の1100mが65,1となっていました。
 そこから2Fは25,2と比較的緩み、そこから12,3-11,5-11,8くらいで勝ち時計が2,05,97ですので、前半ある程度追走は問われつつ、レースの仕掛け自体は遅かった、と見ていいでしょう。
 その上で、内にいた先行馬が大抵バテて早く下がっていったことで、内の隊列が非常にごちゃつき、それを尻目に最速地点で一気に外の馬が出し抜いて勝負を決めた形になっており、かなり展開の綾が見え隠れしているレースでもあると思います。その煽りを大きく受け、インで落馬したロード&ムーアJは心配ですね。

…………追記、落馬したのはスミヨンJの馬ですね。ロードは道中での競争中止でした。訂正させていただきます。

 勝ち馬はスムーズに中団よりやや後ろの外目を追走できていましたし、11,5地点での抜け出しの切れ味が素晴らしく、そこからの持続力面でスタミナタイプがラストドッと迫ってはきますが、それを悠々退ける強い競馬でした。
 これまでマイルGⅠでは完敗ばかりでしたが、距離が伸びて後半要素を高めてきた感がありますし、2400mでも、というところはありそうなので先が楽しみですね。
 ただ血統的に父ブレイムでエーピーインディの肌とは、完全にアメリカ血統なのが驚きで、こういう馬がフランスで走るものなのか、とは感じましたね。

 稀代の名牝ゴルディゴヴァの2番仔であるテラコヴァもかなり人気を集めていましたが、最後猛然と差し込むも3着と惜しい競馬で、ただ素質の一端は見せたので今後も注視していきたいところです。


**★スティーブンフォスターハンデキャップ [レース映像](https://www.youtube.com/watch?v=yetXgfTXAXA)**

 こちらはドバイでアロゲートの驚異的なパフォーマンスに脇役とならざるを得なかったガンランナーの、アメリカ帰国初戦となりました。
 相手関係も楽で当然のように1番人気に押され、好スタートから楽に先手を取ってタフなペースを刻んでいきます。
 大体のラップが23,6-23,6-23,5-24,1-12,7=1,47,56となっていて、一貫してハロン12秒を切るラップを作りつつ、最後までバテずに突き放す一方と、非常に強い競馬ですし、時計面も優秀です。

 ラスト100mくらいは全く追っていませんし、それで12,7はかなりのもので、いよいよ本格的に力をつけてきたなと感じますね。
 今なら1800mまでならアロゲートにもワンチャンス作れるかも、と思えますし(2000mでは無理でしょうけど)、来年のペガサスワールドカップで面白くなりそうです。

 今日は、というより今週はちょっと時間がなかったので簡素な記事になりました。
 この先は明日明後日で土・日の新馬戦回顧をして、金曜日はアスコットミーティング前半戦のレース回顧をしたいと思っています。
posted by clover at 04:07| Comment(0) | レース回顧・海外競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする