2017年06月18日

2017 アスコットミーティング後半戦 レース回顧

 今回は、アスコットミーティングの3日目から5日目にかけて開催されたGⅠレースを振り返っていきます。

**★ゴールドカップ [レース映像](https://www.youtube.com/watch?v=xA4Xw3V82hk)**

 アスコットミーティング長距離レースの花形とも言える、伝統の4000m戦、アスコットゴールドカップは、長距離戦らしく出入りの少ない淡々とした流れの中、逃げた2番人気のビックオレンジが、圧倒的1番人気のオーダーオブセントジョージの追い込みをギリギリ凌ぎ切って戴冠しました。

 今年から距離の表記が20Fから19F210Yになっているのは、改めてきちんと計測したら、って事なんでしょうかね?イギリス競馬の場合、以前のダービーもそうですが、こういう時にスタート地点をずらして距離に合わせるのでなく、今まで通りのスタート地点からの距離に合わせるのが面白いところです。
 その中でのレースは、長距離戦に実績のある人気の2頭がしっかり実力を発揮しての白熱した一戦になったと思います。

 ビックオレンジはスタートから逃げて上手くレースの流れを支配していましたし、その上で直線入り口でしっかり後続を出し抜く脚が残っていて、本当にスタミナ豊富な馬だなぁ、というイメージです。
 日本でもこの馬は、去年のメルボルンCや香港ヴァーズに出ていたので名前を知っている人も多いでしょうし、今年もおそらくメルボルンCへは遠征すると思うので、いよいよ長距離馬としての円熟味を増してきた今なら、これまでの2回の挑戦より良い成績を残してくるかもしれません。

 オーダーオブセントジョージも、去年の凱旋門賞で外枠から横ポツンスタートを決め、そこからじわっと先団に取りついてハイペースを演出、オブライエン厩舎の上位独占に一躍買ったシーンを記憶に留めている人は多いでしょう。
 今年も春シーズンは得意の長距離戦に専念、という形ですが、去年のこの時期には破竹の6連勝を決めていたのに対し、今年は肝心な所での取りこぼしが目立ちます。

 このレースでも、残り150m付近の脚勢なら交わすかな?と思っていたのですが、そこから馬体を合わせに行って、相手もしぶとさを発揮したとはいえラスト少し鈍っている感もあって、去年ほどの勢いは感じないですかね。
 この馬もまた凱旋門でラビット的なスタンスで出てくる可能性はあるので、今後のレースぶりにも注目しておきたいところです。

**★コモンウェルスカップ [レース映像](https://www.youtube.com/watch?v=EvZYZg4u3Rc)**

 こちらはまだ創設されて3年目の3歳限定の1200mスプリント戦ですが、前2年は勝ち馬がその後古馬混合のスプリントGⅠを勝っているなど、注目のレースになりつつあります。

 その中で今年は、2歳時からスプリント路線に専念し、未だ無敗のカラヴァッジオが圧倒的な人気に押されていました。
 レースでも中団につけたカラヴァッジオが、先行して粘るハリーエンジェル、プルーポイントの2頭をインからしぶとく交わし去り、デビューからの連勝を6に伸ばしました。
 2、3着馬も、2歳時からの1000~1400m路線で全く崩れるところのない堅実なスプリンターでしたし、実績・人気上位の3頭がしっかり凌ぎを削ったという点では見所のあるレースだったと思います。

 ただ一方で時計面では1,13,49はかなり平凡ではあります。
 この後紹介するダイヤモンドジュビリーSと同距離での開催の為に、レベル差がはっきり見えやすいのですが、2015年の勝ち馬ムハラーは、このレースでダイヤモンドジュビリーSより好時計で勝って、その後引退まで怒涛のGⅠ4連勝を決めましたし、去年の勝ち馬クワイエットリフレクションは、ダイヤモンドジュビリーSより0,7秒ほど遅い時計で勝って、その後の混合GⅠでは勝ったり負けたり、というところでした。

 その尺度で見ると、今年のダイヤモンドジュビリーSは1,12,02で決着しており、馬場表記も共に堅良ですので、少なくとも今すぐに古馬戦線に混じって大活躍できるレベルにあるか?という部分は疑問視してもいいのかなと感じます。
 勿論未だに負けていない、という部分で、相手なりにしっかり走って捻じ伏せる強さを見せてくれるかもしれませんが、今は古馬のスプリント戦線も結構層が厚いですし、それ以上にキングズスタンドSを勝ったレディーオーレリアが強烈でした。
 正直レディーオーレリアは、このアスコットミーティングの短距離GⅠ3レースのどれに出ていても勝ったんじゃないか?って気はしていますし、ここは相手に恵まれた、というイメージは強いので、勝ち馬は今後の成長でそれを払拭できるかが注目ですね。


**★コロネーションステークス [レース映像](https://www.youtube.com/watch?v=D8RsMrcE8RA)**

 3歳牝馬のマイル戦、コロネーションステークスは、英愛1000ギニー馬のウィンターが圧倒的な人気に押され、それに応えて完勝しました。
 道中は先頭列が雁行になる中で、外目の枠からスッとインに潜り込むムーアJらしいタイトなポジションで、そこから綺麗に馬群を割って突き抜けて見せました。
 2、3着にもオブライエン厩舎の馬が入りワンツースリー、これも欧州の競馬シーンではよく見る光景ですね。

 英愛ギニーからこのレースまでの3連勝というのは、近20年ではアトラクションが無敗で達成した意外で例のない偉業です。
 レース間隔も詰まっていますし、実際ほぼ同じレース間隔で走ったチャーチルはセントジェームズパレスSで崩れたように、かなりタフなローテーションのはずを全くものともせず、というのは素晴らしいですね。
 しかもこの馬は、ギニートライアルも使っているからシーズン4戦目ですし、ほぼ似たようなローテで2着のローリーポリー共々、その強靭さと、厩舎のケアの上手さには驚きです。まあチャーチルはダメだったので常に完璧、ってことはないのでしょうけど。
 ただアトラクションも、その後の戦績的にはやや萎んでいった感はありますので、ここから先の活躍でそれを超えることが出来るかも注目です。

**★ダイヤモンドジュビリーステークス [レース映像](https://www.youtube.com/watch?v=BhXBO1C2GNU)**

 こちらは多頭数で大激戦の様相を呈する中、インから馬群を上手く縫うように進出した、昨年のブリティッシュスプリントなどを制しているザディンマンが差し切っての勝利を収めました。
 先行したのは、2年前のハイレベルなコモンウェルスカップの2着馬で、去年もジュライカップやフォレ賞など、伝統的なスプリントGⅠを精している1番人気のリマトでしたが、これを真後ろでしっかりマークしていたタスリートが要所で一気に差を詰めてきて、同時にインから馬体を寄せてきたザディンマンとの間に挟まれるような感じで最後は失速と、そのあたりはややラフなレースになった印象もあります。

 けれど時計的に、この1,12,02はおそらくレースレコードになっていて、コースレコードも上記ムハラーが2015年のコモンウェルスカップで計時した1,12,05っぽいので、こちらのレースレベルが例年より高かった、という見立ては出来ると思います。
 上位3頭は実績のある人気馬でしたし、今年のこの夏以降の欧州スプリント路線はかなり実力伯仲で面白いレースが続くのではないか、と、このアスコットミーティングでの上位馬の走りは予感させてくれましたね。
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2017 宝塚記念 レース回顧

 夜半からの雨で渋りが残り、空模様も曇天の中行われた宝塚記念は、香港ヴァーズであのハイランドリールを破ったサトノクラウンが、このレースでも重い馬場を味方に一気に外目を突き抜け、単勝1.5倍のキタサンブラックが馬群に沈む中で、国内初GⅠタイトルを獲得の大仕事をやってのけました。レースを振り返っていきましょう。

 まず馬場状態からですが、正直雨量としては全く予想が外れた、というところですね。
 午前中の時点で稍重でしたし、流石に昨日に比べれば内外ともに時計はかかっていましたが悪化は限定的だったと思います。
 外回りの新馬戦も1,48,7の好時計、内回りの500万下2200m戦がややハイペースで2,13,0、1000万下1200m戦がやや前傾で1,08,9なので、昨日よりは1~1,5秒くらいかかる馬場だった、と考えていいでしょう。
 元々がレコードの可能性も見える超高速馬場でしたので、そこから1,5秒足しての2,11,4という勝ち時計は、500万下と比較しても水準だと思いますし、ただレースの様相としてはまるっきり予想しない形で展開していったな、と、反省材料の多いところです。

 まずスタートから、キタサンは悪くないスタートでしたが、最序盤は内の馬の動きを見る形でゆったり出していく中、インから先手を取ったのはなんとシュヴァルグランでした。
 最近スタートが改善されている、と書いたのであのくらいの先行力は驚きませんが、しかし前に壁を作らずそのまま逃げの手に出るパターンは考えていませんでしたし、かつそれにシャケトラがぴったりついていけたのもちょっと驚きでしたね。

 或いはこの辺り、2頭で呼吸を合わせて前目を取ってしまい、キタサンに外を回らせよう、という戦略的暗黙の了解はあったかもしれませんが、それにしても今日のキタサン&武Jは消極的な入りではあったと思います。
 枠順の差はありますが、結果的に去年の方が重い馬場で前半3F34,7で入っていった馬なので、今年の35,2の入りであの位置、というのは、数字面から見ても想定外ではありますね。

 そのあたりの検証はまた後述するとして、他でも特に大きく出遅れた馬はいませんでした。
 今日はまともに出たミッキーロケットは先団に入っていき、クラリティシチーも内目から先団、ゴールドアクターは逆に少し下げつつ外に出して、最初からキタサンを見て動ける位置を狙っていたのかな?という感じはありました。
 サトノクラウンは出たなりに中団の外目でやはりキタサンマーク、ミッキークイーン、レインボーライン、ヒットザターゲットが後方から、という競馬になっています。

 ラップは今回中々面白い推移をしていますが、3-2-3-3Fで取って、35,2(11,73)-25,4(12,7)-35,1(11,7)-35,7(11,9)=2,11,4(11,94)となっています。
 プレビューでテンが流れやすいレース、と書きましたが、今年はそれとはまったく様相の違うレースになっていて、第一、第二ブロックはレース平均よりかなり遅いのですが、第三ブロックが極端に速く、かつレース内でも最速のブロックになっています。
 
 この流れを作り出したのがサトノクラウンのデムーロJなのは画面で見ての通りですね。
 1コーナーから2コーナーで一気に流れが遅くなり、前半1000m通過が60,6とややスローに流れる中、外からキタサンを積極的につついて、被されたくないキタサンにロングスパートをさせるように上手く仕向けています。
 その結果として残り1200m地点から一気にペースが上がっていて、けれど極端に切れ味を問われるほどではない、11,6~8のラップを5F続ける形になっています。

 この展開ですと概ねスローからの6Fロンスパで、その中に切れ味の質や機動力面をほとんど問わない持久力特化戦になっている、と見做していい点がひとつ、その上でこのペースを外々から追走した時に、今日の馬場だと持続力ラインに踏み込んでしまうのではないか?という問題提起を見出せるラップ推移ではないかと思います。
 この馬場でも後半の1200mは1,10,8とかなり速い時計を出してきており、その1200mの中では息を入れる地点は全く作れない、という中では、当然道中の立ち回り、脚の使い方次第で結構な明暗が出ているのではないか、と考えられますね。

 兎にも角にも、勝ったサトノクラウンにとっては、キタサンがより前半からタフなペースを作りに来なかったのは勿怪の幸いでしたし、その上で自身が最も得意とする、切れ味を必要としない持久力特化戦に上手くレースを使嗾したデムーロJのスーパーファインプレーの合わせ技、と見ています。
 一連のレース、去年の宝塚などでも、前半からある程度追走を問われると後半の良さが出なくなるのは確かで、その点今年は前半60,6というスローの流れを中団やや前くらい、自身61,0を超えてくるラインで進めることが出来ました。
 そして何より凄みがあったのは、その前半で養った余力を、一度スッと押し上げるように見せかけてキタサンが動かざるを得ない状況を作り切ってから、自身は悠々ともう一度ポジションを下げ、レース全体の流れに乗るだけで直線を向くまでじっと我慢していたことに尽きるなと思います。
 
 大阪杯でも似たようなレースで負けている、と考えがちですが、あのレースとこのレースで違うのは、勝負所の3~4コーナーでほぼ切れ味が問われていない部分です。
 大阪杯は実質キタサンの位置でもコーナーは11,2-11,2くらいに入っていましたし、それを後ろから追い掛ける上では絶対的に持続力ラインに踏み込まざるを得ず、そうなると切れ味と持続力で甘いサトノには辛かったわけですね。

 ただこの馬の最大の武器は、有酸素運動状態の中でなら、道中息を入れるタイミングがなくても、淡々と長くいい脚を使ってこられる、というところで、要するにスプリンター寄りの性能は低いけれど、マラソンランナー的な持久力が非常に高いところにあります。
 その特徴をしっかり把握していたのでしょうか、それともデムーロJの天才的な閃きがあの地点での一瞬だけの押し上げを選択させたのでしょうか?
 ともかくあの1000m手前地点でならレースラップ12,3なわけで、そこで一脚を使っても自身は11,8程度までの加速で済みます。
 とはいえ実質的には他の馬より1F近く早くスパートしての、7Fロンスパの競馬をこの馬はしていると思うのですが、それでも全くバテないあたりはゴールドシップを彷彿とさせる素晴らしい持久力性能だと思います。

 もうひとつ凄かったのは、コーナーで外からレインボーラインが押し上げを狙う中で、敢えてそれに完全に張り合わず、無理に外に出すこともなくじっと我慢していたことでしょう。
 まあこの辺りは、前にいたのがキタサンなのでまず抜け出す、当てにできるという目途もあったからでしょうが、結果的にこの挙動も大正解だったと思います。
 キタサンの項でも触れますが、今日の馬場の中で先頭列3頭はかなり馬場の外目を回していて、ラップの字面以上に距離ロスから来る速度面での負担はあったのではないかと思うのですね。

 レースラップが11,6~8という事は、そこで押し上げたり、或いは外々を回ったりすれば、どうしても実質的に11,3~5くらいの脚を使わされる計算は成り立ちます。
 そうなるとこれは微妙なところですが、今日のやや重くなった馬場なら持続力ラインに入ってくるのかな?という見立ては可能で、そこで一旦無酸素状態のスパートを取らされた馬は直線では厳しかった、と考えられると思います。

 なので、もしもサトノがレインボーラインに付き合ってキタサンの外に張り出しながら早めに動いていたら、それでも上位には来たでしょうがラストで少し止まって2~3着に落ちていた可能性はかなり高いと見ていて、そこも素晴らしい騎乗だったと褒めたいところですね。
 前を動かして自身の得意な波のない超ロンスパに持ち込みつつ、自分自身の仕掛けは最後まで我慢するという立ち回りは、馬の資質をはっきり見極めていないとまず出来ない芸当にも思えますし、そのあたりは流石に智将・堀厩舎の管理馬だなぁと思います。
 実際今回も、前回の敗戦を踏まえてのコメントが沢山出ていましたし、二の轍は踏まないという意思と、その上で自在に位置取りや仕掛けどころを選択できる余地のある大外枠を最大限に生かした作戦はあったでしょう。それをレースの流れの中でデムーロJが完璧に掴み切ったからこその戴冠だったと感じます。

 そして2着のゴールドアクターも、その外の攻防を尻目に見事な出し抜き作戦でしたし、綺麗に嵌りかけましたが、最終的にはやや馬場が渋った事と、サトノクラウンの強烈な持久力に捻じ伏せられる結果になりましたね。

 最序盤の挙動からしても、ある程度キタサンをマークするポジションを取りつつ、走りのリズムの中で馬場も選択できる絶妙な場所にいたなぁと思います。
 サトノの仕掛け、そして3コーナー過ぎからのレインボーの仕掛けで外の動きが活発になる中で、前にいたスピリッツミノルが当てにならない点も踏まえて早々にインに潜り込むことを選択し、馬自身もこの程度の悪馬場なら、というところでしっかり鞍上の檄に応え脚を伸ばしてきました。

 ラップ的な観点からしても、外々を回した馬が辛い絶妙な範疇での持久力戦になっている中で、常に有力馬の中では一番内目を立ち回っていたのは流石の戦略眼でしたし、その上でこの馬の持ち味である要所の一足の鋭さもきちんと引き出してきました。
 結果的に春天上位組が崩れて、春天で勝負という観点での競馬に参加していない組がこぞって上位に来たあたりも含めて、一連の流れの中でしっかり結果を出してくるのは素晴らしいところだと思いますね。

 馬自身もやはりグラスワンダーの系譜としてのグランプリホースの血が騒いだのか、結果的に馬場が悪化し切らず、時計水準的にも普通の年の良馬場くらいの時計になったのもプラスだったでしょう。
 少なくとも噛み合えばまだまだ一線級の力はある、と証明しましたし、新興勢力も多い中でまた暮れの有馬を最大目標に頑張って欲しいですね。

 3着ミッキークイーンは正直展開的にはそこまで噛み合っていないと思いますが、立ち回りはかなり良かったですし、このメンバーでも戦える持久力の担保を有馬記念に続いて証明してきたと言えそうです。
 スタートから少し行きっぷりが悪く、あそこまで後方になるとは思いませんでしたが、結果的にスローロンスパの展開の中でじっと前の動きを見つつ我慢できたのは良かったですし、直線入り口でインから外目に持ち出す流れも、いつかのデニムアンドルビーを思わせる必殺のコース取りで見事だったと思います。

 ただ惜しかったのは、直線を向いてすぐに、内からふらついたミッキーロケットと接触してやや勢いを削がれてしまったところでしょうか。
 正直同じ勝負服同士でなにやってんねん、って話ですけど、基本的には加速する余力を持てない減速ラップ戦の最中なので、多少なり坂の手前でブレーキを踏まされたのは痛かったと思いますし、スムーズなら2着まであったか、はともかく、確実にもう少しは肉薄していたと思います。
 この馬の動きですとほぼ持続力面には踏み込んでいないかな、と思いますし、ある程度時計が速い状態での持久力戦でもやれてしまうのがこの馬のいいところですね。
 ある意味前半が流れなかった秋華賞みたいなレースですし、そこでラストまで落とさず食い込んでこられるあたり、牝馬相手よりタフなレースになりやすい牡馬相手の方がいいのでは?と思うタイプの牝馬です。

 4着シャケトラの健闘も光りました。
 この馬もスローからの持久力特化戦では日経賞を見る通りにかなりの素材で、スタートを完璧に決め、シュヴァルグランとの阿吽の呼吸でペースを落としつつ、最大のライバルであるキタサンに外を回らせたのは素晴らしい戦略だったと思います。
 ただこの馬の立ち位置ですと、結果的にキタサンに捲られ切ってしまっては意味がないので、サトノの押し上げのタイミングからつられて自分も動くことになったのはやや誤算はあったでしょうし、コーナーではキタサンの1頭分内とはいえ、それなりに外を通していたので、この馬自身も持続力ラインに踏み込んでしまった可能性はかなりあります。

 ルメールJの意識としては、春天・ダイヤモンドでキタサンに取られた、コーナーで引き上げて外を回す馬を持続力ラインに踏み込ませる戦法の意趣返しをしてやろう、という感は強くあったと思いますが、前にいたシュヴァルも外目に出してきて、キタサンもじわじわプレッシャーをかけてくる中でのバランスの取り方は難しかったですかね。

 それでも4着と崩れていないあたり、持久力が強く問われるレースでの強さは本物だと思います。
 この感じですとサトノよりは前半に融通も効きそうですし、常に今日くらいのポジショニングを指向できる安定感が加わってくれば、この秋の2400m~2500mの大レースで大きな仕事をやってのける可能性は充分に感じさせたのではないでしょうか。 

 5着レインボーラインは、最後は外に出して欲しかったですけど、コーナーから外々を捲り上げる強気の競馬をしてしまうと流石に甘かったなぁ。というところです。
 この馬はコーナーで一番外を通し、かつ押し上げていますので、確実にそのコーナー出口の地点で持続力ラップを踏んでいると思います。
 流石にそうなるとそこから更にいい脚を持続させる、というのは、全体的にタフな展開の中では至難の業でしたし、まだ自分から勝ちに行ってどうこう、という馬にはなっていなかった証左とも言えます。

 個人的にはミッキークイーンの競馬が出来ていれば上位争いだったと思うのですが、でも出し切ってなんぼの馬なのも間違いないので、そのあたりのバランスの取り方は難しいですね。
 今回はルメールJの大戦略とデムーロJの素晴らしい閃きの噛み合いが、こんな異端なレースを生んだとも言えますし、実際第三ブロック最速なんて過去を遡ってもまず見かけない状況ですので、その中で常識的に勝ちに行ってしまったのも苦しくなった要因と見ていいでしょう。

 6着ミッキーロケットも似たような文脈で、ポジションを取れたのは良かったですが、馬群の中から早めに捌いて勝ちに行く意識を見せた分だけ、最後は甘くなっているかなと思います。この辺りの馬はもう少しバランスが取れた総合力勝負向きと思いますし、要素としてほぼ8~9割方持久力特化に振れている中では、スペシャリストに普通の競馬で太刀打ちするのは難しかったと感じます。

 8着シュヴァルグランに関しては、今回は言い訳できる要素は多いとは思います。
 まず大前提として、キタサン共々どうしてもあの春天の超激闘の余波、後遺症は少なからずあったのではなかろうか、という観点は持てますし、最初から狙っていた感じでなく、シャケトラのプレッシャーに押し出される形でハナを切ってしまったのもベストなプランでは決してなかったでしょう。
 展開的には持久力特化戦で、この馬もこの土俵では一定戦える素地はありますが、有馬でも正攻法で甘くなっているようにサトノやシャケのような特化型に比べると一段落ちるところはあると思います。
 
 その上で、自分から誘発した形ではない早仕掛け、コーナーでのコース取りなど、キタサンが苦しむレースを作る意識は確かでしたが、その中でどうしても自身も苦しい、というのはあったのでしょう。
 色々要因もあったとはいえ、地味にキタサンに先着できたところからも、戦略の大きな方向性としてはさほど間違っていなかったとは言えて、ただサトノがつついたことで、もう少し総合的な勝負に持ち込みたいところを崩されたのが厳しかったのかなと思います。

 9着キタサンブラックに関しては、なるほど、持続力特化だけでなく、持久力特化でも崩れる可能性があったのか、と、改めて競馬の難しさと面白さ、奥深さを噛み締めています。
 シュヴァルグラン同様、体調面での不安が全くなかったとは思いませんし、ここまで負けたことの最終的な要因はそこに帰するのか、とも思うのですが、レース内容からしても確かにこれは負けて然るべき推移になっていますし、武Jにしてはらしくない、流れに合わせ過ぎた騎乗にも思えました。それだけ乗っていての手応えがなかったのかもしれません。

 まずこの馬の武器は絶対的な総合力にあって、競走馬の能力を考える上で様々な武器がある中で、その全ての項目で5段階中4、或いは5を持っている馬なわけですね。
 それを踏まえた時、この馬を負かすとしたら、その4の部分を徹底的に攻める、という観点は確かにあり、今までのレースの中で4、と見做せるところがあるとすれば、前半の絶対的な追走力と、後半勝負の中での絶対的な持続力面、と私は考えていました。

 ただ、このメンバーでキタサンより高い追走力を持ち、なおその前で厳しい流れを作れる馬は皆無でしたし、キタサンがある程度の位置にいる限り、後半で持続力特化の展開になることはまずない、という見立てはあったので、ここは信頼できると思っていました。
 けれど結果的に、サトノクラウンがあそこまで自身の武器を磨き尽くした上で、それをキタサンにも強いる展開を作ってくる、というところまでは読み切れなかったですし、そもそもキタサンがもう少し速い流れで逃げると思っていたので、追走面で限界があるサトノでは、そうやってレースを触発するだけの動きは中々出来ないだろう、と高をくくっていた面もあります。

 そして、結果的に言うならば、キタサンにとってのこの息の全く入らない超ロンスパと、コーナーで外を回されて、いつもは自分が相手にさせている、持続力ラインへの逸脱をさせられてしまった、これは二つの面で得意でない特化的要素を求められた、と考えていいでしょう。
 大阪杯を見ても、持続力を強く問われるレースでの方が危うさは出る馬ですし、レース全体を支配してこそ、というのが如実に出ていたのが春天で、その中でも自身の本仕掛けのポイントは精々600m地点から、という所は一貫していたので、今回そのパターンが完全に崩されて、そこまで得意でない持久力特化戦の中で、要所で自分(とレインボーライン)だけ持続力を使わされてしまってはどうしようもなかった、と見るべきでしょうか。

 無論あそこまで崩れたのは、歴戦の勤続疲労や、こうなった以上無理させない、という思惑も含めて多角的に今後検討されていくことでしょうが、少なくともレースそのものから見ても、充分に崩れるだけの要因は散りばめられていた、と、私の解釈では言える特異なレースになっていました。
 結果論的にはやはり淡々と逃げて支配してしまった方が、というのはありましたし、前半のペース自体は緩くなったことで、後半勝負の武器を存分に振るえるだけの武器・主導権を手放してしまったのが最大の敗因なのは確かだと思います。
 敢えてしなかったのか、出来なかったのか、どうあれやはり、見た目に強烈なタフなレースの後、というのは、これだけの馬であってもこんなに難しいのか、という意味で、万能の名馬を輩出しにくい、非常に近代競馬を象徴するレースになったなと感じます。

 流石にこの負け方ですと、今後海外遠征、という話も立ち消えになりそうですし、色々と残念な結果でしたが、当然これで終わる馬ではないので、しっかり立て直してまた秋には強いキタサンブラックを見せて欲しいと思います。
 
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2017 アスコットミーティング前半戦 レース回顧

 いよいよ今週は、イギリス王室が主催の、イギリス競馬でももっと華やかなステージであるアスコットミーティングが開催されています。
 去年はメインのプリンスオブウェールズSにエイシンヒカリが一番人気で参戦した事で、日本の競馬ファンの間でもこのミーティングの名がより周知される契機になったかと思いますが(結果は残念でしたが)、今年は流石に日本からの参戦はなし。またいつか挑戦してみて欲しい舞台ではありますけどね。
 ともあれ今日は、5日間に及ぶアスコットミーティングの、前半2日目までのGⅠ戦を振り返っていきたいと思います。

**★クイーンアンS [レース映像](https://www.youtube.com/watch?v=FdrKPFogZYk)**

 今年のアスコット開催はどうやら好天に恵まれたようで、初日から非常に綺麗な芝の上で好時計が連発しました。
 このレースでは、スタートから伏兵の2頭が非常に大きく後続を離して飛ばす展開になり、断然の一番人気に押されて勝利したリブチェスターは2番手グループの先頭列でじっと機を窺い、それをマークするように2、3着馬のムタケイエフ、ドーヴィルが追走する形になっていました。

 流石にあれだけのハイペース(と断じていいでしょう)で飛ばせば前は辛くなり、勝負所で下がってくる逃げ馬を交わす際に一瞬交錯しかかったリブチェスターですが、そのままやや外に進路を持ち出しながら力強く伸び、画面外側から出し抜きを狙った2頭をきっちり捻じ伏せて、1,36,60というレコードタイムでの勝利になりました。

 当然ペースが速い中で、後ろの集団でも相応の追走力は問われたレースになっていると思いますし、その中でリブチェスターは改めてマイラーとしての総合力、完成度の高さを見せてきた一戦かな、と感じます。
 前走のロッキンジSは重たい馬場で快勝でしたし、現状ポジショニングがかなりいいので、どんな場面でも大崩れするイメージは持ち辛く、堂々たる古馬勢のマイル総大将として、これからは3歳勢の挑戦を受けて立つ立場になりますね。今後がとても楽しみです。

 2着のムタケイエフも、ドバイでこそやや甘いところはあったものの、ここでは本来の堅実さを取り戻してしぶとく伸び、最後はドーヴィルとの激しい2着争いに競り勝ちました。
 この馬は2000m戦でも相応にやれているように、好走の守備範囲は広いのですが、その分各スポットでのエキスパートには一歩足りない印象は拭えず、これからも相手なりの競馬が続く気がします。ある意味では欧州マイル~中距離路線での絶好の物差し馬、この馬に勝てないようではGⅠは…………という位置づけが定着してきた感がありますね。

 その視座ではドーヴィルはやはりまだGⅠではワンパンチ足りない、というところでしょうか。
 しっかりリブチェスターマークから一瞬は切れ味の差で2番手まで上がったように見えましたが、そこからラスト100mでの底力勝負になって甘い感じでした。
 この馬も距離適性の幅は比較的広いですが、やはりどの場面でも少し届かないもどかしさはあるので、色々模索する事になっていくでしょうね。

**★セントジェームズパレスS [レース映像](https://www.youtube.com/watch?v=UqjVhXfjxlA)**

 寡聞にして知らないのですが、どうしてアスコットのマイル戦は、古馬戦の直線と、3歳限定戦のワンターンで使い分けしているのでしょうね?
 ともあれこちらはマイル戦でも右回りのレースで、圧倒的人気は英愛2000ギニー制覇を成し遂げたチャーチルでしたが、ここでもレコード勝ちの高速馬場条件の中で、この7連勝中の馬が4着に敗れる波乱が起きました。

 内枠から伏兵が逃げ、オブライエン厩舎のペースメーカー的な側面もあるランカスターボマーが番手につけて、2列目ポケットにサンダースノーが入り込んでいきます。
 勝ったバーニーロイはちょうど中団くらいで、その後ろに人気のチャーチルは控える形となって、淡々と流れる中で直線の攻防を迎えます。

 まず番手からランカスターボマーが抜けだし、それをポケットから外目に持ち出したサンダースノーが急追します。
 それを、更に外から一気にバーニーロイが伸びてきて、見事に2頭を捉え切って1,37,22でのレコード勝ちとなり、このバーニーロイをマークするように追い出されたチャーチルは、直線伸びを欠いて4馬身以上の差をつけられての4着と、やや不甲斐無いレース内容になってしまいました。

 元々個人的には、チャーチルという馬は勝ち続けている割にはそんなに強くないんじゃないか?と思っていたので、ここでの敗戦はそこまで驚くほどではなかったですね。
 ただ上位3頭は全て、チャーチルが英愛2000ギニーで破ってきた馬ではあったので、その点タフなローテーションでパフォーマンスを落としている可能性は見ておいていいと思います。
 もっともローテで言えばランカスターボマーも同様ですし、過去にこのローテで3連勝した馬もいるので、少なくともアメリカ三冠ほどの厳しさではないとは思うのですけどね。

 あともうひとつ敗因として感じるのは、チャーチル自身はもっとソフトな馬場の方が強さを発揮できる、という点ではないかなと。
 結局のところ、時計の速かったデューハーストSと英2000ギニーではランカスターボマーにそんなに差は付けていないのに、愛2000ギニーでは大差だったところからも、堅い馬場に対する適性がこの馬自身はあまり高くなく、時計勝負になってしまったのが辛かったのかなと感じました。
 かつ位置取りもやや後ろ目になってしまいましたし、英2000ギニーとは逆にバーニーロイにも前に入られて、そのポジション差、勝負所での切れ味と持続力など、様々な要素が少しずつ蓄積しての結果だと考えます。
 勿論素材は確かですので、今後も注目の1頭ですし、この見解が正しいかどうか、また重馬場での走りを見てみたいですね。

 逆にバーニーロイはこういう時計勝負での持続戦の様相で、最後の1Fで強さを発揮しましたし、やはりいい馬だなと感じます。
 今年の3歳ギニー路線ではこの馬が一番贔屓でもあるので、ここでしっかり勝ち切ってくれたのは嬉しいですし、父エクセレブレーションとしても初年度から箔がついたことでしょう。
 この要所での反応の良さとラストの持続力はかなり武器になりそうですので、それこそリブチェスターと激突するのがとても楽しみです。

 ランカスターボマーやサンダースノーも安定して走るいい馬ですが、どういう条件でも一歩足りなかったのは事実なので、勝ち切るには展開の助けや相手関係が重要になってくると思います。

**★キングズスタンドS [レース映像](https://www.youtube.com/watch?v=O9l4j_kF6Lw)**

 このレースは、画面一番手前あたりから楽な手応えで先行した黒帽子の3歳牝馬レディーオーレリアが、9ポンドの斤量差を生かして3馬身差の圧勝を見せました。
 勝ち時計も57,45で、これはオーストラリアの名牝スプリンター・ミスアンドレッティが2007年に計時したコースレコード57,44に0,01差まで迫る優秀なものでした。勿論この日の馬場が時計が出やすかったのは言うまでもないですが。

 丁度イメージ的には函館スプリントSのジューヌエコールみたいに、他の馬が追走で苦しみ早めに手が動いているのに1頭だけ余裕綽々、追い出されてからもしっかりラストまで伸び切っての圧勝、という構図で、しかし古馬混合のGⅠで3歳牝馬が成し遂げるパフォーマンスとしてはやはり破格です。
 丁度去年のアスコット開催でも、2歳のスプリント戦のクイーンメアリーSを大楽勝しており、余程この舞台に適性があるのでしょう。

 ただこの馬って、騎手を見てもわかるようにアメリカの馬なんですよね。
 2歳時はデットーリJが乗っていたように、3歳になって移籍したのか、それとももともと国籍はアメリカで、2歳の内は欧州で走らせていたのかはしれませんが、とにかく遠征競馬でもあることを踏まえれば本当に強い競馬でした。

 勿論破った相手関係も優秀で、2着のプロフィタブルは昨年の当レースの勝ち馬ですし、3着馬マーシャは昨年秋、凱旋門ウィークのスプリント戦で、かつてアグネスワールドも制した事があるアベイユドロンシャン賞の勝ち馬であり、いわば1000mのスプリント戦のスペシャリストを向こうに回してのこの競馬なので、これはもうスピードの絶対値が違う、と言ってもいいかもしれません。
 今後どういうレース選択をするのか、アメリカ馬と考えればBCターフスプリント辺りが大目標になるのかもですが、このまま欧州転戦もありそうですし、今年のスプリント路線はこの馬から目が離せませんね。

**★プリンスオブウェールズS [レース映像](https://www.youtube.com/watch?v=qwnxFXEgaJ0)**

 ロイヤルアスコット開催の目玉レースである、春の中距離王者決定戦のプリンスオブウェールズSは、番手につけたハイランドリールが直線で粘り強く抜け出しGⅠ6勝目を飾りました。

 レースは5番枠の伏兵馬が逃げて、外目から2番人気ハイランドリールがいつものように先行して番手外、そのすぐ後ろにタタソールズ金杯勝ち馬のデコレ-テッドナイトがつけます。
 そのすぐ後ろに3番人気のユリシスがいて、1番人気のジャックホブスは大外だったのもあり道中は後方外目から進出の機会を伺う格好になりました。

 直線を向いて、外目に持ち出したユリシスとデコレ-テッドナイトが一瞬鋭い切れを見せてハイランドリールを飲み込むか、という所を見せたのですが、残り100mからのしぶとさがこの馬の真骨頂、きっちりインから伸び返して1馬身1/4の差をつける完勝でした。
 ジャックホブスは外目から早めに動くものの、要所での切れ味も足りず、最後は戦意喪失したようにズルズル下がって最下位という結果になってしまい、ドバイシーマとは明暗が真逆になりましたね。

 ハイランドリールが強かったのは確かですが、このレースは勝ち時計が2,05,04でした。
 馬場状態表記は前日同様にパンパンの良で、そしてこのレースのレースレコードは2,01,90ですので、それを考えると実はかなりスローペースだった感じはあります。
 おそらく前半は緩くて、後半残り1000mくらいからじわじわ引き上げつつ、直線勝負所ではそれなりに切れ味も問われたイメージで見ており、実際にハイランドリールも直線残り300mあたりでは、2、3着馬に切れ負けして並ばれるところまで接近されています。
 ただ後半勝負での持続力/持久力は非常に高い馬ですので、ラスト100mでコロネーションカップ同様しっかり後続に差をつけてきますし、これは見事なレースメイクだったと感じますね。

 実際去年も愛チャンピオンSは62-66くらいの超ハイペースを先行して崩れているように、2000mでスピード勝負になってしまってはやや脆いところはあるので、その弱点を糊塗しつつ、最後まで抜かせない強みを見せてきたと思います。
 しかしこの馬も本当にタフですし、地味ながら強いですね。戦績的にも戦法的にもキタサンと似たようなタイプに分類されますし、2400m以上ならハイペースでも対応できる、という部分も含めて、やはり凱旋門でガチに先行して争って欲しい2頭だなぁと感じます。

 デコレ-テッドナイトは、元々差し追い込み馬だったのが今年の欧州戦ではしっかりポジションを取って、その上で後半要素の良さが消えていない感じで、その点に成長が見て取れますね。
 おらそくもう少しスピード勝負になっても対応できるタイプと思いますし、今年の2000m路線で軸になってくる1頭ではないでしょうか。

 ユリシスはどうも未完の大器的な扱いをされている馬のようですが、ここでも一瞬その片鱗は見せましたね。
 ただまだラストの甘さは決定的に感じましたし、ひ弱さを感じるところもあるので、もう一回り成長しないとGⅠ戦線で勝ち切るまでは難しいのではないか、と思います。

 ジャックホブスは元々2000mははっきり短いと思っていて、2度の英チャンピオンSもやや時計のかかる馬場でしたし、ドバイの圧勝ぶりからも、渋ってラストがはっきりラップが落ち込む消耗戦でこそ、なのでしょう。
 後半要素でだと切れ味も持続力もかなり甘い、とこのレースで改めて感じさせましたし、まず距離は2400m欲しい、その上で展開利がないとハイランドリールの牙城を崩すのは大変かな、と思いますね。なんかこう、サトノクラウンみたいな好走スポットが狭いけど強い時はめちゃ強い、的なイメージです。

 一先ずは2日目までの4レースを紹介しました。
 おそらく後半戦に関しては、月曜か火曜に記事をアップする事になると思います。火・水あたりは帝王賞もあるので流動的ですけどね。
posted by clover at 04:07| Comment(0) | レース回顧・海外競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする