2017年05月18日

2017 目黒記念 レース回顧

 ダービーの余韻冷めやらぬ中で迎えた伝統の目黒記念は、ダービージョッキーの勲章を得た勢いそのままに、ルメールJのフェイムゲームが後方から見事に差し切って復活の勝利を上げました。レースを振り返っていきましょう。

 馬場は当然高速状態で、少しずつ内が荒れてはきていた、と、詳しくはダービーの方を参照してください。。。
 展開は、外からメイショウカドマツが大逃げを打ち(藤岡Jはダービーでそれをやってくれっての!)、離れた番手にマイネルサージュ、シルクドリーマー、ハッピーモーメントあたりがつけます。
 ヴォルシェーブとモンドインテロは中団の内目で我慢、ウムブルフやクリプトグラムも積極的に中団に入っていって、フェイムゲームはその後ろで人気勢を見る形を取ります。
 カフジプリンスは出足鈍く中団の後ろと苦しい位置取りになり、後方にラニ、そしてワンアンドオンリーは最後方待機という競馬を選択します。

 ラップは43,1(12,31)-36,8(12,27)-36,9(12,3)-35,1(11,7)=2,30,9(12,07)という推移になりました。
 ただしこれは逃げたカドマツのペースで、3コーナーあたりではまだ前との差は1秒くらいあり、後続は残り1000mから11秒後半のラップには引き上げての持続力特化戦の様相が濃いと思います。
 実際仕掛け自体は早かったので、直線入り口が最速11,3で、そこから12,0-11,8とややトリッキーなレースラップになっていて、前目の馬に強力な持続力型がおらず、その分後ろで構えた持続力型のフェイム、要所をインで我慢していたヴォルシェーブが届いた、という見立てでいいと思いますね。

 勝ったフェイムゲームは、正直このメンバーでまともなら力上位だとは思っていたのですが、展開も綺麗に嵌りましたね。
 この馬はゴールドシップを追い詰めた春天のように、極端に質を問われない持続力勝負が一番向いていて、今回は後続馬群がはっきりそういう早めに足を出し切る競馬をしています。
 ただ相手関係も楽だった分、要所で置かれる事もなかったですし、進路取りも非常にスムーズに一番伸びるラインを通せて、そうなればラストの持続力は流石の一言、一頭だけ11秒前半のラップを3~4F続けてきた形になるでしょう。
 
 スローロンスパが噛み合う典型的なステイヤーですし、それでも全盛期よりは衰えてはいるのかな、というギリギリの勝ち方でしたが、やはり展開がツボに嵌る時は絶対に軽視できないなと思わせる走りでした。
 折り合いや加速面に難しさもある馬なので、当たりの柔らかいルメールJも合っていたと思いますし、それにしても今日は完全にルメールデーとなりましたね。

 2着のヴォルシェーブは、本質的にこういうステイヤー型の競馬より、前走のように総合的なスピードを生かしたいタイプなので、その点でちょっと噛み合わなかったとは思います。
 ただ戸崎Jらしくポジション取りと要所の我慢、そこから進路を確保してスッと動かしてくるところは流石で、一脚の鋭さをラストまで温存できたことで肉薄できた、という意味ではこれも存外手の合っているところはあったと思えます。

 でもまだ地力的には重賞を勝ち切るのは意外に難しいのかな、と思わせますし、2000mだとスピード負けする可能性が高い、2500mまで入るとステイヤータイプにちょい負けする、という感じで、中々条件選択が難しい馬ですね。
 一瞬の切れ味はかなりいいものがあるので、斤量次第ですが新潟記念あたりは合うかなとも感じます。

 3着ハッピーモーメントは、後半型の持続力特化戦で良さが出た、とは思いますが、それでもこのメンバーになると足りない、というのは見せてしまったかなと思います。
 かなり積極的な競馬で理想的に直線に入ってこられましたし、欲を言えばもう少しスローで、ダービーのように瞬発力の質も伴う推移なら、というのはあったでしょう。底力が問われる形だとまだちょっと足りない印象ですが、展開と条件次第でチャンスはある馬だと感じます。

 4着クリプトグラムは、1年ぶりという事を考えれば地力上位は証明する走りだったと思います。
 大外枠でポジショニングも難しかったですし、コーナーで自分から勝ちに行く強気の競馬をしたので、最後持続力面で甘くなるのは仕方ないでしょう。
 元々ある程度追走面が問われても戦える馬でもありますし、極端に切れ味が問われない条件なら安定して上位に食い込んでくる力はありますね。秋の飛躍に期待が持てる1頭です。

 5着レコンダイトも、ゆったり入っての持続力勝負は噛み合いますね。
 前走は前半流れる中でついていった分ラストは明白に甘くなっていて、今回も外枠で難しい中、クリプトと合わせてしっかり持ち味は引き出せていたと思います。
 この馬は2500mという距離はかなり合っていると思うので、相手関係次第ではまた秋のアルゼンチン共和国杯あたりでは狙い目が出てくるかもしれないなと感じます。

 カフジプリンスはこの展開で前目が取れていれば面白かったんですけどね。今日は出足が悪かったですし、坂スタートが苦手なのかもしれません。
 確実に府中なら2400mよりは2500mが合う、とは思ったのですが、その点でダメとなると尚更に好走条件の難しい馬になってしまいますね。

 そしてメイショウカドマツはまだ戻ってなかったですね…………。
 いい頃ならこのペースでももう少し要所の反応の良さがあったし、近年はそれこそ今日のフェイムのように、高齢馬でもいきなり復活があったりするのでその辺の見極めが難しいです。あまり調教とか調整過程を見ないで予想するスタンスの私だと特に、ってところで、フェイム本命は結構考えたんだけどなぁ、という経緯もあり、ここもまた大いに反省です。
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2017 ダービー レース回顧

 大観衆の熱狂を背に、絶好の好天、絶好の馬場での開催となった第84回日本ダービーは、向こう正面で果敢な捲りを打って主導権を握ったレイデオロがそのまま押し切り、見事にダービー馬の栄冠に輝きました。
 ルメールJの三週連続GⅠ勝利に加え、関東の名伯楽・藤沢和雄調教師も悲願のダービー制覇、しかも先週のオークスに続いて二週連続となり、このゴールデンコンビを主軸とした陣営が一体となっての素晴らしい勝利だったと思います。

 レース内容的には、細かく振り返る前に一言だけ許されるなら、ここでエイシンフラッシュダービーかよ!と思わざるを得ませんでしたが、裏を返せばそれだけ若手の騎手が平常心、自分のペースで騎乗する事を許されない舞台だ、という事でもありますね。とはいえ、この強気の展開予想自体は悔いはないですし、若手の面々はこれを糧にまたひとつ成長した姿を見せて欲しいです。

 さて、まず今日の馬場ですが、昨日の雨の影響もほぼ払拭され、絶好のコンディションだったと思います。
 8Rの青嵐賞が、49,0-48,0-46,8とスローバランスで2,23,8という凄まじい時計を叩き出しており、超スローのむらさき賞は36,5-36,5-33,6と完全に前が止まらない形で、ペースが流れれば内外大きな差はないけれど、スローだと絶対的に前目有利な馬場にはなっていたと思います。
 また昨日感じた通りに、最内は少しずつ掘れてきて荒れており、三分所を通した馬が一番伸びが良かったのかな、と感じますね。

 展開は、まずマイスタイルとアルアインが好スタートを決め、それを外からトラストが追いかけていきます。
 クリンチャーはやはり出足は良くなく、ある程度促すもののアルアインにスッと前に入られて諦めてしまい馬群の中、内のポケットはダンビュライトが確保し、外からダイワキャグニーも先団に取りついていきます。
 スワーヴリチャードは三列目のポケットとベストポジションを確保し、外目からはベストアプローチ、ウインブライトも積極的に中団前目に入ってきて、サトノアーサーも枠の利を生かして馬群の真ん中まで押し上げていきました。

 ペルシアンナイトもある程度積極的でしたが、並びの関係で内に入れず中団やや後ろ寄りの外目、レイデオロがそれをマークする形になり、カデナは更にその後ろからになります。
 そして大外のアドミラブルは一歩目がもっさりで、二の足もあまりつかず、リカバーの意識は持ちつつも隊列の関係上下げて下げて、最序盤はほぼ最後方という苦しい位置取りになりました。
 1000m通過地点で外からレイデオロが一気に動いて二番手まで押し上げ、それにつられる形でペルシアンナイトも前目に入っていきます。
 その中でトラストは番手外からポケットに下げ、その分内の馬の隊列が下がる形になりましたね。

 ラップは37,1(12,37)-38,6(12,87)-37,4(12,47)-33,8(11,27)=2,26,9(12,24)という推移になりました。
 まあ語るまでもないくらいの超ドスローで、上で触れたとおりにエイシンフラッシュのダービーのようなラスト3Fのみの勝負になっています。
 展望でもちょっと懸念した通り、だから横山Jを逃がしちゃダメなんだよぉぉぉ…………と言う話ですが、それでもきちんとマイスタイル自身は大健闘の4着に食い込んでいるので、この馬の為の競馬をした、という意味では正しく、それに鈴をつけにいけないスピードタイプ、スタミナタイプの先行各馬のジョッキーの胆力が足りなかった、と言うしかないですね。

 せめてダンビュライトがもう少し外枠からだったら、と思うのですが、道中完全に動けない位置に閉じ込められてしまっていましたし、アルアインもポジション自体はしっかり取れたことで、あれ以上積極的に前をつつくのは難しかったのかなぁと。
 トラストはまぁマイネルの馬なので番手至上主義なのはどうしようもなかったですし、やはりクリンチャーがあそこまで動けない位置になってしまったのは展開予想面では大きな誤算でした。このあたりの先行勢の乗り役の胆力を、希望込みで過大評価したのは素直に反省材料ですが、そこまで冷徹な予想は中々難しいです。

 また、向こう正面で早々とレイデオロが動いたことで、レース全体が速くなったと思わせておいて、実際のラップ推移は13,3-12,5-12,1-12,6-12,7と、一瞬だけまともに加速しているけれど、またその後は12,6-12,7と、馬場を考えれば緩すぎるペースになっています。
 このあたり、横山JとルメールJの阿吽の呼吸というか、ラップに波を作ることで後続を幻惑する展開に支配しているなぁと感心するところで、この大舞台でこれが出来る胆力があるからこそなんだよなぁ、とつくづく感じます。

 そして後半4Fが12,7-11,5-10,9-11,4となっていて、先週のオークスと違うのは800-600m地点はまだすごく緩いラップを踏んでいるところです。
 こういう段階的なギアのコントロールは弥生賞でもマイスタイルが見せていたところで、ルメールJも敢えてその戦略に乗り、後ろの持続力型の強敵が足を出し切れない展開に持ち込んでいます。

 実際数字で見ても4コーナー出口で1,2の急加速、そこから更に坂地点で0,6加速して10秒台のラップを踏んでおり、後ろからこれを凌駕する加速を見せるのはまず無茶な話です。
 かつラストも11,4と落としておらず、レイデオロとしては自身極上の切れはないけれどそこそこ高い持続力はある、という強みを最大限に発揮でき、更に得意ではないコーナー加速を必要としない動き方になっていて、正に馬の特徴を知り尽くした人馬一体の完璧なコントロールだったなと思います。

 今回勝ったレイデオロに印を回さなかったのは、基本的に4~5Fのロンスパ戦だとコーナーの動き出しに難があり、3F戦でも瞬発力の質が特上ではないので詰め切れない、どう考えても後ろからでは駄目だろうと思っていたからです。
 しかしまさかこの舞台で、明らかにドスローだったとはいえこの馬が向こう正面で果敢に動く展開は考えなかったですし、実際にそれがなければ掲示板も危うかった、ルメールJの超ファインプレーだったと感じます。

 ぶっちゃけこういう大味な競馬をしてくるとしたらデムーロJのほう、というイメージは誰しもが持っているところですが、ある意味でこれはルメールJがいよいよ完璧に日本のジョッキーとして再構築されたスタイル、と見ることが出来ますね。
 元々フランス、というか欧州の競馬は、道中で一気に動く事はほぼNGに近く、それをすると勝っても評価されない、というくらいの不文律ではあるので、その染み付いた習性が完全に抜けるまでに、この二年ちょっとの時間は必要だったと感じます。

 その上で、やはりルメールJの強みは継続騎乗にこそあり、しっかり馬の特徴を掴めばこういう大胆な戦略も打てる、というのは以前にも触れた通りです。
 この春シーズンの大活躍を見る限り、ルメールJは本当に一段と日本の騎手として高いステージに上がった感をヒシヒシと感じますし、去年まで残っていた肝の細さはほぼ完全に払拭、これは大舞台では絶対に軽視できない騎手になった、と認識を改めようと思います。

 勿論馬自身に能力がなければ出来ない芸当ですが、展開が特殊なので、ここを制したから世代の頂点、というのはまた違うとは思います。
 正直3F特化戦として見た時に、それこそエイシンフラッシュのダービーは上位2頭が32秒台の上がりを計時していて、スローであれば瞬発力の質と持続力を併存して高められる馬がいた、と見做せましたが、今年の場合はそこまで3F戦で強い競馬を出来る馬がいなかった、という考え方も出来そうです。
 実際レイデオロの上がりは33,8止まりですし、いつもいつもポジションを取れる馬では決してないと思うので、今後の評価が難しい一頭にはなりますね。どうしたってダービー馬の看板で人気はするわけで、でも必ずしも好走してくるタイプでもない、という留保は置いておくべきだと思います。

 2着のスワーヴリチャードは、まずスタートは良く序盤の位置取りもべストだったと思います。
 その上で、レイデオロが動いたタイミングでトラストがポケットに入ってきて、内の隊列が下げられそうになったところで、即座に外を意識してダンビュライトの隣に並んでいったのはファインプレーだったなと感じます。
 あの動き出しがあったからこそ、コーナーもタイトに回りつつ進路をしっかり確保できていましたし、この流れの中できちんとギアを順々に上げられれば、加速力自体は高い馬なのでこの好走は当然の帰結だったと思います。

 たたやっぱりこの馬の弱点は持続力が最上位クラスと、となると少し足りない点なんですね。
 共同通信杯も突き抜けているようでラップ推移としては平凡だったように、ここも要所の切れ味そのものはレイデオロより上だったのですが、ラストの持続力で突き放される、という形になってしまいました。

 まあこれはこの馬に対して前目を取り、外を回させたレイデオロのファインプレーに為す術もなかった、という部分ではあり、後の先を取る形での戦略としてはこれ以上はどうしようもなかったと感じますね。
 馬自身やはり距離伸びて左回りでプラスに転じた部分は多かったと思いますし、力関係的にどうか、というのはありますが、秋はより器用さが問われる菊花賞より、天皇賞、JC路線を狙ってみてもいいかもしれません。

 3着アドミラブルはこの形の中では強い競馬はしていますが、しかし2週連続してデムーロJはルメールJにしてやられているな、という感じでなんともですね。
 ゲート前でもテンション高く、一歩目ももさっとしていて、その時点でポジションが取れなかったのは仕方ないと思いますが、ルメールJが動いたタイミングで一緒に押し上げる選択を取らなかったのはどこからしくない、と感じました。意外とこういう、自分の意識にないタイミングでの臨機応変は弱いのかもしれません。

 またラップ的にも向こう正面で都合1,2秒の加速はあるので、そこから判断して流れてくれるからじっとしていてもいい、と考える余地は確かにあったのですが、そこからもう一度ペースを落とされてしまいます。
 コーナーのラップが12,6-12,7とかなり遅く、青葉賞では12,1-11,9で捲っていけた馬なのにここでは金縛りにあったかのようでもどかしく、ようやく4コーナー出口で仕掛けるものの、そこは前も引き上げてくるポイントで流石に一気に詰めることは出来ません。

 そしてこの馬は後半の総合力は非常に高いのですが、強いて言えばの弱点は切れ味のなさです。
 未勝利でも青葉賞でも、最速地点では2着馬に詰め寄られ、そこからの持続力で突き放す競馬をしているわけで、アザレア賞から見ても最速は10,8程度、と考えれば、今回坂地点で詰められなかったのも納得できるところです。
 ラスト1Fは流石の持続力で、推定11,0くらいは使って差し込んできましたが時すでに遅し、先週のミヤビ同様立ち回りで後手に回って消極的な競馬になってしまったなと感じます。
 こういう部分も含めてジンクスなのかな、と言えばその通りですが、馬自身はまだまだ強くなると思うので、秋の逆襲に期待したいですね。

 4着マイスタイルは、文字通りマイスタイルを貫いての大健闘でしたね。
 加速性能と切れ味、持続力という後半要素をバランス良く持っているけれど、皐月賞のように流れてしまうとそれがまるっきり削がれてしまう、という中で、この馬が支配すればスロー、は見立てとしては当然出てくるところでしたが、最悪でももう少し番手勢がつついてくれる、と期待したのが甘かったかなぁと。でも正直こんな超スローダービーはあんまり見たくない、というのが本音でしたので、その辺は仕方ないと割り切るべきですね。
 距離自体はここでも問題なかったですし、前半ゆったり入れる条件なら後半に一定の良さは持っているので、今後もノーマークになりそうな時は警戒しないといけないタイプになってくるでしょうか。
 個人的にもこの馬は結構注目していたので、皐月とここで裏目ってるのがなんとも口惜しく、まだまだ足りないなと思う次第です。

 5着アルアインは、んーまぁある程度仕方ないかな、とは思います。
 スタートを珍しく完璧に決めて3番手を取れたのは素晴らしかったですが、そのポジションで満足してしまい、持ち前のスピードを殺す流れに延々付き合ってしまったのは勿体なかったところです。
 その上でレイデオロの仕掛け、それに呼応してペルシアンなども上がってきて、スワーヴリチャードはそれを見てすぐさまコース取りを意識したのに対し、こちらはその辺が甘くなって、3番手にいたはずが勝負所では5~6番手の外々を回らされてしまったあたり、ダービーの魔力の一端を見た思いです。

 そしてこの馬も瞬発力の質自体はちょっと足りない馬なので、最速地点ではっきりスワーヴリチャードには見劣り、ラストも一定の持続力で食い込んでは来たもののアドミラブルには及ばなかった、という観点でいいと思います。
 距離自体がどうだったかはこれだけスローだとわかりにくいですし、最序盤なまじいいポジションを取れ過ぎてしまったせいで、道中のアイデアが足りなかったし、皐月賞ほどの強気さも感じられなかったな、と言うしかないですね。
 松山Jには苦い薬になってしまったでしょうが、基本的には本当に上手く乗れるジョッキーなので、これをバネにまた次のチャンスを良い騎乗を積み重ねて掴み取って欲しいと思います。

 6着ダンビュライトは、やはり1枠1番はあんまり良くなかったなぁ、と感じます。
 もっと全体で流れてくれればよかったのですが、スローの団子で常に動き出せないポジションに押し込められてしまっては、この馬の持ち味を発揮できる早仕掛け、ロンスパ展開は望めなかったですね。
 それでも思った以上に要所でしっかり反応して伸びてきていましたし、素材としては戦績以上のものはありそうで、今後もコンスタントに活躍してくれそうなタイプと思います。

 7着ペルシアンナイトは、レイデオロが動く前にかなり引っ掛かっていたので、あれも意識的についていったというよりつられた感が強く、結局ポジション的にも半端なところで止まってしまったのが難しいところですね。
 馬自身の消耗もあったにせよ、この展開であの位置からだと、1番後半要素をバランス良く保持している馬ではないかと思っていたので、思った以上に距離の融通がなかったのか、或いは急加速の段階で一気に動かす鞍上との呼吸が今一歩だったか、どちらにせよやはりダービーでテン乗りは厳しい、というのをまざまざと感じさせる結果だったと思います。

 その他、まあカデナやサトノはこの展開でレイデオロみたいに動ける馬でもなし、仕方ないところだと思います。
 ダイワも前目を取っていったのはいいにせよ、このドスローの流れに外々で合わせるのはリスキーに過ぎましたし、思い切って前をつついて欲しかった、というのはありますね。
 そしてクリンチャーはあの位置ではどうにもならないわけで、もう少し最序盤粘れよ、とは思ったんですけどね。アルアインが予想以上に速かったのは確かですが、そこで諦めずに外目から前のスペースを保持できるところにねじ込んでいくくらいの気概は欲しかったのですが、結果的には内枠が仇になった印象です。
 
 

 
 
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注目馬:シルバーステート

 このカテゴリで記事書くの久々なんですが、どうしても生半可な馬では取り上げにくい、というところはあります。
 今回書くシルバーステートも、上がり馬というよりは元々実力の確かな馬が、屈腱炎を経てレースに復帰して、元の能力をしっかり維持できているか、という部分を主眼的に見ていくつもりです。
 まぁわざわざ私が書かずとも、この馬に関しては皆さん強いのなんて知ってるよ、って話にはなりそうですが、それでもこのまま無事に進めば重賞路線には確実に乗ってくるだろうこの素質馬の、現状で見せている強さを改めて考えてみましょう。

 2歳の秋に紫菊賞を買って、一躍大物、クラシック候補と騒がれたものの、好事魔多し、屈腱炎に蝕まれで休養を余儀なくされてから、なんと19ヶ月という長い休養明けに選んだレースが、土曜京都のオーストラリアT芝1800m戦でした。
 1000万下でもそこそこ骨っぽいメンバーが揃っていたレースですが、調教でも2歳時に匹敵する動きを見せていたせいがか、その素質を信じての圧倒的な1番人気に推されます。

 3番枠からしっかりスタートを決めたシルバーステートは、他に行く馬がいなかったので馬なりのまま自然とハナに立ち、ゆったりとしたペースを刻んでいくことになります。
 そのラップは37,0(12,33)-37,1(12,37)-33,3(11,1)=1,48,4(12,04)という推移でした。
 見ての通りの超スローで、残り1000mからが13,1-11,9-11,5-10,5-11,3という推移になっており、完全に坂の下りからの4F勝負、かつ本仕掛けも遅い、逃げ馬にとっては楽なレースではありました。

 実際にこのレースだけで完全復活、と言い切れないのは間違いないのですが、それでも特筆しておきたいのは、2歳時に見せていた基本的な後半要素の性能をしっかり維持している、と思わせる点です。
 まずスタートからの操縦性の良さで、ペースの上げ下げが上手く引っ掛かるところもないのは、競走馬として素晴らしい資質ですし、その上で非常に高い加速力を有しているのがポイントです。
 坂の下りに入っての1,2秒の加速、そして直線に向いて軽く合図するだけでの1,0秒の加速と、細かくギアを上げていける器用さがある上に、トップギアに入った時の最大瞬間の爆発力が10,5と、非常に素晴らしいものを見せていて、実際この瞬発力の質の差だけでこのレースは楽々圧勝に持ち込んでいます。

 2歳時の紫菊賞でも、内目を回ってのラスト1Fで推定10,5くらいの切れ味で差し切っており、屈腱炎明けで懸念材料だった瞬発力の低下はあまり考えなくてもいい、というのを、この一戦でまず見せてくれたと思っています。
 持続力面に関しては、ラスト200mからほとんど追っていないので結構落としていて、それが真面目に前を追い掛ける形でどこまで引き上げられるかはまだなんともですが、少なくともこの質の高さだけでも重賞戦線までは戦っていけると感じます。

 ちなみにこの日の京都の芝は取り立てて高速馬場ではなく、他のレースでも軒並み時計は水準かやや高速程度、速いラップを踏むレースもほぼなかった中でこの10,5は出色ですし、字面の上がりで言えば2歳時に劣りますけど、あの日の京都は紛れなく超高速だったので、その点鑑みても決して衰えている、とは思わなかったですね。
 そしてこの馬の元々のいいところは、未勝利を出色の時計で圧勝しているように、ペースが上がっても加速地点での反応の良さと切れ味をしっかり引き出せる担保があったことで、このあたりがどうか、は今後の課題になってきます。

 とはいえ、瞬発力系統の能力よりは、持久力面の方が怪我で衰える可能性は低いでしょうし、基本的には今後もある程度好走できる展開の幅は広い、と考えられます。
 今後も脚元が順調であるなら、ポンポンと3連勝くらいでローカル重賞くらいは勝てるイメージを持てましたし、秋に天皇賞に間に合って欲しいな、とさえ思わせる素材なのは間違いないので、実に楽しみですね。
posted by clover at 04:05| Comment(0) | 次代のスターを探せ! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする