2017年03月23日

2017 ダービー卿チャレンジトロフィー レース回顧

 一昨年の衝撃のモーリスが記憶に新しいダービー卿チャレンジトロフィー、今年はコツコツと力をつけてきた大型馬ロジチャリスが、やや力の要る馬場で前々から押しきる強い競馬を見せました。レースを振り返っていきましょう。

 もう少し渋り気味になるかな、と思ったのですが、直前の10Rが33,9-35,3と一貫減速消耗戦で1,09,2でしたので、稍重の表記通り1秒ちょっと時計がかかっている、というイメージでいいと思います。
 展開としてはロジチャリスが絶好のスタートからハナを伺うものの、大外のクラレントが一気に進出して先頭、ロジが番手につけてそれをキャンベルジュニアがマークする形になりました。
 中目の先行馬はあまりダッシュが良くなく、マイネルはそれでも前に取りつくチャンスはあったと思うのですがキャンベルの外で我慢、ダイワはその後ろで、グランシルクは中団やや後ろのインコースで前がばらけるのを待つポジションになります。

 ラップは36,2(12,07)-23,8(11,9)-34,7(11,63)=1,34,7(11,83)という推移でした。
 思ったより馬場は重くならなかったのに対して、騎手の意識が後ろ寄りで、ハーフだと48,2-46,5とかなりのスローで、後半が11,8-11,5-11,6-11,6と、コーナーで延々速いラップを問われてかつラストも落とさない流れなので、基本的に前目内目でないと、という競馬ではあると思います。序盤のポジショニングの積極性が優劣を分けた感は強いですね。

 勝ったロジチャリスは、好枠から絶好のスタートで、逃げてもいい、という気概を見せつつ、クラレントが注文を付けていってくれたので悠々と番手でレースをコントロールしていきます。
 すごく切れる脚のあるタイプではないのがきちんと把握できているからか、しっかり半マイルから動いて前をつつき、極端に速いラップを踏まないように分散させながら直線、外から一瞬の切れ味で出し抜いてきたキャンベルに馬体を合わせてからがしぶとく、ラストまでラップを落とさずに粘り込むという、中々に会心の騎乗だったと思います。

 完全に高速マイルですと、ちょっと前傾に寄り過ぎると辛さはある馬と思いますし、その意味で今日の馬場はパワーも兼備するこの馬には程良かった、と見ていいと感じます。
 より高いレベルで、となるとマイルより1800mのほうが、という感じはありますが、素材としてはやはり中々に魅力のある馬ですよね。今後もGⅢレベルでならコンスタントに走ってくると思いますし、噛み合えばそれ以上でも、と見立てておきたいです。

 2着のキャンベルジュニアも正攻法で強い競馬は出来ていると思います。
 ただこの馬の場合、ある程度4コーナー中間くらいから早めに動いて前を捕まえに行っており、そこで最大瞬間の一脚は使ってしまった感じで、そこからの持続力を問われてもう一歩足りなかった、というべきでしょうか。
 前走と比べて考えるに、今はもう少し追走力が強めに問われた方が、と思ったのですが、今日は馬場もあるのでまだ決めつけられませんね。ただ安田記念に出られるようなら、ハイペースの展開で内枠、とかでちょっと警戒したいタイプになってくると思います。

 3着グランシルクは、まあこういう馬ですよね、という感じの3着ですね。どうしたってあと一歩決め手は足りないんですよね。
 無印にしたのはもう少し馬場悪化を見込んでいたのと、確実に馬群に包まれて動けない枠だなぁ、というのがあったのですが、そこそこ直線ばらけてくれたのもあり、一瞬自分の脚は使えた形ですね。
 でも現状マイルの後傾勝負だと足りないですし、良馬場でもう少し距離の短い所で、というイメージが強いですね。京王杯スプリングSあたりはそこそこ面白い条件になってくると思います。

 4着マイネルアウラートは、前走に続いてなにやってんですか、と言わざるを得ない消極的な競馬でしたね。
 基本的にはレース全体を使って勝負したい馬で、明らかに前がスローでコントロールしそうなところで、番手を取れているならともかくキャンベルの外で待ってしまうのは勿体なかったです。
 馬の素材を鑑みてもやっぱり直線で堅実に一回いい脚は使ってきますが、それが破壊的でもないし持続力も並なので、その脚を使って先頭に立つイメージでないと勝ち負けには厳しいわけで、これは正直、序盤にダイワも立ち遅れた感はあった中で、キャンベルは外からパスしてロジの後ろまで押し上げておけばなぁ、と思ってしまいますね。

 5着のダイワリベラルも文脈としては一緒で、一瞬しかいい脚はないんだからもう少しポジションに工夫が欲しかったなぁ、というところです。
 今日は多少出負け気味ではありましたし、枠的に無理をしたくない感覚は見え隠れしていましたけれど、中山マイルなら重賞は取れる器だと思っているのでなんとももどかしいですね。
 
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2017 名古屋大賞典 レース回顧

 名古屋大賞典は、58kgにも拘らず強気にインから先手を取り切ったケイティブレイブが、ハイペースを演出して後続の脚を削ぎ、そのまま押し切る強い競馬を見せました。
 
 隊列としては、一歩目でドリームがやや高脚気味になり、正面からの構図なのでわかりにくいですが少し立ち遅れたのかな、という印象でした。
 ケイティブレイブも一歩目は滑り気味で、それでもこの二頭とあとカツゲキがかなりテンが速く、内の馬より前に出切ってのポジション争い、外からドリームが懸命に押していくも、ケイティブレイブも譲らず枠順差を利して先頭を奪い取ります。
 番手外にドリーム、二列目ポケットにカツゲキと並んで、その後ろに出足つかずのオールブラッシュ、それを見る形でモルトとピオネロはやや後ろから虎視眈々と進出の機会を伺う展開になります。

 レースラップは細かく出ないのでざっくりですが、勝ち時計が2,02,5(平均12,90)で、後半4Fからが53,3-40,5と計時されています。
 なので、ラスト3Fの平均は13,5とかなり消耗しており、淀みの少ないハイペース、と考えていいかなと思いますね。

 勝ったケイティブレイブは、この枠だと先手を取れずに馬群に包まれてしまうかな、と思い、あとローテーション的にも個人的に好感を持っていないので思い切って軽視した形になりますが、スタートの上手な福永Jという部分をもう少し高く見積もるべきでしたか、と。
 ドリームもオールも出足が鈍った、という展開利もあったとは思いますが、コーナー入り口ではドリームキラリに少し前に出られていたのを譲らずに敢然と逃げに持ち込んだのは結果的にファインプレーでしたし、そこからタフな流れに持ち込めば流石の粘り腰だったなと思います。
 小回りやコーナー適正がやはり素晴らしく高いですし、ただタフな流れからもう一足、というタイプでもないので、川崎記念みたいに外々から押し上げる形ではなく、あくまでも一番内を前目で立ち回ってこそ、と改めて認識しました。

 それにしても本当にタフな馬ですね。今日もプラス体重で頭が下がります。実際去年のこの時期から月一ペースでずっと上級クラスのレースに使い続けてきて、今日はこの斤量でこれですから脱帽でした。

 2着ピオネロは、結果的に中央勢では道中一番後ろでしたが、そこからじわじわとポジションを上げていって、前半無理しない形で後半の持久力面での良さを引き出せたのかなと思います。
 ただ今日は斤量差がありましたし、自分でレースを作ったケイティを脅かすところまでは行かずの完敗ですので、まだ重賞で安定して上位に入ってくるにはワンパンチ足りないかな、とは感じますね。

 そして3着のカツゲキキトキトがべらぼうに勿体ない競馬になってしまっていましたねー。
 スタート抜群で、ドリームとケイティの逃げ争いを見る形で3番手のインと絶好のポジションを確保したのはいいのですが、逃げなきゃ一銭もないタイプのドリームが向こう正面から3コーナー入りくらいで早々と戦意喪失してズルズルと下がってきてしまい、そこにモルトとピオネロの押し上げのタイミングが重なって、しばらく手綱を引いてドリームの失速に付き合う形で置かれてしまったのは決定的な致命傷でした。
 
 しかしそこから外を回して追撃を開始し、ラスト200mでは一番いい脚を使って追い込んできて、ピオネロをかなり際どく脅かして見せる3着となりました。
 このレースでは、1400mでも楽々ついていける高い追走力を生かして最後まで余力を残していましたし、正直前が詰まらず捌けていれば勝ちまであったと思います。本当に力をつけていますし、まだ4歳、佐賀記念でも書きましたが今後が本当に楽しみになってくる1頭ですね。

 4着モルトベーネは、出足も一息で、押し上げていくときも迫力なくピオネロにあっさり見劣る形で、やっぱりこういうタフな馬場と前傾ラップのレース向きではないな、というのが顕著に出てしまいましたね。
 適鞍に戻れば今の充実ぶりは侮れないと思いますし、特に軽い馬場で前半ゆったり入ってきそうな条件なら中央重賞でもワンチャンスある馬になってきたと思います。

 5着オールブラッシュは、斤量に尽きるのかな、という負け方ですね。
 川崎記念では楽々ケイティのハナを外から叩けていたのに、今日はドリームもいて最初から出していく気があまりなさそうだったとはいえ出足は悪く、道中の反応も鈍いままでした。
 川崎の様にコーナーがよりタイトで、中途で加減速の幅が大きく息が入るコースの方が、ってことかもしれませんし、まだこの馬に関してはベストの適性は掴み切れないのですが、もう少し軽いコースでゆったり入れるなら、と考えておきたいです。

 6着ドリームキラリは、基本的にこういう前傾のタフなレース自体は合うとは思ったのですが、どうしても逃げられなければ二束三文、となってしまうのは宿命的な所ですね。
 この斤量差なら、と安易に信じたのは、枠の差まで考えれば雑だったなと思いますし、怖さはあっても単穴くらいまでにしておくべきでした。まあ単穴はカツゲキ、と最初に決め切ってしまっていた分予想が歪んだなー、と反省ですし、ここは競馬を出来ていないので度外視、改めて自分の形に持ち込んで重賞戦線でどこまで出来るか、ですね。
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2017 ドバイミーティング レース回顧

 さて、遅まきながらですが、土曜日の夜から深夜にかけて、今年も日本馬の活躍やスターホースの走りなどで盛り上がったドバイミーティングの結果と所感を、簡潔にですが回顧していきたいと思います。

**★ドバイワールドカップ**

 日本からは4頭が参戦したこのレース、戦前はもうアロゲート一色でしたが、いざスタートしてみると、その様相は一気に覆されます。
 なんと圧倒的な人気のアロゲートが、スタート直後に横の馬に半分故意的じゃないか?と思うくらいに激しくぶつけられて出足がつかず、最後方からの競馬になったからです。

 後々触れていきますが、雨が降った当日のメイダンのダートは、例年以上に明確な前残り馬場でした。
 実際にこのレースでも、道中2~5番手にいた馬がそのまま2~5着を占めているように、考えようによっては最初のポジショニングがそのまま結果に反映する淡泊な条件であった、とすら言えます。
 そして、対抗馬と目されていたガンランナーは、アロゲートが出遅れたことをこれ幸いと、比較的ダッシュが効いたロングリヴァーを前で遊ばせて向こう正面でペースを緩め、そして3コーナーから一気に引き上げて、コーナーで外を押し上げざるを得ないアロゲートを消耗させる完璧な作戦を遂行します。

 レースラップは公式のトラックチャートを参照していますが、極限の前傾ラップになりやすいアメリカンな競馬スタイルからすると、24,8-48,2-72,9という前半の推移はかなり緩く、推定で前後半60,6-61,6くらいの、ややハイペースくらいに収まっていると思います。
 要するに完璧なガンランナーの勝ちパターンの競馬だったのですが、しかしアロゲートという馬は、文字通り規格外中の規格外でした。
 出遅れて最後方、最初の400mで2秒近いビハインドを追いながら、向こう正面で外から取り付き、前が引き上げてきた3~4コーナーでも大外を楽々に押し上げて直線入り口ではもう二番手、その勢いのままにあっさりガンランナーを交わし、最後は押さえる余裕まで見せる凄まじいパフォーマンスでした。

 着差や時計こそ目立ったものではないですが、それ以上に破天荒すぎる競馬ぶりで世界に衝撃を走らせたアロゲートはまさしくスーパースターですし、そしてデビュー8戦にして、もう勝つべきレースを全て制覇してしまったという、世界最高獲得賞金馬という称号も含めて恐ろしい戦績となりました。
 今年の最大目標はBCクラシック連覇のようで、最大でも来年のペガサスワールドカップで引退、となるでしょうが、それまであと何戦かでもこの馬の走りが見られるのは幸せな事ですし、今回もこのレースをライブでしっかり見られたのは本当に僥倖だったと思います。

 ガンランナーは何度も書きますけど本当に完璧なレースをしたと思います。文字通り相手が悪かった、としか言えません。
 今回は他の有力馬が概ね外枠に振られたという恩恵もあったにせよ強かったですし、シャーマンゴーストと並んで現時点の北米古馬NO,2かな、という印象ですね。
 3~4着馬はアロゲートの出遅れのおかげもあって上手く前目のポジションを取れたのがこの結果につながりましたし、そして日本勢最先着のアウォーディーも力は出し切れたと思います。
 スタートから前目につけて流れに乗れていたし、勝負所での押し上げは足りなかったですが最後までバテきらずにジリジリ伸びてはいて、この相手関係で掲示板は充分立派な結果だったと思いますね。

 アポロとゴールドはまあ戦前から厳しいと見ていた通りですし、ラニは本当に直線しか真面目に走りませんね。。。直線だけならアロゲートの次くらいにいい脚を使っているのですが、2000mで距離が足りないのではダート路線で使えるところないじゃん、という話でもあります。

**★ドバイシーマクラシック**

 こちらは素質馬ジャックホブスが、渋った馬場を味方に楽々突き抜ける強い競馬でした。
 ハイランドリールが逃げてのペースは78-74くらいなのでまあ超スローに分類はされますが、それでも勝ち馬のラスト2Fで24,3くらいなので、あまり切れ味は発揮しにくい馬場ではあったのかな、とは思います。
 セブンズヘヴンもこういう馬場になればより浮上するでしょうし、逆にポストはやはり渋ると破壊力が削がれ、ハイランドリールも硬い馬場の方が合うのと、やはり休み明けで中身が伴っていなかったかな、という残念な負け方、文字通り僚馬のペースメーカーになってしまいましたね。

 ともあれジャックがここで復活の狼煙を上げてくれたのは、今年の欧州2400m路線を面白くしてくれると思いますね。
 サウンズは展開もそうですし、ここまで重い渋った馬場だと仕方ない面もあるでしょう。改めて国内で、適条件での食い込みを警戒したいところです。

**★ドバイターフ**

 今年唯一の日本馬の勝利に沸いたドバイターフ。
 展開的には思った以上にインの馬が前を狙ってきて、というより外の馬が出していけなかったとラップ的には見做すべきかもですけど、ベリーが逃げてすぐ後ろにリブチェスター、その後ろにエシェムとザラクが構えるという隊列で、ヴィブロスは後方インでじっくり足を溜めます。

 ラップ的には26,3-50,3-74,9-98,5-110,2という推移なので、推定で1000m62,6とかなりのスローペースで、上がり3Fが35秒そこそこの直線勝負にはなっています。
 前々からリブチェスターが抜け出すところを、外からエシェムが強襲、しかし直線入り口ではインを突いて差を詰めていたヴィブロスが、最後は外に出して一気に差し切るという素晴らしいパフォーマンスを披露してみせました。
 この馬のラスト3Fは34,0、ラストが11,3なので推定11,6-11,1-11,3くらいに見えますし、この馬場でも本質的な持続力の高さを存分に引き出せてこれたというのは中々にすごいですね。持続力型のディープの仔の庭、的な舞台にも思えますし、来年はサトノアレスとかアーサーとか出るといいんじゃない?って感じます。

 正直相手関係的には断じて去年よりレベルは高いですし、このラストのラップも当日の芝レースを通じてほとんどの馬が引き出せる切れ味ではなかったわけで、無論道中しっかり余力を残しつつ、直線では一切ブレーキを踏まずに馬群をすり抜けてきたマジックマンの手腕あって、とは思いますが、それでも本当に勝ち切ってくれるとは、と嬉しかったですねぇ。
 エシェムはやはり力をつけていて、こういう馬場も適していたと思いますし、リブチェスターはやっぱり強いけど結果的には休み明けの分かな、と思えますね。このレースは一叩きしてきた馬を狙うのが基本、ではありますが、それでもザラクとリブチェスターの力関係を見誤らなかったのは良かった点だと思います。

 ザラクは日本で言えばエアグルーヴとかウオッカの仔、みたいな人気先行型ですし、ましてザルカヴァの仔ではじめてまともに走った馬でもあるので、常に過大評価されるのは致し方ないところです。私もザルカヴァ大好きでしたし、気持ちはわかりますので。。。
 ただまぁ、やっぱり色々と条件が整わないと最上位には、ってのは露呈してしまっていますし、今年も善戦マンで終わりそうな感じはしますけれどもね。

**★UAEダービー**

 正直観戦していて一番力が入ったし、悔しかったのはこのレースですね。今これを書きながら振り返っても無念が募ります。
 レースはエピカリスが果敢に逃げの手を打ち、そして大外からアディラートが番手につけて、注文通りにサンダ―スノーを一列後ろに下げる形を作ることに成功しました。
 このあたりは当日の馬場を読み切っていた武JルメールJのファインプレーであり、かつチームジャパン的な暗黙の了解も含めてゾクッとさせられる立ち回りでしたね。

 ラップ的には24,8-48,2-73,8-98,7-117,8という推移で、1000m通過が大体61秒ジャストくらいと、やや前傾ながらほぼ平均ペースで刻んでいきます。
 これはやはり番手でアディラートが動かずに前のアシストをしていたのもあっての流れかなと思いますし、その分だけラスト300mも19,0とそこまで消耗し切っている感じではなく、そして直線入り口ではもうアディラートは下がってしまって、サンダースノーとエピカリスの一騎打ちになります。

 じわじわ詰めるサンダースノーですがエピカリスも素晴らしい粘りで中々抜かせず、そしてゴール前50mくらいでサンダースノーが外に寄れたように見えた時には一瞬勝った!と思ったのですが、これは結果的にスミヨンJの高等戦術、敢えて馬体を離して一気に抜き去る戦略の一環だったようで、本当に最後の一完歩でギリギリ差し切られるという悔しい悔しい結果でした。
 贅沢を言えばもう少しアディラートが粘って、サンダースノーに4コーナーで外を回させられていれば、なんて思いもしますが、あの馬はまあ適性的にもマイルまでだろうな、とは思っていたので仕方ないですかね。

 逆にエピカリスは距離が伸びても戦える目途がつきましたし、今年からボーナスもあるわけで、是非ベルモントSを最大目標に進めて欲しいなと個人的には思います。
 アディラートは改めてユニコーンSあたりから堅実に積み重ねて、来年のフェブラリーステークスに出てきて欲しい素材ですね。

**★ゴドルフィンマイル・ドバイゴールデンシャヒーン**

 前半45秒台の激流になったとはいえ、それでも基本的には先団から中団にはいないと勝負には加われない馬場でしたので、後方大外から追いこんで5着、というカフジテイクの結果はむしろ健闘した、と思っていいと感じますね。適性的にはほぼノーチャンスと思えた舞台ですし、こういう追い込み馬はピークが短いのでなんともですが、1400~1600m路線で国内を盛り上げて欲しいところです。

 ディオスコリダーは中々厳しい競馬になりましたが、これを糧として潰れずに成長していって欲しいなと思います。 
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2017 大阪杯 プレビュー

**★はじめに**

 さて今週は、今年からGⅠに昇格した大阪杯が行われますね。
 春の中距離路線の大レースがない事を受けて創設され、春古馬三冠ロードとして新たに確立されたものの、現時点ではそのろせんを目指すと公言しているのは昨年の年度代表馬・キタサンブラックのみ。
 戦前からの懸念通り、他の前哨戦やドバイを使う陣営も多く、せっかくGⅠ昇格を果たしながらも登録段階でフルゲート割れ、その内ディーマジェスティは日経賞に使っているので最大でも14頭立て、と、その点はやや寂しさを感じさせます。

 ただ元々ここは強い馬のステップレースで、少頭数になりやすい舞台でもありましたし、今年は中々に豪華なメンバーは揃っています。
 GⅠの冠に相応しい熱戦が繰り広げられるのを、ワクワクしながら待ちたいところです。

**★レース傾向分析**

 昨年まではGⅡであり、ここが目標、メイチという馬も少なかったことから、傾向がそのまま鵜呑みに出来るかは難しいところですが、一応の基本的な考え方の礎として、さっくりと触れていきたいと思います。

 まずコース形態としては阪神の内回りコース、2000m戦になります。
 スタートしてすぐにゴール板前の坂が待ち構え、それを超えるとすぐに1~2コーナー、というレイアウトから、あまり前半からペースが上がっていくイメージは薄いコースになります。
 実際に過去10年、馬場差はあっても前傾バランスになったのがたった2回、絶対的な速度で前半1000m60秒を切ってきたのも2回だけで、基本的にはスローで入るレースになっています。

 向こう正面からじわっと引き上げられて、直線も350mあまりとやや短いので、後続は3~4コーナーではエンジンをふかして進出してきます。
 なので形としては速い脚が分散されてのロンスパ的な展開になることは多いですが、前半のペース次第では後半の勝負所で二段目の加速、かなりの切れ味と持続力を問われる事になります。
 まとめると、前半ある程度流れれば後半はロンスパ高速持久戦、スローからだと二段階加速持続力戦が、特に上級条件では高い確率で起こるコース、と見ていいのではないでしょうか。

 今年はまず、馬場的には昨日までの感じを見てもまだ高速状態は保っていますし、週中の雨があっても一気に悪化する事は考えづらいです。
 かつ今年はマルターズアポジー、ロードヴァンドール、キタサンブラックというテンに速い逃げ候補が揃っています。
 アポジーは前走でハイペース逃げに開眼して、今回もそれを踏襲してくる可能性は充分あり得ますし、キタサンも去年はテン乗りでスローに落とし過ぎ、ラストの持続力でやや見劣るという結果、その後のレースぶりを踏まえても、前哨戦とはいえ極端に遅くしてくる可能性は低いでしょう。
 
 なので今年は、GⅠ昇格年度という事もありますしある程度タフな流れ、アポジー次第では前半58秒台後半、キタサンの位置でも60秒を切ってくるくらいのペースを想定しておきたいですね。
 その上で今の馬場ならレコード、とまではいかなくても、1分58秒台前半から半ばには入ってくるメンバーだと思いますので、後半でも極端ではないにせよ直線入り口辺りで11秒前半の切れ味を求められることになるかな、と考えます。
 ある程度ついていくならそれなりの追走力は必要ですし、後ろから押し上げていくなら良質な持続力と切れ味、パワーも兼備した馬が望ましい、という見立てになるでしょうか。

**★有力馬所感**

・キタサンブラック

 常に王道路線をひた走りながら、ほぼ崩れるところのない万能馬、既に王者の貫禄は充分に纏って、今年も春の仁川を始動戦に選びました。
 現状の能力分析的に見ると、ベストの距離は2400m前後かな、とは思いますが、非常に好走スポットの広い馬なので、当然ここでも軸馬としての信頼度は抜群、この馬を負かしうるとしたら、という観点で予想を組み立てるべきでしょう。

 今回は逃げ候補が他にもいて、ある程度それについていく形になるかなと思いますが、昨年の宝塚記念でハイペース適正は証明済みですし、自身もはっきりスローからの持続力戦よりは、全体のスピードを生かしての持久力勝負、仕掛けどころを遅らせての出し抜きがより強力な武器になってきますので、そういう形になるようにレースを支配したいところです。
 前にいるであろうアポジーも軽視は出来ないのですが、ペース判断には長けた武Jだけに、この馬自身で59,5-59,0くらいの絶妙なバランスで入ってくれるかな、と思いますし、前哨戦仕様でもまず勝ち負けになるでしょう。

・マカヒキ

 昨年秋の凱旋門賞惨敗からリズムの狂った、タレント豊富な強い世代のダービー馬・マカヒキが、捲土重来を胸に現状のべスト距離だろう2000mで復権を目指します。
 前走京都記念は、かなりのタフな馬場で持ち前の切れ味が発揮できなかった印象ですので、まずは良馬場、高速馬場を期待したい、ということにはなります。

 その上で、今回のレースにおいてのこの馬の立ち回りのポイントは、どのポジションで競馬をするか、という点になります。
 秋の凱旋門賞や前走を見ても、春シーズンに見せていた出足の鈍さは比較的解消されていて、今回のメンバー構成ならその気になれば中団から前を確保する事も不可能ではないと思います。
 当面の最強のライバルが、前でレースを支配するキタサンという点を鑑みても、ダービー馬の沽券にかけて負かしに行かねばならない、と考えてそれを射程に入れる位置でレースをしてくる蓋然性はそれなりに高いでしょう。

 ただ結局のところ、この馬は良馬場でも前半あまり無理が効かないタイプではないか、という懸念はあります。
 ハイペース展開だった皐月賞でも自身の通過は60秒前後、ダービーはよりスローの展開の中で、持ち前の切れ味と持続力を遺憾なく発揮したという経緯を冷静に見ていくと、レース全体がスロー気味に落ち着けばいいですが、それなりに流れる中で早め早めに押し上げていく形で良さが出るか、は頭の片隅に入れておきたいところです。

 無論良馬場、距離短縮はプラスに働くと思いますし、コーナー加速自体はそこまで上手い印象でもないですが、脚を溜められればそれを補ってあ余りある瞬発力の質と持続力を備えているので、それが十全に発揮されればキタサンを差し切れるだけの絵図は作れる馬です。
 だから切り捨ては勿論出来ないですし、ただ枠の並びや馬場など細かい部分を勘案しながら、どのくらいの印を打つべきかはギリギリまで悩みたい一頭になりますね。個人的には、今回はあまり前に行かず後ろで自分のリズムを守ったほうが好走確率は上がってくると考えています。

・サトノクラウン

 昨年末の香港ヴァーズで、マジック炸裂の恩恵もあったとはいえ強敵ハイランドリールを撃破、年明け初戦の京都記念も馬場を味方にマカヒキを撃破して連覇達成と、ここにきてようやく本格化、軌道に乗った感のあるサトノクラウンが、余勢を駆って大阪杯初代王者の地位を虎視眈々と狙ってきました。

 今の充実度は確かに認めるところなのですが、適性判定の面からみると、今回の条件は決してプラスには転じない、と考えています。
 以前にも折々に触れていますが、この馬は前半無理をすると後半の持久力がかなり削がれてしまう、総合的なスピード色が薄い馬です。
 状態は悪かったにしても、全く勝負にならなかった二回の秋天、重い馬場でもハイペースで流れて持ち味が殺された宝塚記念、無敗で挑んだ皐月賞にしても、要所で外々をぶん回す不利があったとはいえあそこまで負けるのは、突き詰めれば追走力不足、スピード不足が根幹にあったと感じています。

 なので、ここで1,58,5前後の時計勝負になった時に、前目につければ追走力不足で足りない、後ろからでも瞬発力の質と持続力で足りない、となる可能性がかなり高いのではないかと見ています。
 まして強気なデムーロJで、先行策で結果を残していますから、ここでもある程度は前目を意識したレースプランを組み立ててくるでしょう。そうなると尚更に追走で苦しむと感じますし、この条件に関しては、むしろデムーロJだからこそ消せるパターンなのではないかと、怖さはあれ現状は印を回す気はない一頭です。

 というより、この条件でネオリアリズムのほうに乗っていたら相当に怖かったんですけどね。
 馬場や距離を考えても、この馬はドバイシーマなら勝ち負けだったろうになぁ、と思うのですが、まあそこは素人考え、馬に関するプロが選んできたローテーションなので、ここで今までの弱点を克服し更なるステージに上がっていけるか、その意味では試金石的な一戦にもなると見立てています。

・アンビシャス

 去年はスローペースの中、外からじわっと押し上げて番手マークという奇策でキタサンを撃破したアンビシャスが、春の大目標としてここを選んできました。
 前哨戦の中山記念は、前半超スローから、後半1000m57,5という高速ロンスパ戦の流れの中で、位置取りの差でどうしようもなかった結果ではあり、あまり悲観する内容でもなく、能力落ち自体はないと見ていいと思います。

 元々スローの流れを質の高さや持続力の高さで問答無用に捻じ伏せるタイプではなく、本質的には総合力で勝負したい馬になります。
 古い話ですがラジオニッケイ賞あたりでは、淡々とした速い流れに乗って、後半一切ラップを落とさない強烈な持久力を見せていて、トップギアまで引きあげてしまうとあまり持続しないながら、11,5くらいのラップを長く踏み続ける能力に関しては相当のものを持っています。

 基本ここまでの戦績的に、GⅠではちょっと足りない典型的な馬になりかかっていますが、レース全体が平均的に流れていく中で、スタートが上手い福永Jでスッと中団くらいを確保できれば、ここはかなり面白い条件になってくるのではと、今のところ印は必ず回すつもりでいる馬です。

・ヤマカツエース

 年末と年明けの金鯱賞を変則連覇して意気揚々とGⅠの舞台に登壇するヤマカツエースは、馬体も増やして筋骨隆々、正にキンカメ産駒らしい充実期、絶頂期に入ってきたのかな、と感じさせます。
 好不調の波が激し過ぎるので、今に至っても適性が綺麗に見極められない厄介なタイプになりますが、時計の出る良馬場、という条件で考えた時に、この馬はどちらかと言えばスローからの後半持続力勝負でいいものを見せてきています。

 昨年の鳴尾記念があまり良くなく、綺麗な平均ペースで中盤も緩まない流れの中、外から勝負に行ったとはいえ直線の反応は乏しく、あのイメージからするとあまり流れを追い掛けない方がいいのかな、とも感じます。
 一方で重い馬場でなら前傾ラップでの消耗戦でも結果を出しているので、絶対的な速度としての追走力に壁のあるタイプ、という判断を今のところ下しています。

 なので今回想定される展開の中では、ある程度前半はゆっくり構えての後半勝負、という形が好走の為のファクターになってくるかな、とは思います。
 ただこの馬は持続力は高いですが、一瞬の質はさほどでもないので、あまり下げ過ぎると前に取りつく、追いつく地点がない競馬にもなりかねず、そのあたりのバランスの取り方が難しい一頭になるでしょう。

 雨が降って重くなれば、サトノともどもプラス条件に転じると思いますし、良馬場ならロスなく運べる内枠が欲しいな、と思う馬ですね。

・ステファノス

 この馬も後半の持続力が最大の武器なので、全体で流れるレースだと離され過ぎて届かない、といって前目を狙うと甘くなるという難しさがあります。
 去年の鳴尾記念も、いつもの前哨戦仕様とはいえ平均ペースでインを上手く立ち回ってもサトノノブレスに見劣るレベルですし、叩き二戦目の上昇はあれ、ここで勝ち負けまで持ち込むにはかなり展開利が欲しいですね。前がやりあって仕掛け自体が速くなるとか、この馬のエンジンを早めに全開にしていける条件になれば、とは思いますが、同型馬もかなり強いので評価に悩む一頭です。

・ミッキーロケット

 この馬は昨秋からの躍進を総括的に見ると、距離が伸びて持久力を強めに問われる条件で安定してきた、という考え方は出来ると思います。
 本格化前の夏の北海道戦でも、2000mでスローなら勝ち切れる、けど全体に流れると甘くなるところは見せていて、正直個人的にはこの距離短縮がプラスに働くとは思っていません。
 日経賞のシャケトラが強かったのでこの馬も、と票は流れそうですが、あれも持久力特化の舞台で適性を強めてきた感は強いですし、戦うべき土俵が違う、と見做したいですね。

 前走でも大きく出遅れたようにポジショニングの不安も解消はされていませんし、ある程度馬場が渋ってこない限りは印を回さないつもりの馬です。
 勿論4歳の成長力は侮れませんし、ここで適性の幅を広げてきたら天晴れ、という話ですが、ここまでの足跡を見る限りでは、2000mのスピード勝負では足りないと思います。

・マルターズアポジー

 有馬記念こそ高い家賃を払う羽目になったものの、その前後では常に逃げて後続をコーナーで出し抜き振り切る強い競馬を見せているマルターズアポジー。
 特に前走は圧巻で、それまでは平均かややスローに支配して、後半の持続力をワイドに引き出す展開を作り出していくのが勝ちパターンだっただけに、あんな一貫したスピード特化、消耗戦に持ち込んで強いとはと驚かされました。

 ロードヴァンドールもそうですが、今までにない適性の舞台で好走してきた時は成長が見込めると思えますし(金鯱賞で無印にした上では後出しもいいところですが)、ここでもキタサンが後ろのライバルを牽制する意味で前に楽をさせてくれたら、意外としぶとい粘り込みがあっても不思議ではないと感じます。

 適性的にもハイペースに振れにくい阪神2000mは悪くないと思います。
 前走ほど飛ばさずとも前半59秒ちょいくらいで、3コーナーからじわっと引き上げていく強気のレースメイクが出来れば、キタサンを慌てさせられると思いますし、上位馬の大半に追走力面で不安がある条件ですから、玉砕にはならないギリギリのライン、肉を切らせて骨を断つ的な戦法で挑んで欲しいですね。

**★思い出の大阪杯**

 これはもうダイワスカーレットに尽きるなぁと。
 古馬初戦にこの舞台を選び、牡馬に序盤からかなり厳しいマークを受けながらも、直線向いて強靭な粘り腰を見せ、着差は僅かながらどこまで走っても交わされない、と感じさせる圧巻の強さでした。
 ペース的にも59,1-59,6と、今年GⅠであるならこのくらいにはなって欲しい、っていう、他とは一線を画した素晴らしいラップを刻んでいて、かつラストの3Fも11,5-11,6-11,7、坂地点での減速がほとんどない、底力を証明する勝ち方です。

 今年のキタサンならこういうレースは可能だと思いますし、その他馬を篩にかけてつぶしていくような流れの中で台頭してくる馬がいるか、やはりこういう迫力ある展開にはなってくれればいいですよね。
 ダスカ自身はこのシーズンは怪我がちで、大のファンとしてはもどかしいものでしたが、このレースを走った時点では絶対王者の誕生すら感じさせてときめいたものです。
 無事是名馬、というのはその通りですし、今年の面々もここをステップに、怪我なく大レースに挑み続けていって欲しいものですね。
posted by clover at 04:32| Comment(0) | 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする