2017年03月18日

2017 高松宮記念・マーチS レース回顧

**★高松宮記念**

 春の足音が遠ざかる寒の戻り、三寒四温を地で行く氷雨の舞う中、青雲を象らんと馬場中央を一閃に切り裂いたセイウンコウセイが、勢いそのままに嬉しい初重賞制覇をGⅠで飾りました。レースを振り返っていきましょう。

 まず馬場ですが、予想以上に重くなってしまったなぁ、という印象ですね。ただ朝の時点からもう悪化していて、そこから極端に悪くなり続けるという変遷ではなかったので、午前中の時点でしっかり予想を組み直す猶予はあった条件だと思います。まあお仕事中の私には出来ない相談なのですが…………。
 基本的に内外の差はそこまでなく、全体的に湿っている馬場で、しっかりグリットの適性があるパワータイプの馬が上位に来ていると思いますし、先行勢が直線で外に持ち出した分だけインがガラッと空いて、その間隙を突いた馬も多いので、純粋な力差も踏まえつつ立ち回りが噛み合ったかどうかはしっかり判断したいところです。

 展開は、今日もシュウジが抜群のスタートから制御しきれない感じでハナを取りに行き、その内からラインスピリットとセイウンコウセイもかなり速くて、結果的にラインが逃げる形、シュウジが番手外でセイウンがその後ろになります。
 外枠勢もトウショウピストあたりはかなり押していきますが完全にはポジションを取り切れず外々、ワンスも早めの競馬で、ソルヴェイグはそれを見る形で先団、インから早々にレッドファルクスも押し上げてきました。
 ドンキとフィエロは後方インでじっと待機、メラグラーナも後方外目から進出の機を窺うという隊列になりました。

 ラップは33,8(11,27)-34,9(11,63)=1,08,7(11,45)という推移になりました。
 それなりに前半が流れて高い追走力は問われましたし、かつコーナーの推移が11,2-11,4-11,3とほとんど緩まず、ラストは12,2と大きく消耗する形になっています。
 誤差はありますが基本的にはパワー兼用のスプリント力が強く問われたと思いますし、かつコーナーで外々だとラップ的にもより苦しかった形で、セイウンコウセイ以外の上位馬はほぼ例外なくインベタに近いコース取りをしているので、枠順とコース判断も明暗を大きく分けたかな、とは感じますね。

 勝ったセイウンコウセイは素直に強かったですね。
 斤量2kg増に前傾のペースになった時の追走力など、色々考えた結果迷ったけど切ってしまいましたが、ここまで馬場が悪化すれば3走前の走りからも当然上昇して然るべき馬でした。
 ただ前日予想の上、基本的にソルヴェイグが耐えられるラインのちょい重い良馬場、くらいで思い入れ込みで決め打ってしまっていたので、これは申し訳ないですが自分的には仕方ない形です。

 けれど馬自身の充実も間違いなく素晴らしく、今日は1秒もの前傾ペースで、基本先行勢が総崩れの中一頭だけ4コーナーでどこを通るか選べるほどの余裕綽々ぶりには驚きましたし、その時点でやられたなー、と。
 直線も馬場の真ん中を通って手応えそのままにしっかりと抜け出し、ラストも自身のラップでしっかり粘り込んだ形ですし、ある程度前の馬に付き合って外を回してこれですから、今日の馬場コンディションの中では図抜けてこの馬が強かった、と見ていいでしょう。

 今日も見せたようにスタートセンスは抜群で、非常に器用さもありつつ馬力も備えているので、今後の活躍が楽しみですね。後は純粋に高速馬場での時計勝負になった時にどうか、課題はそれくらいになってくると思います。

 2着のレッツゴードンキは、好調を取り戻してきた岩田Jらしいイン差し決め打ちが綺麗に嵌りましたね。
 思ったよりも前半ついていけずにあれれ、でしたが、コーナーで多くの馬が外に行く中で、ロスを抑えつつ前に上手く取り付けましたし、直線も迷わず一番内に潜り込む判断は、馬力のあるこの馬にとってはベターな選択だったと思います。
 前で粘り込む当面の相手のレッドファルクスは競り落としていますし、外から一頭違う競馬をされた形ですけど地力は見せました。この馬も純粋なスプリントだと総合スピード的に辛いかもですが、こういう条件になれば一気に浮上してきますね。

 3着レッドファルクスは、え?昨日に引き続きイン決め打ちなの?とちょっと驚きましたね。
 とはいえ枠なりと言えばそうですし、出足自体も以前よりかなり良くて、直線でも序盤はしっかり伸びてきています。
 ただラストはかなり甘くなってしまってドンキに差し込まれましたし、この馬場だと持ち前の持続力が生きないのか、それとも自身34,4-34,6の前傾ラップでは追走力で辛かったのか、或いは遠征明けで状態に問題があったか、そのあたりは判断が難しいところです。

 ある意味その全てが複合的に作用して、という感じでもありますし、競馬の幅を広げてきた、という観点では悲観すべき負けではないでしょう。
 本質的には後半型のスプリンターですし、もっと距離が伸びてもやれる馬だとは思っていますので、個人的には京王杯から安田記念を使ってみて、そこでゆったり入ってどこまで持続力を引き出せるか試して欲しいですね。

 4着ティーハーフにはビックリですが、確か去年もイン差し決め打ちで結構惜しいところまで来ていましたし、時計がかかって浮上してきた、と見做していいでしょう。
 かなり条件が嵌り切っての結果ですので、次に鵜呑みには出来ないとは思いますが、久々に意気軒高なシーンを演出できましたし、復活のきっかけにして欲しいですね。サマースプリント辺りで楽しみにしたいです。

 5着フィエロはまぁ、やはり位置取りはこの馬場でもああなってしまうし、直線の進路取りもスムーズな中でこれですから、純粋に力自体も落としているし、スプリント戦にも高い適性はなかった、と見ていいと思います。
 結果的に極端にスプリント色の強い競馬はしていないですから、ここから安田を狙って、今回が刺激になってある程度ポジションを取ってくれば怖さはあるかもしれませんね。

 ソルヴェイグはまぁ、やっぱり渋ったらダメな馬なんだなぁ、とは再認識ですね。
 スタートからフワフワと進んでいかない感じでもありましたし、本来はもっとダッシュが効く馬なのでそのあたりの位置取りの差も影響したでしょう。ただ前傾戦は望むところ、の中で、直線で一瞬もいいところを見せられなかったので、この条件では完敗、ですね。
 この馬は流石にマイルまでいくと長い気もするので、素直に夏のサマースプリントに絞って再浮上を目指して欲しいところです。

 メラグラーナも、コーナーで外々という一番厳しい競馬の流れに嵌ってしまったのはあれ、持ち前の切れ味を全く引き出せなかったですね。
 やはりこの馬の切れ味は良馬場でこそ、という事でしょうし、ここはある程度度外視していいレースになると思います。

**★マーチS**

 こちらは逆に、予想よりは雨が降らなかったなぁ、というところでの稍重馬場、時計自体は多少軽くなったかな、程度の差でしたね。
 展開はショウナンアポロンが激しく出遅れ、インカンテーションは好スタートからハナを狙うも、外から一気にコクスイセン、アスカノロマンが進出してきてこの二頭が逃げ番手、インカンテーションは二列目ポケットでの競馬になります。
 意外だったのがその外目に早々とディアデルレイが押し上げてきたことで、個人的にはこの位置がロンドンタウンかな、と思っていたのですが、結果的にロンドンがその半馬身後ろの外目、リーゼントロックが真ん中に入って、メイショウスミトモとマイネルクロップは中団、という隊列になりました。

 ラップは36,6(12,2)-36,8(12,27)-38,6(12,87)=1,52,0(12,44)という推移になりました。
 馬場が軽くはなり切っていない中でのかなりの前傾ラップ、消耗戦になっていて、後半のラップ推移は12,7-12,3-12,5-13,8という数字です。
 かつ、二番手以降の馬がこの残り800mからの12,7のところで一気に取りついているので、実質的にはこの地点で12,2くらいの脚は使っていて、息が入らず追走力も問われる中でのロンスパ、徹底的な持久力戦になっていて、その証左がラストの13,8という落ち込みに現れています。
 全体のペースからも、勝負所の3~4コーナーで内外の差はかなり大きかったと思いますし、立ち回りと仕掛けどころの差が結果に反映したレースだったと思います。

 勝ったインカンテーションは、うんまぁ順調ならこのくらいは走れる馬ですよね、というのは素直に思います。
 こういう前傾のタフなレースにも強いですし、またポケットにいたことで外からアスカが早めに進出していく中で仕掛けをワンテンポ待てた、かつ最内でコーナーでのロスが全くなかったことが、全馬消耗している中での最後の粘り脚につながったと感じます。
 もう七歳ではありますが、レース数を使っていない馬なのでまだ一花咲かせられると思いますし、より高いステージに戻っていって欲しい馬ですね。

 2着のディアデルレイは、かなり強気の競馬をした中で極端な消耗戦でポジショニングが最後にものを言った形かな、と思います。
 前走を見ても、この枠から一気にあそこまで取り付けるとはちょっと思っていなかったですし、結果的にロンドンを一枚外に追いやった事で、コーナーのロスが大きく響く展開を最小限のロスで留めたファインプレーになったと感じましたし、このクラスでも戦える目途を立ててきたな、と感じます。
 本質的にはもう少し軽い馬場での総合力が一番の武器になるタイプだと思いますので、府中や京都なら狙いを上げていってもいいのではないか、と頭に置いておきたいですね。

 3着アルタイルは、うーん、この馬がここでこういう競馬が出来るとは…………という感じですね。
 予想的にはちょっと外連を張り過ぎた格好ですが、ディアデルレイは少なくとも取り上げるかかなり迷って消した、そしてこの馬より人気ない馬を選んでる中で、この馬だけは全く視界に入らなかったので素直にごめんなさい、です。
 基本的に追走力はあるけれど、バランス的に消耗戦では脆い馬、という判断でしたが、ここまで消耗し切ると逆に立ち回りでフォロー出来るレベルだったのかな、と思いますし、実際3~4コーナーは内目を通しつつ、直線入り口でロンドンの外に出してブレーキ踏まずに進出するそつのない動きが出来ていました。
 やはりインカンもそうですけど、コーナーで無理をしなかった馬が最後にちょっとだけ余力を残していた、というレースなのだと思います。

 4着ロンドンタウンはうーん、この展開なら差し込んで欲しかった、とは思いますが、ちょっと地力の期待値を高く見積もり過ぎましたね。
 ポジショニングの部分でディアデルレイに前に入られて、道中から終始外々、4コーナーでも4頭分くらい外を回されたのは苦しかったですし、斤量的にも甘くなかったですが、ここまでラスト消耗しているならなんとか差し切って欲しかったなぁ、と。
 でも直線入り口の反応も悪かったですし、ジリジリジリジリ詰めてはきていましたが、ここで問答無用で押し切れるほど持久力に秀でてはいなかった、と冷静に見做すべきでしょうね。

 5着アスカノロマンは、まあ強い競馬ですけど流石に強気すぎましたね。
 3コーナーから一気に進出してロンスパに持ち込んでいますし、その分だけラストはガタッと止まる形で、状態的にもまだ万全ではないのかな、とは思わせますが、もう少しじわっと行ければ結果は違ったかもしれません。
 ただこの2頭は、本来名古屋大賞典に出る予定が、出走馬選定の枠ではじかれて急遽こちらに、となり、鞍上も完全なテン乗りになってしまった不運もあるでしょう。アスカは特に、ムラ駆けですが嵌ればGⅠクラスの力はある馬なので、条件と状態をしっかり見極めていきたいですね。
posted by clover at 04:07| Comment(0) | レース回顧・地方競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017 毎日杯・日経賞 レース回顧

**★毎日杯**

 このレースを語る前に、今日飛び込んできた最大のニュースは、ファンディーナの皐月賞挑戦表明でしょう。
 混沌とした牡馬クラシック路線を一刀両断すべくの、追加登録料を払っての挑戦は本気度は高く感じます。
 短期間に輸送回数が増える部分に一抹の不安はあれ、私としてはこれはレース当初から期待していた展開なので嬉しく思いますし、一層に皐月賞が楽しみになりました。

 ともあれ、そんな皐月賞に向けての最終切符をかけた毎日杯は、アルアインが早め抜け出しから一杯に粘り切って、僚馬サトノアーサーの猛追を振り切り重賞制覇を成し遂げました。詳しく見ていきましょう。

 馬場自体はやはりまだ高速傾向は強く、相変わらずスローのレースが多いですが500万下のキロハナが1,47,7で上がり33,2、まず切れ味がしっかり生きる馬場ではあったと思います。
 展開はテイエムヒッタマゲが注文通り出していき、そのすぐ後ろにクリアザトラック、そして一歩目はやや立ち遅れたアルアインがすぐさまリカバーとして、その内から番手を取っていきます。

 このあたり、昨日は展開読みは楽だねー、とか胡坐をかいていた大馬鹿がいましたが、なんとも難しいものです。
 とはいえ、結果から見てもトラストやガンサリュートは、スローの流れに乗るだけならまだしも位置取りがああなるってのは、正直ちょっと消極的に過ぎる騎乗には思えてしまいますね。
 ともあれ、四番手にプラチナムバレット、その後ろにトラストとガンサリュートがじっくり構えて、キセキとサトノアーサーはもっと後ろから末脚に懸ける競馬を選択しました。

 ラップ推移は35,2(11,73)-36,9(12,3)-34,4(11,43)=1,46,5(11,83)となっています。
 前半はヒッタマゲが離していましたし、実質的にはかなりスロー気味で、番手にいたクリアとアルアインで1000m通過が1,00,5くらいに見えました。
 ただ中間5F目のの12,7のところで、緩みに付き合わずフラットにクリアが押し上げていって、アルアインもそれに付き合う形にはなっているので、二番手以降はスローロンスパに近い流れで、そこから後半もう一段上げて、ある程度の瞬発力の質と高い持続力を問われた、というイメージでいいと思いますね。

 勝ったアルアインは、未知数の部分が予想以上に大きかったな、という感じです。抜群、とはいいませんが、このスロー気味の流れの中で、自身の後半5Fを57,5くらいでまとめてきていると思いますし、コーナー地点が11,1と最速なので、かなり高い持続力を問われましたが、切れでも負けることなく、かつ最後までしぶとく粘り通してきましたね。
 マイルを使ってきた分のポジショニングの良さもありますし、この馬としては追走力の面ではこのペースなら余裕、きっちり自分の脚を引き出しきれる展開でしたから、この結果はストレートに実力と見立てていいと感じます。
 競馬の質的に皐月賞の舞台には結構合いそうなレースをしてきましたし、出てくれば充分勝負に加わってこられる1頭になると思います。

 2着のサトノアーサーは、まあ今のところはこれしかないよね、という後ろからズドン、の競馬で、それでも勝ち切れるかと思ったのですが、私の予想以上にアルアインが強かった、と見ていいとは思います。
 この馬自身も61,5くらいの通過で、後半45,0くらいで駆けているので一応追走面で上積み、その上で削がれない持続力と一定の切れ味は見せてきたとは思います。
 ただ質に関しては、よりスローだったシクラメン賞よりは落としていると思いますし、自身の後半4Fは11,7-11,0-10,8-11,5くらいに見えましたので、持続力でも化け物クラスではやはりない、という見立てにはなりますね。

 まだ走りのフォーム自体も少しバラつきがあるように思えますし、ダービー向きの競馬はしていると思いますので、皐月はパスしてじっくり成長を期待するべきかな、とは思います。皐月だと流石にもっとペースが上がって、それでリズムを崩す方が今のこの馬には危うい要素だと感じますしね。 

 3着キセキは、確かに阪神適正はあると思っていましたけれど、上手くインを捌いたとはいえこの相手でここまで肉薄できるのはちょっと驚きはありました。
 前半無理せず入って一瞬の切れ味と持続力を押し上げてきましたし、この馬もダービー路線で少し面白さは出てきましたが、でもサトノアーサーには通ったコース踏まえても完敗ですし、もう一段上げてこないと厳しいですね。実質まだ500万下の馬でもありますし、次の選択が難しいところです。

 4着プラチナムバレットは、まあ確かにクリアより上には来たけれど、純粋に能力の差を甘く見過ぎていたかな、という感じでしたね。
 直線向いて一瞬反応はありましたけど、明らかに持続力では見劣ってしまいましたし、また自己条件からしっかり積み上げていって欲しいところです。

 トラストガンサリュートはまぁ、あの位置じゃそりゃそうだよ、という競馬に尽きると思います。
 トラストなんかは特に、追走力を淡々と問われる競馬で面白いと思っていて、皐月賞は合いそうなんですけどね。あまり消極的だと持ち味が生きませんし、流石に勿体ない競馬だったと思います…………というよりは、使うレース選び自体があんまり良くない気はしました。
 2頭ともに自分の形に入ってくれば地力は確かなので、しっかりどこかで巻き返して欲しいものです。

**★日経賞**

 例年になく頭数が揃い、新旧勢力入り交えての一戦は、上がり馬シャケトラが大外から強烈な持久力を見せつけて、見事大海へ泳ぎ出すこととなりました。レースを振り返ってみましょう。

 馬場はまだ特に変わりなく標準的で、それなりにパワーを要する、というのには変わりなかったと思います。
 展開は、まずジュンヴァルカンが大きく出遅れ、ヤマカツもあまりダッシュが良くなかったですが、外から好スタートを決めたアドマイヤデウスとミライヘノツバサがヤマカツを待つ形で隊列が形成されていきます。
 綺麗なスタートのゴールドアクターはそのすぐ後ろの内寄りと絶好のポジションを確保、ツクバアズマオーも積極的に入っていき、中団にナスノセイカンとレインボーライン、シャケトラ、ディーマジェスティは後方からゆったりと前を伺いつつのレースになります。

 ラップは3,5-3-3-3で取って、42,9(12,23)-37,6(12,53)-36,1(12,03)-36,2(12,07)=2,32,8(12,22)という推移になりました。
 中山2500mは、一周目のゴール板過ぎの1~2コーナーで緩むのが基本ですが、このレースに関してはここで極端に緩んでいません。
 というよりも、一旦12,9と息を入れたところからすぐに加速がはじまって、そこから12,5-12,2-12,0-11,9-11,8-11,8と、大きな波はないとはいえ、実質7F戦くらいの超ロンスパ戦になっていて、ラストは12,6とはっきり消耗しているように、極端なほどに持久力特化戦になっていると感じますね。
 ほぼレースの流れの中で加速や切れ味は問われていませんし、馬場も含めてかなり適性が問われたレースだと思います。

 そして勝ったシャケトラは、距離延長でより持久力が問われる競馬でここまで強いのか、と唖然とさせられましたね。
 基本的には前目でインを通した馬が上位に来ているレースですし、この息の入らない流れを外から長々と押し上げて、ラスト1Fまで一番いい脚を持続させてくるというのは、それこそゴールドシップ的な破天荒さ、えげつないスタミナ性能を持っていると見做していいでしょう。

 こうなってくると、ここまでのレースで足りなかったのは距離、という見立ても出来てきますし、今後は長距離路線に絞っていってもいいのではないか、と思います。
 春天だといきなり更に3kg増で、自分からレースを動かさない限り完全な持久力戦にはならないレースなので難しさもありますが、こういう馬で距離ロスは気にせず、しっかりノンブレーキで押し上げる競馬が出来る田辺J、というのは怖さを増してくるな、とは感じますね。

 2着のミライヘノツバサもこれもまた強い競馬でした。
 枠的にやや外々になるかな、と敬遠したのですが、中目の馬がこぞって出遅れたりで楽に番手を取れましたし、ヤマカツもそれなりに飛ばす意識がある中で、それをしっかりつついてスタミナが生きる展開に持ち込んだのは好騎乗だったと思います。
 ここまでくると中山適正の高さもありますし、他のコースでどうか、っていうのはまた悩ましいですけれど、こういう正攻法の競馬を続けて力をつけて、暮れの有馬記念に出てきて欲しいですね。

 3着アドマイヤデウスも、やっぱりGⅡまでなら走るんだなぁ、と。
 スタートも絶好でインに潜り込んだのは素晴らしい判断でしたし、その分アクターが先に仕掛けるところで待つことにはなりましたが、直線はしっかり間をこじ開けていい伸びでしたし、このレースの覇者の面目は保つ走りだったと思います。
 

 4着レインボーラインは、うーん悪くはない、んですけど、今日に限ってどうして向こう正面でインに潜り込んだのか、とは思います。
 勿論距離ロスの面では正着なのですが、この馬も外から出し切ってこそではあり、実際デウスの後ろ、四列目あたりだと入り口でかなり待たされる格好になってしまっています。
 その分だけ外から押し上げ勢いをつけた組に反応で見劣りましたし、ラストの減速地点ではしっかり伸びてるだけに勿体ない立ち回りになってしまったような印象は否めないですね。外目を押し上げて、シャケトラの一枚内でガチンコの持久力勝負に持ち込んでどうなったか、が見てみたかったです。

 5着ゴールドアクターは、まあ自分のスタイルでの競馬は出来ています。
 ただ元々ロンスパ戦よりは切れを伴う持続力戦の方が安定して強い馬ですし、有馬でも5Fロンスパには対応してきましたが、ここでほとんど息も入らずの7Fロンスパでは流石に適正外だった、と見ていいのではないでしょうか。
 これはこういう展開に持ち込んだミライヘノツバサを誉めるべきですし、負けるならこういうパターンと思っていつつも、そこまで強気のレースは組み立ててこないだろうと甘く考えた故のミスですね。反省材料ではありますが、でも中々ここまで完璧にスタミナ戦に出来るとは考えにくいですし、それは毎日杯を見ても、なので、仕方ない負け、とは見たいです。

 ただ年齢的にもゆっくり下降線にはなると思いますし、力関係の見極めは慎重にしていきたい馬ですね。

 6着ディーマジェスティは、クラシックホースとしては物足りない結果ではありますが、今日に関しては馬場も展開もかなり苦手な部類になってしまっていたと感じますし、調子そのものはある程度戻っている、と見做してもいいかもです。
 適性の高い高速馬場での持続力戦になれば巻き返しがあると思いますし、しっかり出走条件を見て取捨選択したい馬になりますね。
 
posted by clover at 04:07| Comment(0) | レース回顧・中央競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017 ジョージライダーS レース回顧 その他雑談

**★ジョージライダーS [レース映像](https://www.youtube.com/watch?v=ckMKcSXhQrU)**

 一昨年にはリアルインパクトが制して日本でも話題になったジョージライダーSは、もはや説明不要の名牝ウィンクスの独壇場、圧倒的な連覇達成となりました。
 レース自体は細かく分析するほどのものでもなく、ただこの唖然とするほどの勝ち方を紹介したいだけです。
 これでウィンクスは16連勝、今年の春シーズン(豪州だと秋シーズンですが)の最大目標は2000mのクイーンエリザベスSになる模様です。
 一連のレースぶりを見ても、2000mまでならむしろ距離が伸びた方が強い、というイメージなので、ライバル陣営は今から白旗を上げるしかない状況ではないでしょうか。

**★以下雑談**

 わざわざ一本の記事に仕立てるほど書くことがない話を最初に取り上げたのは、それに託けてもう少しファンディーナの話を膨らませよう、という魂胆ありきだったりします。
 勿論、欧米がまだ本格的なシーズン開幕前の中で、世界の競馬シーンの注目を席巻するウィンクスの勇姿を紹介したい気持ちも強いですが、しかしこのコーナーで少し促すだけで圧巻の加速力を発揮し、後続をほぼ持ったままでぶっちぎるレースぶりを見て、このまま順調に成長を遂げていった時のファンディーナ、という名牝の未来像を重ね合わせるのはロマンのある話でしょう。

 ともあれ、レース回顧記事を書いた時点ではまだコメントなども出揃っていなくて憶測で書いていた部分も多いですが、一連の談話を糾合していく限り、基本的には桜花賞参戦は消極的のように思えます。
 けれど、皐月賞にはそもそも一次登録がされていないようで、わざわざ再度遠征のリスクを払い、追加登録料を払ってまで、というのも考えにくくなりました。個人的にこの馬が皐月賞に出てきたら、前に目標がある限り真面目に真っ直ぐ走るコメントの出ていたプラチナヴォイスが絶好の狙い目になるのでは、なんてところまで妄想していたのですが。。。

 ただし、ダービーには最初から登録があるとも報道されていました。
 前にもどこかで触れたことがありますが、桜花賞と皐月賞はそこまで賞金に差がありませんが、オークスとダービーでは倍以上の差があります。
 施行条件は全く同じ、時期も一週間ずれるだけである限り、どちらでも勝算が見込めるなら、より賞金と名誉の大きい方を狙う、というのは現実的な話になってくると思いますし、実際に今年のメンバーを見渡す限り、ダービーよりオークスのほうが手強くなる可能性も否めません。

 現時点でダービーの本命は?と問われたら、牡馬限定条件でならカデナ、と答えますが、もしアドマイヤミヤビがダービーに回って来るならそちらを上位に取ります。
 これは牡馬が弱い、というよりは、今年の牝馬が強すぎるだけで、もしミヤビやファンディーナがこぞってオークスに回るようなら、2012年のジェンティルドンナのように、ラップ補正込みでもオークス>ダービーという内容になる可能性は結構高いでしょう。

 そう考えれば、今年は普通に矛先をダービーに向ける牝馬は何頭かいても不思議はないと思いますし、ファンディーナも最終目標をそこに置く可能性は充分あると思います。
 その場合のローテーションはまた微妙なところで、使うにしても京都新聞杯や府中のオークス・ダービートライアル戦になります。
 勿論そうやって経験を積むのも大切ですし、まだ素材として未知数な部分があるのも確かですが、将来性まで考えて大切に使うなら、賞金は足りているし、むしろここで一息入れてダービー一本でもいいのではないか、と個人的には考えます。

 上で触れたウィンクスとて、デビュー当初は勝ったり負けたりを繰り返す馬でした。
 それは豪州独特の、春秋シーズンに怒涛のようにレースに使うありようが、まだ体質の固まり切っていない若駒には厳しかったのかな、とも思えるところで。
 無論そうやってレースを使う中で鍛えられる面もあるでしょうが、それでここまで本格化・大成できる馬は稀有で、むしろその素質を開花させられずに潰れていった馬も沢山いるでしょう。

 3戦目にフラワーC勝利と、今年のファンディーナに似た足跡を刻む名牝シーザリオやダンスインザムードも、中2週で桜花賞に使い、シーザリオは生涯唯一の敗戦を、ダンスインザムードは勝ちこそしたものの、圧倒的人気のオークスでは折り合いを欠いて惨敗する結果になっています。
 特にシーザリオ同様距離伸ばしてより良さが出る、と思える同馬には、後々の事も考えてのダービー一本勝負はプラスかな、と思いますし、あまり早い時期に欲をかいた無理使いは避けて欲しいと感じるようになりました。
 今から考えると、シーザリオのフラワーC⇒桜花賞⇒オークス⇒アメリカンオークスってローテーションはあまりにも過酷ですしね。将来性のある若駒の故障引退は本当に切ないですし、去年も綺羅星の如く揃っていた名牝候補達が早期引退に追い込まれていますので、そうならないことを切に願っています。
posted by clover at 04:07| Comment(0) | レース回顧・海外競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017 高松宮記念 プレビュー

**★はじめに**

 未だファンディーナショックも冷めやらぬ中、それでも時間は何にも平等に進んでいきます。
 今週末は、本格的な春のGⅠシーズン到来を告げる桶狭間電撃戦、高松宮記念が行われますね。

 このレースもスプリントGⅠとしてリニューアルされて以降は全てリアルタイムで観戦しているので趣深いですし、第1回のナリタブライアン参戦の衝撃はまだ生々しく記憶に刻まれています。
 今年は去年の上位3頭が引退や故障などで戦線離脱し、実績馬も休み明けと、路線の世代交代を予感させる混戦模様ですが、さてどのようなレースになるか、現状での所感を綴ってみましょう。

**★レース傾向分析**

 中京コースが改装されてからまだ5年しか経っておらず、このレースに限っても馬場状態が相当にまちまちなので、一貫した傾向というのはフェブラリーSほど明確には見出しにくいです。

 コース形態的にはスタート地点がほぼ平坦で、残り1000m-400m区間でダラダラとハロン1mずつ下り、400-200m地点の勝負所で一気に2m近く上る、メリハリの効いたコース形態になっています。
 秋にスプリンターズSが行われる中山も似たような形状なのですが、決定的に違うのは直線の長さと坂の位置で、それ故に中山電撃戦ほど決定的に流れ切るコースにはなっていない、という感がありますね。

 勿論加速していく2F目が下りなので、そこで競り合っていく形になるとブレーキが効かずに極端なハイペースに振れるパターンもあります。
 ただ、過去5年の前後半だけを馬場状態問わずピックアップすると、34,5-35,8、34,3-33,8、34,5-37,7、34,0-34,5、32,7-34,0となっているんですね。

 去年は超高速馬場で、他にテンに速い馬もいる中、ローレルベローチェがなにがなんでも、と、2F目に10,1なんて極限のラップを踏んで出していったので強烈な前傾戦になりましたが、基本線としては前半は34秒そこそこに収束しやすいレース、と考えてもそんなに無理はないと思います。
 その上で、当日の馬場状態で後半のラップの踏み方が変わってくるレースですので、そこを見極めて、上手く適正に当て嵌めていければ、と考えます。
 データ傾向的には、1400m重賞、或いはタフな馬場での1200m重賞での良績がある馬はかなり高確率で上位に食い込んできますし、逆に京都1200mからはあまりリンクしないコースになっているのですが、この辺りも後傾ラップを踏む形になれば多少は緩和されるかもですので、あまり決めつけずにおきたいですね。

 去年は高松宮記念当週に一気に馬場が超高速化してかなり大きな物議を醸しました。
 運営側としてもその二の轍は踏みたくないでしょうし、それ以前に今年は既にかなりの高速馬場が出来上がっているので、そこから極端に上げ下げするような作り方はしてこないと考えます。

 今のところは天気予報も週頭に降るくらいで週末は微妙ですが傘マークはない、となると、今の馬場ならこのやや低調なメンバー構成でも1,07,5程度は基本線で考えておくべきかな、と思います。
 加えて今年の登録メンバーを眺めて感じるのは、例年なら一頭くらいは確実にいる典型的な快速逃げ馬が不在、という点です。
 上で検討したペース傾向からしても、誰かが押し出されるような展開で極端な前傾はあまり考えにくく(無論ギャンブルに出る馬がいないとは限りませんが)、やはり34,0前後、入っても33秒後半に流れは落ち着くのではないかと今のところは感じています。
 
 となると、ラップバランス的には33,8-33,7くらいの平均ペースが妥当かな、と思いますし、この推移ですとおそらく坂地点での再加速を伴うレースになるでしょう。
 4コーナー手前ではややペースが緩みがちな傾向もありますので、後半が11,3-10,9-11,5くらいの、ロードカナロアが制した年に酷似した流れ、展開になるかなと。極端な追走力は問われず、要所の加速、特に坂加速性能が中団以降から差し込むなら必須になってくるのではないでしょうか。
 勿論枠の並びを見ないと確実には言えませんが、事前検討の段階ではこの素案をベースに適性検討をしていきたいですね。

**★有力馬所感**

・レッドファルクス

 去年のスプリンターズSの勝ち馬であり、実績では当然最上位です。
 この馬は去年のCBC賞がえげつない強さで、超高速馬場下で33,8-33,4という後傾バランスを、道中終始後方外々というロスの多いポジションから突き抜けてみせました。
 上がりが32,7ですが、ラスト1Fで4馬身近く詰めているので大体10,9-10,8-11,0くらいで走破しており、これは凄まじい持続力です。800mからの4Fでも推定43秒台半ばでまとめていますし、コーナー全部外々でこの破壊力は極限的でした。
 坂加速そのものは抜群、とまでは言えませんが、それを補って余りある末脚で、能力全開なら当然この馬が最右翼ではあると考えます。

 今年は香港遠征からの休み明けで、そこに付け入るスキはあるかもしれません。
 ただ鞍上は常に早め早めに動いてくるデムーロJなので、状態以外の面、ふかし遅れからの差し損ねなどは極端な内枠でも引かない限り考えづらいです。まして34秒前後で流れ、多少なり4角で緩むようなら、追走力自体は高くないこの馬にとって鬼に金棒の展開になるでしょう。

 時計面の裏付けもコース適性も確かなだけに、基本線としてはこの馬を負かしうる馬、という観点を持って検討すべきかな、と思っています。
 わかりやすい負けパターンとしては内枠で一番後ろまで下げざるを得ない時の極端なスローか、去年のように終始前傾で緩まずスピード特化の展開くらいかなぁ。どちらもあまり、特に今年のメンバーでは出現しそうにない形ですね。

・メラグラーナ

 今年の当レース最大の上がり馬の一頭になりますね。
 馬が充実期に入ってきたところで、戸崎Jに乗り替わってポジショニングにも融通を見せてきていますし、追走力も多少なり底上げされているので、今年のメンバーなら当然走破圏に入ってきます。

 加えてこの馬の強みは、去年夏のフィリピンTの勝ち方にあると思います。
 このレースは開催はCBC賞の2週間後で、まだ高速馬場を保っている中での後傾バランスで展開したレースですが、それを後方から、自身34,8-33,1のバランスでぶち抜きました。
 特に出色なのが坂地点での圧倒的な切れ味で、レースラップが11,1の地点で3馬身程度楽に詰めてきていて、この一瞬の切れ味の質でならレッドファルクスを凌駕していると言えるでしょう。

 ただやはり持続力では、この馬自身高いものはありますが相対的にレッドには劣るので、そこをどう埋めていくか、ですね。
 斤量面などを考えても去年夏のパフォーマンスそのままではちょっと足りないのは確かで、ただあの当時より今の方がポジションを取れるようになってきています。
 後傾バランスが切れ味を引き出す必須条件とは思いますが、ペース的には落ち着く中で、やや外枠を引けて無理なく中団くらいで追走、自身34,5-33,0くらいの推移で走破するイメージで入ってこられれば、かなり面白いかなと思います。
 併せてその時に、後ろから早めに押し上げるレッドに呼応して、レッドを常に一枚外に張らせる競馬をし、その上で坂地点の加速力で出し抜いて粘り込む、という形なら、レッドを凌ぎ切る絵図が描ける馬ではあると思いますね。

・レッツゴードンキ

 4歳シーズンはやや低迷していましたが、ここにきてキンカメの仔らしく充実期に入ってきた感があります。
 前走は馬体重を一気に増やして不安でしたが杞憂でしたし、よりパワーを備えた脚力は中京にも合うでしょう。
 1200m路線だとややポジショニングで後手を踏む場合が多く、流れ切ってしまえばそれは顕著なのですが、幸い今年はそこまで急流にはなりそうにありません。
 追走力そのものにはほぼ不安はなく、後半要素は全て高いものを持っている総合力のある馬なので、ある程度内枠で中団より前が取れて、スムーズに捌ければ充分に勝機は見出せるかなと思っています。

 去年の当レースでも、詰まらなければ3着はあったかも、という脚勢でしたし、久しぶりに好調期に入ってきた感のある岩田Jとのコンビで、綺麗な競馬でGⅠ2勝目を狙って欲しいと思います。

・ソルヴェイグ

 この馬はテンのダッシュの速さとポジショニングの良さ、要所の反応の良さを兼ね備えた、総合力の高い馬です。
 前走は休み明けでやや緩く、かつはじめての逃げる展開、完全な外伸び馬場が合わさっての敗北でしたが、叩き2走目で状態は上がってくるでしょうし、スプリンターズSのように器用に立ち回れれば当然ここでも勝負になると思っています。

 他に逃げ馬がいないので、また押し出される展開になるとどうかな?という懸念はありますが、田辺Jのほうがそういう局面でのバランスの取り方は上手いかな、と思いますし、当然番手外やポケットが取れれば尚良し、先行勢の中では今のところ最上位に取りたいと考えています。
 少し古いですが、阪神1400mのフィリーズレビューの勝ち方もスプリンター向けのいいものでしたし、極限的な時計勝負になるとわからないですが、7秒前半から半ばまでなら充分対応してくれると思いますね。

・シュウジ

 前走の敗北で株を落としそうですが、この馬の場合は追走力に限界があり、オーバーペースだと脆い、という点は考慮していいと思います。
 今回は目標にされる立場でもありませんし、2列目か3列目で自分のリズムで進めていけると思いますので、余程前傾に流れ切らない限り極端な凡走はしないのではないかと考えています。
 半面1200m路線だと決定的な武器に欠ける馬ではありますので、勝ち切る為には上手くインを掬うなり、或いは敢然と逃げて、ペースと仕掛けをコントロールするなりのアイデアが必要になるでしょう。普通に乗ってくる範囲では連下までの評価に留めたいですね。

・セイウンコウセイ

 今年の上がり馬その2、というところで、近走の安定感と抜群の先行力には面白いものを持っています。
 条件時代ですが府中1400mでの好走もあり、コース適性もそこまで不安はないですが、現状では持ち時計の面でやや足りないところはありますし、後半要素でそれを縮める特別な素質があるとまでは感じませんので、無難に乗っては勝ち切るのは難しいかな、と思っています。京都1200m路線の好走馬は半端に人気して飛ぶのがこのレースのお約束でもあり、判断に悩む1頭ですね。

 アドマイヤムーン産駒自体は超高速馬場でパフォーマンスを上げてくる馬が多いイメージはあり、そこはプラスポイントですが、その点で見るとより面白い馬がいるので、枠の並びなどでかなり恵まれないと、と、今の時点では重い印は回さないつもりで考えています。

・トーキングドラム

 前走は完全に嵌り切っての差し切りで、余勢を駆って7歳にして初GⅠ参戦となります。
 ただこの距離だと追走で相当苦労するのは目に見えていますし、後半多少なり加速する流れの中での武器は、このクラスに入ると持っていないと言えるので、ここは余程展開に恵まれないと、と思いますね。
 強いて言えばそこそこ前半が流れた上で、自身は内枠で何とか中団後ろくらいに食らいつき、勝負所で有力馬が外に行ってぽかっとインが空く、くらいの事がないと、圏内でも狙いにくいかな、と考えています。枠を割いて書きませんが、ヒルノデイバローも同様の評価です。

・フィエロ

 今まで大事に大事に使われてきましたが、8歳にしてはじめて電撃戦への参戦になります。
 ただ全盛期ならともかく、今は1400mでも追走に汲々としている感はあり、果たして1200m戦でついていけるかどうか。
 内田Jなのである程度積極的に、それこそレッドあたりと一緒に動いてくれるかな、という感じはありますが、後半の持続力においても、一瞬の切れも特筆するほどではなく、正攻法ではちょっと難しい条件ではないか、と思いますね。
 それこそファルコンSみたいにコーナーで急激に緩むところで、当面の敵のレッドを内に閉じ込めつつ押し上げてくるとか、それくらいの恩恵がないと勝ち切る事はないと思いますし、圏内までも厳しいかな、と考えています。

・ワンスインナムーン

 実績的には見劣りますが、先行勢の中で意外に面白いんじゃないか、と思っているのがこの馬ですね。
 秋にかけて地力をつけてきたのも当然ありますし、あと3歳春シーズンから、明確に高速馬場適性を見せています。
 この馬もアドマイヤムーン産駒ですが、府中1400mの高速馬場戦で、1,20,1という好時計でセイウンコウセイを千切り捨てており、同じムーン産駒でも、より時計を問われて上げ幅が見込めるのはこっちではないかな、と。

 前走でややタフな馬場での1400mに目途をつけたのもこのレースの適性的には好ましいところですし、コーナーであまり緩まず、坂地点での加速度合いが小さい流れになった時にはあっと驚くシーンを演出しても不思議ではない、と期待しています。

**★思い出の高松宮記念**

 まあこのレースは数あるGⅠの中でもかなり地味なので、あまり鮮烈に思い出せるレースってないんですが(笑)、強いて言うならビリーヴが完勝したレースになりますかね。
 前年に怒涛の連勝でスプリンターズSを制しながらも、香港遠征と休み明け阪急杯の惨敗で大きく株を落としての一戦でしたが、好枠を利して前々に取りつき、32,9-35,2という前傾の流れを楽々乗り切って、直線で圧倒的一番人気、連覇を狙うショウナンカンプを軽々と競り落として突き抜けたレースぶりは素晴らしかったです。

 またこのレースは、安藤勝巳Jの中央移籍後初めてのGⅠ騎乗レースでもあり、兼ねてより存在感を見せていた安藤Jが、その真価を遺憾なく発揮してみせた事でも印象深く、その後の大活躍の礎はこの勝ちっぷりの素晴らしさに秘められている、と感じますね。

 

posted by clover at 04:07| Comment(0) | 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする