2017年03月03日

2017 フラワーC レース回顧

 今日は昼と夜の時間が等しい春分の日、これから春満開の季節に向けて、光輝く時間がどんどん伸びていくことになります。
 そんな日に行われたフラワーCは、正にここから沈むことのない、旭日のごとき栄光の軌跡を刻まん、とばかりに、評判馬ファンディーナが衝撃的な圧勝で重賞初制覇を飾りました。レースを分析していきましょう。

 まず今日の馬場は、やはり昨日と大差はない標準的な馬場だったと思います。
 9Rの1000万下マイル戦が47,1-47,4の平均ペースで1,34,5止まり、日月を通してもほとんど速いラップを踏んだところがない、パワー寄りのタフな馬場と見ていいでしょう。

 坂スタートなので全体的にバラつきはある中、ドロウアカードが絶好のスタートから楽にハナを主張していきます。
 内のデアレガーロはやや行き脚で遅れを取り、外からハナレイムーンとファンディーナが押し上げていって、最終的にファンディーナが完歩の違いによるスピードの差を見せつけるように一番外から番手を取り切りました。
 その後ろにやや掛かり気味にデアレガーロと、1コーナーで少し膨れ気味になったハナレイムーン、そして内からスルスルとディーパワンサもポケットに潜り込んできて、人気上位馬はきっちりファンディーナをマークする、という隊列になります。

 ラップは36,5(12,17)-36,9(12,3)-35,3(11,77)=1,48,7(12,08)という推移でした。
 ドロウアカードが刻んだ流れはややスローながら淀みの少ない、けど道中後方からの押し上げは許さない範疇の絶妙なもので、かつじわっと3コーナーから離しているように見せつつ、実際はそこまで上げておらずに本仕掛けを遅らせる見事な騎乗なのですが、流石にドンと番手で普通に折り合ったファンディーナに大名マークを受けてしまえば、その程度の妙技はあっさり能力で覆されてしまいますね。

 形式的にはスローからの加速性能と瞬発力を伴う3F戦、とみていいですし、先行列でファンディーナに食らいついていった上位勢がその加速に対応しきれずほぼ撃沈し、後方でじっと構えていた馬が2,4着に食い込んでくるという、強い馬が強い競馬をしたときの典型的な形になったと思います。ダイワスカーレットの有馬記念を思い出しましたね。
 ラスト2Fの11,2-11,7は、平均気味に流れた今の中山戦では破格の切れ味と持続力と見做していいですし、実際に先週の中山牝馬Sの11,3-11,8より上、勝ち時計も凌駕しているわけですから素晴らしいの一言。

 昨日のスプリングSは1,48,4ですが、こちらは平均から5Fロンスパで、ラストは12,4とかなり消耗、全馬脚を出し切っての時計ですので、ペースやラップ補正を加味すればこちらのほうが上の競馬はしていると考えていいかなと思います。
 加えて言うと、このレースのファンディーナは、4コーナーで少し促しただけであっさり11,2の切れ味を引き出して先頭、残り400mは自身のラップですので逆算して12,0-11,2-11,7でまとめており、しかも残り200mはほぼ持ったまま、惰性だけで急坂での持続力を難なく引き出してきました。やはり文字通りの怪物ですねこれは。

 強いて言えばまだ今日も61秒ペースなので、マイル戦で前半46秒そこそこ、ってペースに自分から入っていってどうか、という懸念はゼロではないですが、馬自身走る気が旺盛なのに制御も効く感じで、むしろペースが上がったほうがもっと強いのでは?と思わせる凄みがありました。

 ただローテーション的には難しいですね。
 桜花賞に出ても充分勝負になるとはいえ、中山遠征で多少なり馬体を減らしての中2週は決して楽ではなく、印象的には距離は伸びた方がより強い感触はあります。ぶっちゃけ皐月賞に出てきたら、極端な内枠とかでない限り本命打ってしまえるパフォーマンスなのですが、中3週で再度の遠征もそれはそれで辛いので、陣営がどういう選択をするか、その動向には大注目ですね。

 2着のシーズララバイは、流れに上手く乗りつつ、前は急激な加速を問われて苦しいところを段階的に押し上げてきた分、最後までしぶとく脚を残せたかな、というイメージですね。
 ここまでの強敵相手の善戦はあるので拾うか悩んだんですけど、馬格がない馬なのでそこで嫌っちゃったんですよねー。後述しますがディープの仔だとそれがより顕著に嵌るのですけど、全てに完璧に当て嵌まるわけではないですし、同じコース・距離でウインブライトから0,7秒差、というのを素直に受け止めておくべきでした。
 そしてこの点の比較でも、ファンディーナ>ウインブライトの図式が見えてしまう今年の牡馬戦線の脆弱さ、ですよね…………。

 3着ドロウアカードは、うーん惜しい、もう一粘り足りませんでしたね。
 ただ道中のペースコントロールは流石の一言でしたし、ファンディーナが番手で悠々構えてくれたおかげで本仕掛けを待てたのも良かったでしょう。勝ち馬には一瞬で交わされましたけど、むしろ一瞬過ぎて競り負けた、って馬自身が思わなかったのかな、ってくらいラストまでしぶとく脚を使えていましたし、よく健闘したと思います。
 この感じだと距離はもう少しあってもやれそうですし、この馬自身は休み明けで上積みも見込めるので、自分のリズムに徹する競馬が出来ればオークスの権利くらいはどこかで取れるかもしれませんね。

 4着エバープリンセスは、ハービンの仔らしく距離伸ばして時計がかかる馬場で一変、というところですね。
 昨日のトーセンもそうですけれど、ハービンの仔はワンペースで道中淡々と進む流れがベストっぽいですし、そこで脚を溜めれば一瞬は切れる脚を使ってくるので、距離がさらに伸びての警戒は必要かもですね。

 5着ハナレイムーンは、昨日は紙幅の関係で書き漏らしていたんですが、やっぱり先週の中山牝馬のビッシュ宜しく、馬格のないディープの仔は今の中山ではきついよなぁ、と。
 ファンディーナを不安視しなかった要因の一つは雄大な馬格にもありましたし、対してこちらは府中の軽いスピード馬場でこそだろうと見て軽視しました。
 ただレース内容としては思ったより頑張れていて、ポジショニングもあそこまで取れると思っていなかったので、素材面ではファンディーナを除く掲示板組の中では一番と見ていいと思います。まだ賞金が足りない馬ですが、府中のトライアル戦では積極的に狙っていいのではないかと感じましたね。

 さて、ようやく長い3日間開催が終わりましたが、息つく暇もなく、今週はGⅠ高松宮記念を含む4重賞にドバイミーティングと相成ります。
 果たしてネタが多すぎて記事の更新が間に合うか心許ないですが、出来る限り頑張って、しっかり競馬を楽しみたいですね。
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2017 阪神大賞典・スプリングS レース回顧

**★阪神大賞典**

 伝統の長距離重賞阪神大賞典は、サトノダイヤモンドが古馬となり、更に精緻に磨き抜かれた輝きを満天下に示す快勝でした。内容を振り返っていきましょう。

 まず今日の馬場は、基本的に高速気味の馬場だったと思います。
 9Rの1000万下が34,8-11,6-34,1のバランスで、勝ち馬がぶっちぎったとはいえ1,20,5の好時計、10Rも60,5-59,0で後半5Fのロンスパ戦の形でラストまで落とさず2分を切ってきていました。
 ただ完全に素軽い馬場と言う事は勿論なく、ある程度パワーの裏付けがあってこそ時計が出せるイメージで、サトノケンシロウが好位から伸びあぐねたのを見ても、基本的には汎用ディープ向きの馬場ではなかったと感じます。

 展開は中々に混沌としていましたね。
 内からウインはあまりダッシュが良くなく、外のタマモ、マドリードがスッと前に出ていく形になり、その直後にウインとスピリッツがつけていきます。
 しかし隊列が固まりかけたところで、レーヴミストラルがガツンと引っかかって一気に先頭列まで上がっていってしまい、序盤にやや流れが速くなっていきます。

 シュヴァルグランは普通のスタートから枠を利して中団、サトノダイヤモンドは一歩目がややゆったりで、そこから折り合い重視でがっちり抑えていった分、序盤のポジションは後ろから二頭目とシュヴァルグランを見る形になります。
 一周目の勝負所でやや引っかかる様子も見せますが、鞍上がしっかり馬の後ろにつけて折り合わせ、スタンド前ではゆったりした走りを取り戻してジワジワと前に取りついていくのは、有馬記念を彷彿とさせる立ち回りでした。

 そしてスタンド前から一気にウインが動き、ハナを取り切って前走同様に大きく後続を離していく展開になり、結果としてレース全体的にあまりガクンとペースが落ち着くことなく勝負所に差し掛かります。
 サトノを外に置いたシュヴァルグランが果敢に先に動く競馬を選択し、残り1000m付近から一気に馬群が凝縮していく中での、総合的なスタミナ、持久力が強く問われるレースになり、勝ち時計もレコードに0,1秒差と素晴らしいものでした。
 
 ラップは3F×5で、36,2(12,07)-36,8(12,27)-36,6(12,2)-37,2(12,4)-35,9(11,97)=3,02,6(12,17)と、数字的にも全く淀みのない推移、タフな流れになっています。
 5F×3だと61,5-60,4-60,7で中盤が最も速く、無論これはウインが単騎で離した分はありますが、大体2000m通過でシュヴァルグラン・サトノダイヤモンドの位置で目測1,5秒差くらいなので、この辺りの馬でも62,3-61,0-59,3くらいの推移かな、と感じますし、相当にステイヤー色が強い競馬です。
 故に先行馬では、スタミナに長けるタマモとスピリッツが粘り込んでいますし、最後方で脚を溜められたバジルが3着に食い込んできた、と、レース自体のイメージとしてはこれでいいかなと思いますね。

 勝ったサトノダイヤモンドは、本当に強い競馬を見せてくれたなと思います。
 やはり休み明けで気性面でも多少ちゃかつくところはあり、またレース展開としても普段のポジショニングの良さを捨ててシュヴァルグランの後ろから、と、この辺りではひょっとすると、という気配を醸していなくもありませんでした。
 しかし勝負所から、先に動いたシュヴァルグランをしっかりマークする形で、後半の最速ラップを踏んでいるコーナーで1枚外から楽な手応えで押し上げ、残り200m地点ではほぼ並びかけています。
 そこから持ち前のラストのしぶとさを発揮し、残り100mで追いすがるシュヴァルグランやトーセンバジルをもう一度離す脚を見せての完勝でした。

 大体上位2頭は後半4Fの持続力戦に入っていると思うのですが、推移的には11,6-11,5-11,8-12,3くらいかな、というところで、これだけ全体が流れ、仕掛けも速い中で、ラストを12,3で楽々まとめてくるのはやはりちょっと異質な強さだな、としみじみ感じますね。
 当然一叩きしての上昇は存分に見込めるつくりでしたし、ゴール板前を2度通過するレースだと、どうしても最初の4コーナーで行きたがるところは出てしまいますが、そこさえクリアして本来のポジショニングの良さを発揮できれば、春の天皇賞もしっかり勝ち切ってくれるのではないかと思います。京都の4Fロンスパなら、持続力の差でキタサンは有馬よりも楽に、普通に差せると思うんですよね。
 ともかく、このまま無事に本番を迎えてくれれば、だけですね。

 2着のシュヴァルグランも、福永Jは非常に積極的で持ち味を生かすいい競馬をしてくれたと思います。実際斤量差はあったにせよ、有馬よりは肉薄できていますからね。
 スタミナが問われる流れの中でもスッと動けて長い脚を使えるのはこの馬の最大の武器ですし、去年はそれで楽々勝ち切れた、今年は道中のペースを考えれば去年以上の強い競馬が出来ているとは思うのですが、文字通り相手が悪すぎましたね。
 どうしても淀だとポジショニングの面で後手を踏むし、上位に食い込むには奇抜なアイデアが必要かな、とは思いますが、3番手争いの中ではアルバートとどちらが上手く乗られるか、という勝負になりそうですし、継続騎乗の中での新たな引き出し、可能性を見せて欲しいなと思います。

 3着トーセンバジルは、この距離でロンスパになってどうか、って思ってたんですけど、前がやり合ってくれたのと、仕掛もワンテンポ遅らせてじっくり脚を溜めたのが功を奏した形ですね。
 本質的に長距離向きか疑問視していたところは、きょうの流れで一定やれたことで払拭しましたし、今後は2400m以上の長距離路線に絞ってもいいかな、と思います。前半無理しなければやはり一瞬いい脚は使う馬ですが、持続力はどうしてももう一歩最上位には足りないので、そのあたりを埋める工夫が欲しいですね。

**★スプリングS**

 皐月賞の最後の切符をかけてのスプリングSは、外からウインブライトが燦然たる輝きを放っての一気呵成の差し切りとなりました。しっかり見ていきましょう。

 まず今日の馬場は、金曜に散水情報もあったせいか、予想よりちょっと時計のかかる馬場だったと思います。
 9Rこそ46,0-47,3で1,33,3と好時計でしたが、これはハイペース適正がべらぼうに高いキャンベルジュニアとドーヴァーが千切っているレースで実質OPクラスの競馬をしていますし、500万のマイル戦が47,5-48,6で1,36,1止まり、最終も61,9-59,6とスローからの5Fロンスパ戦ですが、勝ったロッカフラベイビーが千切ってきました。
 全体的にはパワーが要求される、切れ味よりは持久力面が強く生きる馬場だったでしょう。

 その中でのスプリングS、展開はまた見事に内枠勢が前、外枠勢が後ろと綺麗に分かれて、そして能力差があるとはいえ平均ペースのロンスパ戦でガラッと前と後ろが入れ替わる形になりました。
 内3頭の先行争いに外からモンドが加わり、ストロングとエトルがその後ろ、プラチナは枠の差もありそれを見る形でスポット的な中団に入り込みます。
 外の馬ではサトノアレスがやや出負け、アウトライアーズとトリコロールブルーもダッシュがそこまでつかず、4頭の中ではスムーズにゲートをクリアしたウインが一番前、アウトライアーズがインに潜る形で進んでいきます。

 ラップは36,4(12,13)-35,7(11,9)-36,3(12,1)=1,48,4(12,04)という推移になりました。
 綺麗な平均ペースで中盤が最速の5Fロンスパ戦、全体的にスタミナ色は強い競馬で、切れ味はほぼ問われずですが、一応コーナーで11,8-12,1-11,8とわずかに淀みがあり、ここをフラットに押し上げて勢いをつけ切れたか、は結果にそれなりに影響を与えたかなと感じますね。

 勝ったウインブライトは、馬体重も-12kgでスッキリしたシルエット、かなりしっかりした仕上げで望んできたな、という感じです。
 勿論権利が必要な立場での必勝態勢ではあったと思いますし、馬もそれに応えるだけのいい競馬を見せてくれました。
 スタートもスムーズで上位人気勢の中で主導権をしっかり取れた上で、アウトライアーズをインに押し込めながらの道中の立ち回りも意識的なものを感じさせ、いつでも動き出せる体制を整えていたなと感じます。

 レース的には勝手に前がロンスパに持ち込んでくれたのは僥倖でしたが、そうでなければ自分で動いてそうさせていただろうと思いますし、コーナーではかなり外を回しながらもしっかり加速しながら進出、直線入り口では2列目まで押し上げます。
 そこから一脚で一気に出し抜いたプラチナを坂でしっかり捉え、内からのアウトの急襲も抑え込んでの嬉しい戴冠になりました。

 展開としてはブレーキを踏まずに押し上げて、持久力面を最大に生かせたのがまず勝因ですし、1800mになって前半の追走が楽になっているのもポイントでしょうね。自身61秒の通過からしっかり後半のスムーズな加速を引き出せていますし、ここでは強い競馬だったと思います。
 ただ皐月に向けてを考えると、今回かなりメイチ仕上げに感じた部分と、あと馬場が高速化して、絶対的にペースが上がった時に速度負けしないか、という懸念はなくもなく、多頭数でのポジショニングも含めての課題はありますね。それでもこの組は強いと思っていますし、本番でも楽しみです。

 2着のアウトライアーズは、今日に関しては枠の並びでどうしてもスムーズさを欠く部分もあり、また次を踏まえてしっかり折り合い面を重視した感もあっての負けかな、と思います。
 内目を通っていた分だけ、コーナーの淀みで前に合わせる形になり、プラチナとウインには加速地点で出し抜かれる形になりました。
 それでもラスト1Fは一番いい脚で食い込んできているのでやはり地力は確か、賞金的にもこれで楽にはなりましたし、次を考えれば悪くない負け方だったと考えます。
 どちらかと言えばこの馬はもう少し高速化して、より総合力を問われたほうが味が出ると思っていますし、全体のペースが上がる中で次はもう少しポジショニングでも攻めていけると感じますので、おそらく本番も本命か対抗あたりの印はつけるでしょう。

 3着プラチナヴォイスは、個人的には印つけられなかったのが痛恨でしたね…………。能力的には評価してる馬なんですけど、前走を見てまだ今の馬場だと少し足りないか、と思いつつ、トリコロールブルーと最後の一枠で悩んで、結局日和ったのは情けないと大いに反省です。
 今日はポジション的にも流れの中で一番楽な所に入れましたし、少しパワーを要する馬場でも平均で流れた中で、持ち味の一瞬の切れを発揮出来ましたね。
 本当はここで更に人気落としての皐月賞の高速ラップでの穴馬候補でしたが、これで確実に権利は取れて、かつ負け方的にも人気しなそうなので、枠次第ではかなり楽しみになってきました。

 4着サトノアレスは、まあ一周コースで淡々とした持久力戦ならこの程度かな、というのは正直なところですね。
 坂スタートで明確に出負けしましたし、マイル戦でも追走力が61秒の裏付けしかなかったので、今回同様の流れから切れを引き出しきれていない事を考えると、やっぱりステイヤー色の強い競馬では上位には太刀打ちできないかなと感じます。
 高速馬場皐月賞の方がまだ、とは思いますが、その場合追走面で60秒くらいまでには縮めてこないとですし、距離伸びてあの極上の切れ味が引き出せるか、と思うと微妙なのですよねー。今日のラストの伸び切れなさを見ても、ダービーよりはNHKマイルの方がまだ適性は高いのではと考えます。少なくとも本番で、ここの1、2着馬を逆転するのは真っ当では難しいかなと思います。

 5着トリコロールブルーは、うんまぁ上手く乗られていますけどやっぱりこの程度だよね、と、自分の能力適性判断を信じ切れてない弱さに凹んでおります。
 いくらデムーロJでも、追走で汲々の馬でスーッと動いてはこれないですし、純粋に位置取りの差から、後半要素でも若干なりウインに見劣っているわけで、素直にダービー路線に的を絞っていた方がよかったかな、とは思います。
 ただ一応これで61秒ペースには追走の目途は立てたので、距離が伸びたところでならポジショニングもある程度積極的に行けますし、成長も感じているのでダービー路線にはきっちり乗ってきて欲しいですね。
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2017 ファルコンS レース回顧

 中京メインのファルコンSは、コウソクストレートがやや後方から、隼の如く鋭く、とはいきませんでしたがきっちり差し切り初重賞制覇を果たしました。レース内容を振り返っていきましょう。

 馬場は8Rの500万下マイル戦が、46,9-47,3の平均ペースで1,34,2と、この時点で想定よりは少し時計がかかっているかも、とは感じましたね。
 中間の散水量がかなり多かったのでしょうか、やはり馬場傾向は、特に土曜開催は当日判断を重視すべきなんですが、しがなきプロレタリアートとしてはそうも出来ないのが切ないところです。でもそうやって少しスポット外している方が印的には良かったりもするのでなんともはや。

 ともあれ、展開としてはまず赤帽の2頭が先頭争い、レジーナが譲らずハナを取り切ってメイソンが2列目ポケット、外からメイショウオワラが押し上げて番手外を確保します。
 その後ろにジョー、デスティニー、ボンセル、ライズあたりがついていっての雁行状態、コウソクストレートは五分には出たものの折り合い重視で中団やや後ろ、やはり一歩目で躓いたナイトバナレットは最後方からじわっと馬群に取りつく形でレースを進めていきます。

 ラップは34,0(11,33)-11,8-35,3(11,77)=1,21,1(11,58)という推移でした。
 一見ハイペース、なんですが、このレースの肝は4、5F目に11,8-12,1と前が急ブレーキを踏んでいて、そこから11,4-11,8と坂地点で再加速を問われているところにあります。
 時計があまり出なかったのも、この緩みの影響が大きかったと思いますし、先団でインにいた馬は、多かれ少なかれブレーキに合わせる形になってしまっていますね。
 それ故に、4コーナーでは外からフラットに取りついた馬の方がはっきり優位だったと思いますし、先行勢にはちょっと勿体ない競馬になってしまっていたと感じます。

 勝ったコウソクストレートは、やはりスムーズならこれくらいは、ってのはまずあります。
 自身の上がりが34,4ですが、坂地点ではそこまで詰め切れておらず、ラストでもジリジリ、なので数字的には11,5-11,3-11,6くらいなのかな、という感触で、コーナー地点で楽に前に取りつけたのが最大の勝因ではあったとかんじますね。
 とはいえ、自身平均くらいの走破でしっかり脚は引き出せましたし、やはり追走力、加速力、持続力と全てが平均的に高い、総合力で勝負出来るタイプなので、折り合いさえしっかりつけば本番でも圏内争いくらいは出来ても、とは思います。

 2着のボンセルヴィーソは、事前の検討ではこの枠がどうか、と思いましたが、結果的にいい方に転びましたし、上手くバランスを取って乗ってくれたと思います。
 スタートは良かったですが、内の馬が速いので無理には出していかずに2列目の中目くらいでじっくり構えたのは正解でしたし、前がブレーキを踏む地点でも、自身枠なりにやや外目にいた分だけ壁にならずスムーズに進出出来ました。
 また追走力の面でも今までより一段上のステージで勝負出来ていましたし、競馬の幅を広げてきたので、これなら府中マイルでも警戒はしないといけないですね。距離的にマイルの方がよりスムーズなのは間違いないので、勝ち馬とは逆転出来る要素は多いと思います。

 3着メイソンジュニアは、単純に横の比較でやっぱり1200m路線では一番上だったかな、とは感じさせる走りでしたね。
 序盤は外から被される形で苦しかったと思いますが、それでもきちんと折り合って追走できていましたし、直線もブレーキを踏まされた後インに潜り込んでの加速が中々良く、最後までしぶとく脚を伸ばしてきていて、非常に惜しい競馬でした。
 流石にマイルで持続力勝負だとどうか、と思いますが、1200mだったら流れ切らない平均くらい、1400mならやや前傾になりやすい阪神や中京コースで、今後も面白い競馬をしてくると感じます。

 4着ダイイチターミナルはここで飛んでくるのか、って感覚はありますが、よくよく考えればこれまで相手の強いところでこの馬なりに走ってはいたんですよね。
 故にここで相手弱化で差し込んできても不思議はなかったですし、差し届く馬場、展開も味方につけてのラストの持続力は中々でした。今後も相手関係次第、にはなるでしょうが、この感じなら距離はマイルくらいまではやれそうですね。

 5着デスティニーソングは、どうしても馬群の真ん中でブレーキに付き合う形になってしまいましたし、出し抜く脚もメイソンほど鋭くなく、というところで勿体ない競馬でした。
 正直前がフラットに刻んでの時計勝負、消耗戦まで持ち込んでいれば圏内はあったかな、と思いますし、距離はここがギリギリでしょうが、今後1200m路線で古馬相手でもそれなりにはやれるかな、という感触はないことはない、くらいですね。

 ライズスクリューは鞍上が若かったというか、色気を出し過ぎたというか。
 この流れはほぼ予想出来るところですし、フラットに中団くらいで構えていれば追走面でもそこまで苦慮しなかったろうに、とは思いますが、まあ仕方ないですかね。これも経験ですし、予想する側にとっても騎手心理の襞まで見切れるか、というのは難しいところです。

 ナイトバナレットに関しても、まぁ今日はどうしようもないか、とは感じますかね。
 ただ流れ自体は緩みがあってまだ致命的ではなかった、けれど序盤から早め早めにリカバーを取り過ぎて、やっぱり追走力の面で無理が出たんじゃないかな、という止まり方でしたし、そもそも切れる脚もないですから出遅れた時点で、とはなります。

 こういう負け方だとそれ以前のレースレベルが疑問視されるパターンですが、個人的には予想通りの負け方でしたのでそれとこれとは別、と考えていいかな、と思っています。
 ひいらぎ賞はレベルは高い、という判断は、一応明日にはある程度正しく審判が下されることでしょうが、この馬の負けで少しでも人気に影響があるなら狙い目、だとは個人的には思うのですけどね。
 この馬自身はもう少し前半ゆったり入れる距離、1800mくらいを試して欲しいなと。追走やリカバーで楽が出来る状況でないと、コンスタントには食い込んでこられないタイプだと考えます。
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2017 ダイオライト記念 レース回顧

 今年はナイター競馬で開催されたダイオライト記念は、クリソライトが3コーナー先頭から悠々と抜け出して独走、見事に本レース三連覇を達成しました。内容を振り返っていきましょう。

 馬場は昨日今日の雨で重馬場、しかし今日はいつも以上に時計がかかっていた印象ですね。
 結果的にこのレースの勝ち時計が2,37,8と、交流戦になってからはおろか、2400m戦になって以降でも二番目くらいに遅いタイムでの決着となっていて、かつこれでも完璧な消耗戦です。
 他のレースでも1200mで16秒台とか、1600mで45秒台とかまでしか出ておらず、本当に最近の南関はどうしてここまで馬場が重いのか?と。

 レースラップは、37,5-38,8-40,1-41,4=2,37,8というわかりやすい消耗戦になっています。
 特にレース後半6Fは、ほぼずっと13秒台前半を淡々と刻む、息の入りにくい波のない流れで、ラストは14,6と消耗しきっていて、徹頭徹尾持久力特化戦になっていると見ていいでしょう。

 レース展開としては、内からクリソライト、中目からマイネルバイカが主導権を取ろうと押していく中、外から勢いをつけたマイネルトゥランの出足が断然で一気にハナを取り切ります。
 この鋭さに隊列が一気に縦長になり、バイカが離れた二番手、そしてクリソライトは三番手からすぐさま外に持ち出していきます。
 その内からグレナディアーズも強気に先行、ユーロビートはその中央勢4頭の先行争いを見る形で4~5馬身後ろの5番手につける形になります。

 正直、このあたりの主導権争いは少し拍子抜けというか、マイネル勢の連携が全く取れてなかったな、という感じですね。
 少なくとも本質的な持久力にまだ未知の部分があるトゥランが自分からハイペースを演じるのは自殺行為に等しかったと思いますし、こちらが逃げるにしてもせめてバイカとの間隔を意識して、クリソライトを自由に動かさないように、かつペースを平均くらいにまで落とせるように考えるべきだったと思います。
 やはり理想はバイカをじわっとクリソライトの前に出させて、その外から蓋をする位置取りだったと思いますし、結果的にどう走っても今日の馬場ではスタミナ負けしていたとは思いますが、そういう一縷の可能性すら放棄する形になってしまったのは味気ない、ですね。

 このあたり、トゥランの津村Jには今日の馬場の重さが読めてなかったのかな?と言わざるを得ない無謀なダッシュでしたし、その恩恵を受けてクリソライトは楽々自在性を生かせる位置取りを確保しました。
 その上で、最初の4コーナーでバイカを交わし二番手まで押し上げて、極端な緩みを作らせないようにトゥランをつつく態勢を整えたところで、もう今日の武Jのお仕事は終了、大勢は決したなと感じざるを得なかったです。

 勝ったクリソライトは、当然ながらこういう波のない流れの中で持久力にものを言わせる競馬がベストになりますし、コーナーでもこの馬が動いた、というよりは他がばてた、と言った方がいい形でスムーズに進出、流石にラストはかなり落としていますが、食い込んでこられる馬もおらずに大楽勝でした。
 加えて武Jだとコーナーの入り方や回り方もスムーズですし、間違いなく一番手が合っている騎手なんですよねぇ。ただどうしてもダート中距離王道路線でのお手馬が多いだけに、中々乗ってもらえるチャンスがないのが勿体無いところです。
 まだまだ馬自身は衰えてはないなのを証明したと思いますし、今後も条件次第では、ですね。2000mでも戦い方次第では一線級に伍していけるポテンシャルは秘めている馬です。

 2着ユーロビートは、吉原Jの落ち着いた手綱捌きでしたね。
 きちんと今日の馬場を踏まえて、前が速すぎると見てスッと下げつつも射程にはしっかり捉えていて、仕掛けのタイミングもよく直線入り口ではすぐに二番手まで上がってきます。
 そこからクリソライトに詰め寄る事は出来ませんでしたが、後続も一切寄せつけず、長距離路線でなら交流重賞でもまだまだ活躍できる資質を示しました。
 展開的にはベストではないと思いますが、去年のクリソライトとの着差、それに前走金杯での後続との差なども含めて、きちんと自分の能力は出し切っている競馬だったと思います。

 3着ウマノジョーは、前走に続いてステイヤー的資質を存分に示してきたと思いますね。
 南関移籍後も2000m超級のレースで堅実な差し脚を見せていましたし、前走からかなり斤量増があってもここまでやれたのは大したものです。
 父ウイングアローとはまた渋いですし、血統的なイメージ通りの豊富なスタミナは今後も武器になってくると思うので、後はもう少しその持久力を信じてのポジショニングとのバランスの取り方を考えていければ、ユーロビートと並んでの南関長距離路線の雄になれる資質はあると感じました。

 4着グレナディアーズは、思った以上に前目に入り込んでの競馬になってしまって、ここはデムーロJの超積極性が少し裏目に出たかな、と。
 無論これでもマイネル2頭には先着しているように、本質的なスタミナはそれなりに示したと思いますが、ユーロビートの後ろくらいから本来の捲り的な脚の使い方で入ってくれば、3着争いには加わってこられたかな?と思わなくもない、という所ですね。
 この馬も2000m超での交流重賞ならそこそこチャンスはありそうですし、中央でも阪神2000mとか使って欲しい感じですね。

 5着クラージュドールは現状の力関係通り走っているとは思います。
 マイネルバイカは長距離の適性は去年を見ても低いですし、より持久力が問われる流れで崩れているので2000mまでで、トゥランに関しては今日は明らかにオーバーペースではあったと思うので、この経験を糧に一回り成長してくれば、ですね。
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2017 黒船賞 レース回顧

 黒船賞は、上がり馬プラゾンドゥリスがその勢いのままに初重賞制覇を果たしました。レースを振り返ってみましょう。
 馬場は重馬場で、でもかなり時計はかかって力の要る印象でしたね。
 レース展開はほぼ予想通りにニシケンがハナ、グレイスフルリープが番手につけてすぐ後ろに外からブラゾン、その後ろでドリームバレンチノ、キングズガードはちょうど中団くらいでレースを進めていきました。

 ラップは細かく出ないので実況などから推察していきますが、まずテンの2Fが23,7、後半4Fが50,3-39,1なので、向こう正面の直線地点が12,2、レース全体が1,28,2なので、逆算すると1~2コーナー地点は13,2になる計算ですね。
 並べ替えると大体12,5-11,2-13,2-12,2と前半が進んで、後半3Fが平均13,03とかなり消耗している流れになっています。
 イメージとしては最初のコーナーからある程度後続がプレッシャーをかけていって、3~4コーナーでは早めにグレイスフルリープとプラゾンが進出、そこで前の馬が脚を使った分、ラストでラップ自体が加速しない展開になっているのかなと感じます。

 勝ったブラゾンドゥリスは一番いい位置で流れに乗れていましたし、3コーナーからグレイスフルリープが仕掛けていくところでやや置かれている感もありました。
 でも流石剛腕内田J、馬体重のあるダート馬を持たせる腕は見事で、直線で前が消耗する中しっかり外から伸び切る強い競馬だったと思います。
 この印象ですと、むしろ中央より時計のかかる地方の馬場の方が合いそうなイメージですし、今後も交流重賞での活躍が期待できますね。

 2着のキングズガードは上手く乗ってきましたね。
 序盤はやや追走に苦しむ形も、勢いがついた向こう正面からはじわっと前に取りつき、そしてコーナーで外を回さずインに決め打ったややギャンブルな騎乗だったと思います。
 ニシケンがもう少し脚が残っていたらどうだったか、というのはありますが、結果的に上手く前が空いたところでしっかり伸び脚を見せてきましたが、先に抜け出したブラゾンドゥリスには完敗、でもありました。

 結局立ち回りとしては、小回りで前々から勝負できる馬に対してのアドバンテージは薄いですし、今日のように綺麗な形で前が空いても差し込み切れてはいないので、地方の重い馬場、コースがベストではないでしょう。
 それでも実質の頭数的な面で不器用さを相殺は出来ていましたし、交流重賞路線でも戦える目途はつけたと思います。
 けど中央では相手関係や位置取り、地方だと立ち回りでやや見劣って、結果的に善戦止まりになってしまうのはもどかしいところですね。もうひとつ何か武器が欲しい感じです。

 3着グレイスフルリープは、やはり条件が噛み合えばまだ好走してくる余地はあるな、と感じさせますね。
 重い馬場で絶対的な速度を前半で問われなければしっかり脚を使えますし、中央でも斤量面など難しさはありますが、OPクラスならまだ展開ひとつで好走してくると思うので、ペースが上がり切らなそうで、要所の機動力を生かせる場面では甘く見ない方がいいでしょうね。

 4着ドリームバレンチノは、今日は不利もなく前がやり合ってもくれていい展開かな、と思っていたけれど案外でした。
 あまり極端に消耗戦寄りにならない方がいいのかもしれませんし、年も年なので頑張っていると言えばそうですが、評価の難しいところですね。

 5着ニシケンモノノフは、懸念していた前走の反動と、あと今日は早めに徹底的なマークに合って息を入れるタイミングが見つけられなかったのがこの凡走の主因2つになりますかね。
 個人的にもある程度グレイスフルリープも早仕掛けの展開にしてこないと見ていたのですが、中央勢の中の最内で圧倒的一番人気、逃げるしかないという枠組みの中ではちょっと安直に決め過ぎました。それでも消耗戦自体は強い馬の筈なので、状態面も含めて一度立て直しがいるかな、という感触です。
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2017 フィリーズレビュー・中山牝馬S レース回顧

**★フィリーズレビュー**

 桜花賞のラスト三枚の切符を巡って争われたフィリーズレビューは、高速馬場でかなりのハイペースになる中、唐紅に水くくらん、とばかりに、大外から一気にカラクレナイが全馬を飲み込む豪快な差し脚で制しました。詳しく振り返っていきましょう。

 まず展開は、スタートはレーヌミノル、ベルカプリあたりが良く、レーヌは戦前のコメント通りスーッと下げていきますが、ベルは強気に先行策、そのすぐ内からアルミューテンも中々譲らず、その内に二の足のダッシュを効かせたアズールムーンがハナを取り切るという、中々に激しい展開になります。
 ジューヌエコールも好スタートから先団の後ろに取りつき、レーヌは中団くらいにまで下げる競馬を選択、カラクレナイは一歩目はやはり少し遅く、流れには乗っているものの後方二番手、ゲートに突進したらしいゴールドケープが明確に出遅れて最後方からとなります。

 ラップは33,5(11,17)-12,0-35,5(11,83)=1,21,0(11,58)という推移、馬場も良かったですが、それでも予想以上の高速決着にはなりました。
 ただ、この数字を見てもわかる通り、テンが猛烈に速い分中盤の1Fはそこそこ明確に緩んでいて一息は入っています。
 それでも前目で進めるとかなり上質な追走力が問われましたし、結果的にその緩みの地点でフラットに押し上げてきた後続馬に優位な展開になったのは間違いないと思いますね。

 勝ったカラクレナイは、昨日の予想では印を打たない理由を書かなかったのですが、全体的に流れるレースでの追走力と、あともう少し前半がコントロールされれば緩み自体がそんなにない、という可能性も含め、先行の伏兵に有利な流れになると思ったからです。
 ただ蓋を開けてみると前はかなりの激流になってしまった上に緩みで押し上げる余地を与えてしまっているわけで、しかしそこを見逃さないのが流石のデムーロJ、というところですね。
 
 スタート直後から極端にリカバーはせず前半はリズム重視、けれどある程度前の馬群が凝縮してきたところで、見た目にはっきりそうなるワンテンポ前に、きっと緩むと決め打ちして動き出している、それを選択できる胆力があるのは、ゴールドドリームのフェブラリーステークス回顧でも触れましたが、デムーロJの最大の武器と言えます。
 今回はそれに流れがピッタリ嵌りましたし、馬自身も後半4Fで11,5前後の脚を長く使ってきて、ラストもレーヌとの差を見る限りでは大体11,6くらいかなと思います。
 この馬やゴールドケープの位置でもバランス的には34,6-11,6-34,4くらいのフラットとは思うので、一定以上の追走力は示した上で後半要素をしっかり発揮できた、と見るべきでしょうか。

 正直今日の馬場でこのラップ推移だと、持久力の範疇か持続力に踏み込んでいるか見極めにくいのと、後は本番だともっと明確に瞬間的な切れ味の質は問われると思うので、より速いラップを踏んでから同等の持続力を引き出せるか、それが出来れば桜花賞でも展開次第で圏内まで食い込んでくるチャンスはあるかな、とは思わせる脚でした。
 ただ出し切ってあげたいタイプとは思うので、デムーロJが継続騎乗できないのはマイナス、同タイプの騎手を上手くチョイスできれば、というところです。

 2着のレーヌミノルは、思った以上に下げてしまったなぁ、というのはありますが、ラップ的にはそれでもハイバランスでは駆けているのである程度は仕方ないのかなと。
 ただやはり押し上げていくときの加速力、一瞬の質は高いですけど、そこからの持続には課題がある馬なので、あまり早めにそれを使ってしまうと持続力タイプにラスト食い込まれるわけで、1400mまでならもっと追走力を生かした競馬の方が安定して強いのは確かだとは思っています。
 それにああして一気に動かすことで、馬の挙動的にも荒くなっての斜行ですし、もうこの辺はそろそろ浜中Jは完全にリズムも狂っているし、気持ちにゆとりがないのかな、と感じさせてしまいますね。

 馬自身はやはり堅実ですが、前目でハイペースを自分で演出するくらいの、肉を切らせての形でないと強敵相手には常にちょい負けし続けそうなんですよね。でもこのレースの上位は後々スプリント路線には繋がりますし、今は古馬のスプリント路線も混沌としていますから、長いスパンでは楽しみの大きい馬です。

 3着ゴールドケープはまぁ漁夫の利というか、禍福は糾える縄の如しというか。
 基本的には前目で粘り込みたい馬が出遅れたことで最後方からとなりましたが、かなりのハイペースの中でコースロスを減らしつつじわっとスムーズに進出出来ましたし、直線もカラクレナイの後ろからかなり長くいい脚を使ってきて、やはり地力自体はある馬だなと感じましたね。
 とはいえ今日は流れや展開が嵌り過ぎましたし、これでポジション関係なくやれる、とは思わず、基本的には前目からしっかり追走力を生かした競馬をスタイルとして確立して欲しいタイプです。

 4着ジューヌエコールは、やはり相当に不利は痛かった、と思います。
 レース全体が減速傾向の中で、それでも勝負所でもう一足、と伸びかけていたところですから、完全に勢いは削がれましたし、むしろそこからジリジリとでも盛り返しているのは地力の証かな、と感じます。
 この馬自身前半34秒を切るくらいの位置で入っていますし、流れた方が安定するという見立ては間違ってないかな、とは思います。
 むしろデイリー杯は苦手な展開でもポジショニングの良さで勝ち切ったイメージですし、桜花賞でもみんながソウルをマークしに来て、ペース自体が前掛かりになった時にインでじっと我慢して、という競馬が出来ればワンチャンスはあるやもしれませんね。

**★中山牝馬S**

 ヴィクトリアマイルに向けての春の牝馬路線の一翼を担う中山牝馬Sは、良血馬トーセンビクトリーが見事に制しました。どのようなレースだったか回顧していきましょう。

 展開はまずプリメラとパールコードが好スタート、トーセンもいいスタートながらプリメラを行かせてのポケットは予想通りの形でしたね。
 その上で、パールに前に入られるのを嫌ってサンソヴールが少し押して番手外を確保、パールはその外で折り合い重視、内枠を利してクイーンズミラグロやハピネスダンサーが3列目、ギリギリ先団の位置に入ってきました。
 ビッシュも出足はあまり良くなかったですが、昨日に引き続き戸崎Jそこそこ積極的に中団を確保、ただし外には壁がある形で、その少し後ろでマジックタイムはゆったり待機、という隊列になりました。

 ラップ推移は37,8(12,6)-36,7(12,23)-34,9(11,63)=1,49,4(12,17)となっています。
 見ての通りにテンがかなり遅く、中盤も緩んではいませんが淡々としたスローペースで、3コーナー過ぎからペースが徐々に上がって400-200m地点が11,3と顕著に速くなっています。
 当然ながらコーナー地点で前目・インを立ち回ったほうが優位な展開でしたし、外から食い込んでくるにはかなり高い持続力を問われたレースになっていると思いますね。

 勝ったトーセンビクトリーは、ポジショニング自体も良かったですし、やはり加速地点で少し待たされ置かれるところはあったものの、上手く外に持ち出せましたし、そうなれば最後の持続力は非凡、という所を遺憾なく発揮したと思います。
 ベスト距離が見極めづらい馬ですが、パワー馬場よりなら1800mでもう少し流れても対応はできると思います。でも高速マイルは確実に短い&追走力で無理があるので、秋のエリ女に向けてしっかりステップを踏んでいって欲しいですね。
 少なくともマーメイドSあたりは合うと思いますし、夏の北海道開催あたりでも今のポジショニングの良さがあれば十分牡馬に伍して戦っていけるのではないかと感じました。

 2着のマジックタイムは、やはり地力では1枚上、という競馬になったと思います。
 こういう前優位のパターンでも圏内までしっかり食い込んでこられる持続力の高さ、坂地点の伸び脚は流石でしたし、もうちょっと誰かが早めに仕掛けてくれれば、というのはあったでしょうが、この馬の競馬はきちんとしてくれたと言えますかね。これで引退は勿体ないくらいまだまだ強いのですけれど、いい仔を出してくれることを期待しましょう。

 3着クイーンズミラグロも、内枠を利してしっかり食い込んできましたね。
 ペースもここまでゆったりなら全く問題ないですし、トーセンとはポジションの前後の差、マジックタイムには素材的に完敗でしょうがあっちは引退ですし、加速力とそこからの持続力共にそこそこ非凡なので、この馬も2000m前後の高速過ぎないところでなら楽しみが大きいですね。
 ただトーセンほどポジショニング自体が上手いわけではないので、今回のように枠と展開の恩恵があれば、という留保はつきますし、外枠で自分から勝負に行く形だと足りないとは思うので、狙いどころを間違えないように見極めたいタイプです。

 4着パールコードはうーん、ここまでのスローは追走力面でやや不安があった中では僥倖とも言えるところでしたし、自分から勝ちに行ったとはいえ内からクイーンズミラグロに差し込まれているのは、休み明けを差し引いても印象は良くはない、ですかね。
 基本的には秋華賞でも持続力面ではヴィブロスに完敗しているわけで、いい脚は一瞬タイプである以上はもう少し距離を伸ばして、追走力で無理のない範囲で平均的に流れる状況がないと勝ち切るまでは難しいのかな、と思います。
 あとやっぱり、ビッシュの結果も含めて、この世代の生き残っている牝馬ではちょっと一線級には足りないのかな、という感触もより強くなってきたので、その辺の世代レベルも意識しつつ今後を見ていきたいですね。

 5着デニムアンドルビーは、予想的には流石に追走力そのものはともかく、ポジションで置いていかれると思って軽視しましたし、やはりレースが終わってからの差し込み、にはなっています。
 ただやはりその持続力自体はまだまだ非凡ですし、マジックタイムと互角のものは見せているので、より適距離、適コースになってくれば、もう一花はあっても全然不思議ないな、と思わせますね。
 少なくとも屈腱炎明けでの極端な能力の減衰はないと見ますし、好走スポットはかなり狭い馬ですが、持続特化戦になれば牡馬一線級とも戦える素材ですので注視していきたいところです。

 6着ウキヨノカゼも、この距離でここまでやれるのか、というのはありますね。
 元々短距離でもやれる馬だけに、追走自体はもっと楽に出来てもいいのですが、それでポジション取ったらダメ、ってのが追い込み馬の宿命でもありますので、その辺は難しいところです。
 末自体も距離のせいでこれでも多少は削がれている感はありますし、現状は1400m~1600mくらいが合うでしょうか。ヴィクトリアマイルでも、極端に馬場が軽くなく、後半の持続が強く問われる展開だと一発ある可能性を秘めたタイプなので、頭の片隅には置いておきたいですね。

 7着サンソヴールはまぁ、現状の力関係だとここまでか、と。
 愛知杯とは相手関係もですが、あと元々持続力自体はそこまで高くない中で、加速地点で坂か、減速地点で坂かの差は結構大きいと感じましたし、クイーンズミラグロに逆転されたのはそのあたりでしょう。
 マイルでは基本短いですし、2000mでも持続が強く問われるコースだと甘くなりそうですので、その辺で着順を落としての札幌クイーンSあたりが次の狙い目になりそうかな、と考えています。

 そしてグレーターロンドン、強い競馬でしたけど前半通過63秒じゃなぁ、と。
 溜めれば切れるのはわかり切ってる話ですし、今日はラスト200m推定10,6くらいで差し込んでるので、やはり瞬発力の質そのものは特級なんですけれど、それをある程度以上引き出せる幅を計らせて欲しいなぁ、と思いますし、流れても強くあって欲しいので、楽勝してくれたのは嬉しい反面もどかしい競馬でしたね。
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