2017年03月18日

2017 ジョージライダーS レース回顧 その他雑談

**★ジョージライダーS [レース映像](https://www.youtube.com/watch?v=ckMKcSXhQrU)**

 一昨年にはリアルインパクトが制して日本でも話題になったジョージライダーSは、もはや説明不要の名牝ウィンクスの独壇場、圧倒的な連覇達成となりました。
 レース自体は細かく分析するほどのものでもなく、ただこの唖然とするほどの勝ち方を紹介したいだけです。
 これでウィンクスは16連勝、今年の春シーズン(豪州だと秋シーズンですが)の最大目標は2000mのクイーンエリザベスSになる模様です。
 一連のレースぶりを見ても、2000mまでならむしろ距離が伸びた方が強い、というイメージなので、ライバル陣営は今から白旗を上げるしかない状況ではないでしょうか。

**★以下雑談**

 わざわざ一本の記事に仕立てるほど書くことがない話を最初に取り上げたのは、それに託けてもう少しファンディーナの話を膨らませよう、という魂胆ありきだったりします。
 勿論、欧米がまだ本格的なシーズン開幕前の中で、世界の競馬シーンの注目を席巻するウィンクスの勇姿を紹介したい気持ちも強いですが、しかしこのコーナーで少し促すだけで圧巻の加速力を発揮し、後続をほぼ持ったままでぶっちぎるレースぶりを見て、このまま順調に成長を遂げていった時のファンディーナ、という名牝の未来像を重ね合わせるのはロマンのある話でしょう。

 ともあれ、レース回顧記事を書いた時点ではまだコメントなども出揃っていなくて憶測で書いていた部分も多いですが、一連の談話を糾合していく限り、基本的には桜花賞参戦は消極的のように思えます。
 けれど、皐月賞にはそもそも一次登録がされていないようで、わざわざ再度遠征のリスクを払い、追加登録料を払ってまで、というのも考えにくくなりました。個人的にこの馬が皐月賞に出てきたら、前に目標がある限り真面目に真っ直ぐ走るコメントの出ていたプラチナヴォイスが絶好の狙い目になるのでは、なんてところまで妄想していたのですが。。。

 ただし、ダービーには最初から登録があるとも報道されていました。
 前にもどこかで触れたことがありますが、桜花賞と皐月賞はそこまで賞金に差がありませんが、オークスとダービーでは倍以上の差があります。
 施行条件は全く同じ、時期も一週間ずれるだけである限り、どちらでも勝算が見込めるなら、より賞金と名誉の大きい方を狙う、というのは現実的な話になってくると思いますし、実際に今年のメンバーを見渡す限り、ダービーよりオークスのほうが手強くなる可能性も否めません。

 現時点でダービーの本命は?と問われたら、牡馬限定条件でならカデナ、と答えますが、もしアドマイヤミヤビがダービーに回って来るならそちらを上位に取ります。
 これは牡馬が弱い、というよりは、今年の牝馬が強すぎるだけで、もしミヤビやファンディーナがこぞってオークスに回るようなら、2012年のジェンティルドンナのように、ラップ補正込みでもオークス>ダービーという内容になる可能性は結構高いでしょう。

 そう考えれば、今年は普通に矛先をダービーに向ける牝馬は何頭かいても不思議はないと思いますし、ファンディーナも最終目標をそこに置く可能性は充分あると思います。
 その場合のローテーションはまた微妙なところで、使うにしても京都新聞杯や府中のオークス・ダービートライアル戦になります。
 勿論そうやって経験を積むのも大切ですし、まだ素材として未知数な部分があるのも確かですが、将来性まで考えて大切に使うなら、賞金は足りているし、むしろここで一息入れてダービー一本でもいいのではないか、と個人的には考えます。

 上で触れたウィンクスとて、デビュー当初は勝ったり負けたりを繰り返す馬でした。
 それは豪州独特の、春秋シーズンに怒涛のようにレースに使うありようが、まだ体質の固まり切っていない若駒には厳しかったのかな、とも思えるところで。
 無論そうやってレースを使う中で鍛えられる面もあるでしょうが、それでここまで本格化・大成できる馬は稀有で、むしろその素質を開花させられずに潰れていった馬も沢山いるでしょう。

 3戦目にフラワーC勝利と、今年のファンディーナに似た足跡を刻む名牝シーザリオやダンスインザムードも、中2週で桜花賞に使い、シーザリオは生涯唯一の敗戦を、ダンスインザムードは勝ちこそしたものの、圧倒的人気のオークスでは折り合いを欠いて惨敗する結果になっています。
 特にシーザリオ同様距離伸ばしてより良さが出る、と思える同馬には、後々の事も考えてのダービー一本勝負はプラスかな、と思いますし、あまり早い時期に欲をかいた無理使いは避けて欲しいと感じるようになりました。
 今から考えると、シーザリオのフラワーC⇒桜花賞⇒オークス⇒アメリカンオークスってローテーションはあまりにも過酷ですしね。将来性のある若駒の故障引退は本当に切ないですし、去年も綺羅星の如く揃っていた名牝候補達が早期引退に追い込まれていますので、そうならないことを切に願っています。
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2017 高松宮記念 プレビュー

**★はじめに**

 未だファンディーナショックも冷めやらぬ中、それでも時間は何にも平等に進んでいきます。
 今週末は、本格的な春のGⅠシーズン到来を告げる桶狭間電撃戦、高松宮記念が行われますね。

 このレースもスプリントGⅠとしてリニューアルされて以降は全てリアルタイムで観戦しているので趣深いですし、第1回のナリタブライアン参戦の衝撃はまだ生々しく記憶に刻まれています。
 今年は去年の上位3頭が引退や故障などで戦線離脱し、実績馬も休み明けと、路線の世代交代を予感させる混戦模様ですが、さてどのようなレースになるか、現状での所感を綴ってみましょう。

**★レース傾向分析**

 中京コースが改装されてからまだ5年しか経っておらず、このレースに限っても馬場状態が相当にまちまちなので、一貫した傾向というのはフェブラリーSほど明確には見出しにくいです。

 コース形態的にはスタート地点がほぼ平坦で、残り1000m-400m区間でダラダラとハロン1mずつ下り、400-200m地点の勝負所で一気に2m近く上る、メリハリの効いたコース形態になっています。
 秋にスプリンターズSが行われる中山も似たような形状なのですが、決定的に違うのは直線の長さと坂の位置で、それ故に中山電撃戦ほど決定的に流れ切るコースにはなっていない、という感がありますね。

 勿論加速していく2F目が下りなので、そこで競り合っていく形になるとブレーキが効かずに極端なハイペースに振れるパターンもあります。
 ただ、過去5年の前後半だけを馬場状態問わずピックアップすると、34,5-35,8、34,3-33,8、34,5-37,7、34,0-34,5、32,7-34,0となっているんですね。

 去年は超高速馬場で、他にテンに速い馬もいる中、ローレルベローチェがなにがなんでも、と、2F目に10,1なんて極限のラップを踏んで出していったので強烈な前傾戦になりましたが、基本線としては前半は34秒そこそこに収束しやすいレース、と考えてもそんなに無理はないと思います。
 その上で、当日の馬場状態で後半のラップの踏み方が変わってくるレースですので、そこを見極めて、上手く適正に当て嵌めていければ、と考えます。
 データ傾向的には、1400m重賞、或いはタフな馬場での1200m重賞での良績がある馬はかなり高確率で上位に食い込んできますし、逆に京都1200mからはあまりリンクしないコースになっているのですが、この辺りも後傾ラップを踏む形になれば多少は緩和されるかもですので、あまり決めつけずにおきたいですね。

 去年は高松宮記念当週に一気に馬場が超高速化してかなり大きな物議を醸しました。
 運営側としてもその二の轍は踏みたくないでしょうし、それ以前に今年は既にかなりの高速馬場が出来上がっているので、そこから極端に上げ下げするような作り方はしてこないと考えます。

 今のところは天気予報も週頭に降るくらいで週末は微妙ですが傘マークはない、となると、今の馬場ならこのやや低調なメンバー構成でも1,07,5程度は基本線で考えておくべきかな、と思います。
 加えて今年の登録メンバーを眺めて感じるのは、例年なら一頭くらいは確実にいる典型的な快速逃げ馬が不在、という点です。
 上で検討したペース傾向からしても、誰かが押し出されるような展開で極端な前傾はあまり考えにくく(無論ギャンブルに出る馬がいないとは限りませんが)、やはり34,0前後、入っても33秒後半に流れは落ち着くのではないかと今のところは感じています。
 
 となると、ラップバランス的には33,8-33,7くらいの平均ペースが妥当かな、と思いますし、この推移ですとおそらく坂地点での再加速を伴うレースになるでしょう。
 4コーナー手前ではややペースが緩みがちな傾向もありますので、後半が11,3-10,9-11,5くらいの、ロードカナロアが制した年に酷似した流れ、展開になるかなと。極端な追走力は問われず、要所の加速、特に坂加速性能が中団以降から差し込むなら必須になってくるのではないでしょうか。
 勿論枠の並びを見ないと確実には言えませんが、事前検討の段階ではこの素案をベースに適性検討をしていきたいですね。

**★有力馬所感**

・レッドファルクス

 去年のスプリンターズSの勝ち馬であり、実績では当然最上位です。
 この馬は去年のCBC賞がえげつない強さで、超高速馬場下で33,8-33,4という後傾バランスを、道中終始後方外々というロスの多いポジションから突き抜けてみせました。
 上がりが32,7ですが、ラスト1Fで4馬身近く詰めているので大体10,9-10,8-11,0くらいで走破しており、これは凄まじい持続力です。800mからの4Fでも推定43秒台半ばでまとめていますし、コーナー全部外々でこの破壊力は極限的でした。
 坂加速そのものは抜群、とまでは言えませんが、それを補って余りある末脚で、能力全開なら当然この馬が最右翼ではあると考えます。

 今年は香港遠征からの休み明けで、そこに付け入るスキはあるかもしれません。
 ただ鞍上は常に早め早めに動いてくるデムーロJなので、状態以外の面、ふかし遅れからの差し損ねなどは極端な内枠でも引かない限り考えづらいです。まして34秒前後で流れ、多少なり4角で緩むようなら、追走力自体は高くないこの馬にとって鬼に金棒の展開になるでしょう。

 時計面の裏付けもコース適性も確かなだけに、基本線としてはこの馬を負かしうる馬、という観点を持って検討すべきかな、と思っています。
 わかりやすい負けパターンとしては内枠で一番後ろまで下げざるを得ない時の極端なスローか、去年のように終始前傾で緩まずスピード特化の展開くらいかなぁ。どちらもあまり、特に今年のメンバーでは出現しそうにない形ですね。

・メラグラーナ

 今年の当レース最大の上がり馬の一頭になりますね。
 馬が充実期に入ってきたところで、戸崎Jに乗り替わってポジショニングにも融通を見せてきていますし、追走力も多少なり底上げされているので、今年のメンバーなら当然走破圏に入ってきます。

 加えてこの馬の強みは、去年夏のフィリピンTの勝ち方にあると思います。
 このレースは開催はCBC賞の2週間後で、まだ高速馬場を保っている中での後傾バランスで展開したレースですが、それを後方から、自身34,8-33,1のバランスでぶち抜きました。
 特に出色なのが坂地点での圧倒的な切れ味で、レースラップが11,1の地点で3馬身程度楽に詰めてきていて、この一瞬の切れ味の質でならレッドファルクスを凌駕していると言えるでしょう。

 ただやはり持続力では、この馬自身高いものはありますが相対的にレッドには劣るので、そこをどう埋めていくか、ですね。
 斤量面などを考えても去年夏のパフォーマンスそのままではちょっと足りないのは確かで、ただあの当時より今の方がポジションを取れるようになってきています。
 後傾バランスが切れ味を引き出す必須条件とは思いますが、ペース的には落ち着く中で、やや外枠を引けて無理なく中団くらいで追走、自身34,5-33,0くらいの推移で走破するイメージで入ってこられれば、かなり面白いかなと思います。
 併せてその時に、後ろから早めに押し上げるレッドに呼応して、レッドを常に一枚外に張らせる競馬をし、その上で坂地点の加速力で出し抜いて粘り込む、という形なら、レッドを凌ぎ切る絵図が描ける馬ではあると思いますね。

・レッツゴードンキ

 4歳シーズンはやや低迷していましたが、ここにきてキンカメの仔らしく充実期に入ってきた感があります。
 前走は馬体重を一気に増やして不安でしたが杞憂でしたし、よりパワーを備えた脚力は中京にも合うでしょう。
 1200m路線だとややポジショニングで後手を踏む場合が多く、流れ切ってしまえばそれは顕著なのですが、幸い今年はそこまで急流にはなりそうにありません。
 追走力そのものにはほぼ不安はなく、後半要素は全て高いものを持っている総合力のある馬なので、ある程度内枠で中団より前が取れて、スムーズに捌ければ充分に勝機は見出せるかなと思っています。

 去年の当レースでも、詰まらなければ3着はあったかも、という脚勢でしたし、久しぶりに好調期に入ってきた感のある岩田Jとのコンビで、綺麗な競馬でGⅠ2勝目を狙って欲しいと思います。

・ソルヴェイグ

 この馬はテンのダッシュの速さとポジショニングの良さ、要所の反応の良さを兼ね備えた、総合力の高い馬です。
 前走は休み明けでやや緩く、かつはじめての逃げる展開、完全な外伸び馬場が合わさっての敗北でしたが、叩き2走目で状態は上がってくるでしょうし、スプリンターズSのように器用に立ち回れれば当然ここでも勝負になると思っています。

 他に逃げ馬がいないので、また押し出される展開になるとどうかな?という懸念はありますが、田辺Jのほうがそういう局面でのバランスの取り方は上手いかな、と思いますし、当然番手外やポケットが取れれば尚良し、先行勢の中では今のところ最上位に取りたいと考えています。
 少し古いですが、阪神1400mのフィリーズレビューの勝ち方もスプリンター向けのいいものでしたし、極限的な時計勝負になるとわからないですが、7秒前半から半ばまでなら充分対応してくれると思いますね。

・シュウジ

 前走の敗北で株を落としそうですが、この馬の場合は追走力に限界があり、オーバーペースだと脆い、という点は考慮していいと思います。
 今回は目標にされる立場でもありませんし、2列目か3列目で自分のリズムで進めていけると思いますので、余程前傾に流れ切らない限り極端な凡走はしないのではないかと考えています。
 半面1200m路線だと決定的な武器に欠ける馬ではありますので、勝ち切る為には上手くインを掬うなり、或いは敢然と逃げて、ペースと仕掛けをコントロールするなりのアイデアが必要になるでしょう。普通に乗ってくる範囲では連下までの評価に留めたいですね。

・セイウンコウセイ

 今年の上がり馬その2、というところで、近走の安定感と抜群の先行力には面白いものを持っています。
 条件時代ですが府中1400mでの好走もあり、コース適性もそこまで不安はないですが、現状では持ち時計の面でやや足りないところはありますし、後半要素でそれを縮める特別な素質があるとまでは感じませんので、無難に乗っては勝ち切るのは難しいかな、と思っています。京都1200m路線の好走馬は半端に人気して飛ぶのがこのレースのお約束でもあり、判断に悩む1頭ですね。

 アドマイヤムーン産駒自体は超高速馬場でパフォーマンスを上げてくる馬が多いイメージはあり、そこはプラスポイントですが、その点で見るとより面白い馬がいるので、枠の並びなどでかなり恵まれないと、と、今の時点では重い印は回さないつもりで考えています。

・トーキングドラム

 前走は完全に嵌り切っての差し切りで、余勢を駆って7歳にして初GⅠ参戦となります。
 ただこの距離だと追走で相当苦労するのは目に見えていますし、後半多少なり加速する流れの中での武器は、このクラスに入ると持っていないと言えるので、ここは余程展開に恵まれないと、と思いますね。
 強いて言えばそこそこ前半が流れた上で、自身は内枠で何とか中団後ろくらいに食らいつき、勝負所で有力馬が外に行ってぽかっとインが空く、くらいの事がないと、圏内でも狙いにくいかな、と考えています。枠を割いて書きませんが、ヒルノデイバローも同様の評価です。

・フィエロ

 今まで大事に大事に使われてきましたが、8歳にしてはじめて電撃戦への参戦になります。
 ただ全盛期ならともかく、今は1400mでも追走に汲々としている感はあり、果たして1200m戦でついていけるかどうか。
 内田Jなのである程度積極的に、それこそレッドあたりと一緒に動いてくれるかな、という感じはありますが、後半の持続力においても、一瞬の切れも特筆するほどではなく、正攻法ではちょっと難しい条件ではないか、と思いますね。
 それこそファルコンSみたいにコーナーで急激に緩むところで、当面の敵のレッドを内に閉じ込めつつ押し上げてくるとか、それくらいの恩恵がないと勝ち切る事はないと思いますし、圏内までも厳しいかな、と考えています。

・ワンスインナムーン

 実績的には見劣りますが、先行勢の中で意外に面白いんじゃないか、と思っているのがこの馬ですね。
 秋にかけて地力をつけてきたのも当然ありますし、あと3歳春シーズンから、明確に高速馬場適性を見せています。
 この馬もアドマイヤムーン産駒ですが、府中1400mの高速馬場戦で、1,20,1という好時計でセイウンコウセイを千切り捨てており、同じムーン産駒でも、より時計を問われて上げ幅が見込めるのはこっちではないかな、と。

 前走でややタフな馬場での1400mに目途をつけたのもこのレースの適性的には好ましいところですし、コーナーであまり緩まず、坂地点での加速度合いが小さい流れになった時にはあっと驚くシーンを演出しても不思議ではない、と期待しています。

**★思い出の高松宮記念**

 まあこのレースは数あるGⅠの中でもかなり地味なので、あまり鮮烈に思い出せるレースってないんですが(笑)、強いて言うならビリーヴが完勝したレースになりますかね。
 前年に怒涛の連勝でスプリンターズSを制しながらも、香港遠征と休み明け阪急杯の惨敗で大きく株を落としての一戦でしたが、好枠を利して前々に取りつき、32,9-35,2という前傾の流れを楽々乗り切って、直線で圧倒的一番人気、連覇を狙うショウナンカンプを軽々と競り落として突き抜けたレースぶりは素晴らしかったです。

 またこのレースは、安藤勝巳Jの中央移籍後初めてのGⅠ騎乗レースでもあり、兼ねてより存在感を見せていた安藤Jが、その真価を遺憾なく発揮してみせた事でも印象深く、その後の大活躍の礎はこの勝ちっぷりの素晴らしさに秘められている、と感じますね。

 

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2017年03月03日

2017 フラワーC レース回顧

 今日は昼と夜の時間が等しい春分の日、これから春満開の季節に向けて、光輝く時間がどんどん伸びていくことになります。
 そんな日に行われたフラワーCは、正にここから沈むことのない、旭日のごとき栄光の軌跡を刻まん、とばかりに、評判馬ファンディーナが衝撃的な圧勝で重賞初制覇を飾りました。レースを分析していきましょう。

 まず今日の馬場は、やはり昨日と大差はない標準的な馬場だったと思います。
 9Rの1000万下マイル戦が47,1-47,4の平均ペースで1,34,5止まり、日月を通してもほとんど速いラップを踏んだところがない、パワー寄りのタフな馬場と見ていいでしょう。

 坂スタートなので全体的にバラつきはある中、ドロウアカードが絶好のスタートから楽にハナを主張していきます。
 内のデアレガーロはやや行き脚で遅れを取り、外からハナレイムーンとファンディーナが押し上げていって、最終的にファンディーナが完歩の違いによるスピードの差を見せつけるように一番外から番手を取り切りました。
 その後ろにやや掛かり気味にデアレガーロと、1コーナーで少し膨れ気味になったハナレイムーン、そして内からスルスルとディーパワンサもポケットに潜り込んできて、人気上位馬はきっちりファンディーナをマークする、という隊列になります。

 ラップは36,5(12,17)-36,9(12,3)-35,3(11,77)=1,48,7(12,08)という推移でした。
 ドロウアカードが刻んだ流れはややスローながら淀みの少ない、けど道中後方からの押し上げは許さない範疇の絶妙なもので、かつじわっと3コーナーから離しているように見せつつ、実際はそこまで上げておらずに本仕掛けを遅らせる見事な騎乗なのですが、流石にドンと番手で普通に折り合ったファンディーナに大名マークを受けてしまえば、その程度の妙技はあっさり能力で覆されてしまいますね。

 形式的にはスローからの加速性能と瞬発力を伴う3F戦、とみていいですし、先行列でファンディーナに食らいついていった上位勢がその加速に対応しきれずほぼ撃沈し、後方でじっと構えていた馬が2,4着に食い込んでくるという、強い馬が強い競馬をしたときの典型的な形になったと思います。ダイワスカーレットの有馬記念を思い出しましたね。
 ラスト2Fの11,2-11,7は、平均気味に流れた今の中山戦では破格の切れ味と持続力と見做していいですし、実際に先週の中山牝馬Sの11,3-11,8より上、勝ち時計も凌駕しているわけですから素晴らしいの一言。

 昨日のスプリングSは1,48,4ですが、こちらは平均から5Fロンスパで、ラストは12,4とかなり消耗、全馬脚を出し切っての時計ですので、ペースやラップ補正を加味すればこちらのほうが上の競馬はしていると考えていいかなと思います。
 加えて言うと、このレースのファンディーナは、4コーナーで少し促しただけであっさり11,2の切れ味を引き出して先頭、残り400mは自身のラップですので逆算して12,0-11,2-11,7でまとめており、しかも残り200mはほぼ持ったまま、惰性だけで急坂での持続力を難なく引き出してきました。やはり文字通りの怪物ですねこれは。

 強いて言えばまだ今日も61秒ペースなので、マイル戦で前半46秒そこそこ、ってペースに自分から入っていってどうか、という懸念はゼロではないですが、馬自身走る気が旺盛なのに制御も効く感じで、むしろペースが上がったほうがもっと強いのでは?と思わせる凄みがありました。

 ただローテーション的には難しいですね。
 桜花賞に出ても充分勝負になるとはいえ、中山遠征で多少なり馬体を減らしての中2週は決して楽ではなく、印象的には距離は伸びた方がより強い感触はあります。ぶっちゃけ皐月賞に出てきたら、極端な内枠とかでない限り本命打ってしまえるパフォーマンスなのですが、中3週で再度の遠征もそれはそれで辛いので、陣営がどういう選択をするか、その動向には大注目ですね。

 2着のシーズララバイは、流れに上手く乗りつつ、前は急激な加速を問われて苦しいところを段階的に押し上げてきた分、最後までしぶとく脚を残せたかな、というイメージですね。
 ここまでの強敵相手の善戦はあるので拾うか悩んだんですけど、馬格がない馬なのでそこで嫌っちゃったんですよねー。後述しますがディープの仔だとそれがより顕著に嵌るのですけど、全てに完璧に当て嵌まるわけではないですし、同じコース・距離でウインブライトから0,7秒差、というのを素直に受け止めておくべきでした。
 そしてこの点の比較でも、ファンディーナ>ウインブライトの図式が見えてしまう今年の牡馬戦線の脆弱さ、ですよね…………。

 3着ドロウアカードは、うーん惜しい、もう一粘り足りませんでしたね。
 ただ道中のペースコントロールは流石の一言でしたし、ファンディーナが番手で悠々構えてくれたおかげで本仕掛けを待てたのも良かったでしょう。勝ち馬には一瞬で交わされましたけど、むしろ一瞬過ぎて競り負けた、って馬自身が思わなかったのかな、ってくらいラストまでしぶとく脚を使えていましたし、よく健闘したと思います。
 この感じだと距離はもう少しあってもやれそうですし、この馬自身は休み明けで上積みも見込めるので、自分のリズムに徹する競馬が出来ればオークスの権利くらいはどこかで取れるかもしれませんね。

 4着エバープリンセスは、ハービンの仔らしく距離伸ばして時計がかかる馬場で一変、というところですね。
 昨日のトーセンもそうですけれど、ハービンの仔はワンペースで道中淡々と進む流れがベストっぽいですし、そこで脚を溜めれば一瞬は切れる脚を使ってくるので、距離がさらに伸びての警戒は必要かもですね。

 5着ハナレイムーンは、昨日は紙幅の関係で書き漏らしていたんですが、やっぱり先週の中山牝馬のビッシュ宜しく、馬格のないディープの仔は今の中山ではきついよなぁ、と。
 ファンディーナを不安視しなかった要因の一つは雄大な馬格にもありましたし、対してこちらは府中の軽いスピード馬場でこそだろうと見て軽視しました。
 ただレース内容としては思ったより頑張れていて、ポジショニングもあそこまで取れると思っていなかったので、素材面ではファンディーナを除く掲示板組の中では一番と見ていいと思います。まだ賞金が足りない馬ですが、府中のトライアル戦では積極的に狙っていいのではないかと感じましたね。

 さて、ようやく長い3日間開催が終わりましたが、息つく暇もなく、今週はGⅠ高松宮記念を含む4重賞にドバイミーティングと相成ります。
 果たしてネタが多すぎて記事の更新が間に合うか心許ないですが、出来る限り頑張って、しっかり競馬を楽しみたいですね。
posted by clover at 04:35| Comment(0) | レース回顧・中央競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする