2017年01月21日

2017 シルクロードS・根岸S レース回顧

 本日もフェデラーvsナダル戦をじっくり堪能したいので、こちらは早め早めに更新させていただきます。

**★シルクロードS**

 まずシルクロードSはダンスディレクターの綺麗な差し切り勝ちでした。
 多少雨模様でしたが馬場にはさほど影響がなく、ラップは33,9-33,9と綺麗な平均ペースになっていて、後半は11,3-11,1-11,5と若干の加速はあったものの誤差程度、スプリント戦としてのある程度の総合力と切れ味の持続性、あとコース適性が問われた印象ですね。
 展開的にはやはりテンのダッシュではソルヴェイグがかなり鋭く、セカンドテーブルも最近にしてはいい出足を見せており、逆にネロは、一歩目は互角だったものの、最近は二の脚で少し翳りを見せるようになっていて、この並びで番手外まで押し上げるのにちょっと無理した感じでした。

 セイウンはそのネロを見る形、セカンドは巧くポケットに入りこんで、ラインスピリットがその後ろ、ダンスは五分には出たものの馬任せにスーッと下げて中団やや後ろで折り合い専念、という形で、概ねこの辺りは予想通り、流れも予想通りだったかなとは思うのですが、結果だけ全然でしたね。。。

 個々の条件も色々ありますし、力関係や馬場も多少見誤った感はあります。
 全体的に時計はそこそこ出るけれど外差し馬場、というのが昨日より多少顕著だったかな、とは結果を見ても納得の範疇ですが、それでも基本的には全馬力を出し切れる展開、馬場条件だったとは思います。

 勝ったダンスディレクターは、やはり後傾型スプリンターだなぁ、というのが率直な感想ですね。
 前走は1400mと枠もあり、ある程度出していっての競馬でやや破壊力が削がれていましたが、今日はスーッとポジションを下げてきっちり折り合わせ、自身のラップで34,7-33,1という絶妙な後傾バランスに持ち込みました。
 この馬の追走力の分岐点は34,5前後かな、と前々から見ているので、ここまで脚を溜められて、かつスムーズに進路が取れれば持ち前の一瞬の爆発力を遺憾なく発揮できたのかな、と思います。多少時計がかかる馬場もやはり合っていました。

 結局こういうタイプですので、全体時計が7秒前半まで上がってくると届かない、というパターンにはなりがちで、近年の中京はかなり馬場が軽く仕上がっている場合が多いので、流れての時計勝負でも、スローからの瞬発力勝負でもちょっと条件に合わない舞台かな、とは思います。
 ただ多少渋って8秒台に入ってきたりすれば、俄然その破壊力が生きる条件になってくるので、馬場の見極めは次の取捨としては大切になってくる、と同時に、おそらく武Jはドバイ遠征になるから乗り替わり、という所で、誰が鞍上になるかでも、難しい馬ですので変わってくるかなと思います。
 ミッキーアイルが電撃引退しましたので、順当なら浜中Jに戻るのかな、とも思いますが、そのあたりも含めて注目ですね。まだまだきちんと形を作れれば、能力自体に陰りは全くないと思います。

 2着のセイウンコウセイは、正直淀短距離Sのレースレベルを低く見ていて、その上で今回はネロの更に外、という形の中で厳しいかな、と思っていたのですが、思った以上に強かったですし、コース適性も戦績からの想像以上に高かったのかなと感じさせました。
 直線平坦がいい、という以上に、下りからコーナーに入る流れの中での加速の適性が高いイメージですし、スーッと自然に外から仕掛けを待ちつつ追走できているのは強みなのかな、と思いました。あとラインが控えソルヴェイグが逃げ、セカンドがポケットに潜ったことで、雁行の外々でなく一列内側を通せたのもプラスではあったと思います。

 ただいきなり次でどうか、ってのはまた難しい話ですね。
 基本的にアドマイヤムーン産駒って高速巧者・平坦巧者のイメージで、京都がベスト、って馬が結構多い印象なので、坂がありコーナーがきつめの中京での立ち回りが、京都ほど上手く出来るかは未知数、斤量面でも恩恵はなくなるので、いきなり通用は厳しいかもしれません。
 そもそも賞金的に出られるのかも微妙な所でしょうが、成長著しい四歳馬ですし、スプリンターとしては実に王道的、教科書的な競馬が出来るいい馬なので、ここからコツコツ実績を積み上げていって欲しいです。

 3着のセカンドテーブルも、好スタートから一時は番手外を視野、ネロが強引に外から来たところでスッと2列目ポケットに入り込むそつのない競馬でした。
 直線も最内からしぶとく伸びてこの馬の脚は出せているし、やはりこの馬もコース巧者、侮ってはいけなかったですね。私としてはセイウン自体の評価を下げていたので、正攻法で負けた前走を見てもそれ以上は、とセットで嫌ってしまいました。
 実際内が伸びにくい点を踏まえても、セイウンとの力差はそのまま、という感じですし、今後も重賞ではこのあたりが精一杯、にはなってくるのでしょう。それでも適条件のOPなら、まだまだ好走できるのはここ2走でしっかり見せてくれましたね。

 4着のヒルノデイバローは、ちょっと抑えようか悩んだ馬なのでうわっ、て感じでした。。。
 実際去年のシルクロードも、ほぼ初芝だったはずの条件で鬼脚を使っていて、その後どこかで穴を開けるかも、と注視していた馬なのですよね。
 この馬もはっきり後傾パターンが合うし、下りの惰性で外に回せる京都適性は高いのでしょう。その上で相対的にはやや外が伸びる馬場だったし、一瞬届くかな?と思わせるいい脚でした。
 まあでも、ここがほぼベストに近い条件、展開ではあったので、これ以上は中々厳しいのかな、とは思います。

 5着ラインスピリットは、ソルヴェイグが速いのを見てスッと下げたのはいいのですけど、下げ過ぎてセカンドに前に入られてしまったのは勿体なかったですね。先行列でポケットで競馬出来ていれば、3着だったのはこの馬だったんじゃないかな、とは思いましたし、やはり流れにくい京都の1200mはベスト条件に近いのは間違いないでしょう。
 この枠の利を上手く生かせなかったとは思いますし、今後もペースが上がらなさそうなところで上手く先行できる組み合わせなら、基本人気しない馬ですし面白い狙い目になっていくと思います。

 ソルヴェイグはスタートは綺麗に切ってくれたけど、逆に良過ぎて逃げる形になってしまったのは結果的に難しかったのかな?というのはまずあります。自身が番手外からプレッシャーをかけたいタイプですし、ネロが早め早めにきていたのも、数字以上につらいものはあったのかなと。
 かつ前走がギリギリのマイナス体重だったとはいえ、流石に立て直しての+18kgは成長分を見込んでも重かったと思いますし、本質的にはハイペース適正の方が高い馬なので、諸々加味すれば悲観するほどひどい内容ではなかったかなとは思っています。
 去年のようにペースが上がっての中京戦はかなり適性があると思っているので、これで人気を落とすようなら改めて狙ってみたいとは思います。

 ネロはやはり去年かなり押せ押せのローテで、最後はあの超重馬場での消耗戦ですから、一息入れて調教では動いていたとはいえ、なのかもしれません。
 あとやはり出足が鈍くなっているので、そこで無理してポジションありき、になると苦しいかもですね。セントウルあたりは好位列からでもしっかり差し込めているし、もう少しバランスを取る意識がないと、良馬場だとやや足りないのは戦績が示す通りなのかもしれません。

**★根岸S**

 こちらもカフジテイクの目の覚めるような後方一気が決まりました。
 展開としては、コーリンが大きく出負け、ノボバカラも立ち遅れるという波乱のスタートの中で、押して押してモンドクラッセがこの距離でもハナを取り切ったのはやや予想外でしたね。
 とはいえモンドは決してスピード型ではないので、そこまでしてもペース自体は上がり切ることはなく、35,0-11,9-36,1とほとんど予想通りの1秒のハイペースに落ち着きました。時計もこの馬場で1,23,0が出れば上々だと思います。

 細かくラップを見ていくと、逃げたモンドが刻んだ流れは微差ではあれ延々と減速ラップの消耗戦、にはなっているのですが、前々に取りついていた馬以外はコーナーで一度息を入れての再加速戦、という形で入っていると思いますし、どうあれどの位置からでも勝負に入れる綺麗な流れでした。それだけに、この着差関係はそのまま力関係と見做してもそんなに問題はないかな、と見ています。

 勝ったカフジテイクは、やや出負けはいつも通りで後方から、ただパトロールで見ると顕著なように、スタートから枠なりではなくちゃんと外目のポジションを取ろうとしていて、このあたりはきちんと馬の適正、しっかりエンジンをかけてからブレーキは踏みたくない、という部分を意識してる乗り方だったと思います。地味ですけどここの立ち回りがまずひとつ、勝つための必要条件ではあったと感じますね。

 道中は後方の外目でゆったり、前のペースも緩まない中で4コーナーからじわっと取り付いていって、直線は遠心力を生かしつつ大外まで持ち出してのスパートとなります。
 レースラップだけだと判断しにくいのですが、残り400mの時点でベストと4馬身くらい、そのベストが前と4馬身くらいのところにいて、そこからのレースラップが12,0、残り200m通過の地点でベストがモンドと2馬身弱、カフジがそのベストと2馬身弱まで一気に詰めているので、推定ですけどやはりこの坂の上り区間でベストが11,5、カフジは11,1くらいの切れ味を発揮していると思いますね。
 自身の3Fも推定ですが11,7-11,1-11,7くらいとなりそうで、やはりある程度全体が加速する余地のある流れの中でだと、こういう群を抜いた切れ味を発揮するのがこの馬の特性なのが今回でもはっきりしたと思います。

 実際に残り400mではだいたい同じラインにいたキングズやエイシンを一瞬で置き去りにしていますし、こういう脚が使える限り、直線の長い府中コースではまず崩れないだろうなぁ、と感じさせますね。
 ラストも自身は減速ラップではありつつも、最大瞬間が桁違いに速いので、その惰性だけでも前は捕まえられる、というイメージそのままの差し切りで、この距離で、斤量差はあったにせよベストウォーリアを撃破できたのは本当に強くなければできないでしょう。フェブラリー本番も相当に有力になってくると思います。

 2着のベストウォーリアもほぼ期待通りの競馬を展開してくれましたね。
 道中は先団を見る位置で進めながら、しっかりコーナーで進路を確保して、ワンテンポ遅らせてから追い出す、強い馬に乗る時の教科書通りの立ち回りでしたし、馬もそれに応えしっかり坂地点でグイッと加速開始、最後までしっかり脚を伸ばしてはいるのですが、カフジの豪脚には抵抗できず、という結果でした。
 内容としては悲観するところはないのですが、やはり本番で勝つ、となると、明確に前傾ラップになる中で追走力を生かした立ち回りをして、差し追い込み勢とのポジション差を作っていく意識が必要かな、と思いますね。枠順にもよりますけれど、今日よりもう一列前で競馬をして欲しい馬です。実際去年のフェブラリーも最序盤の立ち回りで少し下げるところがあったのが、結果的に致命傷だったと思いますしね。

 3着エイシンバッケンは、ある程度流れも向いたとはいえ、そこまで極端な消耗戦にはなり切ってない中で最後しっかり伸びたなぁ、という印象です。
 後方からはいつも通りですし、直線も少し進路に迷う部分があったのは勿体なかったですけど、やはり真骨頂はラストでラップが落ちたところでの食い込みにあるし、ややスムーズさを欠いたとはいえ、後ろからキングズガードを差し切ったのは簡単に出来る芸当ではないので、上位2頭には完敗でも今後GⅢレベルなら充分に手が届くパフォーマンスを見せたと思います。

 4着キングズガードは、まぁ悪くはない、んですけど、いくつか立ち回りと意識の面で不満はありますね。
 今回外枠を引いて、カフジが序盤から外に出そう、という意識を明確に持っていたのに対し、この馬はほとんど序盤は馬なりでてくてく追走、やや内目に潜り込んでコースロスを減らすことで満足している感があり、こちらも基本的に出し切りたい馬ではあるので、その辺ちょっと安易に過ぎたかなと思います。
 かつカフジが出し切ってきたら、一瞬の切れでは負けるのは過去の戦績からも明白なのだから、序盤の攻防に入り込んで、カフジを簡単に外には出さない、くらいの戦略性を持ってレースに入って欲しい馬ではありましたね。

 実際4コーナーで外目に持ち出すもやや進路に迷うところがあり、進路を確保してエンジンをふかす時点では、既にカフジがスピードに乗り切っていてどうにもならない、というレースになってしまいましたし、そのあたりの入り方次第では3着はあったよなぁ、という競馬だったとは思います。まあ厳しいところの話ですけれども。
 実際的に馬の能力として1枚落ちるのは確かですし、今後も重賞でも堅実に食い込んではくる馬でしょうが、勝ち切るにはきちんと戦略が必要なタイプだとも思います。

 5着ニシケンモノノフは、好枠からほぼベストウォーリアと同じ位置で競馬出来たし、そこから加速地点でついていく脚がなかった時点で素直に力負けかな、と思います。この馬自身はもう少し流れてしまってもいいのかな、とは思うのですが、やはり中央で重賞を勝つには、相手関係と展開の利が必要ですね。
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2017 TCK女王杯 レース回顧

 TCK女王杯のレース回顧をしていきますが、まーやっぱり一筋縄ではいかないレースになりましたね。
 ディアマルコが好発からハナを模索する中、内からマイティティーが押して押して先手を取る形となり、レースラップは37,1-38,0-39,0と、極端ではないけれどハイペースとなりました。
 けれど後半4Fは13,2-13,6-12,4-13,0というややトリッキーなラップになっていて、マイティティーが早々と脱落する中で好位勢はフラットに進出しつつも仕掛けを遅らせることに成功し、結果4コーナーから直線入り口で都合1,2秒の急加速が問われています。

 当然大井なのでこういうラップ推移にはなりやすいですが、それでも加速幅としては大きい方ですし、ある程度このペースで脚を残せる追走力、要所での機動力、そしてラストの持久力が平均的に問われた形ではないかと思います。

 勝ったワンミリオンスはまぁ、どうしたってこれまでのレースの中でこの適性は測りにくいわけで、結果的には有る程度タフな馬場にも、この距離にもそれなりの適性があった、という事にはなるでしょう。
 レースは五分のスタートから先団、道中はホワイトフーガを外に置く形で並走し、コーナーではフラットに進出していくリンダリンダの後ろをついていって、直線ではそのインに潜り込みます。
 そこから最速地点でも置いていかれることはなく、そして最後の1Fでグイッと持久力を発揮して押し切ったのは、普通に強い競馬だったと思います。

 なんかマイティティーの失速とか、トーセンの故障とか見ていても、良馬場でもインコースは深くてダメなのかなぁ、と感じる向きもあったのですが、その中でそつなくギリギリ伸びる三分所を選んでの追走、進出は見事でしたし、馬自身も器用さ、切れ味、底力をまとめて高いレベルで証明してきたので、今後牝馬路線では核となる一頭になりそうですね。

 そしてリンダリンダには驚かされましたねー。
 好スタートから二列目の外くらいを追走し、前の二頭が早々に脱落する中でフラットにコーナー外目から進出して4コーナー途中で早々先頭、実質ラスト3Fはほぼこの馬のラップという中で、余力を持ってあの加速戦を演出できたというのは大したものでした。
 実際東京プリンセス賞も、直線で急加速が問われる流れで圧勝しているし、前走は接戦でトーセンに負けていたけれど、この馬としては不得意な消耗戦になっていたから、とも見做せて、前半の追走力を問われつつも一度息を入れての再加速戦、という、先行馬が優位な流れに嵌りこんだ時が一番ベストのパフォーマンスが出るタイプ、ということなのかもしれません。

 ホワイトフーガはまあ、少なくとも正攻法の競馬はしている中でのこの結果をどう受け取るべきか、ってところですかね。
 当然斤量差はある、ここはまだ叩き台でもあったろうし、本質的には流れきっての消耗戦の方が強い、と並べれば言い訳は立つのだけど、でも加速地点ではそこまで見劣ってないのに、ラストの持久力が問われた区間で、ってのはこの馬の資質を踏まえるとちょい不満はなくはない、という感じです。
 まあこの斤量だと、加速の疲労が大きい、と考える事も当然可能ですし、4着以下は大きく離している、時計も予想よりは出してきているところで、純粋に前2頭が強かった、とも見做せるでしょうか。
 とはいえ王道の競馬で恰好はつけたし、今年も牝馬ダート路線を牽引する一頭であることは間違いないですね。

 タマノはこういう加速幅が大きい展開になってしまうと苦しいし、タイニーはもろにインでマイティティーが下がってくるのを捌けなかった時点で終戦、やはり基本的に内枠からの先行は大井の上位レースでは罠になるパターンが多いですよね。
 マイティティーは今日のペースは絶対的な数字としてはそこまできついハイでもないはずだし、やっぱり純粋に軽い馬場専用機なのかなぁ、というところですね。京都や阪神の長めの距離で改めて見直したいところです。
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2017 東海S・AJCC レース回顧

 うーん、今日は中々に三場ともに荒れ模様でしたね。それぞれに要因はありますが、やはり競馬は難しいですし、そもそも展開を当てるのが非常に難しいですねぇ。
 今日はこの後錦織フェデラー戦が見たいので、ちょい簡潔にサクサクと進めていきます。

**★東海S**

 ショウナンアポロンがハナを取り切り、スローに落としてのレース。
 重い馬場とはいえ、ラップは38,1-38,0-37,1=1,53,2と、このクラスのダート戦ではかなりのスローペースに分類できると思いますし、一応向こう正面残り1000mから12秒半ばまで引き上げられてはいるのですけど、それでもまだ緩い中で、更に直線向いてのもう一段の加速が求められた、という形で、スムーズなレース、ポジションを取れた馬で、後半ブレーキをかけずに、という形が理想的ではありましたね。

 勝ったグレンツェンドはスタートでやや後手も、流れが緩い中でじわっとポジションを自然に上げる形で中団を確保し、向こう正面ではやや外目に持ち出してアスカをマーク、被されない位置から早めに動きだして、アスカをブロックするような進路取りでコーナーに入っていきます。
 そこから4コーナーでは一番外を回した分差は詰められないものの、しっかり勢いは乗せて直線、最速地点の坂の上り12,0のところではやはりジリっとしか詰め切れないものの、そこから前が12,7と落としたところでしぶとく食らいつき、待望の重賞制覇を成し遂げました。

 結果的にこのレースが典型的なスローロンスパになった中で、自分から動ける位置を取れていたのは強みでしたし、これでもし馬場が軽くて、前がL2でもっと切れる脚を使ったり、L1まで落とさない競馬を展開したら届かないのでしょうが、相対的に馬場が重くてラストが減速する状況だったのも向いたと思います。
 この結果を見ると、馬場が重くて相対的にどの馬も速い脚が仕えない条件の方が向いているのかな?とも思える部分はありますし、府中マイルのスピード競馬ではユニコーンで完敗を喫していて、追走力的にも今日の流れではまだ測り切れない部分はあるので、本番は扱いが悩ましいですね。今日は確かに外回して強かったですけど、馬場も特殊で人気馬が力を引き出せない流れなのは確かだったとは思います。

 2着のモルトベーネは、結局条件戦でもスローからの要所の加速で勝ち切った競馬がほとんどだったので、今日はロンスパ気味と言っても1段目で本格的には上がり切ってない流れで、そのペースアップも前々内目でじっくり待てた、というのががっちり嵌った印象ですね。
 正直ここまでスローなダート重賞はそんなに出くわさないので、この結果、着順だけを見て次は、とは言えないと思いますが、パターンに嵌ればこのクラスでもやれる力はある、という認識は持っておくべきでしょう。ショウナンあたりは典型的にスローに落としたい逃げ馬ですし、メンバー構成で噛み合う場合はあるかもしれません。

 3着メイショウウタゲはもっとビックリですけれど、まあこの枠から上手く最内まで潜り込んで3列目ポケットで直線、そこからショウナンとモルトがそれなりに動けてスペースも出来ちゃった、という部分で完璧に嵌ったのはあるでしょうね。
 4着ショウナンも上手く自分のペースに持ち込めたし、直線で加速する余力を残せるならしぶとい馬、元々冬の中山で強い馬でしたから今日の馬場も合っていたと見立てておくべきでしょう。

 ピオネロは評価が難しいですね。
 正直テン乗りでやや乗り急いだ感じはあったにせよ、この緩い流れでバテるのは?だし、これまでのダート戦績踏まえても要所で加速できない馬ではないので、これが実力ではないとは思います。
 やはり頓挫明けで出来が良くはなかったのか、或いはネオの仔なのでここまでタフなダート自体が合わなかったか(グレンもそうなので微妙なところですけど)、改めて軽めのダート戦で、主戦に戻って真価を問いたいところです。
 にしても今日の福永Jからの乗り変わり、平場は全部馬券圏内なのに、特別3つだけ派手に飛ぶとかなんなんでしょうね。。。

 アスカノロマンも複合的な敗因を見ていきたいところです。
 まず今日は、スタート時にゲートで暴れた馬がいて、ワンテンポ開くのが遅れた感はあり、一歩目で高脚気味に出てしまった感じはしていて、本来ここまでスター度ダッシュで見劣る馬ではないのに、というのがありました。
 実際チャンピオンズカップでは、12,7-10,7のテンの流れを競り合って入っていけているのに、今日は13,0-11,5と、馬場差はあれ1秒以上遅い流れについていけていないので、その時点で色々と歯車が狂っていた、とは言えます。
 馬体的にも+4kgはやや緩ませたかな?という感じはあり、その辺馬の覇気とかにも影響はあったのかもしれません。少なくとも本来の出足が仕えなかったことは間違いないですね。

 そしてその出の悪さが道中もずっと仇になり、前が早い地点でスローに落とし切る流れで前が壁になりブレーキ、そこからずっと誰かに外から被せられる格好で流れに乗る以外何も出来ず、4コーナーでもかなり窮屈に回らされての直線。
 一応入り口で1頭分のスペースはあり、動けるなら抜け出してきても不思議はないのですが、やはり勢いをつけられない状況でスッと加速するのは難しかったかじりじりとしか詰められず、最後は甘くなっての完敗、でした。
 去年の東海Sを見ても、スローでも勢いをつけられれば要所で加速できる馬ではあるはずなので、その辺もやや不満と言えば不満、しかしあそこまで徹底的にマークされるレースでは辛かったし、元々流れが速い中で一瞬の脚を使えるのが最大の持ち味なので、いい脚を差を詰めるのに使ってしまってはこうなる、と言えるでしょう。

 レース予想戦略としては、ややムラ駆けで、冬場の調整も難しい馬の調子を当てにし過ぎて、流れをアスカの支配で決め打ったのは視野が狭かったですね。うーん、とはいえ最低でも番手は取れると思っていたので仕方ないでしょう。

**★AJCC**

 馬場はほぼ想定通りで、けれど予想よりも外枠の馬の出足が良く、外主導の流れになったことで前半からペースが上がりましたね。
 最終的にクリールカイザーが逃げてのラップが4F-3F-4Fで47,7-36,0-48,2=2,11,9と、12秒を切ってくる高度計を演出する全く淀みのない逃げになりました。
 リアファルがパドックから気負ってる感じで、レースでも前進気勢を抑えきれずに絡んでいったことで、本来ラップを落としたい1~2コーナーで11,9-11,9と全く淀まず、その後もほぼ息を入れる地点なく進んでいるので、基本的には先行馬には苦しい、ある程度中団あたりからゆったり入ってロンスパ、という形で動けた馬に優位だったとは思います。

 勝ったタンタアレグリアは、全てが上手く嵌ったのもあるし、馬が確実に成長していたのもあると思います。
 スタート五分から早めにインを指向して、最終的に中団前目の最内といういいポジションを確保、しっかりスペースを置きつつ流れに乗って、4コーナーでもミライの仕掛けに追随する形でじわっと動きつつ本仕掛けを入り口まで待てる余裕がありました。
 直線入りでクリールが垂れたスペースを躊躇なくつくと、そこからしっかりバテずに脚を持続させて、ゼーヴィントの追撃を抑え切るという完璧な立ち回りで、こちらも嬉しい重賞初制覇を飾りました。

 コーナーで加速戦ではないから、そこまで外を回す不利はなかったにせよ、それでも4頭分外のゼーヴィントや、この流れをピタッと追撃していたミライに比べれば断然楽な競馬はしていて、後半の持久力戦は元々強い馬ですので、ここまでお膳立てが整えば、というところでしたでしょう。
 ただちょっと驚いたのは、この馬は若い頃はどうしても追走力に不安のあった馬で、2000m前後の距離でそれなりに流れると追走力で後半の持久力を削られている感があって、それもありこの距離では足りない、と軽視したのですが、その部分がしっかり解消されてきました。
 今日の流れをあの位置でついて行けたなら、今後も2000m近辺での重賞で、立ち回りひとつ、という競馬は出来るし、元々器用でポジショニングそのものは悪くない馬なので、今後の路線の選択の幅が広がるいい勝利だったと思います。

 2着のゼーヴィントも強い競馬でした。
 スタートはそれなりに積極的、けれど前が流れる気配を見てスッと下げてやはり中団で前を見る形、淡々とした流れを3コーナーからじわっと追撃して4コーナーでは4頭分ほど外、ただコーナー地点は12,2-11,8なのでそこまで大きなロスではなく、しっかり惰性をつけて直線に向きます。
 同じ脚で回ってきたルミナスを一瞬の切れで置き去りにしますが、しかしそこからがやはりややジリっぽく、インを完璧に立ち回ったタンタの持久力に屈しての惜しい2着、だったと思います。

 予想より走れた分は、個人的な印象だとスローロンスパでなく、平均ペースからのロンスパで、後半要素だけでなく前半の要素も均質に問われたことで、元々追走力は備えているこの馬にとっては追い風だったのかなと感じています。
 それでもやはりロンスパだとタンタクラス相手でも甘さを見せる、というのはあるので、これくらい流れてももう少し前受で仕掛けを待つ、という強気な競馬の方がより良さが出るかもしれません。いずれにせよ、今後の中距離路線で注目すべき一頭ですね。

 3着のミライヘノツバサも想定外に強かったですね。伊達に人気にはなっていませんでした。
 どうしてもこれまでの好走実績がドスローからのロンスパに偏っていたのはあって、こういうタイトな流れに自分から入っていってどうかは未知数だったのですけど、むしろこの方が強かった、とはっきり言っていいと思います。純粋に迎春Sから時計的にも詰めているし、別定戦でここまでやれたのは今後が楽しみになりますね。
 枠が良かったとはいえ、この流れにスッと無理なく入っていけるなら、2000mからなら距離の融通は効くと思うし、強気にポジションを取ってくれる内田Jとも手が合っていると思うので、ここから更なる躍進を期待したいです。こういう早めに仕掛けるタイプの先行馬がいるとレースが引き締まりますしね。

 4着ルミナスウォリアーは、ゼーヴィントとは逆にやや前半で急かされ過ぎる流れだった、というのはあると思います。
 その分直線で持ち味の切れと持続力をほぼ引き出せなかったし、ゼーヴィントより更に外、という大味な立ち回りは置いておいても、現状総合力勝負ではこれが実力通り、と見るべきでしょう。
 無論またゆったり入れる条件では見直せますし、これでも崩れていないのですから地力はつけているのは間違いないと思います。

 5着ワンアンドオンリーは、スタートから田辺Jがかなり押していたのですが前進気勢が薄く、外の馬も速くて結局中団と半端なポジションになってしまいました。
 そこから腹をくくってインベタ、直線もタンタの後ろからジリっと伸びてはいるけれど、そこから加速できる余力はないのでいつも通りの善戦止まり、というもどかしい結果になってしまいましたね。
 といって多分、宝塚を見ても今日の流れに先頭列で入っていたら追走力的に足りなかったとは思うし、もう流石に難しいですねぇ。今日でもかなり条件は揃っていたと思ったのですが、日経賞あたりで内枠を引いてスローに支配出来れば、くらいかなぁ、でもゴルアクがいる限り切れ負け必定ですしねぇ…………。

 ナスノセイカンも自分の脚は使っているし、流れるレースでこれだけ詰められたなら、適条件になればOP、或いは重賞でも勝ち切れるチャンスはある馬だと思います。エプソムCあたりで面白いかなぁと感じますね。
 リアファルはまあ今日はレース前に終わっていた感もあるけれど、加えてやはりこの馬もここまで追走力が試されるレースはしたことがなかったので、速い流れの中で持ち味を引き出せるタイプではない、金鯱賞もスローなればこそだった、と、評価自体を下方修正しておくべきでしょう。もう少し長い距離で、ゆったり単騎逃げが見込める条件でどうか、ちゃんと見てみたいところです。

 シングはこの流れではそもそもどうしようもなかったと思うし、バテたところでの接触、転倒は可哀想でしたね。
 ルメールJも今日だけで2回落馬と運に見放されている感がありましたし、一先ず立ち上がれていたので、人馬ともに大怪我ではない事を祈ります。
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