2017年01月05日

2017 中山金杯・京都金杯 レース回顧

**★中山金杯レース回顧**

 まず前提として、思った以上に馬場は重たいままでしたね。ジュニアCが34,2-24,0-36,5という激流で1,34,7止まり、このレースも全体的にはかなり流れて、しかも仕掛けどころもかなり早かったのに2,00,6は、レースレベル自体が微妙なメンバーだったことを差し引いても、コース替わりでここまで回復してこないのは珍しいな、と感じました。
 レースはダノンメジャーが注文を付ける形での逃げ、やはり外主導の先行争いの中でのラップは5F-5Fだと60,4-60,2と綺麗な平均ではありますが、3F-4F-3Fで取ると36,1-47,8-36,7となり、中盤のハロン平均ラップが一番速いという底力を問われる展開。
 出遅れたマイネルフロストの早めの進出がスイッチになる形で向こう正面からの5Fロンスパ戦で最速が3コーナー付近の11,5、そこから延々減速していく消耗戦に近い流れになっていると思いますし、その流れの上げ下げに噛み合った馬、上手く立ち回った馬が上位に来たのではないでしょうか。

 勝ったツクバアズマオーは五分のスタートからやはり後方、レースが淡々と流れる中で向こう正面からじわっと流れに乗って進出しつつ、4コーナーから一気に動き、その惰性を残したままで直線、内から完璧に立ち回ったクラリティを捻じ伏せるように差し切り、コース巧者ぶりを遺憾なく発揮したと思います。
 やはりこの馬としては、前半のペースそのものは極端に速くなく、そこで自分のリズムでついていけた事、そこからレース自体の仕掛けが早い中でスムーズに進出出来たし、ラップ的に見ても11,5のところではそこまで詰めていない、その後の12,0-12,3と減速するところで、コーナリングの巧さを生かしてスルスルっとフラットに上がってこられたのが良かったと感じます。
 フロストみたいに最速ラップの3コーナーで外から押し上げたらそりゃ自殺行為だけど、4コーナーのラップでならそんなに外を回すロスはなかったし、その点でもバッチリ噛み合っての快勝でしたね。

 2着のクラリティスカイも、立ち回りとして完璧だったとはいえ、この斤量、この馬場で新境地を見せたなと思います。
 スタートはそこまで早くはなくて外の馬に少し置かれ気味ながら、そこで変に抑えずフラットに前に取りつき、前が雁行に近い形になっていたのも功を奏し、内枠を利して2列目ポケットをしっかり確保出来たのがまず絶妙でした。
 そこからは、前のスペースを他の馬に潜り込まれない程度に確保しつつ直線までインベタ、入り口で1頭分だけ外に出してスッと抜けてくる、一切ロスのない素晴らしい騎乗だったとは思いますが、外から1頭だけコーナーで勢いをつけ切れたツクバの強襲は凌ぎ切れなかったと。
 個人的にこの馬は、NHKマイルCを勝った時が後半のトップスピード戦だったし、アイルランドTではロンスパ気味の流れの中で切れを引き出せていなかったので、こういうタフな馬場でフラットに入ってくる条件は厳しいかな、と見ていたのですが、むしろ今はこのくらいの距離で、ポジション取って総合力、器用さを生かす方が合うのかもしれませんね。

 3着のシャイニープリンスは逆に勿体ない競馬。
 スタート自体はクラリティより速いくらいだったのに、外の動きを見てスッと抑えてしまったのはなぁ、って思ったし、せめてクラリティの直後を確保する意識が欲しかったなぁとは思います。流れ自体は向いていたと思うけど、流石に4コーナーでインの4列目では届かないし、今日の馬場でスタミナ勝負を怖がった部分もあるのかもだけど、やはり本質的には前目から、の馬だとは思うんですよね。

 シャドウパーティーはやはりここまで時計がかかってくるとスタミナはあるので食い込めるな、って感じで、逆にこの馬が圏内ギリギリ、というレースレベルなのも確かではあるかと思います。
 ストロングタイタンは前半の位置取りはあれでいいと思うのですけど、フロストの仕掛けに対しての対応が半端だったな、ってところで、ペースが上がったところで外に出さずに前との差を詰めてしまって、そこから前が減速するのに外から捲ってきた馬に被せられてスペース失ったのが致命傷でした。
 うーん、なんかパールコードの紫苑Sを思い出しましたし、川田Jは中山だとどうしてもまだ仕掛けの思い切りが半端な気はしますね。無論マイネルの外から勝負に行ってどうか、ってのはあるし、ペース上がったところで置いていかれている感じもあったのでなんともですが、勿体ない競馬にはなってしまいました。




**京都金杯 レース回顧**

 こちらも厳冬期らしく、というべきか、予想よりも一段階馬場が重かったですね。
 やはり外枠不利の京都マイル戦、ということもあり、最序盤内外からみんながポジション取りに行く流れの中で、最終的にはペイシャのハナ、マイネルハニーが外からじわっと取り付いての番手で、ペースが4F-4Fで45,9-46,9、3F-2F-3Fで33,9-23,7-35,2と想定以上に前掛かりになりました。その割に1,32,8ですし、良質な先行力と、その流れの中でしっかり切れを引き出せる馬、それにやはり道中の立ち回りは大きなポイントになったと思います。ただ3~4コーナーで11,7-11,9とそこまで上がり切っていない分だけ、普段よりは外からの押し上げ組にも勝機はあったのかなと感じますね。

 勝ったエアスピネルは五分のスタートから馬のリズムで進めて道中は先団を見る位置くらい、それでもまだ行きたがる素振りは見せつつ、坂の頂上からじわっと仕掛ける感じで押し上げ、コーナーでも3~4頭分外を回して直線、入り口で明確にスパッと切れる脚を使って先頭に躍り出るも、残り200mからはジリジリ、最後は際どくブラックスピネルに迫られるものの、しっかり凌いで久しぶりの重賞制覇となりました。
 この馬自身は前後半ほぼフラットで走破しているかな、というイメージで、それでも一足は削がれない、というあたり、皐月でも見せたように総合的なスピード能力、前傾型の高い素質は感じさせるし、でもやはり最後はこの距離でも甘いんですよね。

 勿論道中外々で自分から押し上げての一番強い競馬をしているのは間違いないのですが、じゃあ距離はマイルがベストか、と言われると、個人的にはもう少し長い方がいいんじゃないかな、って感じました。
 この距離だとどうしてもポジショニングで常に前を取れるとはいかないし、外々回して最後まで突き抜ける持続力はちょっと足りないわけで、2000m前後で安定して2~3番手を取り、ペースを平均に支配して仕掛けを遅らせる、という競馬がベストではないでしょうか。ここは地力で勝ち切れましたし、マイルでも好走スポットはかなり広いのを証明したのは好材料ですが、マイル路線でGⅠを狙う、という観点では少し迫力不足かもしれません。まあ相手関係もあるから一概には言えませんし、この一走で評価を決め打つのは難しいですね。

 2着のブラックスピネルは期待通りの綺麗で卒のない立ち回りでした。
 最内を生かして先行しつつインベタ、直線入り口までじっと仕掛けを我慢して流れに乗り、京都外回りらしく引き込み線でばらけたところでスッと進路を確保、仕掛けを遅らせた分だけ最後までしっかりいい脚を使い、あと一歩までエアスピネルを追い詰めたのは見事でした。
 この馬もやはりフラットには入っていて、今までのイメージよりも前半足を使っても削がれていない感じで、そこは成長や馬体が絞れての体調面もあったでしょうが、これならマイルでもやれる目途は立ちましたね。
 やはりこの馬も基本的には総合力を生かしたいですし、これまではポジショニングが消極的過ぎた面も強かったので(厩舎的な面もありそうなんですけど。。。)、このコンビは継続で先行力と器用さを生かす競馬を続けて欲しいですね。

 3着フィエロも流石に古豪らしい底力は見せてくれました。
 五分のスタートからエアスピネルを見る形、コーナーも極力タイトに回って形は出来たものの、切れ味でエア、持続力でブラックに少しずつ見劣ってのこの結果は、まあローテや斤量、衰えなど総合的に見る必要はあるでしょうけど、元々勝ち切れない馬だし現状の力は出せているのかなと思います。

 4着アストラエンブレムはお約束的にやや出負けして後方から、早々にインに潜り込んで虎視眈々、直線入り口で遠心力を上手く使いつつ3~4頭分外に出して追撃態勢は流石にデムーロJらしいリカバーだったと思いますが、やっぱり本質的にこの馬はハイペース適正は低いな、と。
 シンザン記念でも急流でいいポジションから伸びあぐねたし、今日もスタート以外での流れや進路取りはほぼ完璧に立ち回っていて、それでも最後まで切れ味を維持できていない感はあるので、スピード勝負のマイル戦だと頭打ちになりそうかな、と。自身がスローにコントロールできる流れならマイルでも、ですけど、重賞レベルになるとU字の1800mでゆったり入るレースの方が適正は高い気はします。

 マイネルハニーは逆にハイペース適正高い馬なので、外からしっかりプレッシャーをかけてこの流れに持ち込んだのは、どちらかというと番手を取って満足、のパターンが目立つ大地Jとしては頑張ったとは思いますが、流石にマイルだと他の馬が切れ味を全く引き出せないほどゴリゴリには上げられないし、やっぱり中山金杯の方が良かったんじゃ?とは思ったんですけどね。
 ケントオーもポジショニングは完璧だったんですけど、私の想定より流れた分厳しかったなと思います。マイルだとややスロー、くらいでバランスを取りたい馬だから、その内どこかでスパッと嵌る条件はあると思うし注目はしていきたいところです。

 そしてミッキージョイでもポツンするのか…………と思いきや、しっかりコースロスなしに直線まで持ってきて、結構惜しいとこまで来てるんですよね。。。
 ひとつ前の万葉Sも、ピンポンなんかに乗ってる時点で絶対何かやる、と思ってたら、案の定のスタンド前で馬群から離しての押し上げ。
 その分だけこのレースもすごくステイヤーの資質が求められる、中盤の緩まない面白いレースにはなったし、でもああいうのは力のあるポテンシャル・スタミナタイプでやってこそですからねぇ。春天でアルバートあたりに乗ってやって欲しい、というか、地味にこれそういう営業なんじゃないかと勘ぐってしまいますね。。。
posted by clover at 04:18| Comment(0) | レース回顧・中央競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする